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兵庫県に同調か 京都府行政が無害グマを大量殺処分 9月末クマ捕殺数過去最多110頭

3年前から近畿地方では、兵庫県以外に京都府でも、前代未聞、クマを大量に捕殺しています。

 

そのバックには、調査委託した業者からの、京都府におけるクマの推定生息数が激増しているという報告があります。(熊森はかれらの推定数計算方法に、根本的な疑問を持っています。広域を隠れて動くクマの生息数など、人間にわかるものではありません。しかし、数字化されると科学的だと誤解して信じる人が増えるので困ったものです)

 

京都府としてはこの報告書を信じ、農作物などに被害を出したクマを捕殺するこれまでの有害捕殺に代わって、平成29年から「被害未然防止捕獲」という名の大量捕殺法を導入しています。

 

更にクマ数を減らそうと、京都府は絶滅寸前種として平成14年から禁止してきたクマ狩猟を再開する方向にまで進んでいます。

 

どうして京都府は兵庫県とまるで同じ道を歩んで行くのでしょうか。

 

先に捕獲強化体制を敷いた兵庫県の影響を受け、同調しているのでしょうか。兵庫県が音頭を取って、京都府、大阪府、鳥取県、岡山県の2府3県で、2018年からツキノワグマについて広域連携をということで、「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」を立ち上げました(2018年10月30日設立総会、於:兵庫県県民会館亀の間、担当課:兵庫県農政環境部環境創造局鳥獣対策課)。

 

以下は、日本学術会議のHPに掲載されている兵庫県森林動物研究センターの横山真弓研究員の「兵庫県における野生動物管理の体制」という資料です。「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会による個体群管理への取り組み」が紹介されています。

兵庫県立大学・兵庫県森林動物研究センター横山真弓研究員「学術会議 兵庫県における野生動物管理体制」より引用

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この図を見ると、横山研究員が、兵庫県の鳥獣対策を周りの府県に広げていこうとしている同調圧力を感じます。

 

この協議会で広域での個体数推定や被害対策等を定めた「広域保護管理指針」を取りまとめ、平成33年度に各府県が策定する次期ツキノワグマ保護(又は管理)計画に反映させる予定だそうです。

 

尚、この協議会は、私たちの税金で運営されているにもかかわらず、設立総会も今後の協議会も、マスコミの傍聴は認めるが、日本熊森協会の傍聴は認めないという回答が兵庫県庁担当部署からなされています。27年間クマ問題を研究し、クマとの共存のために実践活動を推進してきた当協会を排除するとは、どういうことでしょうか。

長年にわたるクマ研究団体として、熊森はこの協議会の科学部会委員就任を希望しましたが、兵庫県に拒否されました。野生動物保全に関わる重要な政策決定が密室で行われる形になってしまっているのは大問題です。熊森は学術論文を出していない博士号を持っていない。よって参加できないとこれまで兵庫県に言われてきました。しかし、日本に今もクマが残っているのは、研究者が活躍したからではなく、人々のクマへの共感であり、殺生を避ける文化です。

 

一方、西中国山地3県の科学部会は、ツキノワグマの本来の生息地は劣化し続けており、目撃数や捕獲数が増えたものの、これはドーナツ化現象であり、ツキノワグマ推定生息数の総数は微減でクマは危機的状況にあると発表しており、熊森協会と見解が一致しています。

真実はひとつのはずですが、府県行政がどの研究者の見解を採用するかによって、クマ対応は正反対となります。

 

今回の京都府新聞記事「増えるツキノワグマ1400頭」を見ると、京都府は生息数が増加しているという兵庫県森林動物研究センター研究者と同じ結論を採用したことになります。

 

しかし、京都府の山を長年見てきた熊森協会としては、ミズナラのドングリや昆虫などの重要な食料を失った京都府のツキノワグマが何故激増できるのか、万一激増しているのなら何を食べているのか、全くのミステリーで腑に落ちないことが多々あります。もし、人間が大量に山に放置している有害捕殺後のシカの死肉を食べて増えてるのであれば、責任を問われるのは人間の方です。

 

10月17日、室谷会長ら熊森本部3名、熊森京都府支部3名、長年熊森を指導してくださって京都府在住の研究者の総勢7名で、担当部署である京都府農村振興課(注:京都府では今年から、クマは農村振興課?!が担当することになった)を訪ねました。ありがたいことに、新聞記者が同席してくださいました。

 

どこの行政もそうですが、行政担当者はふつう3年ごとに部署が変わるため、「春からこの部署に来ました」などと、新任が担当することが多くあります。自然界のことはわからないことが多すぎるため、3年間の担当期間では行政担当者はとても研究者に物言えるような見識までは持てません。結果、良くわからないので、委託した研究者の結論を信じるしかないというのが、現状のようです。

 

春の時点で、銃によるクマ捕殺許可証を多発し、罠に誤捕獲されたクマを大量殺処分していた京都府

京都府はクマの被害未然防止捕殺という名の乱獲をやめるよう担当者たちに訴える室谷会長と水見研究員於:京都府庁

 

 

 

 

年々捕殺数を増加させている京都府(注:2019年は9月末現在の捕殺数)(クリックで大きくなります)

