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食べもの通信7月号!
食べもの通信社が発行している「食べもの通信2019年7月号」2ページ~4ページに、日本熊森協会の森山まり子名誉会長インタビュー記事が掲載されました。
どのようなものをどのようにして食べればいいのかというオーソドックスな内容を、1970年から追求し続けてきた「食べもの通信」。
ネット情報が氾濫している今、年間購読料8000円を出してこのような雑誌を購読されている方はどれくらいおられるのだろうか。
疑問に思い読者数をたずねてみると、意外に多い。
なぜだろうと、思わず中身を読んでしまいました。
単なる料理本ではなく、生産者や消費者の話、医学情報や環境問題と内容はバラエティに富んでいます。
「クマに奥山の森を返す活動を続けて26年」なんて内容が、トップの特集記事になるぐらいですから、編集者の興味関心はかなり柔軟で幅広いと言わざるを得ません。
日本という歴史のある国で、祖先が長年かかって作り上げてきた食文化は貴重です。
しかし、何をどう食べるかは個人的な問題ですから、少しでも強制力が働くと、相手を傷つけてしまう恐れがあります。
編集部の方に、どんな方がこの雑誌を購読されているのですかとたずねると、お姑さんが購読されて、そっとこの雑誌をお嫁さんに見せたりされていますという一例を教えてくださいました。なるほど、こうすれば角が立ちにくいですね。
いろいろな方がいろいろな目的で購読し続け、50年間にわたり愛されてきた「食べ物通信」。
日本熊森協会の「くまもり通信」も、かくありたいと思いました。
森山名誉会長の2019年5月時のインタビュー、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
【速報】天然林化をめざし、熊森が兵庫県養父市の人工林2haを購入 記者会見!
豊かな水源の森の復元をめざします
平成31年1月23日、当協会は、兵庫県養父市大屋町にあるスギ・ヒノキ人工林2㏊を購入し、29日、養父市八鹿市民会館にて記者発表を行いました。
説明しているのは、当協会室谷悠子会長
(経緯)
熊森の奥山等放置人工林を天然林に戻す活動を知った山林所有者が、今後の山の管理を託したいとして譲渡を申し出てくださったことからトラスト(=購入保全)が実現しました。
購入地は、養父市域を西から東へ流れる大屋川の、中流域水源にあります。
今回トラストした山林付近を撮影
今回購入した山は、標高450mの山の頂上西側斜面に位置しており、全体が50~70年前に植林されたスギ・ヒノキに覆われています。ツキノワグマなど貴重な野生動物の生息する地域にあります。
面積はわずかですが、当協会は将来的にはこのようなトラスト地を増やしたり地権者に協力をお願いしたりして、この地域の奥山を保水力豊かな天然林に戻していきたいと考えています。
熊森が天然林化をめざしている場所:
①奥山全域、②尾根、③沢筋、④急斜面、⑤山の上3分の1
日本熊森協会は、設立以来22年間、地元の方の協力を得て、クマをはじめとする多種多様な生物が棲める保水力豊かな森の保全・再生に取り組んできました。
地域の水源を守り、人間と野生動物の棲み分けができる環境を取り戻すために、今後も山林を取得したり天然林化を希望される地権者と話し合ったりして、放置されたスギやヒノキ人工林を一定面積以上皆伐し、広葉樹林を中心とした天然林を再生させる取り組みを進めていきます。
当協会はこれまで市民の寄付金により271haの山林を取得してきました。
(滋賀県高島市215ha、兵庫県豊岡市10ha、高知県香美市46ha、他に、滋賀県にトチノキ巨木群を保有)
今回のトラストを契機に、水源の森再生の動きを兵庫県内外でさらに広げていきたいと考えています。
注:熊森から生まれた公益財団法人奥山保全トラストは、奥山原生林のトラストを続けており、現在約2100ヘクタールの山林を保有しています。
28日から始まった通常国会には、森林環境税法案が提出されます。
熊森は、森林環境税法にスギ・ヒノキの放置人工林を天然林に戻すことを明記してほしいという運動を大々的に進めており、森林環境税を使った天然林再生の取り組みを全国に広めていきたいと考えています。
人工林の放置により、全国各地で湧き水が激減してきています。人工林を造りすぎてしまったことは、私たちだけではなく、林野庁も認めています。
湧水が枯渇してしまわないうちに、放置人工林を天然林に戻して行かなければなりません。
まだの方は、ぜひ、下の署名にご協力願います。
森林環境税で天然林再生を求める署名はこちらから ◆署名用紙のダウンロード◆ ◆ネット署名◆
3月4日 平成27年度京都府のクマ捕殺数・誤捕獲数が西日本で突出最多となった問題で、府庁に本部・支部が要望書を提出 記者会見・NHKニュース
