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2024/02/08

くまもりNews
本当に棲み分けて、共存ができる制度が必要 ~クマを指定管理鳥獣にするとの検討会案を受けて~
本日、環境省のクマ類保護及び管理に関する検討会で、クマの「指定管理鳥獣」に組み入れる案が了承されました。
今後、パブリックコメントがされた上で省令改正が行われます。
クマの大量出没が増える中で、捕獲のより一層の強化が求められて進められてきたクマの「指定管理鳥獣化」ですが、環境省から出てきた「クマ類による被害防止に向けた対策方針(案)」は、サブタイトルに、「人とクマとの棲み分けの推進」と記載され、「クマ類は…ニホンジカ・イノシシとは、繁殖力、個体数の水準、被害の様態が異なることから」…「ニホンジカ・イノシシとは異なる支援メニューを検討する必要がある」と指摘され、ゾーニングにより、人とクマの生活圏を分けていく考え方を強調するなど、捕獲の強化をめざして突き進むものとはなっていませんでした。
日本熊森協会は、指定管理鳥獣にして捕殺を強化する動きに対して、昨年12月に環境省に要望証を提出。「捕殺を強化しても、人身事故はなくならない、①被害対策・環境整備、②生息地・えさ場復元に予算を使ってほしい」と要望しました。
また、昨年末より、「クマを指定管理鳥獣にせず、 人とクマが遭遇しない対策を求める緊急署名」を集め、2月5日に1万4749筆を環境大臣宛に提出しました。
環境省の案には、このような私たちの要望も一定程度、反映されていると感じています。このままでは、共存は不可能になり、地域によってはクマを絶滅させてしまうと、当会に協力して動いてくださった方に感謝申し上げます。
もっとも、今回の案には、放置人工林の深刻な荒廃やナラ枯れの大発生、昆虫の減少、大規模な太陽光発電や風力発電開発など、クマの本来の生息地である奥山の深刻な劣化は指摘されず、クマに生息地や餌場を回復していくことの重要性に触れられていなかったことは大きな問題です。クマが人里へ出て来なくても、暮らしていける環境が残っていなければ、棲み分けはそもそも実現しません。
また、人身事故を減らすために、捕獲よりも最優先にしなければならない、集落や民家周辺の環境整備も、実際にどのように進めていくのか、過疎と高齢化で圧倒的なマンパワーが不足する地域をどう支援していくのかは全く何も決まっていません。
私たちは、人身事故を減らし、棲み分けを実現するために、すべきは、クマを指定管理鳥獣にすることではないと、今も考えています。
本当にしなければならないことは既に明白で、まず調査ではなく、生息地復元と環境整備・被害防除に直ちに費用を出し、取り組むべきです。
クマをはじめとする多様な生き物がつくる最高に豊かな水源の森を日本に遺していくため、今後も、本当の意味でクマと人が棲み分けて共存できる制度をめざし、さらに声を届けていきます。
また、東北や北海道を含む全国にある29の支部と協力し、自然保護の実践活動として、クマとの軋轢に苦しむ地域を支援する輪を広げていきます。

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