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尼崎市公立小学校3年生に、熊森職員になって初めての環境教育 「わたしたちに森は必要か」
わたしは、昨春、環境教育担当として熊森に就職したものの、いきなりコロナで、これまで学校で授業させていただく機会がなく、学校外でくまもり紙芝居をさせていただいたことが少しあっただけでした。
1月14日、遂に初授業の日がやってきました。なんと熊森は、この小学校で20年間連続、環境教育をさせていただいているのです。
兵庫県も今、コロナ第3波のまっただなかですが、何とか例年通りのイベントを子供たちに体験させてあげたいという学校側の意向で、コロナ対策を強化しながらの環境教育となりました。例年は、1、3、5年生を1学年ずつ3クラス教室に集めて3時間の授業するのですが、今年は密にならないよう、子供の間を離して、3年生のみ1クラスごとに3回実施です。
まず初めに、自己紹介。
おねえさんが大学4年生の時、研究室にクマが入ってきたのです。こわくなって、クマのことをネットで調べてみて、日本熊森協会を知りました。このことがきっかけで、日本熊森協会に就職し、野生動物や森を守る仕事をしていますと話すと、全員の子供たちの目が私を見ているのを感じました。
次に森の写真を見せて、森はどんなところか発表してもらいました。
明るい、虫がいる、木がいっぱい生えている・・・板書が間に合わないほど次々と子供たちが発言してくれます。
次に、スギの放置人工林の写真を見せて、これも森かな?木がいっぱいあるよというと、子供たちは比較することにより、森とはなにか認識しなおします。
森=いろいろな植物+いろいろな動物+いろいろなび生物
尼崎市には今や森はゼロです。森がどういうものかわかってもらってから、私たちに森は必要かという投げかけをしてみました。
この日は4つの観点を提示して子供たちに考えてもらいました。
時々、ぬいぐるみのツキノワグマの「つっきん」が登場して、情報を提供してくれます。
「昔はね、森にいっぱい食べ物があったんだけど、去年もその前の年も、森のドングリの木が大量に枯れちゃって木の実は実らず、大好きな昆虫もほとんどいなくなっちゃったんだ」
と語ると、子供たちから、一斉に
「どうして」
の疑問が飛び出します。3年生の子供たちにどう説明すればいいのか、一瞬たじろぎました。
「地球温暖化とか酸性雨とかいろいろ言われているけど、まだよくわかりません。どっちにしても人間が原因を作っているようです」フーッ。
ツキノワグマの「つっきん」が、
「ぼくたちおなかがすいてね、食べ物を求めて次々と山から出て行ったんだ。そうしたら、人間が大勢やってきて、みんな鉄砲で撃ち殺しちゃったんだ。ニュースで見たでしょう」
というと、
「かわいそう!」
の声が、子供たちの中から反射的に上がりました。子どもたちにとって、こういうことは理屈ではなく、本能的にかわいそうなのです。
授業も終盤にさしかかりました。
1400万人もの人が毎日水道水を使うのに、どうして琵琶湖の水はなくならないんだろう。実は460 本の川の水が一年中、琵琶湖に注がれています。
滋賀県の全ての川をていねいに熊森スタッフが色塗りした地図を見せると、子供たちはびっくりする前に、
「川はいっぱい分かれてたりするのに何本かわかんない!」という反応。
何のことを言っているのかよくわからなかったので、前に出てきて説明してもらいました。
「(川の)こことかくっついてたり離れてたりしてるよ」と教えてくれる児童
確かにこれはどう数えてるの?と一瞬、私も考えこんでしまいました・・・。
(後で調べたところ、琵琶湖に注ぎ込んでいる川の数というのは、琵琶湖に面している川の本数のみを数えたもので、支流の本数は数えていないとのことでした。)
子どもたちから出る発言は予想外の連続でした・・・
子どもたちの視点はいつも鋭いです。おかげで大変勉強になりました。私も子どもたちのような目で見れたらなぁと思います。
私は初めての授業でドキドキだったのですが、コロナもなんのそのビックリするくらい元気いっぱいな子どもたちに助けられ、なんとか初授業を乗り越えることができました。
3年生だけでもこんなに勉強になったので、他の学年の授業もしてみたくなりました。
コロナの中、子どもたちにすこしでも幅広い体験をと、熊森を呼よんでくださったこの小学校に、心から感謝します。
●熊森協会本部では環境教育部員を募集中!!
