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2026/01/09

くまもりNews
2026年1月4日とよくん、冬ごもりに入りました🍂

大阪府北部の豊能町にある高代寺山の山頂近くに、高代寺というお寺があります。庫裡の横には、クマ2頭を飼育できるクマ舎があります。ここで、雄のツキノワグマ「とよ」が、多くの人たちの愛情に包まれて保護飼育されています。
「とよ」は、10年前、豊能町の山林の中に掛けられたイノシシ罠に錯誤捕獲され、殺処分されそうになっていた、当時推定5歳のクマです。とよは、終生飼育するという条件で、当時の大阪府からようやく飼育許可がおりました。
保護飼育された当初は7月末から、最近は8月から、冬ごもりに向けてとよの食欲はとても旺盛になり、野菜や果物をたくさん食べます。自然界では、クマは木に登ってまだ青いドングリの実から食べ始めますが、私たちは木に登ることができないため、秋にドングリが落ちてくるまで待つしかありません。
ドングリが届き始めてから、食い込み時期は1日5キロくらい与えています。食べずによけているドングリもあるので、どうしてかなと思って殻を割ってみると、中が黒くなっていて食べられないドングリでした。クマは、殻を割らなくても中の実の状態がわかるのでしょうか。すごいです。
秋が深まってくると、今年はいつから冬ごもりに入るのかなと、みんな興味津々になります。
これまでの例だと、皮下脂肪を十分に身に付けて、とよは丸々と太り、やがてだんだん食べなくなってきます。最低気温が氷点下になり、初雪で獣舎の周りが白くなると、とよは寝室に積まれた藁の中にもぐり、自ら冬ごもりを開始します。その間、飲まず食わずで過ごし、春まではもう外には出てきません。
2024年12月20日前後は、最低気温が−2℃の日が続いていたため、自然とドングリを食べなくなっていきました。しかし、2025年の冬は異常な暖冬で、12月後半でも最低気温が氷点下になる日がほとんどなく、日中も暖かい日が多くありました。年末、ドングリを運動場などにたくさん入れておきましたが、こんな暖冬でも冬眠するのだろうかと、皆で心配していました。
1月1日 午前10時(最高気温7℃、最低気温0.3℃)
ドングリを追加しましたが、もうあまり欲しくなさそうで、目はトローン。ゆっくりポリポリ少し食べて、あとはあくびばかりして、ぼーっとしていました。(動画参照)
1月2日 午前10時(最高気温12.1℃、最低気温−1.9℃、12月26日に続き2度目の雪)
ドングリはまだ残っていましたが、果物を欲しそうにしたため、リンゴを1個与えました。
1月3日 午前11時(最高気温15.4℃、最低気温−2.1℃、雪)
ぼーっとしており、残っているドングリを少しポリポリ食べている音がした後、鼻息が聞こえてきました。食べる様子が、少ししんどそうに見えました。
地元の方が、夕方、とよくんは運動場にいなかったよと教えてくださいました。
1月4日 14時(最高気温7.8℃、最低気温0.2℃)
とよくんは寝室に入っていて、もう運動場にはいませんでした。
西側に置いていたドングリは、半分ほど残されたままでした。
結果、今冬のとよの冬眠開始記録は、2026年1月4日となりました。2025年末時点では、どうなるのだろうかと心配しましたが、これで無事、冬眠に入ることができました。
とよの冬ごもり期間は、以前は約3か月間でしたが、ここ数年は2か月と短くなってきています。今年はどうなるのでしょうか。みなさん、春までそっと見守っていきましょう。
最近、テレビで「クマはエサがある限り冬ごもりをしない」とよく言われていますが、元野生で大人になったとよを見ていると、そうではありません。十分に食べて皮下脂肪を蓄え、寒くなれば、クマは自ら冬ごもりに入ります。
以前、動物園のクマが冬ごもりをしない理由を飼育担当者に聞いたことがあります。冬ごもりをされると困るため、餌を少なめに与え、冬ごもりをさせないようにしている、とのことでした。
東北地方では、年が明けた今も、集落の中やその周辺をさまよっているクマの姿が見られるようです。表情はどこか暗く、不安そうに見えます。
なぜ、まだ冬ごもりに入れないのでしょうか。
考えられる理由はいくつかあります。
十分なエサが確保できず、皮下脂肪が足りないために冬ごもりに入れないのかもしれません。十分な脂肪を蓄えないまま冬ごもりに入ると、冬ごもりの途中で命を落とすことがあるとも言われています。
あるいは、母グマを失い、山に戻って冬眠することを知らない子グマなのかもしれません。
それとも、テレビなどで言われるように、集落には柿や生ごみなどのエサがあるため、「まだ食べられる」と判断して冬ごもりをしないことを選んだのでしょうか。
その背景には、私たちがまだ十分に知り得ていない事情が重なっているのかもしれません。

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