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7月19日発生の宮城県気仙沼市でのクマによる死亡事故について

気仙沼の山中でクマに襲われ男性死亡 河北新報 2019年7月19日より

 

クマと人間との事故が発生した場合、センセーショナルで一方的なマスコミ報道がなされると、本来、人間よりずっと平和愛好者であるクマという動物が、まるで狂暴動物でもあるかのように誤解されたり、地元にお住いの方々に必要以上の恐怖心や不安を与えたりしてしまいます。

そこで、熊森本部は可能な限りいち早く事故現場へ出向いて、事故原因の究明と再発防止対策を行っています。遠方などの理由で出向くのが無理な場合は、担当部署に電話で聞き取りを行っています。

 

7月19日に宮城県気仙沼市で発生した死亡人身事故について

 

事故現場は、集落の中心から2kmほど離れた、岩手県との県境に近い場所です。

熊森本部作成の事故現場。クリックすると大きくなります。

 

市の担当者:今回亡くなられた男性は、シカの有害駆除の委託を受けていた捕獲者で、親族の方のお話によりますと、19日は早朝5時か6時頃に、罠の見回りに行くと家を出られました。

 

一向に帰ってこないのでご家族が市や警察に電話しました。猟友会と警察と市の担当者で探したところ、くくり罠の近くに倒れていた男性が見つかりました。男性は顔をクマにぼこぼこに叩かれたようで、引っかかれた傷もついていましたが、体を食べられたりはしていませんでした。猟友会が近くを探したところ、罠から100m離れた所に、足首にくくり罠をつけたまま歩いているクマがいたため、その場で射殺しました。

 

くくり罠の周りは、草がはだけて地肌が露出していたので、クマは脱出しようとかなりもがいていたんだと思います。おそらく、男性は、罠の見回りをされていた時に、クマがくくり罠にかかっているのを発見して、様子を見ようと近づき、恐怖感でいっぱいになったクマが全力で暴れてくくり罠を引きちぎり、男性の方に向かってきたんだと思われます。

 

熊森:くくり罠の12cm規制はなされていましたか?

 

担当者:いいえ。

 

熊森:クマとシカが生息する地域では、くくり罠を使用禁止にするか、輪の直径を12cm以下にしていただかないと、クマの錯誤捕獲が後を絶ちません。

以前、気仙大島にクマが泳いで渡ってきた時、島内に罠が設置されましたが、当時の気仙沼市の担当の方は、捕獲したら山へ持って行って放獣する。

気仙沼の人はクマを滅多に見ないので恐れるが、山の人は昔からクマと一緒に暮らしてきたから、クマに寛容で放獣を受け入れてくれると言われていました。

 

担当者:県から、箱罠にかかったクマは放獣するように言われていました。クマなんかいたっていいじゃないかという人は確かに多いですね。

 

熊森:箱罠であれば放獣もできますが、くくり罠にかかったクマの放獣には麻酔が必要で、獣医さんや熟練放獣者が必要です。再発防止のために、今回の場所は、くくり罠12センチ規制か使用禁止が必要です。

 

 

熊森から

 

亡くなられた方、ならびにご家族の方々には、慎んでご冥福をお祈りします。

そして、射殺されてしまったクマにも、手を合わせます。

 

なぜ、クマと人の不幸な事故が発生してしまったのか、どうしたら防げるのか。

 

以下、参考文献

「兵庫県で発生したツキノワグマによる人身事故の検証ー2016年、2017年の事故例」
日本奥山学会誌 vol7 水見竜也(1) 2019 pp34-49

※クリックすると読めます。

 

事故を防ぐには、1件1件の事故例を分析して、その地域の実態に合った対策を行う必要があります。

行政担当者の皆さんにがんばっていただきたいです。

気仙沼市の海を泳いでクマが大島に渡る 市は島に捕獲檻設置、捕獲後は本州部に放獣予定

宮城県気仙沼市で、クマが約200メートルの海を泳いで島まで渡ったようです。

読売オンライン2018年6月10日

またまた海を泳ぐクマです。今期、北海道利尻島から数えて2例目です。

 

さっそく、熊森本部は市の担当者に電話をしました。

 

気仙沼市役所の担当者

大島島内で5月23日にクマの目撃があって、24日に海を泳いでいるクマの写真が撮影されました。その後、島内で糞や足跡などが発見されました。

島民の皆さんには、説明会を開いて、生ごみの管理を徹底して頂くこと、クマ鈴をつけてもらうこと等注意喚起し、捕獲罠も設置しました。もしクマが捕獲罠にかかれば、本土へ運んで山奥に放獣します。

6月に入ってからクマの目撃や新たな痕跡は発見されていません。本土から最短200m程しか離れていない島なので、また泳いで帰ったのかもしれませんね。罠は6月13日まで設置しますが、恐らく捕獲されることはないと思います。

クマがこの島に泳いできたという話はこれまでありませんでしたが、シカやカモシカが泳いで渡ってきたことはあります。

 

熊森より

先日仙台市の倉庫に入ったクマが麻酔をかけられて捕獲された後、撃ち殺されたばかりなので心配でしたが、今回は殺さない対策を取っていただけるということで安心しました。

放獣予定先の地元は、クマがいるのは当たり前だとして、クマ放獣に寛容的だそうです。

 