 

担当者との話で、以下のような京都府のクマ捕殺体制の問題点が明らかになりました。

1、人間活動により荒廃した奥山生息地が、放置されたままである。スギやヒノキの放置人工林の自然林化に取り組むべきである。(共存に一番大切な生息地保障がなされていない)

2、まだクマが出ていない4月の段階で、すでに捕獲者(猟師)に、銃によるクマ駆除許可を大量に出している。集落や田畑から200m以内に設置された、シカ・イノシシを捕獲するための無数の米糠誘引剤入りの箱罠・くくり罠の常設罠にクマをおびき寄せている。かかったからとして、何の被害も出していない誤捕獲グマをすべて殺処分している。(倫理観の欠如)

3、京都府はクマ保護計画という名の計画を作成している。しかし、中身は保護の観点が抜け落ちた完全な管理計画であり、「被害未然防止捕獲」という名目で、実態としては個体数調整捕殺をどんどん行っている。(中身と実態が真逆の行政言葉はおかしい)

4、これだけ多くのクマを駆除しているにもかかわらず、奥山の本来のクマ生息地で、ナラ枯れをはじめ、シカの食害や地球温暖化による下層植生の衰退が進み、奥山にクマが生息できる環境がもはやないことを把握していない。(業者や猟師に丸投げ対応になっていないか)

5、人間に被害を与えられるはずもない赤ちゃんグマまで、母子ともに殺処分している。(3つグマ獲るなは、猟師でさえ守ってきた掟です)

 

京都府 2019年9月末までの捕殺グマの体重別頭数(熊森がグラフ化)

 

今年は、夏の段階で山にクマの食べるものが無く、子グマや痩せたクマ、体格の小さいクマがたくさん駆除されている。

(クリックで大きくなります)

 

特に、1に関しては箱罠だけではなく、無数に設置されたくくり罠に間違ってかかってしまったクマまで、全頭殺処分されており、兵庫県同様の最悪の無差別捕殺といえます。

 

これらの捕殺実態は、これまた兵庫県同様、京都府民に全く知らされておらず、同席した熊森京都府支部会員たちも、大きなショックを受けていました。

このような人としての倫理観が欠如した残虐極まりない乱獲をやめさせるためには、多くの人達がこの事実を知り、声を挙げるしかありません。

【北海道標茶町】家畜被害が沈静するも、いまだに捕獲罠が設置され、無実のヒグマが捕殺されていく

今夏、北海道標茶町の牧場で、ヒグマが乳牛を襲う事件が相次ぎました。

NHK2019年8月8日ほっとNEWS北海道

どうしてこのような事件が発生したのでしょうか。

事件を起こしたヒグマはまだ捕獲されておらず、今もなお、捕獲罠が設置されたままです。

北海道では捕獲されたヒグマの放獣体制がいまだに皆無のため、これまでこの罠に誤ってかかってしまった無関係のヒグマが5頭も捕殺されています。

このことを問題視した熊森本部が、標茶町の担当者に電話で問い合わせました。

 

〈以下、担当者とのやり取り〉

熊森:今年、8月から9月にかけて、ヒグマによる乳牛被害のニュースを見ました。現在も被害は続いているんですか?

 

標茶町担当者:8月から発生し、9月18日を最後に被害は止まりました。

 

熊森:具体的にどんな被害があったんですか?ヒグマが乳牛を襲って食べたのですか、それとも圧死ですか。

 

標茶町担当者:今回、放牧中にヒグマに襲われて死亡したと思われる乳牛は12頭です。死因は、ヒグマにはたかれたり引っかかれたりしたことで首の頸動脈や脇を損傷して失血死したものがほとんどです。確実にヒグマが食べたと思われる乳牛は1頭です。発見されたときその乳牛はかなり腐敗が進んでいましたから、ヒグマに襲われて死んだのではなく、何らかの原因で病死して腐敗していた乳牛をヒグマが食べに来た可能性もあります。

また、一命はとりとめましたが、ヒグマに前足ではたかれたのか、ヒグマの爪痕がついてケガを負った乳牛や、その爪痕から感染症を引き起こしてしまった乳牛も13頭います。(ということは25頭もの乳牛がヒグマの被害に遭ったわけだ)

 

ヒグマの攻撃を受けたと思われる乳牛の様子。(NHKほっと北海道8月8日)

 

熊森:今回のヒグマは、何のために乳牛を襲ったのでしょうか?食べるためではないようですね。

 

標茶町担当者:詳しい原因は分かりません。猟友会の方のお話では、手負いグマなのではないかという推測もあります。真相はわかりません。

 

熊森:今回これらの乳牛を襲ったヒグマは特定されているんですか?

 

標茶町担当者:はい、体重300㎏近い1頭のオスの大きなヒグマだと思われます。

今回の被害があった牧場には、肉球の足幅18cmという大きなクマの痕跡がありました。標茶町は町域の中央を釧路川が縦断していますが、この川の西と東でヒグマによる乳牛被害が立て続けに発生した訳です。被害にあった乳牛の傷跡が同じことと、牧野の周囲に張り巡らされた鉄線の先に付いていた体毛のDNA鑑定結果からも、川の西・東とも事件を起こしたのは同じクマであることがわかりました。実際、被害現場付近に自動撮影カメラを設置したところ、大きなヒグマが撮影されました。

 

熊森:町のHPに、クマの家畜被害があった場所をプロットした地図が出てきますが、その現場に罠をかけているんですか?