これまで、日本熊森協会では、多くの大学生たちが、今、日本で起きている森や野生動物の危機的状況について学び、保育園、幼稚園、小学校に出かけて、後輩たちに環境教育を実施してきました。
学生の皆さん、若者が教える子供たちへの熊森環境教育、学外サークルとして、一緒に取り組みませんか?
関心のある方は、ぜひご応募ください!
電話0798-22-4190
メールconntact@kumamori.org
クヌギが花盛り 雌花と雄花がわかりますか
4月17日、庭のクヌギが花盛りなのに気づきました。
あまりにもきれいなので、見に来ませんかと熊森スタッフに声をかけた次第です。
ところが、2日後の19日に見ると、もう花期が終わってしまったようです。
自然界の移ろいのあまりのはやさに驚きつつ、あわてて写真に撮りました。
クヌギは風媒花だからいいものの、虫媒花だったら、こんな花期の短い花は困りますね。
ちょっと昆虫の訪花の日がずれたら、もう受粉できなくなってしまいます。
4月19日のクヌギの雄花
無数に垂れ下がっている紐のようなものに雄花がびっしりついています。
クヌギは、花と言っても、めしべとおしべがあるだけで花びらはありません。
手前の茶色っぽい雄花はもう花粉を出し終わった感じです。
2日前には写真奥の雄花のようにきれいな黄緑色でした。
雄花をアップで撮影しました。
一つの雄花に、おしべが4本付いています。
びっしり咲いた?雄花
雌花は小さすぎて撮れないので、ネットから写真を探し出しました。
新枝の葉の根元についている2ミリのものが雌花です。
雌花と言っても3つに裂けた柱頭があるだけです。
今年の雌花
クヌギは2年成のドングリなので、今春受粉した雌花がドングリになるのは、来年の秋です。
去年受粉した雌花は、この時期3ミリぐらいになっています。
下の写真が去年受粉した雌花です。
今年の秋には大きなドングリに成長していますよ。
去年の雌花
このクヌギは、熊森協会ができる前の年の秋、山に行った時、あまりにも大きなドングリを見つけて一つ持ち帰り、庭に植えたものです。
数年後には実をつけ始めました。
17年後、胸高直径18センチにまで育ちました。
2013年撮影17年目のクヌギ
この年、このクヌギの木から落ちたドングリの2分の一量の重さを図ってみました。
スーパーのビニール袋がいっぱいになりました。
重さは5キログラムありました。
1本のクヌギから合計10キログラムのドングリが落ちたことになります。
クヌギのドングリ
現在保護飼育中のツキノワグマ「とよ」も、クヌギのドングリは大好きです。
秋の食い込み期には、「とよ」は1日に10キロのドングリを平らげますから、このクヌギの木1本で1日分の食料を得ることができます。
冬ごもりに備えてのツキノワグマの食い込みは、7月末から始まります。
もし、この大きさのクヌギのドングリだけで、1頭のクマが冬ごもりしようと思ったら、このような木が山の中に150本点在していることが必要です。
クマが生息するために、どれだけ広い山が必要か想像すると、気が遠くなりそうです。
クマが生息する自然が残されているということは本当はすごいことで、自慢すべきものなのですが・・・
クヌギの樹液はカブトムシやクワガタ、オオスズメバチなど、葉はウラナミアカシジミ(チョウの一種)の幼虫など、ドングリにはゾウムシなど、もう数えきれないほどのいろいろな動物が、クヌギの木で命をつないでいます。
狭い庭に、クヌギの大木は無理なので、2015年に植木屋さんに伐ってもらいました。
しかし、10日後には切り株から青々とした新芽が出てきて、今また元の大きな木に戻ってしまいました。
切り株から新芽(伐採後50日目に撮影)
クヌギは、青森を除く本州と九州、四国に分布しています。
クヌギは昔から、炭やシイタケのほだ木などに広く利用されています。
古文書を読まれた先生によると、祖先が摂津などから苗木を取り寄せて各地にクヌギを植えて回ったことがわかるそうです。
よって、分布は全国に連続しており、クヌギに地域固有の遺伝子はありません。
皆さんの所では、ドングリの花は終わりましたか?
それともこれからですか?
