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カテゴリー「支部・地区・地域」の記事一覧

2018年兵庫県クマ生息地の山の実り 本部豊凶調査 ブナ凶作、ミズナラ並下、コナラ不作

●今年の調査結果

 

今年も9月10日から1週間、兵庫県北部のクマ生息地をまわって、恒例の山の実りの豊凶調査を行ってきました。豊凶は、場所によって、また同じ種類の木でも木によって違うのですが、全体的には、ブナ凶作、ミズナラ並下、コナラ不作、ミズキ並下でした。

全国的に偶数年は実りがよくないと言われており、今年はその偶数年に当たります。

しかし、これまでの偶数年に比べると少し良いかなと感じました。

 

●ブナ

 

ブナ林は兵庫県にはそんなにありませんが、14か所調査しています。今年はまったく実がついていない場所が多かったのですが、少しだけ実りがある場所も複数見受けられました。

不思議な場所が一か所だけあって、今年、豊作でした。ここのブナは全体として他の場所といつも正反対の結果になるのです。

もしかしたらここのブナはDNAが違うのかもしれません。

このエリアだけ豊作

 

●ミズナラ

ミズナラは21か所で調査しました。今年は場所によって豊凶の差が大きかったです。、実のなりが悪いエリアはどれも悪く、実りが多いエリアはどの木も実りが多かったです。全体としては並下ですが、地域差があるので、実りがあるエリアにクマが移動してくれれば、餌はあると思います。

峰山高原の豊作のミズナラ

 

●コナラ

 

兵庫県の本来のクマ生息地は標高が高い所が多く、コナラはあまり生育していません。コナラは9か所で調査をしました。どこも、少し実りが悪かったです。

峰山高原の豊作のコナラが数本ありました

 

●ミズキ

 

ミズキは今が一番食べごろの液果植物です。同科同属の植物にクマノミズキがあります。両種は非常に似ていますが、分布している標高や花の時期、葉の形状などが少し違います。豊凶調査ではミズキとクマノミズキを分けずに調べています。ミズキも地域によってばらつきがありましたが、場所によっては豊作のエリアもありました。

上山高原のミズキは大豊作

 

●くまもり植樹地

 

小粒ですがミズナラはよく実っていました。かつて、植樹してくださったみなさんおおかげです。ささやかながらクマの餌場が出来ています。

毎年クマが登るクリの木。今年も、既にクマが来た痕跡がありました。

 

●ホオノミ

 

普段見るのは落ちている黒い実ばかりですが、これは赤い状態のホウノミです。

 

●クマのフン

 

クマのフンも見つけました。豊凶調査でクマのフンを見つけることはまれですが、見事なフンでした。中にはたくさんの木の実が詰まっていました。

 

●サルナシ

 

結構たくさん実っているサルナシがあったので撮影しました。サルナシや山ブドウはクマをはじめとする山の動物たちの貴重な食料ですが、人も焼酎付けにするなどして利用するので、道から取りやすい実は結構人間に取られてしまっています。

 

豊凶調査では、思わぬ発見があったりして結構楽しいです。。

クマ生息地の豊凶情報をお持ちの方は、本部まで報告していただけるとうれしいです。

 

クマは冬ごもりに備えて、秋にはたくさんのドングリを食べます。ドングリは豊作の年と凶作の年があるので、秋の山の実りが少ないと、クマは十分な食い込みができず、食べ物を求めて集落にやって来る傾向があります。

そこで毎年どんぐりの豊凶調査をして、その年のクマの餌が山にあるかどうかを調査して回っています。

全体的に山の実りが凶作の年は、クマの目撃件数がとても多くなります。そうなると、クマが有害捕殺されないように、また、地元を支援するために、熊森がクマ生息地の集落へ被害防除を手伝いに行く回数が増えるのでした。

 

しかし、兵庫県は昨年から、クマの捕殺体制を問答無用で強化したので、状況はかなり変わってきています。

こんなことでいいのか、10月13日の「兵庫県クマ狩猟3年目と大量捕殺を考える会」に、ぜひ、みなさん、お集まりください。

14:00 ~16:00(13:30開場)
尼崎商工会議所 701号2号線沿い
兵庫県尼崎市昭和通3-96(阪神尼崎駅より北へ徒歩5分)

