2022/11/14
くまもりNews(1) 10月27日(木) 毎日新聞記事要旨
「風力先進県青森」で地元がノー 国内最大級の風力発電計画に“逆風”
県内にすでに300基以上の風車が建ち並ぶ青森県は、風力発電の導入量で全国トップ。2003年に国の構造改革特区の認定を得て国有林での風力発電事業を可能にした。そのお膝元の八甲田山系で計画されている再生可能エネルギー最大手の(株)ユーラスエナジーホールディングス(東京)が手掛ける国内最大級の風力発電、「(仮称)みちのく風力発電事業」を巡り、地元で異論が噴出している。
●青森県三村申吾知事
「再生可能エネルギーだったら何をやってもいいというものではない」と不快感を表明。資材搬入ルートの開発などに伴って大規模な森林伐採がなされれば、地元の水資源や農林水産業そのものに影響しかねない。
●平内町船橋茂久町長
「山と海はつながっている」と町で盛んなホタテ養殖への打撃を警戒。10月に計画に反対する立場を表明した。
●青森市の小野寺晃彦市長
100点という答えはないのがエネルギーの世界だと理解を示す。
●他の地元首長たち
計画を全面的に支持する発言はない。
■八甲田のガイドらが立ち上げた会「Protect Hakkoda」
計画の中止を求める署名7627筆を三村知事と小野寺市長に提出。
■神奈川県弁護士会と第二東京弁護士会有志
2022年9月、現地訪問。
■日本自然保護協会若松伸彦博士(環境学)
再エネの導入自体は推進すべきだが、開発が環境への配慮を欠けば逆効果となってしまう。
(2)10月31日(月)デーリー東北新聞記事 要旨
みちのく風力発電 地下水脈悪化、自然林破壊、乾燥化・・・保護団体反対の声次々と
事業主は計画の一部見直しを余儀なくされており、思わぬ“逆風”に見舞われた形だ。保護団体は、景観の問題だけではなく専門的な知見から環境への影響を指摘し見直しを求めている。
●NPO法人地球守(千葉県)高田宏臣代表理事
土壌や水脈の悪化、地下水汚染、川や海の汚染など、数十年後の影響は計り知れない。
●日本自然保護協会(東京)若松伸彦室長
計画地域の8割が原生の自然林。環境への配慮に欠けた計画は持続可能とは言えない。
●日本熊森協会(兵庫)森山まり子名誉会長
尾根は山の命。尾根を伐採すれば山の乾燥化が進み、ブナが枯れだす。
★事業主(株)ユーラスのコメント
事業区域から「十和田八幡平国立公園」を外すことにします。最大150基としていた風車の数を100基に減らします。年内に、環境影響評価法(=環境アセスメント)第2段階の「方法書」を公開する予定でしたが、未定とします。
熊森から
ユーラスの計画では、生態系保全上とても大切な国有林「緑の回廊」に全面的に風車を建てることになっています。「緑の回廊」に風車を建てた例は、今のところ国内皆無です。ユーラスに前例を作らせないことが大切です。これまでの経験からいうと、事業者は地元住民の反対の声をあらかじめ予測して、最初大ぶろしきを広げておき、住民が事業計画に反対すると、うちも譲歩して計画を縮小しますのでその代わり、建設を認めてくださいと言うことになっています。
その手には乗りませんぞ。クマたちも棲んでいる豊かな八甲田連邦の自然環境を守るため、そして青森の水源を守るため、「みちのく風力発電」が白紙撤回される日まで、みなさん、とことんがんばりましょう。
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