 

標茶町担当者:はい、家畜被害があったその現場に罠をかけています。現在も5基設置してます。

 

クリックすると、大きく見られます。

 

熊森:そのヒグマは罠に捕獲されたんですか?

 

標茶町担当者:これまで、5頭のクマを捕獲しましたが、事件にかかわったクマはまだ捕獲されていません。

 

熊森:誤捕獲された5頭のクマはその後どうなりましたか?

 

標茶町担当者:すべて、殺処分しました。

 

熊森:それは、むちゃくちゃですよ。事件に関与していないクマだと知りながら殺処分ですか。山に返してあげるべきじゃないですか。問題を引き起こしたクマがかかるまで、罠を設置し無関係のヒグマを獲り続けるんですか?

 

標茶町担当者:はい。来年も、同じ事件が起きるかもしれませんので。

 

熊森:北海道のクマ管理計画を読まれましたか?原則はクマを殺さないでクマ対策を行うことになっていますよ。どうしても捕殺が必要な場合は問題グマのみ確実に捕殺すべきで、標茶町のやり方は、北海道のクマ管理計画に反して、乱獲になっていると思います。事件に関与していないクマが捕獲された場合、放獣してやれませんか。

 

標茶町担当者:海外と違って、北海道にはヒグマの放獣体制がないのでむずかしいです。今後もこうした被害が発生してはなりません。

 

熊森:捕獲罠を設置して問題グマがかかるまで無実のヒグマを何頭も捕り続けるのですか?それはもはや共存とは言えません。ヒグマが牧野に入ってきた侵入経路を探して、電気柵などでそこを通れないようにしておくことが必要です。人間側が知能を使って被害防除を考えないと、罠設置だけでは問題は解決しないですよ。電気柵は設置されていますか?

 

標茶町担当者:していません。

 

熊森:ぜひ、柵を設置してください。このような事件が今後起きないようにするには、まず被害防除です。9月に標茶での事態がおさまってから、近隣の自治体で同様の被害が発生していませんか?また、標茶の周辺自治体で、このDNAをもったヒグマが捕殺されていませんか。

 

標茶町担当者:今回の事件は道内でも非常に珍しいケースのようで、他の自治体では起きていません。隣接の釧路市、厚岸町、鶴居村、弟子屈町には、このヒグマの情報をお知らせして捕獲があったら連絡してもらう体制をとっています。今のところ、その特徴を持ったヒグマの捕獲はないようです。

 

熊森:中標津町や、別海町ではどうですか?

 

標茶町担当者:隣の根室振興局になりますので聞いてません。

 

熊森:ヒグマはそれぐらい移動するので、その地域にも聞いておいた方がいいと思います。

 

標茶町担当者:たしかに確認したほうがいいですね。聞いてみます。

 

熊森:昨年、羅臼の方で飼い犬がクマにやられて死亡する事件が相次ぎましたが、その時のクマが屈斜路・阿寒の山々を伝って標茶に入ってきた可能性もあります。

 

標茶町担当者:じつは、羅臼町の担当の方が、今回の乳牛被害のニュースを見られて電話してこられたんです。羅臼でも同様の問題が昨年あったと。その時のクマではないか?と。その時のヒグマはうちの町で出ているヒグマよりもっと小さいクマだということで、話を聞く限り別グマです。(羅臼町の件は、飼い犬がヒグマに食べられる瞬間を家主が見ておられたので、ヒグマの特徴が把握できたそうです)。羅臼でも、そのヒグマの捕獲にはまだ至っていないそうす。

 

熊森:ぜひ、周辺自治体のみなさんで連絡を取りあっていっていただきたいです。ただ、今設置されている罠は、今被害が落ち着いているのですから、蓋を閉めるか誘因物を除去していただきたいです。別のクマを引き寄せますし、無実の無害グマを次々と獲って殺処分していくのは問題です。

 

標茶町担当者:また内部で話して、相談します。

 

〈熊森から〉

標茶町担当者様におかれましては、お忙しい中、当方からの電話に丁寧に対応していただき、誠にありがとうございました。

罠閉めをだいぶんお願いしたのですが、今年は雪が降るまでこのまま罠を設置するそうです。

これだけの被害があると、酪農家のみなさんの怒りは相当強いと推察します。しかし、罠にかかったクマが事件と無関係なクマであるとわかっていながら全て殺処分というのは、生態系保全上、倫理上、教育上、大変問題です。誤捕獲グマは、車の中からロープを引いて罠の扉を開けるなど、放獣時にけが人が出ないように細心の注意を払って放獣すべきでしょう。みなさんはどう思われますか。賛同していただける方は、6頭目の無実のヒグマが殺処分される前に、声を標茶町に届けてください。

 

