2022/06/20
くまもりNews日本熊森協会は、クマや野生動物が里に出て来なくても生きられるように、野生動物の棲める森づくりをしていますが、それ以外にも、野生動物と棲み分けが出来るように、野生動物を寄せつけない集落環境づくりのお手伝いをしています。里に来る野生動物をいくら捕殺しても、動物が来やすい環境があれば、また別の動物がやってきます。熊森協会は、捕殺に頼らない棲み分けをめざしています。
現場での対策専門班を作りたい
熊森本部は、クマと人の共存・棲み分けのために、現場での実践活動を行います。潜み場をなくす草刈りや柿もぎを行うためには、時折草刈り機やチェンソーといった機械が必要になることもあるため、専門チームが必要です。
6月16日、刈払い機の特別安全講習を受講したスタッフ向けに、専門スタッフが座学を行いました。翌日は、現場です。

新温泉町の会員の農園で職員が草刈り研修
6月17日、草刈り機の安全講習を受けた熊森本部職員が、兵庫県新温泉町にお住いの熊森会員、本多勇男(89)さんの農園を訪れました。本多さんは元々梨農家を営んでいた方で、今はカボチャやナスといった野菜を育てていらっしゃいます。本多さんは、2017年5月に、梨園の見回りをしていた際に、1頭のクマとばったり遭遇し、けがを負われました。しかし、その時に出会ったクマは自分に対し恐怖を抱き、パニックになっているのを見て、人間を食べようと襲ってきたのではなく、人間が怖かったんだな、と感じたと話されます。その経験から、クマに対して畏怖と畏敬の念をもちつつ、クマに対して愛着を抱くようになったと話されます。今では、地元で一番クマを知る人と称され、近くでクマの目撃情報があれば熊森スタッフに知らせて下さいます。

2017年にクマと遭遇した梨園(跡地)で、当時のお話を聞かせて頂きました。
今回は、クマ対策ということと、草刈り機初心者の現場実習ということで、山際の畑周辺の草刈りをさせて頂きました。
農園はすぐ近くに山があり、背丈の高いススキやササが生い茂ることで、野生動物が農園に出てきやすくなってしまいます。そこで今回、草刈り機の現場講習を兼ねて農園の草刈りをさせて頂きました。安全講習を受講した職員が初めて、野外作業に挑戦しました。

慎重に刃を取り付けます

いざ実践!
初めての草刈り機実践に奮闘
草刈り機はずっしりと重たく、両腕や肩に大きな負荷がかかります。また、安全のためにヘルメットや長靴に加えて長袖長ズボンでの作業となるため、大量の汗をかいて体力を大幅に消耗していきます。適度な水分補給が必要です。怪我人を出さないように一人一人の間隔を空けて、斜面の上から下に向かって刈り取っていきます。ネットを巻き込んだり、木や岩などの硬いものを切ってしまわないように注意して進めていきました。刃の角度は刈るときは水平に、倒れた植物を細かくするときは斜め20度くらいにします。慣れてくると刃の角度と回転スピードの使い分けや刈りやすい姿勢のコツが掴めてきました。注意すべきことがたくさんあって大変でしたが、現場に出て多くの経験を積んで、より多くの人々の役に立てるように頑張ります。

生い茂っていた植物が・・・

綺麗になりました!
獣害に苦しむ農家と共存をめざす
本多さんは17歳の時から梨農家をされてきましたが、近年クマ、イノシシ、シカ、ハクビシンが出てくるようになり、梨が壊滅してしまった年もあったそうです。ある日の早朝に園内の見回りをしていたところ、クマと遭遇して怪我をされてしまいました。本多さんの右腕にはその時の傷が今も残っています。そんなことがあったにもかかわらず、本多さんはクマが大好きだそうです。クマの愛らしさに魅了され、野生動物の命をとても大切にされています。クマ会いたさに周辺の山へよく散策に出かけるそうです。
草刈りの後、本多さんが近くの集落と山を案内してくださいました。付近のスギ人工林は戦後に畑を利用して植えたものだそうです。地元の森林組合がしっかりと管理しているとのことでした。川沿いでは稲作が行われていますが、山に食べ物がないためにシカが出てきてお米を食べてしまうそうです。山はササ枯れをはじめとして下層植生が乏しくなっていました。

クマの目撃があった場所から、山奥へ進むと、面的にササが枯れていた。クマの餌無し
山から見た海はとても綺麗でしたが、本多さんは良き海を守るには森を大切にしなければならないと仰っていました。また人間や部落同士の協力や動物との共存はとても重要だと力強く語ってくださいました。草刈りも共存に必要なことの一つだと思います。経験を積んでよりよい社会に貢献していきたいです。

本多さん(写真中央)と熊森スタッフ。本多さんありがとうございました!
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