計画のタイトル・目的を見直すこと
・タイトル「ヒグマ管理計画」とありますが、ヒグマ対策の目的はヒグマと人との共存であり、そのための棲み分けではないでしょうか。そのためには、「ヒグマの管理」ではなく「ヒグマによる被害を防ぐこと」こそ目指すべきです。「ヒグマ被害防止計画」などとするよう提案します。
また、(道案の)「地域個体群の存続」は、被害の防止とは無関係であるうえ、「地域個体群さえ存続すればいくら駆除してもよい」とも考えられ、共存という理念と相いれません。1-1-(1)の「目的」から除外し、2-3-(2)は削除すべきと考えます。
・とりわけ、1-1-(2)にあるICT技術の活用やヘアトラップ調査は、被害防止につながるとは言えず、そのことに莫大な予算をかけることは無意味だと考えます。
電気柵・有刺鉄線の設置を道の責任で抜本的に強化すること
・ヒグマによる被害を防止するための方策は、何より市街地、農地、牧草地等への出没を防止することを基本に据えるべきです。頭数の多少にかかわらず出没があれば被害が発生しうるので、頭数の調査は被害防止には直接関係がなく、不要です。
・ヒグマは頭脳明晰で、経験による学習能力にたけていることが知られています。出没情報があれば、その経路を特定して電気柵で封鎖すれば、そこから先に行かないことを学習します。出没を防ぐために「一時的な電気柵」「恒久的な有刺鉄線」による経路封鎖が有効であることは周知の事実です。このことを土台とした計画に抜本的に作り変えるべきです。2-3-(1)の電気柵導入の促進は、道の責任で抜本的に予算を組み実施すべきです。
・2021年の標茶町、厚岸町での牛の被害については、「経路封鎖」のための電気柵や有刺鉄線が、事故前はおろか事故後もなんら設けられていません。これでは、被害を与えたヒグマを駆除したところで別の個体が次の被害を招くことは明白です。被害を防ぐには、2-2にある「問題個体の排除」ではなく、出没そのものを防止することこそ必要であり、個体数調整の検討は論外です。経路封鎖の柵の設置へ抜本的な予算を組み推進すべきです。
・1-6-(1)にある2021年の札幌市東区での人身被害については、被害を与える前に出没が確認されたヒグマの位置を特定し、生息地に戻すための電気柵のよる誘導が必要だったと専門家からの指摘がされています。今計画にそうした防止策が組み込むべきです。
「有害性判断」を削除すること
・被害が発生するのは、電気柵などによるヒグマの出没抑止が図られていないからであり、2-3-(1)にあるような保護を重視して捕殺圧を緩めたことのせいにすべきではありません。「有害性」を判断するために徘徊を認めれば、ヒグマが誤って「安全性」を学習して出没を繰り返し、被害を及ぼしかねません。2-1-(2)、2-3-(1)の「指標」「有害性の段階判断」は削除すべきです。また、2-3-(1)にある出没を防ぐための下草刈りは効果が不明であり、削除すべきです。もし有効であるならば、牧草地にヒグマが出没する理由を説明できません。
出没防止のための経路特定・封鎖を専門とする組織を創設すること
・3-(4)については、経路特定と経路封鎖が専門の組織が必要です。道の責任で創設すべきです。
検討会のメンバーを公募すること
・3-(2)「北海道ヒグマ保護管理検討会」は、メンバーを従前どおりにせず、幅広く公募すべきです。
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解説:
・昭和 41 年(1966 年)からは、ヒグマの駆除を積極的に進めるため、捕獲の容易な残雪期の許可捕獲による駆除事業いわゆる「春グマ駆除」(=個体数管理=被害の有無にかかわらず、個体数を低減させるために、山にいるヒグマを撃つ)を開始した。
・平成元年(1989年)個体数の顕著な減少が懸念されたことから、春グマ駆除を廃止した。
・令和4年(2022年)案 (近年、ヒグマを箱罠で捕獲するようになってきたため)銃器による捕獲圧を緩めたことが一因と考えられる人への警戒心が希薄なヒグマが、札幌市などの都市部やその周辺地域など、ここ数年の間に道内各地で頻繁に人の生活域へ出現するようになってきている。道庁は、ヒグマの個体数は増加傾向にあると考え、問題個体の推定や検証手法について確立し、問題個体の排除に向けた管理を進めていくこととするようです。今後は、最新の生息状況などの科学的データを集めて精査し、個体数調整の可能性やあり方などについての検討を早期に開始するということで、今すぐ、個体数調整捕殺を開始しようとしているわけではないとのことです。
参考 北海道ヒグマ管理計画
Aさん
北海道ヒグマ管理計画(第2期)(素案)に対する意見
・タイトル「ヒグマ管理計画」とありますが、ヒグマ対策の目的はヒグマと人との共存であり、そのための棲み分けではないでしょうか。そのためには、「ヒグマの管理」ではなく「ヒグマによる被害を防ぐこと」こそ目指すべきです。「ヒグマ被害防止計画」などとするよう提案します。
また、(道案の)「地域個体群の存続」は、被害の防止とは無関係であるうえ、「地域個体群さえ存続すればいくら駆除してもよい」とも考えられ、共存という理念と相いれません。1-1-(1)の「目的」から除外し、2-3-(2)は削除すべきと考えます。
・とりわけ、1-1-(2)にあるICT技術の活用やヘアトラップ調査は、被害防止につながるとは言えず、そのことに莫大な予算をかけることは無意味だと考えます。