【連絡先】

標茶町農林課 住所:〒088-2312 北海道川上郡標茶町川上4丁目2

TEL: 015-485-2111 FAX:015-485-4111

お問合せリンク:https://town.shibecha.hokkaido.jp/contact/index.html

 

 

 

10月27日 ナショナル・トラストに成功した滋賀県北部トチノキ巨木群観察会

今も、クマが棲める森に感激~2019.10.27~

ナショナル・トラストした巨木群の前で記念撮影。

 

業者に買われて伐採されそうになっていた滋賀県長浜市の奥山に、人知れず存在するトチノキ巨木群数十本。

「びわ湖源流の森林文化を守る会」は、地元のみなさんと力を合わせて、これらの巨木群を2年半に亘る裁判とナショナル・トラストによって未来永劫に守り抜きました。もちろん日本熊森協会も、精一杯協力しました。

 

この日は嬉しいお披露目観察会です。

兵庫勢は、巨木もさることながら、クマたちが安定して棲んでいる森だということで、どんな森か1回見ておきたいと思い参加しました。

 

嘉田由紀子元滋賀県知事(現参議院議員・熊森顧問)やトチノキ裁判で弁護士として巨木所有者の代理人も務めた日本熊森協会の室谷悠子会長、村上滋賀県支部長ら支部員、守る会の共同代表の野間直彦滋賀県立大学准教授、岡田直紀京都大学准教授、ナショナル・トラストを成功させるために寄付してくださった方々など30名がJR木ノ本駅に集まりました。遠く埼玉県から来られた方もおられました。

チャーターされた定員いっぱいのバスに乗って奥山に向け出発です。

車中、守る会の代表である小松さんの挨拶、室谷悠子会長から裁判の経緯、嘉田参議院議員からは保全に成功するまでの裏話・・・どれも大変興味深かったです。自然を守るために本気で闘った滋賀県のメンバーをすごい人たちだと改めて思いました。お話を聞いているうちに、もうここからはバスが入れないという地点に来ました。この後は、ひたすら歩きです。

それにしても、滋賀県のこんな山奥にまで、スギがびっしり植えられて放置されているのには驚きました。

スギの放置人工林

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦後、拡大造林政策が始まったころ、ある研究者が、スギの人工林は自然林より水源涵養能力が高いという論文を発表したため、それを信じてみんなで競って滋賀県民はスギを植えたんですと嘉田さんに教えてもらいました。いつの世でも、間違ったことを発表する学者の罪は本当に大きい。

奥に入っていくと、20年前の兵庫県の森とそっくりのなつかしい豊かな自然林が目の前に現れました。

 

下層植生も水量も豊かで、絵のように美しい自然林

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「滋賀県には、まだこんな森が残っていたんですか!」

「これはすごい!まさに、クマの楽園だ」

私たち兵庫県からの参加者は、目を見張りました。

しかし、滋賀県でもこんな森が残っているのは、北部だけで、高島市の奥山などは、もう下層植生も昆虫も消えてしまっているということです。

一見豊かに見えるこの森も、実は、冬籠り前のクマたちのドングリの餌となるミズナラが、ナラ枯れでほぼ全て枯れてしまっているそうです。足元には、ミズナラの稚樹が何本か芽生えていましたが、育つのかどうかはわかりません。

ミズナラの稚樹

 

 

 

 

 

 

まだ少しですが、ここにもシカが入り始めているということで、少しシカ糞がありました。この森が今後どうなっていくのか不安ですが、とにかくこの日は皆で今もクマの棲める森を楽しませてもらうことにしました。

今年は、ブナ・ミズナラが凶作ですが、何とこの森にはオニグルミの木が何本かあるのです。よかった、クマたちの食べ物がまだ残っていたのです。クマ棚がしっかりとできていました。

オニグルミにできたクマ棚

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オニグルミの木の下には、クマにボキボキに折られた太い枝が大量に落ちていました。さすがにオニグルミの木も危機感を感じたのでしょう。折られることを免れた樹上の枝には、まるで春のように黄緑色の若葉があちこちから芽吹いていました。

 

草原もところどころにあって、様々な草花が咲いていました。ここは雪が3メートル積もるという豪雪地帯だそうです。草原のあるところは、雪崩が毎年起きる場所です。宮澤正義先生が、いつも、クマが季節ごとの食料を得るためには、森があるだけではダメで、川はもちろん、草原や湿地や様々な地形が必要であるとよく語っておられたのを思い出しました。まさにこの森は、そのような場所がすべてそろった自然の森です。

雪崩地形にできた草原

 

 

 

 

 

 

広葉樹林の森の保水力は、さすがにすごいです。

 

 

 

 

 

 

途中何度か川を渡りました。水量が多く、手を引いてもらわなければ渡れない場所も何か所かありました。

昼食後も、まだ歩くのですかと言いたくなるほど奥に進んでいきました。そしてついに到着。トチノキの巨木です。

ナショナル・トラストしたトチの巨木

 

 

 

 

 

 

何百年生きた巨木には、何とも言えない迫力と神々しさがあります。

 

斜め上にあるのは、ケンポナシの巨木です。これも、ナショナル・トラストした巨木のうちの1本です。

急斜面でしたが、室谷会長がさっさと登って行きました。大きな洞があって、木の下にはクマの糞があったそうです。

ケンポナシの巨木。クマが休める大きな洞がありました。

 