上記の問題を、生態系保全上看過できない大問題であると考えるくまもりは、本部と京都府支部で、府庁記者クラブに出向き、記者会見を行いました。
当協会の現地調査からわかってきたことですが、京都府は京都府絶滅寸前種であるクマに対して、クマ保護計画では、すばらしい保護体制を書き連ねておきながら、実際の現場は捕殺一辺倒で、クマ保護計画は言葉だけのものになっていました。
現場担当者のみなさんに会い、せめて他県並みの保護体制をとっていただけるように要望しましたが、担当者のみなさんはみなさんなりにご自分のお考えがあり、当然のことながら、今の体制に問題はないと一蹴されてしまいました。
大量捕殺されてしまったクマたちは、いまさらもうどうしようもありませんが、今後もこのような体制が続くことは絶対に認められません。熊森は、クマの保護体制に関して京都府を世に訴えることにしました。
うれしいことに、6社のメディアが出席してくださり、熊森が25分間説明した後、35分間、記者さんたちの活発な質疑応答がありました。
(以下は数日間で消えます。今のうちにご覧になってください)
●NHKニュース京都地方
www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2013381511.html – キャッシュ
●京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160304000149
記者会見後、京都府に要望書を提出しました。
<要望書の内容は、4つ>
①クマが誤捕獲されないよう、環境省の、「クマ生息地でのイノシシ、シカ捕獲用くくりわなの直径12cm規定」を守ってほしい。(京都府は20cm以上に規制緩和していた)
②山から出てきたクマを有害捕殺する前に、追い払いや誘因物の除去など、必ず、被害防除対策を行い、可能な限り捕殺を避ける努力をしてほしい。
③人間が破壊したクマ生息地の自然環境を復元・再生することを最優先してほしい。
④生物の多様性を保全することや他生物の命の尊厳を守ることの大切さがわかる職員を担当部署につけてほしい。
今回の要望書を作成するにあたって、京都府担当部署は、くまもりがお願いしたデータを快く全て送ってくださいました。お手数をおかけしました。心からお礼申し上げます。
熊森から
山が荒れ、第一次被害者である野生動物たちが生きられなくなって、食料を求め、次々と里に出てくるようになりました。第2次被害者である地元は悲鳴を上げており、大変な問題です。
山を荒らしたのは、全国民の責任です。野生動物の人里多数出現問題を過疎化高齢化した地元だけに任せるのではなく、都市市民も問題解決に向けて、お金持も力も出すべきです。
「ツキノワグマ 福島県内に最大3384頭生息か」という記事の真相
福島県は、「クマの捕獲許可権限を県から地元市町村に降ろして、クマをもっと獲りやすくするように条例改正する案」に対する県民意見公募の最中に、記者会見し、福島県に生息するクマは、これまで考えられていた数の2倍以上いるかもしれないと発表されました。まるで、クマはたくさんいるから、市町村判断で、もっと簡単に獲れるようにすればいいではないかと、意見誘導しているようにもみえました。県庁担当者に、電話をしてみました。
熊森 ・・・「カメラトラップ調査」で、何種類のツキノワグマの斑紋が、識別できましたか?
福島県・・・11種類です。
熊森・・・では、福島県に、最低11頭のクマがいることは、間違いありませんね。でもなぜ、11頭が、3384頭になったのですか?まさか、森林面積をかけたりされていませんよね。
福島県・・・最大3384頭というのは、あくまで推定で、3384頭いると言ったわけではありません。いろんなことを加味して、出しました。
熊森・・・11という数字が、どのようにかけたり足したりされて、3384になっていったのか、その全過程を業者から入手して、見せていただけませんか。非常に興味があるので、検証してみたいのです。加味したこと全てを教えてほしいし、どのように加味したのかも知りたいです。
<熊森から>
「これは、科学的に調査した結果です」と数字を出されたら、ふつうの国民は信じてしまいますが、その数字が出される過程を、県民の皆さんに検証していただきたいです。科学は法則です。誰が追試しても、同じ結果にならねばなりません。私たちは、福島県にクマが何頭いるのか知りません。豊かにいればいいだけで、何頭いてもいいのであり、正確な数など分かるはずはないし、知りたいとも思わないし、知る必要があるとも思いません。第一、生まれたり死んだり、絶えず複雑な要因が絡まって変化する自然界を、しかも、見透せない森の中で大きく動き回っている動物を、数字で表す事などできません。生息地が十分に保障されて、人間と棲み分け共存できていれば、それでいいのです。