 

講演会 安藤誠の世界 in 兵庫県

10月30日(火)、「安藤誠の世界」 講演会in兵庫県を開催します。皆さん、奮ってご参加ください。

 

(米)スミソニアン博物館2018年グランプリ受賞の動物写真家・安藤誠氏が、命あふれる大自然の写真とともに、クマや野生動物たちを守る大切さを語ります。

【昼の部】
会場:あしや市民活動センター2F
参加費:1500円(定員50名)
開演:13時30分 終了15時30分(予定)

 

【夜の部】
会場:尼崎市中小企業センター401号室
参加費:1500円(定員100名)
開演:18時30分 終了20時30分(予定)

 

[主催・申し込み]
一般財団法人 日本熊森協会

FAX 0798-22-4196
mail contact@kumamori.org(担当:比留井)
☎ 0798-22-4190

できるだけメールまたはFAXでお申し込みください。

 

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とどまるところを知らない?兵庫県のクマ有害捕殺数 2018年8月末すでに43頭捕殺

開発や大荒廃で奥山にクマが棲めなくなっている兵庫県で、2018年度8月末までのクマ有害捕殺数が、過去最大43頭にまでのぼっています。

 

兵庫県はこれまで、山中にいるクマは有害捕殺しないと決めていましたが、2017年からは集落200メートル以内は山中でも捕殺対象とすると変更しました。クマはそんなことはわかりません。

 

それ以前の2015年と2016年のクマ有害捕殺数の合計と、有害捕殺基準が変更された2017年と2018年の8月末までのクマ有害捕殺数の合計をグラフにしてみました。

 

 

熊森本部は今年、兵庫県のクマ有害捕殺が暴走していることに気づき、7月12日、3名で兵庫県庁を訪れ、どのような基準で有害とみなしているのかなど、担当部署に調べていただくようにお願いしました。

残念ながら、2か月たってもお返事がいただけません。

 

兵庫県の行政は、どうやって県内のクマ数を減らそうかと躍起になっているように見えます。

 

2017年度は、体重4キロの子グマまで有害捕殺していました。

どこが有害だったのか担当者に尋ねると、追い払っても逃げず、集落に1週間籠城したから有害とみなして捕殺したということでした。

きっとこの子グマは、何らかの事情で母グマと別れて、どうしたらいいのかわからなかったのだと思います。

毎年お願いしているにもかかわらず、熊森には何一つ、連絡もありませんでした。

生きていくすべも知らずに途方に暮れている4キロの子グマを、集落に籠城した有害動物とみなす動物観が信じられません。

 

兵庫県は他府県と違って、私たちがクマ情報を公開請求しても、隠そうとされるので、本部としても何が起きているのかよくつかめません。

 

去年までは神戸新聞地元版にはクマ目撃情報が出ていましたが、今年からはなぜか、それすら消えてしまいました。

クマ目撃情報は、熊森だけではなく、地元のみなさんにも必要な情報のはずですが。

以前はよく新聞に載っていたクマの捕殺数や地元の声などの記事も、今は一切載らなくなっています。

県民は、何が起きているのか、気づくことさえできません。

 

兵庫県は、クマが爆発増加したとして、2016年からクマ狩猟を再開しました。

毎年百数十名の狩猟者に、クマ捕獲許可を与えていますが、ひとり1頭までという制限が付いていました。

今年の狩猟期からは、ひとり2頭までに変更ならまだしも、なんと突然、この制限を撤廃してしまいました。

 

ここまでクマ捕殺を進めようとするのなら、私たち自然保護団体はもちろん、県民にも丁寧な情報公開が必要ではないでしょうか。

 

ちなみに、2017年度の兵庫県内のクマ狩猟数は1頭でした。

兵庫県が発表されているように、県内のクマが918頭にまで爆発増加しているのなら、クマ狩猟数1頭をどう説明されるのでしょうか。

 

兵庫県のクマ推定生息数の計算方法について疑問を持たれた統計学の専門家が、検証したいとしてコンピュータープログラムを情報公開請求したところ、兵庫県は拒否されたそうです。

 

民主主義の基本は情報公開にあります。

また、公務員は公僕のはずです。

兵庫県が他府県並にクマ情報を出してくださるよう願いたいのですが、みなさんはどう思われますか。

 