巨木の根元に、液果類を食べた後のクマのふん。

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり、この奥山の森には、今もクマが棲んでいます。

ここには、まだまだ私たち自然保護団体が守った巨木があと数十本あるようですが、2本見るだけで大変でした。

残りの巨木群は、山岳系の人でないといけないような場所にあるようで、指でどのあたりかだけ教えてもらいました。

この日、ずいぶん歩きましたが、疲れよりも満足感でいっぱいでした。

クマの棲める本物の森を堪能しました。

 

下見もしっかりして完璧にお世話くださったスタッフのみなさんに心から感謝申し上げます。

私有林なのに、特別に私たちに入山許可を出してくださった山主のみなさんたちにも感謝です。(完)

豊かで美しい湖北の森よ永遠に!

 

 

 

 

 

 

 

愛知県支部 大村秀章愛知県知事を表敬訪問

大村知事の左隣が平子支部長

先月、発足したばかりの愛知県支部ですが、平子恵美支部長を先頭に、豊かな森を守る流れを愛知県でもつくろうと活発に動いています。

10月25日、支部立ち上げのご挨拶に愛知県知事の大村秀章知事を表敬訪問しました。

愛知県支部では、今後も、応援してくださる方の輪を広げながら、実践活動も含め、様々な活動をしていきたいと計画しています。

愛知県のみなさん、ぜひ、愛知県支部の活動にご参加ください。

【今後の活動】

11月23日(土)映画「大きな家~タイマグラの森の子どもたち~」

名古屋市 イーブルなごや 13時~

12月8日(日) 日本熊森協会 室谷悠子会長講演会

名古屋市 今池ガスビル 7階 14時~

 

大村知事とお会いして

10月25日、大村知事に表敬訪問をさせていただきました。
日本熊森協会の愛知県支部発足のご挨拶と、森林環境税を使って放置人工林の天然林化事業を県として推進していただきたい旨を伝えさせていただきました。
大変お忙しい中お時間を取っていただけたので、当初はご挨拶のみの予定でしたが、知事から熊森の要望に対してご質問を頂き、10分ほどお話をさせていただくことができました。
愛知県は人工林率が64%と全国で3番目に高い地域です。短い時間にも関わらず、明確に現状の問題点をお話くださいました。
8年前の森山名誉会長との会談のことも覚えていてくださり、その時の話もしてくださいました。
知事とお話をさせていただいたことで具体的な課題が見え、今後の活動の方向性が見えてきたように思います。
支部長就任後、たった3週間で知事に表敬訪問ができたのは、ひとえにつないでくださった会員の方のご尽力のおかげです。
これからも皆さんのお力を借りながら尽力していきたいと思います。

 

愛知県支部長 平子恵美

 

京都府 生息地を失ったクマが1400頭に激増のミステリー 

以下、2019年9月30日京都新聞記事

「府内、16年前の4倍以上に 増えるツキノワグマ1400頭 」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Wクリックで大きくなります。

 

京都府の森林面積は3426㎢で、98%が民有林です。

京都府には標高が1000メートルを超えるような高い山はありません。一番高い山は滋賀県境に位置する皆子山971mです。

人工林率は約38%で多くが放置されており、人工林の中に野生動物たちの食料はありません。

 

こんな京都府にも、ブナ・ミズナラの冷温帯気候に属する豊かな森が一部、残されていました。そこが、京都府のツキノワグマの生息地でした。

過去形にしたのは、21世紀になって、冷温帯の森が、ナラ枯れや地球温暖化、シカの食害によって一気に劣化してしまったからです。

数年もしないうちに、全く別の山に来たのかと思われるほど、林相が変化しました。

ミズナラの巨木が枯れてあちこちで倒れ、下層植生が消えて公園のようになり、昆虫が消滅していきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

別の山かと思うほど一気に変貌した京都府芦生原生林2012、11、7撮影
枯れて倒れているのは、冬ごもり前のクマたちの食い込み用ドングリのミズナラ

 

臆病者のクマたちはもはや身を隠すところもなく、春の山菜、夏の昆虫、秋の木の実・・・食料は激減です。

 

生物の自然増加現象等を説明する際によく引き合いにだされるロジスティック曲線というのがあります。

 

横軸に経過時間、縦軸に個体数をとると、環境収容力にほど遠い段階では個体数は加速度的に増加しますが、飽和状態に近づくと増加率が減少し、ついに増えられなくなるというものです。

 

 

 

 

 

 

 

ロジスティック曲線

 

京都府の場合、環境収容力である生息地がどんどんと劣化して縮小していっているのですから、本来、クマは増えられないはずです。

 

16年間に4倍に増えたというのは京都府が、WMO(㈱野生動物保護管理事務所)に生息数推定計算を委託した結果の報告に基づくものだそうです。

 

京都府のツキノワグマはこれまで絶滅寸前種に指定され、狩猟も禁止されてきましたが、今回のWMOの報告を受け、絶滅寸前種の指定を外したり、環境省ガイドラインの800頭を越えたからとしてクマ狩猟を再開したりすることも考え始めるそうです。