電気柵・有刺鉄線の設置を道の責任で抜本的に強化すること
・ヒグマによる被害を防止するための方策は、何より市街地、農地、牧草地等への出没を防止することを基本に据えるべきです。頭数の多少にかかわらず出没があれば被害が発生しうるので、頭数の調査は被害防止には直接関係がなく、不要です。
・ヒグマは頭脳明晰で、経験による学習能力にたけていることが知られています。出没情報があれば、その経路を特定して電気柵で封鎖すれば、そこから先に行かないことを学習します。出没を防ぐために「一時的な電気柵」「恒久的な有刺鉄線」による経路封鎖が有効であることは周知の事実です。このことを土台とした計画に抜本的に作り変えるべきです。2-3-(1)の電気柵導入の促進は、道の責任で抜本的に予算を組み実施すべきです。
・2021年の標茶町、厚岸町での牛の被害については、「経路封鎖」のための電気柵や有刺鉄線が、事故前はおろか事故後もなんら設けられていません。これでは、被害を与えたヒグマを駆除したところで別の個体が次の被害を招くことは明白です。被害を防ぐには、2-2にある「問題個体の排除」ではなく、出没そのものを防止することこそ必要であり、個体数調整の検討は論外です。経路封鎖の柵の設置へ抜本的な予算を組み推進すべきです。
・1-6-(1)にある2021年の札幌市東区での人身被害については、被害を与える前に出没が確認されたヒグマの位置を特定し、生息地に戻すための電気柵のよる誘導が必要だったと専門家からの指摘がされています。今計画にそうした防止策が組み込むべきです。
「有害性判断」を削除すること
・被害が発生するのは、電気柵などによるヒグマの出没抑止が図られていないからであり、2-3-(1)にあるような保護を重視して捕殺圧を緩めたことのせいにすべきではありません。「有害性」を判断するために徘徊を認めれば、ヒグマが誤って「安全性」を学習して出没を繰り返し、被害を及ぼしかねません。2-1-(2)、2-3-(1)の「指標」「有害性の段階判断」は削除すべきです。また、2-3-(1)にある出没を防ぐための下草刈りは効果が不明であり、削除すべきです。もし有効であるならば、牧草地にヒグマが出没する理由を説明できません。
出没防止のための経路特定・封鎖を専門とする組織を創設すること
・3-(4)については、経路特定と経路封鎖が専門の組織が必要です。道の責任で創設すべきです。
検討会のメンバーを公募すること
・3-(2)「北海道ヒグマ保護管理検討会」は、メンバーを従前どおりにせず、幅広く公募すべきです。
Bさん
まず、北海道ヒグマ保護管理検討会は公募性にしてください。
1.素案の「第2章管理の推進3(1)」のうち「②出没個体の有害制に応じた対応」及び「③問題個体数の動向把握」は不要だから、削除、廃止する。
ヒグマ出没抑止対策に出没ヒグマの有害性の判別は不要なので削除する。
低有害性ヒグマを放置すれば、ヒグマに学習の機会を与えるので、「人を見ても逃げない」、「人里に現れるヒグマ」になり、被害を助長するからです。有害性の有無に関わらず、ヒグマの出没情報を得たら、出没経路を電気柵で封鎖して出没を抑止することを繰り返す対策をすればよいのです。有害性の判別は必要無いのです。
2.素案の「第3章計画の実施に向けて」の「2モニタリング等の調査研究」は不要なので、削除、廃止する。
別の調査研究機関がやるべきことで、北海道の行政が税金を使用して取り組む必要性はありません。別の調査研究機関のデータを活用し、行政に反映させればよいことです。R2年度、R3年度と、各1,600万円もの調査研究費がヒグマ対策費として計上され、ヒグマを芳香剤で誘引してのビデオ撮影費やDNA取得目的に餌で誘引しての体毛採取(ヘア・トラップ)分析費が全部を占め、ヒグマ出没抑止対策費はゼロ円なのはおかしい。生息頭数も誤差幅が膨大で、無意味な調査は廃止するべきです。
3.素案の「第3章計画の実施に向けて」の「3計画の実施体制」の項目に、ヒグマ出没情報を得た時点で迅速に現場へ出向き、出没経路を特定して出没経路を電気柵で封鎖するヒグマ出没抑止対策専従の対策チームを各振興局に創設する提案をしますので、項目を創ってください。
ヒグマ出没抑止対策専従の対策チームは、捕殺を目的とせず、ヒグマの出没抑止を専らとし、山林原野の状況を読め、ヒグマの行動を熟知したハンターを核に据え、各振興局の職員と各市町村の人材で構成し、ヒグマの出没情報を得たら、いち早く現場に駆けつけ、出没経路を特定して、迅速に電気柵で出没経路を封鎖することを専らとする対策チームの創設を提案します。学習能力や判断力のあるヒグマは初期対応が要なので、迅速に出没抑止対策を繰り返すことが必要で、ヒグマにそこから先には行けないことを学習させ、”しつけ”することが効果的な出没抑止対策となるからです。
熊森本部から
熊森本部は、ヒグマとの共存問題の解決に向けて、これまで3人の専門家の方々に付いていただき、何度か北海道各地のヒグマ調査に入りました。北海道は自然環境も人々の暮らしも、本州とかなり違っており、もちろんクマの種類も違います。本部もヒグマとの共存に向けて頑張りますが、北海道に住んでおられる皆さんに取り組んでもらう必要があることを痛感してきました。この度、念願の北海道支部が発足しましたので、今後は、熊森北海道支部の皆さんを中心に取り組んでいただこうと思います。