 

 

 

「恐れ」から「理解」へ 小学生がクマの生態学ぶ/岩手・北上市    岩手放送TV報道

以下は、9月11日yahooニュースです。

これは岩手県 南広域振興局環境衛生課が主催しました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180911-00010002-ibciwatev-l03


ツキノワグマの出没が多い地域にある岩手県北上市の小学校で11日、クマの生態を学ぶ特別授業が開かれました。恐れるのではなく理解することで、クマの被害を減らそうという取り組みです。

(授業)
「みんな岩手に住んでいてどう?クマいっぱいいるけど?」
「見たことある!」
「3匹見たことある!」

特別授業が行われたのは、北上市和賀町の笠松小学校です。県が主催した授業では、4年生から6年生までの児童がクマの生態や人間との関わりを学びました。こちらの小学校で授業が行われるのには、理由があります。

(リポート)
「笠松小学校の周辺ではクマの出没が相次いでいて、学校のほか地域では様々な対策を行っています」

北上市では去年クマの出没が176件あり、学校がある横川目地区では20件の目撃情報が寄せられました。県は今年度、横川目地区とその周辺を「市街地でのクマ対策」を推進するモデル地域に指定しています。今年は周辺の林にカメラを設置してクマが人里に入り込むルートの解析を試みています。
授業では岩手大学農学部で野生動物について研究している山内貴義准教授が、クマが川などの水辺を移動して人里に近づくことや、突然遭遇すると驚いて人間を襲う場合があることを説明しました。
一方で、クマは普段は山の中でおとなしく暮らし、臆病な性格でもあります。

(山内准教授)
「どうしてもクマは怖いというイメージがあるのですが、クマ自体は平和な動物なので、何とかクマと一緒に暮らしていけるようにしていきたいなあ」

山内准教授は、クマによる被害を防ぐためにはクマと遭遇しないよう鈴をつけて人の存在をアピールしたり、山林と人の生活域との境界線を明確にするためにこまめに草刈りをしたりする重要性を訴えました。

(児童)
「クマは今まで怖いものだと思っていたけど、クマと一緒に生活することも可能なんだなと思いました」

クマの存在を身近に感じる地域で暮らす児童たち。恐れるのではなく正しい生態を知ることが、被害を防ぐ第一歩になることを学んでいました。

 

熊森から

マスコミなどの視聴率受けを狙ったセンセーショナルなクマのフェイク報道のせいで、すっかり恐怖の対象にされてしまったあわれなクマです。

野生グマに無数に会ってこられた宮澤正義先生は、クマは人間が見習わなくちゃならないほど争いを避ける平和愛好者だと言われています。

 

これまで熊森本部は、各地のクマによる人身事故被害者に会って聞き取ったり、現場調査を繰り返したりしてきました。

ほとんどの事故は、人間側に過失がありました。多くの被害者が、クマを驚かせた私が悪かったと言われていました。

 

人間が、クマがどれほどこわがりか知って驚かさないように正しく対応したら、ほとんどの事故はなくなると思います。

 

岩手県の振興局のみなさん、授業をしてくださった山内先生、報道してくださった岩手県のマスコミのみなさん、本当にありがとうございます。

 

責任ゼロ、検閲なし、出したもの勝ちのネット情報だけに頼っていたら、危険だと思います。

国民に正しい情報を伝えるきちんとした新聞社やテレビ局を、みんなで応援していきたいですね。

 

8月26日(日)宮崎県支部 森林環境税街頭署名 600人の署名集まる!

宮崎県支部は、イオン延岡ショッピングセンターで森林環境税の街頭署名活動を実施しました。

熊本県を訪れた、室谷会長と職員の家田が支部のみなさんの頑張りを応援しようと、街頭署名に参加しました。

イオン延岡の正面入り口にブースを設置

現地に駆けつけると、イオン延岡の入り口3か所にそれぞれスタッフが分かれて、来店された方に署名をお願いしてもらっていました。午前中だけでなんと300筆も集められたそうです。

正面入り口とは別の入り口

緑のくまもりTシャツが映えますね☆

この日は宮崎夕刊デイリー新聞が取材にきてくれていました。室谷会長のお話も聞いていただくことができました。

取材に答える室谷会長と鶴永支部長

宮崎県支部の皆さん、本当にお疲れさまでした!