 

この流れは、どこかとまったく同じです。そうです、隣接する兵庫県と、全く同じ流れです。兵庫県が京都府に伝えたのでしょうか。

 

ちなみに、兵庫県のクマが爆発増加していると言い出したのは、2011 年春、兵庫県森林動物研究センターの研究員で兵庫県立大学の助教授でもあった坂田宏志氏です。彼は、現在、公務員をやめて、㈱野生鳥獣対策連携センターの社長になって、環境省や地方自治体から請け負った仕事をしたり、WMOの下請けもしています。

 

クマは動物ですから、食べ物がないと生きていけません。餌場がどんどん狭められ失われていく中、生息数がどんどん増えていくなどあり得るのでしょうか。もし、そうなら、何を食べて増え出したのでしょうか。その辺のことが報告書に記述されていなければなりません。もしかして、行政がハンターや捕殺会社に依頼して大量に有害駆除し、谷底に投げ捨てられたままになっているシカの遺体?

 

もしそうなら、生態系の大攪乱を起こしている張本人は人間です。

 

熊森は、WMOの報告書を読んでみることにしました。(続く)

 

 

 

 

 

 

 

【速報】石川県支部が金沢市長に要望書を提出

森林環境税で放置人工林の天然林化を!

石川県支部、飯島さおりさんからうれしい報告です!
10月4日、石川県支部5名が、いしかわ若手議員の会の市議5人と「森林環境譲与税で放置人工林の天然林化」を求める要望書を山野之義市町に提出しました。山野市長からとても素敵な返答をいただいたそうです。以下、飯島さんの報告です。
来年度から、森林環境譲与税での天然林化が実現しそうです
結果から申し上げますと、天然林化(広葉樹林化)を進める流れができそうです!
山野金沢市長からは、
「心が伝わりました」
「ベクトルはしっかりと同じ方向を向いています」
「様々な知見があるとのこと、相談させていただくこともあるかもしれません」
などなど、涙がでるような嬉しいお言葉も頂きました。

要望書を提出する飯島さおりさん(中日新聞記事より

手探りの状態でのスタートでしたが、会長始め、本部の皆様、支部の仲間なにより、金沢市議の熊野盛夫さん(←くまもりにふさわしい名前(笑))のバッグアップがあって成し遂げられたことです。熊森石川メンバー5人、金沢市わかて議員の会から5名、共に手を携えての要望書提出となりました。
資料を揃え、どんな質問にもできるだけ答えられるような前準備は徹底的に行ったつもりです。
今回の要望が成功したもう1つの大きな要因は、山主さんからの天然林化の要望が出始めていることです。森林組合からの聞き取り調査や里山での聞き取り調査でわかりました。
全ての要因が必然と合致したタイミングだったと思います。
今回は報道陣3社も来て頂き記事にもなっています。
今回の流れは、本部の努力なしでは、到底成し遂げられず、その姿に勇気ずけられ私も今年は頑張ろう!!という意気込みで駆け抜けてきました。
県が違えば、山も違い、やり方も違います。簡単なことではありませんが、知恵を出し合い手を取り合い頑張りましょう。
最後は、人です。どんな意見も大切に対立せず、調和しながら、自分たちの想いを心を込めて伝えていく。
必ず伝わります。
絶対に風穴は開きます。
日本の山を復活させましょう!!
日本熊森協会 石川県支部 飯島さおり

ヒグマを追って、知床から釧路湿原を行く

以下、赤松正雄顧問のブログからです。

 

2019,9,13 それはもう、まさに名優の登場でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舞台の下でその登場を待ちわびる人々の前に、ヒグマが岩尾別川の上流から現れたのは午後4時過ぎ。

今か今かと息を呑んでいたプロカメラマンや俄かカメラ好き達が、急ぎ望遠レンズやスマホを覗いたり、かかげたのを尻目に、川の浅瀬を縦横にカラフト

マス(一般的にはシャケと呼ぶ)を探して、ヒグマは動き回っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて見るヒグマの立ち居振る舞いに、私はただただ目を凝らし、唾を飲み込むだけでした。

 

 

日本熊森協会の顧問に私がなってほぼ20年。

森の荒廃がクマの生息状況に予兆として現れるーこのことを人々に訴え続けてきながら、クマを目の前にすることは初めての経験でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼著名な動物写真家であり、プロのツアーガイドである安藤誠さんの講演を聴いたのはほぼ一年前のこと。

熊森協会の顧問に彼が就任されたのを披露する意味も込められた企画でした。

その印象はまことに強烈なものでした。「日常的な奇跡の連続が我々の人生、あだやおろそかに生きてはいけない」というメッセージ。

これは野生動物たちの人間と全く同じと言っていい振る舞いを収めた彼の写真や映像と共に私の脳裏に刻まれました。

長年の別離ののちに久方ぶりに邂逅した熊の兄弟が感激して二本足で立って睦み合う姿。

笑う狐やあくびをするフクロウの表情。

白雪のなかを舞う丹頂鶴など。

私がその直後に始めたブログでの回顧録に『日常的奇跡の軌跡』と名付けたのも、まさにこの時の安藤さんの講演の影響でした

 