日本にドングリの種類は21種あります。
クヌギ以外のドングリも春に花が付きます。
ドングリの雌花や雄花をまだ見たことがない人は、ルーペでいつか見てください。
命の不思議さを感じますよ。(完)
都市部に配分された森林環境譲与税の使い道提案(2)市民や子供たちの森林学習に使う
今や国民の9割が、森から離れて都会で暮らす時代です。実は、これはとても怖いことなのです。森に生かされていることを日々実感して森と共に暮らしてきた私たちの祖先の感性が、都会暮らしではすっかり失われてしまいます。
その結果、森の破壊や荒廃に関心のない国民が、大量に誕生してしまっています。(現在の日本の姿)
これは、日本文明崩壊への道です。(森≠林)
そこで、市民や子供たちが、生物の多様性や水源の森の保全の重要性を理解できるような講演会や体験学習が必要となります。
<実践報告>
放置人工林地帯に広葉樹苗を植樹する尼崎市の中学生たち 兵庫県朝来町1998年
1998年秋、尼崎市立園田東中学校3年生330名の義務教育最後の遠足を、当時の学年主任が、奥山人工林地帯での実のなる木の植樹と決めました。
予想通り、最後の遠足は、遊園地でパーッと楽しく遊ばせてほしいという生徒たちから、強いブーイングが出ました。
そこで、体育館に学年全生徒を集め、理科教師2名が、戦後造り過ぎた人工林が放置されて大変なことになっているという話をしました。ひとりは都市出身者、もうひとりは奥山出身者です。
説明会後、遊園地に行きたいという声は生徒たちから消えていました。ひとりの男子生徒が、「先生たちの話を聞いていて、泣きそうになったわ。人工林が大量に放置されて、野生動物や地元農家がえらい困ってるんやな。しょうがないな。山奥行って、広葉樹を植えてやるわ」と言ってきたのを、今も覚えています。(中学生は、まだ純粋なのです)
いよいよ当日。普段より30分早く登校。大型バス8台を連ねて兵庫県朝来町の伊由峠に向かいました。バスが兵庫県の人工林地帯に突入すると、バス酔いで気分が悪くなっていた生徒たちまでもが思わず立ち上がって「ワアーッ」と、びっくりして、窓の外の景色を見ました。
「これは、話に聞いたよりひどい!どこまで行っても、スギ以外何もない。まるで死の世界や。これでは、野生動物たちが山から出て来ざるを得んなあ。農家も大変やなあ」生徒たちの目が輝き出しました。
朝来町から提供された広葉樹の植樹地は、トンネル掘削工事で出た残土置き場です。
ここでまず、地元の方たちから林業や農業の大変な現状を聞かせていただきました。生の声は、生徒たちの胸に響きます。
植樹地は、土が固い上、石も多く、生徒たちは穴掘りや土入れに苦労していましたが、一人残らず目を輝かせて作業に取り組んでいました。(信じられない光景でした)
朝早く出たのに作業に手間取って、お弁当の時間が午後2時にずれ込みました。しかし、みんな喜々として文句ひとつなし。(信じられないできごとでした)
帰りのバスの中で生徒たちが口々に語りました。
・僕ら今日、役に立ったなあ。僕らにも地球環境のためにできることあったんや。うれしかった。(一番多かった声)
・がんばって植樹したけど、帰りのバスの中から振り返ったら、山に何もしなかったのと同じくらい植樹地が小さい。
・日本中の中学生の最後の遠足を、奥山人工林地帯で広葉樹の植樹にしたらいい。
・すごい思い出になった。遊園地より良かった。
このたった1日の校外学習が、生徒たちを信じられないほど大きく成長させました。
よほどうれしかったのでしょう。卒業後何年かして、バスを1台チャーターし、元生徒有志たちが植樹地に出かけました。
今ではこの場所は、秋になるとドングリやクリの実がたくさん実っています。
(あれから21年。残念ながら周りの放置人工林は、今も放置されたままです。奥山天然林化は、まだ全く進んでいません。)
森林環境譲与税でこのような森林教育を市内全校が行えば、森を大切に思い、林業や農業の問題にも心を寄せる若者たちが育つと思います。
