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持続可能な開発なんてありえない 6月20、21、22日 国連持続可能な開発会議(リオプラス20)の開催近づく リオデジャネイロ

先日、リオプラス20に日本政府代表として出席される方の話を聞きに行きました。

 

そもそもリオの会議は、1972年、世界のリーダーたちがストックホルムに集まり、環境問題は人類共通の課題と宣言したことから始まっているそうです。人類による地球環境破壊が、人類の生存を脅かすまでになってきた時代でした。

 

20年後の1992年、リオデジャネイロで国連環境開発会議(地球サミット)が開かれ、21世紀に向けて地球環境保全に取り組むための行動計画「アジェンダ21」が採択され、「国連気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」の署名が始まりました。

 

この会議で、12歳の日系カナダ人セヴァン・スズキさんが「オ ゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは 知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみ がえらせるのかあなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。」と大人たちに訴えた演説はすばらしいものでした。世界は地球環境保全に向けて、力を合わせて進みだすかのように見えました。

 

しかし、あれから20年

55億人だった地球人口は26%増加し、70億人を突破。

人間の食料確保のため、森は農地に変えられ、化学肥料の使用増大で、食料生産を増加させてきました。

原発の数は21%増え、世界で500基に達しています。

地球環境は、もう限界に近づいています。

事態はよくなるどころかますます深刻化しているのに、今やリーダーシップをとる国も人もなく、20年前よりトーンダウン。

 

最近、英国科学誌ネイチャーに22人の第一線の研究者集団が、人口爆発、環境破壊、気候変動によって、今世紀中にも、生物圏が不可逆状態に変化し、地球環境は崩壊すると警告する論文を発表したそうです。カリフォルニア大学バーノスキー教授は、この後わずか2~3世代のうちに、地球上の生物の多様性は大幅に失われ、水や農林漁業生産物の入手が大打撃を受けるかもしれないと予測しています。いったんこうなってしまうと、元に戻すことはもう不可能だということです。

 

こんななかで行われるリオプラス20の会議が、まだ持続可能な開発会議という名前なのには、心底がっかりしました。人類は、もう十二分に地球を開発しました。持続可能な世界を求めるのなら、これ以上の開発をやめなければなりません。持続可能な開発などあり得ないのです。発想の大転換が人類に必要です。

 

メタンハイドレードを求めて、最後に残された深海開発を手掛ける計画など、とんでもないことです。これ以上水源域として大切な奥山にトンネル穴をあけまわり、高磁力の弾丸列車をブッ飛ばすリニアモーターカーの建設も、とんでもないことです。人類の自殺行為です。超絶妙のバランスの上に成り立っているたったひとつしかない地球環境に人が手を付けると、取り返しのつかないことになってしまいます。目先の欲でさらなる開発を進めるのは、全生物と子や孫への裏切りです。

 

今こそ、人口爆発を止め、自然を守り、全生物の生存を保障する文明へと、地球文明を転換させなければなりません。右肩上がりの経済成長理論など、人類破滅への道としてとっくに破たんしているのに、国や企業のリーダーたちがいまだにその方向に旗を振っていることに、違和感を感じます。

 

ほとんどの一般国民は、今夏、節電に励もうと、もうその気になっているのに、これまで通りに電気が使えるようにと、国は大量の情報操作を行い危険性を隠して原発を再稼働するのです。

 

リオでは、質素で自然と共に生きる心豊かな本来の日本文明の素晴らしさを、世界の人々に訴えて来ていただきたいものです。

 


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