▼彼は釧路空港から少し離れた阿寒郡鶴居村でヒッコリーウインドという名のウイルダネスロッジ(原野の中の宿)を経営しています。

20年ほど前からの、徹底したリサーチと鍛錬されぬかれたガイドぶりは海外での評価も高く、多くの人々が訪れます。

初めて講演を聴いて以来、熊森協会の室谷悠子会長、事務局の水見竜哉氏らと共にそのロッジを訪れ、知床や釧路湿原にヒグマを追う旅を夢見てきましたが、ついに実現をさせることができたのです。

 

知床に往復8時間ほどかけて走った第一日目に続き二日目は、鶴居村にほど近い釧路湿原聖域への探索行でした。

雄大そのものの草原のなかにひっそりと姿を現した湿地と沼は、絵画の中の世界でしか目にしたことのない幻想的な風景でした。

また、名高いチルワツナイ川の蛇行を小高い丘の上から見た時は、10年ほど前にオーストリアに行った際に見た風景に既視感を持ちました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼二日目の夜には、安藤さんを求めて、釧路周辺や札幌から車で片道5時間近くもかけて走ってきた青年たちを前に、ミニ講演会が開かれました。

ヒグマと人間との間の無理解からくる争いのもたらす悲劇を止めようと、真剣な語らいが夜遅くまで繰り広げられました。

カメラを通じて、野生動物たちと言葉を交わすことができるほどの自然人・安藤さんの話を通じて、〝まやかしの人間主義〟こそヒグマの敵だと私は実感しました。

「人間は自然と離れてはいけない。なぜかというと、人間が作ったものばかりに囲まれていると、本質、本物が見えなくなる」し、「自然はごまかさないし、嘘がない」との言葉に心底から共鳴します。

クマを守れと強調するたびに、私は「人間とクマとどっちが大事なのか」との反論に出くわしてきました。

その都度、「どっちも大事だ、人と野生動物の共生こそ忘れてはならない」と言い返してきました。

今そこに、滅法心強い助っ人が登場して、大いなる喜びに浸っています。

(2019-9-15)

やはりそうだったのか 千葉県の長期停電の原因となったスギの放置人工林

台風15号による千葉県のあまりにも長期にわたる停電に、くまもりは絶句です。

多くの人々や飼育動物たちが、暑い中、どんなに苦しい日々を送らねばならなかったことだろうかとお察しします。

心からお見舞い申し上げます。

千葉県が台風被害被害を受けたと聞いて、私たちがすぐに頭に浮かんだのは、千葉県の山の53%という高い人工林率です。

放置人工林のスギが沢山倒れただろうなと思いました。しかし、千葉県の森林率は31%と低いから、それほど被害はなかったかなとも思いました。

 

以下は、朝日新聞9月23日記事です。

 

停電の千葉、まるで終戦直後

台風15号で千葉県に大きな被害が出てから23日で2週間。千葉県東部の山武(さんむ)市では一時、総戸数の約6割が電気を断たれた。特産の山武杉(さんぶすぎ)が次々と倒れて電線や電柱を直撃、停電は広範囲で10日以上つづいた。林業の衰退で放置されたスギに病気が広がったことが背景にある。

 

 

 

 

 

 

 

スギの倒木が路面を埋め尽くし、電線や電柱にもたれかかる。9日の台風通過後、面積の約3割を森林が占める山武市のあちこちに、そんな光景が広がっていた。停電が解消された23日になっても、電線などの補修作業が続いた。

市の山間部の民家は杉林の中に点在し、林に沿うように電線がつながる。そこに倒木が相次ぎ、停電が広がったとみられる。

東京電力パワーグリッド千葉総支社によると、同市では9日、山間部を中心に、総戸数2万9600戸のうち最大1万7700戸が停電。同社が市全域での復旧を確認したのは、21日午前0時47分だった。

「終戦直後のような暮らしだった」

山間部で落花生を作る男性(81)は、10日以上続いた停電をそう振り返る。

 

蔓延する病気がスギの倒木を拡大

県によると、山武市周辺では250年以上前から特産の山武杉が植林されている。幹が真っすぐで太さに偏りがないため、建材などに使われてきた。

ただ、菌により幹の外側が腐る「スギ非赤枯性(ひあかがれせい)溝腐病(みぞぐされびょう)」にかかりやすい弱点もある。山武市では今回、溝腐病のスギが、7~8メートルほどの高さでポキンと折れる様子が各地で見られた。

倒木が相次いだ理由について、県森林研究所は「最大瞬間風速が50メートルに及ぶ、経験のない強風が最大の理由」と分析。さらに、市内の山武杉の林の約8割に蔓延(まんえん)する溝腐病が、倒木を拡大したとみる。

対策は進まない。同市は民有林の割合が95・7%(2017年)と高く、所有者は費用のかさむ伐採や植林を敬遠する。約5・5ヘクタールを所有する女性(72)は「高く売れるわけでもないのに、手入れを頼むと100万、200万円の単位でお金がかかる。どうしたらよいのか」ともらす。