そのためには、まず、森林環境譲与税で森林教育の入門書として、「クマともりとひと」(1冊100円)を購入して、全先生たちに配っていただくことから始めなければなりません。
p.s空き家が大変多くなっている今、林業の成長産業化をめざすためにとして、無理に国産材を使って新たに家を建てなくてもいいと思うのです。みなさんはどう思われますか。
同じ公立小学校で17年間連続してくまもりが環境教育授業を実施! 本部環境教育部
1月16日、 毎年呼んでいただいている兵庫県尼崎市の小学校で、今年も環境教育をさせていただきました。
今年で、17年間ずっと継続してこの学校に呼んでいただいたことになります。本当にうれしいです。
今回は、1・3・5年生に、森や動物の大切さ伝える授業をさせていただきました。
5年生
森と水のつながりについて、「イースター島」「世界」「日本」と、舞台を大きく変えながら考えていく授業です。
世界にも目を向け始めている5年生。世界の森の危機にも、敏感に反応します。
日本の森の危機を知って、「これじゃ、あかんやん!」と、素直な声があがります。
「みんな、森を守るなかまになってね!」というメッセージを残して授業を終えました。
1年生
くまもり環境教育ではおなじみの、紙芝居「どんぐりのもりをまもって」を上演。
奥山の人工林化によってクマの親子がたどる数奇な運命に、子どもたちはつらそうな表情を浮かべます。
子どもたちの涙をぬぐう姿に、読み手も思わず声が震えます。
子どもたちの純粋なやさしさが、ひしひしと伝わってきました。
3年生
「動物」「土」「水」「建材」の4つの観点で、自然の森と人工林を比較していきました。
元気いっぱいながらも、考えるところはしっかりと考える、とてもメリハリのある子どもたちでした。
これはドングリのなるクヌギ。冬になると葉が枯れて落ちてしまうよ。
関係者の皆様、今年も熊森に環境教育の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
☆☆☆
小学校は今、英語教育の必修化などで年々忙しくなってきています。
大切な環境教育の時間が削られてしまわないかと、熊森はとても心配しています。
そんな多忙な中、毎年熊森を呼んでくださる先生方には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
熊森の環境教育が子供たちに必要と思ってくださる方々のためにも、常に新しい情報を取り入れながら、このあともより良い環境教育プログラムをお届けしていきたいと思っています。
今後とも、よろしくお願いいたします♪(SY)
学び多かった2018年くまもり親子自然農
今年から兵庫県三田市で取り組んだ年4回実施のくまもり親子自然農、どの回も、とても学びのある素敵な時間となりました。
☆☆☆
その3:稲刈り
10月28日(日)、第3回自然農は、待ちに待った収穫でした。
秋晴れに映える金色の稲穂たちは、本当に美しく、いつまでも見ていたいような光景。
たわわに実った稲に参加者一同感動しながら、鎌で大事に刈り取っていきました。
昼食は100%植物食
ここでの食事は、だし汁に至るまで、動物性の物は一切使用していません。
美味しいお昼ご飯をいただいた後は、大人と子どもに分かれての活動。
大人チームは収穫した稲のはざ掛けに、子どもチームは自然あそびに出かけます。
自然の力なのか、初めての子同士でも、すぐ仲良くなります。
自然体験は、子どもたちの心を健やかに、おおらかにしてくれる、最高の道徳学習だと思います。
☆☆☆
その4:収穫祭
11月25日(日)、今年最後の自然農です。メインの作業は、前回収穫した稲の脱穀。
お天気は晴れたり曇ったりを繰り返していましたが、
何とか雨は持ってくれました。
脱穀には、昔ながらの足踏み脱穀機を使います。
今や、教科書や資料館などでしか、見かける機会がないのではないでしょうか。
大人と子どもで力を合わせての作業でしたが、これがなかなか難しい!
