お知らせ

2021/12/05

くまもりNews
11/14~11/20 高知県トラスト地で四国のクマさんの餌場づくり 今年度分終了報告

四国のツキノワグマは、高知県と徳島県の境の1000m~1200mの標高帯に、十数頭~数十頭生息しているのみで(NPO法人四国自然史科学研究センターの調査)絶滅が危惧されています。

 

四国山地は、高標高までスギやヒノキの人工林で覆われてしまっており、もはやクマたちの餌場がほとんどありません。

 

熊森は、四国のクマの絶滅を止めるため、高知県香美市にあるクマ生息地の真っただ中の山を2ケ所買い取りました。

①熊森四国第一トラスト地 24ヘクタール

2017年2月購入。ほぼ全域が自然林。

②熊森四国第二トラスト地 25ヘクタール

2018年10月購入。

97%が55年~70年生のスギやヒノキの人工林。

トラスト地内にかけた自動撮影カメラに、何度かクマが撮影されています。(2020.11.22ブログなどに既報)

 

どちらの山も急峻で、昔の道は崩れてなくなっており、登ることさえ困難な山です。

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黄色線内が、2017年取得。青線内2018年取得。画像中央は石立山1708m)

2019年より、第2トラスト地の広葉樹林化開始

まず、現地にあるものを使って、人が通れる道を造りました。

一気に山を乾燥させる皆伐を避けて、山の様子を見ながらくりぬき伐採を進めています。

これまで伐採した人工林跡地が、グーグルアースで確認できます。

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<2021年度 高知県トラスト地広葉樹林化報告>

今年は一週間の作業計画を組みました。

毎日、標高差400mの急峻な山を登り、トラスト地の人工林を伐採し、実のなる木を植樹し続けていきました。

伐採は、地元木頭の森林組合員たち、特別参加は静岡県の熊森会員(森林組合員)、伐採木の処理や実のなる木の植樹は愛媛県熊森会員2名、本部3名で行いました。山も作業も危険が伴うため、今年は、熟練者だけで広葉樹林化に取り組みました。

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作業道を歩む

 

特に大変だったのは、作業初日です。標高700mの石立山登山口から作業現場のある標高1100m地点まで、片道2時間かけて、何十キロもの重さの伐採用具や苗木などの資材を運びあげました。トラスト地に着くとすでにへとへとでした。

しかし、へこたれている場合ではありません。みんなでがんばって、励まし合い、人工林の伐採、切った木の玉切り・枝打ち、枝の片づけと植樹等々をやりこなしました。

 

搬出さえ出来たら伐採木は売れるのですが、架線を張るなどいろいろと地元森林組合にも相談しましたが、地形的に不可能との結論。トラックの入る林道を造るしかありません。しかし、山が急峻すぎるため、そんなことをしたら造った道の部分から山が崩れてしまう恐れがあります。残念ですが、結局、切り捨てるしかありません。

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木が太く育っており、なかなか伐り終わらない

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11/19 トラスト地から、石立山が見えるようになった

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伐採跡地にシカ除け網を張り、実のなる木を植樹していく

 

四国は雪が少ないため、昨年張り巡らしたシカ除け網が倒れずに立っていた。苗木はシカに食べられることなく、無事に育っていた。ラッキー。

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昨年、鹿除け網の中に植えたクリの苗木

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シカ除け網の中の植生が少し回復。網の外は何も生えていなかった。

<2021年~参加者してくださったみなさんの感想~>

●木頭森林組合のHさん

「今回の作業地は比較的平坦な場所でしたので、それ故に木を倒しにくかったです。しかも、太いヒノキが多く、難しい作業でした。しかし、山にだいぶん光が入るようになってきたので、木だけでなく草花も生えてくるのではないかな。蜂など昆虫の生息地にもどればいいな。」

 

●愛媛県会員一柳武志さん

「今年もしんどかったけど、クマをはじめとする野生動物の生息地を再生したり、地元の水源の森の復元につながると思うと、体が動く限り頑張りたいです。」

 

●本部ボランティアSさん

「どこまでお役に立てるのか不安に思いながらの参加でしたが、実践保自然護団体クマモリ活動の真髄を見た思いでした。地元森林組合の方々や他支部の方々と合流し、本部スタッフの指示のもとワーク。前地権者との想いのリレー。熊森協会にしかできないことですね。よき経験をさせていただきました。今後もできる限り参加できればと思います。」

 

●熊森本部スタッフ 藤村 健人

普段から、フィールド活動でアシスタントをしております。今回は、苗木など、何十キロもある重たい荷物を持って登る毎日は、想像以上に大変でした。でも「豊かな森にしたい」という四国の有志の皆様の思いを知ったり、木の伐倒を目の前で見たりと、大変貴重な機会でした。まだやることはたくさんありますが、この場所がクマが棲める豊かな森に戻っていくと嬉しいです。

 

● 現場監督及び作業 熊森本部職員 水見竜哉

今年も無事故で、例年の3倍以上の作業を進めることができました。

徐々に伐り進めていくと、人工林の中に、時折、1本だけの弱弱しいクリの木やミズナラの木が発見されることがあります。これからは思い切り日光を浴びて、大きく元気に育ってほしいです。

このトラスト地ではこの3年間で、計5か所1ヘクタールの人工林を伐採したことになります。

人工林率は97%から93.4%まで下がりました。

この3年間で植えた実のなる木の苗木は93本です。良く育っています。植樹苗以外にヤマモミジやシバグリ、モミジイチゴ、タラノキなど自然に生えてきた植物も見られました。早く、多種多様な植物が茂る森に戻していきたいです。

今後も、着々と四国のクマたちの餌場づくりを進めてまいりますので、みなさん、応援してください。

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 2021年、新たに造った植樹地内にて、作業参加者たちの記念撮影

 

参加してくださったみなさん、応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。(完)

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