この日一日で集まった署名は600筆!本当にたくさんの方が署名してくださいました。署名いただいたみなさんありがとうございます。今回の街頭も合わせて、宮崎県支部は1300筆の署名を提出してくださいました。

 

宮崎県支部をはじめ、全国の支部や会員のみなさんが森林環境税の署名を集めてくださっています。本部に集まった森林環境税の署名は5000名を超えましたが、国会を動かすには、まだまだたくさんの方の声が必要です。ぜひ、森林環境税の署名集めにご協力ください。署名用紙はたくさんありますので、集めてみようという方は、お送りしますので本部までご連絡ください。

署名用紙はこちら http://kumamori.org/index.php/download_file/view/1395/
ネット署名はこちら https://chn.ge/2JsWbSW


 

北海道島牧村出没中の若いヒグマ、殺す必要は全くないと門崎博士 北海道文化放送

連日話題になっている島牧村に出ている若いヒグマです。

人間社会の本当の恐ろしさを知らずに、連日夜間に出て来ています。(でもちょっと怖いから、夜ばかり)

島牧村では法律で禁止されている夜間発砲が検討され、猟友会はいつでも撃てる体制が整ったと言っています。

熊森顧問の門崎博士は、電気柵などの設置を進めよ。殺す必要は全くない。そのうち山に帰ると主張されています。

熊森は、この若いヒグマは好奇心が強いだけで、人間を襲う意思などゼロだと思います。

むしろ、人間に好意を持っているのでしょう。

なぜ殺さねばならないのでしょう。

電気柵や追い払いで脅かして、ここはイヤな所だなあと学習させ、山に返すべきだと思います。

 

以下はUHB北海道文化放送テレビのニュースの映像です。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180814-00000008-hokkaibunv-hok

 

8月13日、島牧村で開かれたクマ対策会議。連日のクマ出没に、島牧村の藤澤村長は駆除に向けて警察と協議を進めていく姿勢を示しました。

 

藤澤克村長:「捕獲駆除を行わなければ住民に対する危害は時間の問題。夜間における発砲ができる環境を作っていく」

 

一方で専門家は駆除の前にすべきことがあると指摘します。

北海道野生動物研究所 門崎允昭代表:「生ごみの出し方や保管の仕方を考慮、検討すべき。出てきて困るところには電気柵を設置する。クマが1度でも電気柵に触れると2000ボルトのショックがあるので絶対その場所にクマは寄り付かなくなる」

これは遠軽町丸瀬布のデントコーン畑で撮影された映像です。クマは畑に近寄りますが電気柵を乗り越えようとしない様子がわかります。

 

専門家は現時点での駆除には慎重です。

北海道野生動物研究所 門崎允昭代表:「殺すという対策は、全く必要ありません」

7月26日 オリックス株式会社による徳島県天神丸風力発電事業計画の予定地を初視察

2018年7月26日、室谷会長と本部職員2名は、早朝、西宮市を出発し、徳島に向かいました。

天神丸風力発電事業の計画地は徳島県随一のブナを中心とする豊かな森が残っている地域で、絶滅寸前の四国ツキノワグマの大切な大切な生息地でもあります。

このような場所をオリックス株式会社が開発しようとしています。熊森としては絶対に認められません。

 

剣山林道東口に「クマ出没注意」看板。この林道を登ると風車設置計画地。

 

天神丸風力発電事業は、徳島県の那賀町、美馬市、神山町にまたがる標高1500m級の険しい山々の尾根に計画されています。総延長約30kmの尾根筋に、高さ178mもの風車を42基設置する巨大な開発計画です。

天神丸風力発電計画地。赤線が計画範囲で、白い棒は風車を見立てて178mの仮想の棒を立てたもの。(熊森本部作成)

 

この日は途中で、徳島新聞の記者さんや熊森徳島県会員らと合流し、現地の山を詳しく知る地元の方の案内で、剣山スーパー林道を4駆で進みました。

 

以下は、当日の視察を3分半の動画にまとめたものです。

 

熊森から

四国の山々は、スギやヒノキの人工林でふもとから頂上まで埋まっている所が多いのですが、この開発計画地は、頂上一帯がブナの巨木の森で、こんこんと清らかな水が湧き出していました。