しかし、子どもたちの飲み込みの速さはさすがというべきか、
すぐにコツをつかんで上手に脱穀していました。
最終回ということで、昼食後に自然農第1回からの振り返りをしました。
午後は、しめ縄づくりです。
しめ縄は初めての方が多く、苦戦している姿も見られましたが、
来年のお正月飾りのため、皆さん頑張って作っておられました。
子どもたちには、来年の稲が元気に育つように、田んぼに稲わらを撒いてもらいました。
印象的だったのは、稲わらを撒く意味を説明せずとも、
「これが来年のお米の栄養になるんだね」とほほ笑んだ、6歳の女の子の言葉。
自然農での経験が、命の循環の学びに繋がったのかなと、嬉しかったです。
参加者のみなさん、ありがとうございました。
☆☆☆
こうして、全4回の親子自然農が無事終了しました。
様々な工夫を凝らした今年の自然農でしたが、特徴のひとつに、「食事」があります。
食事は、旬のお野菜が主体で、動物性食品は一切使っていません。
肉食に慣れきっている現代っ子がこのような食事にどう反応するか、不安もありました。
しかし、四季折々の自然の恵みを使ったお料理は、
優しい口当たりと、様々なお野菜の食感が楽しく、
子どもたちは「おいしい」「おいしい」と、にこにこ笑顔。
喜んでおかわりしていました。
毎回の感想文に、「いつもごはんをおいしくいただいています」等とあり、
次回のお食事はどんなかな?と、楽しみにしている声も。
かつての日本は、お米と自然からの四季折々の植物をいただく食文化でした。
私たち熊森スタッフも、本当においしいと思いましたが、この本来の日本食が、現代の子どもたちにとってもおいしいと感じるものであったことがわかり、本当に嬉しかったです。
都会と田舎が共存する三田市で、自然農を企画したのは、都会の子どもたちが、自然体験をする場になればという思いもありました。
参加してくれた子どもたちが、今はまだむずかしくても、いつか大きくなった時に、「人間は自然の恩恵を受けながら生きている。自然を大切にしよう」と思うようになってくれることを願っています。
苗の成長を見ながらの自然農では、途中、日程変更を余儀なくされる場面もありました。
自然を人間に合わせようとするのではなく、人間が自然に合わせて、その結果、自然からの恵みをいただく。これが自然農だと思いました。
田んぼを提供し、優しくご指導くださった会員のSさん、また、美味しいお食事を作ってくださった「お米の勉強会」の皆さん、
そして参加者の皆さん、1年間、本当にありがとうございました!(SY)
まだやっていた 「すごいアウトドア!!」 環境省主催 10月28日 兵庫県会場
熊森から
熊森は、狩猟を100%否定しているわけではありません。
しかし、アウトドアスポーツとして生き物の命を奪うことは、認められません。
まして、銃を持つのですから、アウトドア感覚でハンターになられたのでは、銃を持たない私たちにとっては恐怖です。
これまで何度も環境省に、すごいアウトドア!!という表現をやめるように、どこがエコ・ライフなのかわからないと訴え続けてきました。
猟師になるということは,もっと真剣なものでなければならないと思います。
熊森は、環境副大臣に、このような言葉を使って若者を誘うことは、国のためにも若者のためにも良くないので言葉を変えてほしいと申し入れたこともあります。
まだ、やっていたなんて、驚きです。
アウトドア感覚で生き物を殺すだなんて、子どもの教育にも本当に悪いと思います。
みんなで環境省に抗議しませんか!
明治になるまでの1200年間、「殺生禁止令」が出続けていた国の子孫としては、到底受け入れられない言葉です。
たぶん、PTAや教育関係者の皆さんは、環境省がこんなことをやっているのをご存じないのでしょうが、声を上げてほしいです。
声を上げていかないと、間違ったことがまかり通る国になっていきます。
「恐れ」から「理解」へ 小学生がクマの生態学ぶ/岩手・北上市 岩手放送TV報道
以下は、9月11日yahooニュースです。
これは岩手県 南広域振興局環境衛生課が主催しました。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180911-00010002-ibciwatev-l03
ツキノワグマの出没が多い地域にある岩手県北上市の小学校で11日、クマの生態を学ぶ特別授業が開かれました。恐れるのではなく理解することで、クマの被害を減らそうという取り組みです。
(授業)
「みんな岩手に住んでいてどう?クマいっぱいいるけど?」
「見たことある!」
「3匹見たことある!」