「クマはおとなしい動物じゃ。うちの町民だな。いて困ったことなど1回もない」と、私たちに言われた兵庫県の奥のクマ生息地の町長さんの言葉を思い出しました。

クマに人間を襲う習性など全くないが、人間が脅かすから、クマは殺されるのかと思って向ってくるのだそうです。

熊森は、クマの平和的な本当の姿を正しく国民に伝えたいです。ただし、ぬいぐるみではありませんから、人身事故が起きないように注意は必要です。

 

 

仙台市倉庫にいたクマ、麻酔銃で捕獲して檻に入れた後、射殺 なぜ放獣しなかったのか 熊森が抗議

6月6日、仙台市の日本郵政の倉庫内に1頭のクマが入り込み、麻酔銃で捕獲された後、殺処分されました。

 

熊森本部は、仙台市の担当者に、なぜ放獣できなかったのか、電話で聞き取りました。

担当者は、人身事故の危険性が高かったためにやむ終えなかったと答えました。

しかし、

クマは麻酔銃を向けても無抵抗で、人間に牙や爪を向けたりしなかった。

体長117cmで体重が36㎏しかない小柄なクマだった。

ということです。

 

このことを知った宮城県のクマ生息地に住む熊森会員が、「麻酔をかけられ眠っているクマに銃を向けるなど許せない」として、すぐに、仙台市の担当者へ電話を入れてくれました。

 

宮城県の熊森会員が仙台市に訴えた内容

●麻酔をかけて捕獲をしたところまでは、良い。しかし、その後なぜ殺処分なのか。

●仙台市内でも奥羽山脈の山奥へ行けば、まだ豊かな森が残っていてクマたちが棲んでいる。近くには民家もないし、簡単に放獣できるではないか。

●どうしても放獣ができないと言うのなら、捕まえたクマを仙台市で飼ってほしい。毎日食べものを与えて、掃除などの世話をしてみたら、クマを容易に殺処分することなんてできなくなるはずだ。

 

市の担当者は本部が電話をした時には謝りませんでしたが、この会員には、「命を奪ってしまって申し訳なかった」と言われたそうです。

地元の会員が、クマの命も大切にしなければならないという声を行政に届けてくださった効果は大きいと思います。

 

仙台市には、今回のクマ捕殺の件で、どうして助けてやれなかったのかという声が多く届いているそうです。

声を届けてくださったみなさん、ありがとうございます。

 

 

 

 

宮城県の雪山で、今年初のクマによる人身事故が発生。熊森本部が地元行政へ電話で聞き取り

2018年3月31日、今年度全国初となるクマによる人身事故が、まだ雪が残る宮城県の山奥で発生しました。

以下、河北新報 ONLINE NEWS (2018年4月1日付)より

 

クマに襲われ男性が大けが 加美・荒沢湿原

 31日午前11時ごろ、宮城県加美町鹿原の荒沢湿原で、仙台市太白区の団体職員男性(68)がクマ1頭に襲われ、頭に大けがをした。
加美署によると、男性は10センチほどの裂傷が2カ所あるが、命に別条はないという。現場は荒沢自然館の西約4キロの山中で、男性は景色などを撮影するため1人で歩いていたという。
荒沢湿原は県内有数のミズバショウの群生地。以下略。

 

熊森本部は、すぐに加美町役場の担当者へ電話して、くわしい状況を聞き取りました。

 

【加美町担当者の話】

 

事故があった場所は今も雪に覆われている。冬眠しているクマを刺激する恐れがあるため、町としては現場調査は行わない。

ケガをされた男性は、自然の写真を趣味で撮られている方で、撮影時、動物に気づかれないように、クマ鈴など音の出るものを携帯していなかった。

人の気配を近くで感じてびっくりしたクマが、冬ごもり穴から出てきたのかもしれない。

 

事故後、男性は電話で荒沢自然館へ救助を要請し、荒沢自然館の方が、当日現場方面の山の中にスノーモービルで入っていた方に、男性の捜索と救助を要請して、無事男性を救出した。

 

現場はクマの生息地なので、町としては今回、有害駆除はしない。現場につながる道路を閉鎖するとともに、山に入る時は音の鳴るものを携帯して十分注意して頂くよう、看板設置をして回っているところ。

人身事故が発生した場所。加美町担当者の話を基に熊森本部が作成。(クリックしていただくと、大きくなります)

 

熊森から

お怪我をされた方に、お見舞い申し上げます。

 

クマは、人間に対して恐怖心を抱きながら生きています。ふつうは人間を察知すると、クマの方がさっと逃げますが、うっかりして臨界距離(12メートル)内で人間に出会ってしまうと、クマは逃げられないと思い、恐怖でいっぱいになります。クマの中には、習性として人間をはたいてそのすきに逃げようとする者がいます。クマの棲む山に入る時は、熊鈴などを携帯して早めに人間の存在をクマに知らせるなど、人間側の努力が必要です。

 

今回、加美町は、クマと人間、両者の視点から中立的に見て、クマを有害駆除しないと決められたそうで、ほっとしました。

 

お怪我の程度が心配されます。メディアの報道が「大けが」となっていたり、「引っ掻かれた」となっていたり、まちまちです。

 

2017年度、兵庫県ではクマによる人身事故が2件発生し、県はどちらも重傷と発表しています。しかし、本人にお会いすると、軽傷と言われました。うち1名の方は、医師の判定も軽傷だったと教えてくださいました。

 

一方的にクマを狂暴な動物に仕立て上げるのではなく、怪我の程度は本人に会って確認して、正確に伝えていただきたいものです。

 

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