この水は最終的に四国最大といわれる吉野川に流れ、愛媛県、香川県、高知県、徳島県に住む64万人もの人々の生活を支えていきます。

同行してくださった徳島県会員が、「自然の森は、こんな高標高のわずかな地域にしか残っていないんですね」と、驚いておられました。

案内してくださった地元の方も、「こんな場所を開発するなんて、絶対にだめだよ」と言われていました。

 

 

以下は、翌日の7月27日徳島新聞朝刊

7月27日朝刊、徳島新聞の記事

 

環境省、経済産業省、徳島県知事、各首長、県民、国民、多くの人々が白紙撤回していただくことに言及しているのに、オリックス株式会社は、まだあきらめていないようです。

かくなる上は、この場所での風力発電はダメの声を、全国からオリックス株式会社に届けていきましょう。

 

 

 

 

 

8月5日(日)好天の第23回くまもり原生林ツアー無事終了 今年も大好評

クマたちが棲む奥山水源の森を、都市に住む多くの方々に親子で見ていただこうと毎年熊森本部が夏休みに企画している「くまもり原生林ツアー」、今年で22年目です。今回は37名の方がご参加くださいました。

 

朝7時40分に兵庫県西宮市を出発。バスの中では、熊森本部スタッフによる子供から大人まで楽しめるミニ奥山生態学講座や楽しいリクリエーションが実施され、なごやかな中、岡山県との県境に向かいます。

バスの中で生き物の鳴き声クイズに答える参加者

 

今回は、先日の台風により何ケ所かで山が崩れ道路が閉鎖されていたり、若杉天然林の駐車場のトイレの取水装置が土砂に埋まりトイレが使えなくなっていたりで、回り道を余儀なくされました。

 

やっと若杉天然林に到着です。

 

駐車場には、他にも大型バスが1台来ており、乗用車も結構多かったです。ここは穴場だったのに、みんなに知られることになってしまったのでしょうか。今年の人の多さには驚きました。

 

83ヘクタールの面積に、ブナ、カエデ、ミズナラ、トチノキなどの巨木をはじめとした199種類の樹木が立ち並ぶ中国地方でも有数の天然樹林で、氷の山後山那岐山国定公園の特別保護地区に指定されています。吉野川の源流であり、谷のせせらぎ、木々が風に揺れる音や、野鳥や虫の声・・・別世界となっています。

 

いよいよ入山です。

健脚コースが2班、ゆっくりコースが3班と、班に分かれて山に入っていただきました。

熊森スタッフのガイドで若杉天然林内を歩く参加者たち

 

当日の地元岡山県西粟倉村の気温予想は、なんと37℃。しかし、標高950~1100mにある若杉天然林内は25℃で、涼しく感じました。(ふもとはやはり、猛暑でした)

 

今回、10名の子供たちが親子で参加してくれました。大人も子供も、森の中に入ると目を輝かせて、いろいろな植物や生き物たちを見ておられました。

ヤマアカガエル

ルリタテハ

オオミズアオ(残念ながら死んでいました)

このトンボは???

 

頂上付近の湿地では、トンボが乱舞していました。下界が暑すぎるので、避暑に来ているのでしょうか。

 

哺乳類が全く見られないのが残念です。20年前にはクマも2頭いましたが、なぜか今はもう痕跡がありません。せめてウサギやシカだけでも見れたらなあといつも思うのですが、訪れる人が多い上。国を挙げて狩猟や野生動物の大量駆除を推進している平成では無理でしょう。(やはり、入山制限も必要です。)

 

今年も、若杉天然林の沢の水温をみんなで測ってみました。

沢の水温は何度でしょう

 

沢の水は磨かれたガラスのように透明で冷たく、暑い夏を忘れさせてくれました。

なんと、計測結果は18℃から場所によっては19℃と、例年の16℃と比較すると水温が2-3度も高くなっていました。

湧き水の温度は年中一定のはずなのですが、この殺人的な猛暑では、、、。

 

 

 

〈参加者の皆さんからいただいた、今回のツアーの感想〉

Nさん「人工林と天然林の違いがよく分かりました。若杉天然林の中は涼しくて気持ちよかったです。参加してよかったです。」

スギ・ヒノキの人工林には、光が入らず、下草が生えない。説明するスタッフと、真剣に説明を聞く参加者

 