倒木が助長した今回の停電について、千葉大学の小林達明教授(緑地環境学)は「スギの価格が低迷し、切っても販売先がないため、民有林は荒廃する一方という状態が長く続いている。集落に近い場所に森林がある千葉県では、起こるべくして起きた被害ともいえる」と話す。(熊井洋美)

以下略

 

熊森から

報道してくださったみなさん、ありがとうございます。

写真を見ると、倒れているのは戦後の拡大造林政策で植林されたスギです。

記事によると、山武杉は、昔から植林してきた特産のスギだということです。

地域によって事情はまちまちですから、他所に住んでいる者が断定はできませんが、しかし、昔は1ヘクタールに3000本というような密植はしていなかったのではないでしょうか。

当協会顧問の元徳島県木頭村村長の藤田恵氏によると、木頭村でも昔もスギを植えていたところがあるが、1ヘクタール600本だったので、間に自然に広葉樹が育って針広混交林になっていたということです。

県森林研究所は「最大瞬間風速が50メートルに及ぶ、経験のない強風が最大の理由」と発表されているそうですが、行政は、雨のせいや風のせいにして終わっていてはいけないと思います。自分たち人間のしてきたことを、この機会に反省すべきなのです。

利益追求第一で、あまりにも不自然な密植植林をしたことと、林業不振で手入れが出来なくなっていたことが、今回の長期停電の原因ではないでしょうか。

野生動物達を棲めなくした山は、人間にもしっぺ返しをしてきます。

これを機に、森林環境税などを使って、スギの単一林を針広混交林や広葉樹林に転換して、野生動物と共存する自然豊かな県土づくりをめざしてほしいと思いました。

不自然なものはやがて自然界が除去していくことになります。長い目で見ると、人間は自然の力になど勝てないのです。人間よ、謙虚さを取り戻そう!

長野県八ケ岳火口に転落したクマについて、森山名誉会長がコメント 東京新聞9月5日24面

当協会はクマについて27年間、徹底した現場主義者の研究者たちと共に、みんなで調べ続けてきました。

マスコミの皆さん、クマのことは、熊森に聞いてください。

 

以下、東京新聞記事です。

 

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ヒグマによる人身事故に、3識者の多面的なコメントを掲載した十勝毎日新聞社を讃える

クマ類の有害捕殺数は、すでに今年度7月末までに、ヒグマ287頭、ツキノワグマ1611頭にもなっています。(環境省統計より)

 

有害捕殺というと、クマが何か悪いことをしたような印象を受けますが、当協会のこれまでの調査では、動物としてそこにいたことや、そこにある何かを食べたことが殺処分理由になっており、ほぼすべてが誰にも知られず人間によって闇から闇に消されています。(クマだけではなく、現在、わが国では膨大な野生動物が日々有害捕殺されており、彼らも同様です。)

 

マスコミによってほんの例外的に報道されるクマは、やさしい人々から思いを寄せてもらうことができ、生きた証が残り、ある意味では幸せなクマです。

 

 

<以下は、門崎允昭 博士が代表をつ込める北海道野生動物研究所が発行している「北海道熊研究会会報92号」よりの抜粋>

 

今年7月11日と7月29日の午前4時台に、北海道日高系の十勝管内、札内川上流の八の沢源流上にある「カムイエクウチカウシ」頂上東側の圏谷カール」で、ヒグマによる人身事故が起きた。

 

この山頂(1979m)は日高山系第 2 の高峰で、50 ㎞間隔で3カ所ある一等三 角点の2つ目がある。私は(門崎)幾度も四季通じて登っており、 2月にスキーとアイゼンで、 八の沢から頂上に直登した事もある場所。熟知である。今回、羆に襲われた登山者 2 人も、 この八の沢から登山したもの。

 

私の見解:人を襲った個体は同じである。本気で襲っていない。個体は3歳代で襲った時刻 がいずれも午前 4 時台である。反撃されてその個体は、直ぐに、人から離れ、逃げている。 ホイスルを鳴らしていたら、襲われなかった事故である。 羆が居る可能性がある場所には、ホイスル(軽い、音が響きわたる)と鉈は必需品で有る事 を肝に銘じることである。この羆を殺すべきと言う者は、羆の生態に関する己の無知と自 然に対する傲慢さを恥よと言いたい。真摯に、羆や自然と向き合う事だ。そして発言せよ。

 

<以下、十勝毎日新聞より>

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熊森から

この事件に対して、帯広市にある「十勝毎日新聞社」は、3人の異なる識者の見解を掲載しました。

報道姿勢として、当然の基本ではありますが、行政発表や行政付き識者のコメントしか掲載しない新聞社がほとんどになってしまった現在のわが国では、快挙であり、大変すばらしいと思います。

多様な意見を伝えなければ、国民に考える力が付きません。熊森は、「十勝毎日新聞社」に大拍手を送りたいと思います。

みなさんは、この3者のコメントをどう思われますか?フェイスブックでコメントを出し合えればいいですね。

 

 

・悪は悪人が作り出すのではなく、思考停止の凡人が作る。

・多くの人が考え続けることで人間は強くなり、愚かな判断をし、破滅するという愚行から逃れられる。(女性哲学者ハンナ・アーレント)

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