特別授業が行われたのは、北上市和賀町の笠松小学校です。県が主催した授業では、4年生から6年生までの児童がクマの生態や人間との関わりを学びました。こちらの小学校で授業が行われるのには、理由があります。
(リポート)
「笠松小学校の周辺ではクマの出没が相次いでいて、学校のほか地域では様々な対策を行っています」
北上市では去年クマの出没が176件あり、学校がある横川目地区では20件の目撃情報が寄せられました。県は今年度、横川目地区とその周辺を「市街地でのクマ対策」を推進するモデル地域に指定しています。今年は周辺の林にカメラを設置してクマが人里に入り込むルートの解析を試みています。
授業では岩手大学農学部で野生動物について研究している山内貴義准教授が、クマが川などの水辺を移動して人里に近づくことや、突然遭遇すると驚いて人間を襲う場合があることを説明しました。
一方で、クマは普段は山の中でおとなしく暮らし、臆病な性格でもあります。
(山内准教授)
「どうしてもクマは怖いというイメージがあるのですが、クマ自体は平和な動物なので、何とかクマと一緒に暮らしていけるようにしていきたいなあ」
山内准教授は、クマによる被害を防ぐためにはクマと遭遇しないよう鈴をつけて人の存在をアピールしたり、山林と人の生活域との境界線を明確にするためにこまめに草刈りをしたりする重要性を訴えました。
(児童)
「クマは今まで怖いものだと思っていたけど、クマと一緒に生活することも可能なんだなと思いました」
クマの存在を身近に感じる地域で暮らす児童たち。恐れるのではなく正しい生態を知ることが、被害を防ぐ第一歩になることを学んでいました。
熊森から
マスコミなどの視聴率受けを狙ったセンセーショナルなクマのフェイク報道のせいで、すっかり恐怖の対象にされてしまったあわれなクマです。
野生グマに無数に会ってこられた宮澤正義先生は、クマは人間が見習わなくちゃならないほど争いを避ける平和愛好者だと言われています。
これまで熊森本部は、各地のクマによる人身事故被害者に会って聞き取ったり、現場調査を繰り返したりしてきました。
ほとんどの事故は、人間側に過失がありました。多くの被害者が、クマを驚かせた私が悪かったと言われていました。
人間が、クマがどれほどこわがりか知って驚かさないように正しく対応したら、ほとんどの事故はなくなると思います。
岩手県の振興局のみなさん、授業をしてくださった山内先生、報道してくださった岩手県のマスコミのみなさん、本当にありがとうございます。
責任ゼロ、検閲なし、出したもの勝ちのネット情報だけに頼っていたら、危険だと思います。
国民に正しい情報を伝えるきちんとした新聞社やテレビ局を、みんなで応援していきたいですね。
8月5日(日)好天の第23回くまもり原生林ツアー無事終了 今年も大好評
クマたちが棲む奥山水源の森を、都市に住む多くの方々に親子で見ていただこうと毎年熊森本部が夏休みに企画している「くまもり原生林ツアー」、今年で22年目です。今回は37名の方がご参加くださいました。
朝7時40分に兵庫県西宮市を出発。バスの中では、熊森本部スタッフによる子供から大人まで楽しめるミニ奥山生態学講座や楽しいリクリエーションが実施され、なごやかな中、岡山県との県境に向かいます。
今回は、先日の台風により何ケ所かで山が崩れ道路が閉鎖されていたり、若杉天然林の駐車場のトイレの取水装置が土砂に埋まりトイレが使えなくなっていたりで、回り道を余儀なくされました。
やっと若杉天然林に到着です。
駐車場には、他にも大型バスが1台来ており、乗用車も結構多かったです。ここは穴場だったのに、みんなに知られることになってしまったのでしょうか。今年の人の多さには驚きました。
83ヘクタールの面積に、ブナ、カエデ、ミズナラ、トチノキなどの巨木をはじめとした199種類の樹木が立ち並ぶ中国地方でも有数の天然樹林で、氷の山後山那岐山国定公園の特別保護地区に指定されています。吉野川の源流であり、谷のせせらぎ、木々が風に揺れる音や、野鳥や虫の声・・・別世界となっています。
いよいよ入山です。
健脚コースが2班、ゆっくりコースが3班と、班に分かれて山に入っていただきました。
当日の地元岡山県西粟倉村の気温予想は、なんと37℃。しかし、標高950~1100mにある若杉天然林内は25℃で、涼しく感じました。(ふもとはやはり、猛暑でした)
今回、10名の子供たちが親子で参加してくれました。大人も子供も、森の中に入ると目を輝かせて、いろいろな植物や生き物たちを見ておられました。
頂上付近の湿地では、トンボが乱舞していました。下界が暑すぎるので、避暑に来ているのでしょうか。