Fさん「まわりの人工林地帯に囲われるような形で残った若杉天然林は、非常に貴重であるとともに、後世に残していかなければならないと感じました。秋も行きたいですね。」

 

Kさん「若杉天然林に、今はクマが見られなくなってしまったと聞き、天然林を守ることはもちろん、まわりの人工林を天然林へ戻すことも必要なんだと思いました。クイズなどもあって楽しみながらツアーに参加できました。」

 

暑い中、参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。子供たちは、夏休みの自由研究として、この日のことをぜひまとめてみてください。期待しています。

これはおかしい マタギ文化のない兵庫県がスポーツやレジャーとしてのクマ狩猟推奨に躍起

2018年7月30日、兵庫県農業共済会館で開催された兵庫県環境審議会鳥獣部会で、今年からクマ狩猟ひとり1頭までの制限枠が撤廃されました。
審議会では、議論らしい議論はほとんど何もありませんでした。

審議会のようす2017年度撮影分

 

議論したい熊森は、審議会に委員入りしたいと申し出ているのですが、兵庫県からずっと排除され続けています。

 

現在行われている兵庫県のツキノワグマ対応は、第3者が検証できない算出法で算出したクマの推定生息数(不確かな数字)を元に、数字に従って、クマを殺していくという、大変非科学的で残虐な対応法だと思います。(どうして井戸知事がこんな無茶を許しているのか、理解できません)

 

1991年の兵庫県のツキノワグマの推定数は60頭でした。(奥山生息地が荒廃して棲めなくなっていくにしたがって、クマ数は増えに増え続けたということで、)人里での目撃数の増加と人里での捕獲数の増加を2大因子としてコンピューターで算出したところ、2017年には、なんと347頭~1486頭、中央値918頭にまで増加したと兵庫県森林動物研究センターは発表しています。

熊森は、自動撮影カメラを用いて奥山や里山で自分たちが撮影してきた結果も踏まえて、クマにドーナツ化現象が起きている、奥山でのクマ数の激減も生息数推定に加味してほしいとお願いし続けてきましたが、いまだなされていません。

 

中央値が800頭を超えると狩猟することになっているとして、兵庫県は2016年から20年ぶりにクマ狩猟を再開しました。

捕獲上限頭数は、有害捕殺数と合わせて、生息推定数の中央値の15%となっています。

 

その結果、

2016年の兵庫県の捕獲上限頭数140頭 クマ狩猟登録者140名

ひとり人1頭までの狩猟制限あり

クマ狩猟実績4頭+有害捕殺数29頭=33頭

(この狩猟数ではクマ数は減らないなあ)

 

兵庫県では、民家のすぐ後ろが山になっているところも多く、クマは人に見つからないようにそっと遠慮して利用してきました。(これまでは、山中には捕獲罠を仕掛けてはいけないことになっていたのでつかまらなかった。)

 

2017年から兵庫県は、ゾーニングと称してクマには何も知らせず、集落から200メートル内にいるものは山中であっても捕獲罠を仕掛けて有害捕殺できるよう、いきなり、捕獲基準を変更しました。

 

その結果、

2017年の兵庫県の捕獲上限頭数134頭 クマ狩猟登録者154名

ひとり人1頭までの狩猟制限あり

クマ狩猟実績1頭+有害捕殺数34頭=35頭

(だめだ、こんなに積極的に有害捕殺やクマ狩猟を推進しても、クマ狩猟実績が1頭では、クマ数は減らない)

 

そこで、今年は、

2018年の兵庫県の捕獲上限頭数137頭

(今年は5月6月の2か月間だけで、すでに20頭ものクマを有害捕殺しています)

(どうしたら、もっと殺せるだろうか。)

そうだ、ひとり人1頭までの狩猟制限を撤廃しよう!

