2023/10/10
くまもりNews4日午後4時ごろ、岩手県八幡平市の牛舎敷地内の小屋で餌をあさっていたクマの親子を目撃した男性が、車に乗ってクマを追い詰めたところ、3頭が小屋の上までよじ登ってしまったということです。この親子グマは、猟友会が設置したドラム缶檻で捕獲した後、山に放したそうです。
八幡平市の担当者に電話すると、今年10回目のクマ放獣で、マスコミには一切知らせず、そっと山に逃がしてきたということです。
八幡平市の小屋の上に逃げ込んだ親子グマ
熊森から
八幡平市のクマ対応にホッとしました。秋田県と岩手県、この違いは何なのでしょうか。岩手県には、輪廻転生を信じる宮沢賢治の全生物の生命尊厳思想がまだ残されているということなのでしょうか。
~捕殺に頼らない共存の道を~
今や日本の多くの地域では、クマが山から出て来ると即、罠をかけ、親子グマでも子グマで皆殺処分してしまうようになってしまいました。祖先が見たら、現代人の無慈悲さにショックを受けると思います。
こうしてこの20年間ほど、毎年大量のクマを捕殺し続けてきましたが、クマの出没も人身事故も一向に減らないどころか、増えています。クマを殺し尽くさないと、クマ問題は解決しないのでしょうか。
いえいえ、そんなことをしたら、私たち人間は保水力豊かな水源の森を失ってしまいます。
どうしたらいいのか。
①奥山にクマの棲める食料豊かな自然の森を至急、復元・再生させること。
(来年から一人年間1000円で徴収される森林環境譲与税を使ってください。)
祖先がしていたように、人間は原則として奥山に入らないようにすること。
②クマが山から出てこないよう、緩衝帯や防護柵を設置し、棲み分け対策を実践すること。
③どうしてもクマを捕獲しなければならない事態が生じたら、捕獲後、奥山に放獣する体制を構築すること。
(八幡平市で実施しているのですから、他の町でもその気になればでできるはずです)
私たち令和に生きる人間がめざさなければならないのは、豊かな森を残し、全ての生命と共存する持続可能な社会です。
今は人間だけど、来世は他の動物かもしれないという輪廻の思想が、今の日本人には再び必要です。
他生物にも優しい文明が一番優れている。
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