哺乳類が全く見られないのが残念です。20年前にはクマも2頭いましたが、なぜか今はもう痕跡がありません。せめてウサギやシカだけでも見れたらなあといつも思うのですが、訪れる人が多い上。国を挙げて狩猟や野生動物の大量駆除を推進している平成では無理でしょう。(やはり、入山制限も必要です。)
今年も、若杉天然林の沢の水温をみんなで測ってみました。
沢の水は磨かれたガラスのように透明で冷たく、暑い夏を忘れさせてくれました。
なんと、計測結果は18℃から場所によっては19℃と、例年の16℃と比較すると水温が2-3度も高くなっていました。
湧き水の温度は年中一定のはずなのですが、この殺人的な猛暑では、、、。
〈参加者の皆さんからいただいた、今回のツアーの感想〉
Nさん「人工林と天然林の違いがよく分かりました。若杉天然林の中は涼しくて気持ちよかったです。参加してよかったです。」
Fさん「まわりの人工林地帯に囲われるような形で残った若杉天然林は、非常に貴重であるとともに、後世に残していかなければならないと感じました。秋も行きたいですね。」
Kさん「若杉天然林に、今はクマが見られなくなってしまったと聞き、天然林を守ることはもちろん、まわりの人工林を天然林へ戻すことも必要なんだと思いました。クイズなどもあって楽しみながらツアーに参加できました。」
暑い中、参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。子供たちは、夏休みの自由研究として、この日のことをぜひまとめてみてください。期待しています。
7月23日 くまもり自然農!田んぼの臨時草取り
無農薬、無肥料、化学物質は一切使わず、全ての生き物たちと共存する昔ながらの自然農。
くまもり本部は今年、兵庫県三田市の田んぼで、11年目となる親子自然農を実施しています。
まだ水面下ですが、稲の周りに草が育ってきました。草は、水面から頭を出すと、一気に成長し始めます。
田んぼの持ち主から、「育ってきた草を抜くのは、今」との情報を得ました。
急遽、本部スタッフ2名とボランティアさん2名で、今年、第2回目となる田んぼの草取りに行ってきました。
夕方5時に田んぼに到着。しかし、まだ日差しが強かったので、スイカをいただきながらもう少し涼しくなるまで待ちました。
日差しが弱まってきたので、草取り開始!
前回同様、ブラシや田車を使って、草を取っていきます。
田車を使うにはコツがいります。
吹き抜ける風が心地よかったです。自然と、「気持ちいい!」という言葉が出てきました。
稲たちも、そよそよと気持ちよさそうに波打っています。まるでダンスをしているように見えました。
じっくり観察すると、いろいろな生きものたちが葉の裏などに隠れていました。
皆、田んぼの水や稲の葉をうまく利用して、連日の猛暑に対応して暮らしていました。
みんなで力を合わせて、無事、草取り作業が終了。
気持ちのいい汗をかいて、皆、いい表情でした。
お米を作るには、毎日田んぼを見て回る必要があります。
私たちが親子自然農を実施できるのは、田んぼの持ち主さんが日々、水量など見回って田んぼの管理をしてくださっているからです。
本当にありがとうございます。
これからの時期は稲の根が張ってくるので、もう田んぼに入らないほうがいいそうです。草取りはひとまず完了。
これからの稲の成長が、楽しみです。
次回の親子くまもり自然農は、10月28日(日)、稲刈りと自然あそびです。
初めての方も大歓迎!皆さんお誘いあわせの上、ぜひ、ご参加ください☆
8月5日(日)第23回くまもり原生林ツアー 締め切り間近
- 2018-07-17 (火)
- _環境教育 | お知らせ(参加者募集)
現在、第23回くまもり原生林ツアーの参加者を募集中ですが、残りのお席がわずかとなってまいりました。
原生林ツアーは熊森の原点、熊森協会の活動理念を現地で学ぶツアーです。
熊森協会に入会したものの、あまり参加していないという新入会員の方や、長く会員を続けていたけど結局行けていないという方は、是非この機会にご参加いただけたらと思います。もちろん非会員の方も大歓迎です。
【日時】8月5日(日)
【集合・解散】西宮市兵庫県立芸術文化センター西側(阪急西宮北口駅より徒歩5分)
【内容】貸し切りバスで岡山県の西粟倉村にある若杉天然林に行き、散策します。龍野動物園でツキノワグマを見学したり、スギやヒノキの人工林に入って天然林と比較するなど、熊森ならではの内容となっております。
【締め切り】7月22日(日)
【申込】関西教育旅行社
今回から旅行会社へ申し込んでいただく形になりました。
申込方法が分からない方はお気軽に熊森本部までお問い合わせください。