 

兵庫県森林動物研究センターの研究者たちと兵庫県鳥獣対策課の担当者たちの間で、以上のような経緯があったのではないでしょうか。

 

元々、兵庫県にマタギ文化はありません。

兵庫県が2016年にクマ狩猟を再開しようとしたとき、当時の審議会で、兵庫県の猟友会の代表の方が驚いて、(県からの相談は何もなかったようです)、「私は(クマ生息地)で40年間も狩猟してきたが、クマを獲りたい者なんてひとりもいないですよ」と、発言されました。

私たちには、兵庫県行政が狩猟者に無理やりクマ狩猟を強要しているようにしか見えませんでした。

 

私たちは、このような兵庫県のクマ対応を、全く理解できません。

コンピューターではじき出した仮想数字をもとに、クマの命を、どんどん奪っていっていいものでしょうか。

数字を使えば科学的だと勘違いされているのではないでしょうか。

 

人里でのクマの目撃数が増えたのは、確かに問題です。

しかし、戦後造林した広大な人工林が成長して内部が砂漠化しており、2000年以降は、かろうじてクマたちの生息を支えていた自然林の下層植生までもが広範囲にわたって消えていきました。今や兵庫県の多くの自然林の内部は野生動物たちがいない公園のような状態になってしまっています。身を隠していたい臆病者のクマにとっては、隠れるところがありません。

また、夏のクマの食料である昆虫が、地球温暖化のせいか激減しています。クマたち野生動物が、生きるために過疎化高齢化した食料豊富な人里に出て来るようになったのは当然です。そして、人や車に慣れていくのです。

すべて人間がこのような状況を作ってしまったのです。

 

人里でのイノシシ罠やシカ罠へのクマの誤捕獲数が増えたのも、問題です。

しかし、クマが大好きな米糠を入れた罠をどんどん人間が人里に設置していっているのですから、何キロも先からクマたちが糠の発酵臭を察知して里に集まって来るのは当然です。

 

 

森の中を動き回るクマの正確な生息数なんて、人間には絶対にわかりません。

何頭いたっていいじゃないですか。

今、大事なことは、クマたちがどうしたら昔のように山の中に戻ってくれるかだと思います。

熊森は、いろいろな提案をし続けてきましたが、今の兵庫県にはほとんど耳を貸していただけません。

 

熊森が止めれば止めるほど、兵庫県はますますむきになり感情的になって、クマ狩猟を推進しようとしているように見えます。

 

そもそも、我が国にとって、1999年の環境省のワイルドライフマネジメントの導入が、失敗でした。

殺すことによって野生動物の生息数を人間が思うような数にできるという錯覚は、自然とは何か、生命尊厳とは何かが全く分からない人たちが考えた机上の空論だと思います。自然界は無数の生物による絶妙のバランスの上に成り立っており、人間が管理できるような単純なものではありません。

 

 

日本の野生動物対応は、奥山生息地の再生に重点を置き、あとは自然界に任せるものに変えていくべきです。

一般市民は多くの研究者や行政マンと違い、まだ他生物への共感や共存本能を失っていません。

市民が声を挙げる時です。

 

兵庫県のツキノワグマ推定生息数の算出方法に問題あり 過大推定の恐れ 専門家が論文で指摘

兵庫県のツキノワグマ推定生息数の算出方法は、条件設定を少し変えることによって、自由自在に好きな頭数が出せるものであることがわかりました。

また、標識再捕獲については、全く機能していないことがほぼ判明しました。

 

 

以下は、統計学の専門家である日本福祉大学経済学部教授山上俊彦教授の文です。

 

「階層ベイズ法」のどこに問題があるのか

 

近年、各府県のツキノワグマ(保護)管理計画において、「階層ベイズ法」を用いた生息数推定値が用いられることが多くなっている。その結果に共通しているのは年率15~20%という自然増加率とそれに伴う爆発的な生息数の増加である。

なぜ、このような大型野生鳥獣においてあり得ない数値がコンピュータのシミュレーションで計測されるのか、検証が必要である。そのためには、シミュレーションに用いたプログラミングを用いて推定を再現してみなければならない。

ところが、(保護)管理計画という公文書に生息数が記載されているにも関わらず、プログラミングの著作権は府県に帰属していない場合が多く、府県は情報開示に応じていない。

しかし、情報開示に応じて下さった自治体があり、開示されたプログラミングを基に、兵庫県の推定内容を検証してみた。

「階層ベイズ法」は、「状態・空間モデル」を援用したものである。「状態・空間モデル」は観察された時系列データの真の値との誤差を分析するための重要なモデルである。このモデルのパラメータを正しく推定するためにはモデルの背後にある生態系の構造を正しく特定化した上で、一定量のデータと事前情報を必要とする。つまり、求めようとするパラメータの値を構造パラメータが規定する自律度が高く、構造の識別が可能であることが、パラメータ推定値が真の値の不偏推定量であることにつながる。「状態・空間モデル」では、パラメータ推定が煩雑であるため、MCMCを用いたベイズ法で推定される。

「階層ベイズ法」によるツキノワグマ生息数推定は、モデル構造が不明確であり、事前の情報に乏しく、データは捕獲数しかない。しかも捕獲数は捕獲努力による修正がなされていない。モデルの自律度が低く、構造の識別が不可能であるため、パラメータ推定値の信頼度は低くなる。さらに生物には、個体数が増加すると自然増加率が抑制されるという密度依存性がある。通常、モデルにこのような装置を組み込み解の発散を防ぐものであるが、そのような工夫はなされていない。

構造が不明確なモデルに、バイアスのかかった捕獲数のみを用いてパラメータを推定すると、様々な解が提出され、いずれが正しいか判断することができなくなるのである。さらに推定の度に値が変動し、その理由を説明できない。

このような問題点があるにも関わらず、情報が不十分なままでも曖昧な推定を行うことが可能なベイズ法により解が求められることになる。その結果について解釈不可能であるため、ツキノワグマを捕獲すればするほど生息数の推定値が増加するといった結果が受容されるという懸念が示されていた。

今回、兵庫県の推定を再現したところ、初期個体数の設定値により、自然増加率と生息数推定値は大きく変わることが判明した。初期個体数の設定値を倍にすれば個体数推定値は倍になり、逆に自然増加率は低下する。つまり当初は生息数が少なく異常な増加率で生息数は爆発的に増加するか、増加率は抑制されても個体数は従前から多いといういずれかの結果となってしまうのである。

さらに、捕獲数以外のデータは表面的な装飾に過ぎず、解に影響を与えていない可能性が高いことが判明した。つまり、目撃数や標識再捕獲数は個体数推定に殆ど影響は与えていない装飾的変数である可能性が高い。

また、錯誤捕獲して放獣したツキノワグマも捕獲数に加えると見かけ上、著しく自然増加率と生息数推定値が膨らむことが判明した。特に近年、イノシシ罠での錯誤捕獲が目立っている。兵庫県において、錯誤捕獲したツキノワグマを放獣することは法律に従ったものであり評価されるべきものであるが、これは通常の捕獲ではない。

「階層ベイズ法」は、状態・空間モデルの本来の趣旨を逸脱したものである。推定値については、その生態学的解釈ができないため、妥当性の判断ができない。逆説的に言えば、解釈不能であるから、その結果が「科学的」手法によるとされて批判されずに受容されてしまっているのである。

 

 

熊森から

尚、専門的にお知りになりたい方は、山上先生が2018年7月に発表された 次の論文をお読みください。

「階層ベイズ法」によるツキノワグマ生息数推定の批判的検討」―状態空間モデルとの関連からの再考―

 

 

熊森がこれまで兵庫県にお願いしてきたのは、以下の2つです。

 

1つ目は、兵庫県の研究者がシミュレーションに用いたプログラミングの情報公開です。情報公開は民主主義の第一歩ですが、兵庫県に情報公開請求をしても出していただけないことが多く、これも、非公開とされたままです。

第3者が検証できないものは、科学的ではないはずです。

 

2つ目は、兵庫県のツキノワグマの推定生息数を算出された兵庫県立大学の若い先生と、算出法に問題があると言われている統計学の専門家である山上俊彦先生が会って、意見交換をする場を作って欲しいということです。山上先生は穏やかな方です。山上先生はいつでもお会いしたいと言われていますが、兵庫県がそのような場を未だ1回も作ってくださいません。統計学の専門家でなければ分からない内容であり、真理追求には多くの議論が必要なはずです。このような兵庫県の姿勢を大変残念に思います。

 

このような状態で、兵庫県のツキノワグマ推定生息数は爆発増加している、もう絶滅の恐れはないから狩猟や有害駆除を促進しようと言われても、広大な奥山生息地が破壊されたままになっていることを知っている私たちには、受け入れられません。

 

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