しかし、野生動物の数を人間がマネジメントすべきと主張している研究者や業者たちは、そうではありません。何頭いるのか、クマたちの迷惑も顧みず、耐えがたい負担をクマたちにかけてまで、数字を出そうとします。次は、適正生息数を決めます。そんなもの、人間が決められるわけないのに、推測します。そして、自分たちが決めた数より増えたと推測されると、殺します。クマたちにはこの上もなく迷惑で傲慢な人間たちです。アメリカ大陸が発見された時、大地が動いたと思ったら、バイソンの群れで、空が真っ暗になったと思ったら、量バトの群れだったという記録を読んだことがあります。ワイルドライフマネジメント派に、バイソンもリョコウバトも、適正生息数はいくらなのか聞きたいです。
11頭いたという数は信じます。しかし、その後、この数字に人間がくわえた操作は、使った数式も含めて、全て、仮定であり推測です。仮定や推測を、何回も何回も重ね続けて出した数字になど、意味はあるのでしょうか。自然界や命は、物ではないので、工業製品のように数式化などできないのです。人間のためにもクマたちのためにも、こういう自然界の実態に気づく人が増えてほしいものです。
< 以下、新聞記事です>
福島県は13日、今年度から導入したツキノワグマの「カメラトラップ調査」で、県内の推定生息数は最大3384頭に上ったことを明らかにした。ツ キノワグマの斑紋を撮影して識別する手法で、調査方法が異なるため単純比較はできないが、これまでの最大1600頭の2倍を超えた。
調査結果は同日、福島市内で開いた県と学識経験者らによる検討会で報告された。県は結果や検討会の議論をまとめて、2013年度からの県ツキノワグマ保護管理計画に反映させる。
調査は8~10月、クマの生息数が多いとされる西会津町で行った。山林の20か所にビデオカメラとハチミツを仕掛け、クマがハチミツを捕る際にあ らわになる胸の「月の輪形」の斑紋を撮影。斑紋は個体によって異なるため識別でき、映り込んだ頭数をもとに生息数を割り出した。
その結果、県内全体の生息数を514~3384頭と推定。従来は農作物を荒らされた場所にわなを仕掛け、捕獲した頭数をもとに推定していたが、この方法で1988年から2003年までに行った調査では、860~1600頭だった。
県は、捕獲頭数は年ごとにばらつきがあるため、実際に山で暮らすクマを数えた方が実態に即しているとして、カメラトラップ調査に切り替えた。た だ、予算の都合などで、今年度の調査は西会津町に限定され、短期間にとどまった。このため検討会では、委員から「結果として生息数を多く見積もっているの では」「調査地域を広げるべきだ」などの指摘があった。
県自然保護課は「調査地域を広げたり、複数年にわたって調べて経年変化をみたりして、精度を高めたい」としている。
県によると、今年度の県内のクマの目撃件数は10月末現在398件で、前年度同期(120件)の3倍以上だ。クマに襲われてけがをした人も5人おり、うち1人が死亡している。
県は住民に危害が及ぶ恐れがある場合、地元で迅速に対応できるように、希望する自治体に対し、クマ捕獲の許可権限を県から移譲する条例改正を目指している。来年2月の定例県議会に提案し、可決されれば13年度から施行の予定だ。
県が実施したアンケートでは、全59市町村のうち、会津地方を中心に27市町村が権限移譲を希望しているという。
ビッグイシュー1月1日号で、当協会副会長が日本版トラスト法を初提案
- 2012-01-06 (金)
- メディア掲載・出演 | 公益財団法人奥山保全トラスト
ビッグイシュー1月1日号が、ナショナル・トラスト(保護団体が国民に呼びかけて寄付金を集め、豊かな自然や価値ある歴史遺産物などを買い取り、責任を持って保全すること)を、9ページにもわたって大特集しています。
そのなかで、当協会副会長(弁護士)が、日本でもナショナル・トラストが進むように、イギリス、オーストラリア、韓国に次いで、日本でもトラスト法を制定すべきだとして、わが国初の日本版トラスト法の原案を発表しました。
トラスト例として、2010年NPO法人奥山保全トラストがナショナル・トラストに成功した三重県大台町676ヘクタールと、(公財)柿田川みどりのトラストがナショナル・トラストに成功した富士山裾野の柿田川の湧水周辺土地が取り上げられています。
今号は、当協会にとっても、記念すべき内容の号です。会員のみなさんは、ぜひ、大都市の大きな駅周辺で立ち売りしているホームレスの方たちから、ビッグイシュー1月1日号を、お買い求めください。
本日5月30日23時~ CBCラジオが愛知県のクマ問題を特集
本日、5月30日23時より、CBCラジオ番組(AM局)「命のしずく」にて、愛知県のクマ問題が特集されます。
昨年、熊森は愛知県で、当時推定生息数が残り6頭だった、ツキノワグマの救出に奔走しましたが、その内容なども取り上げられる予定です。
中部地方および近隣県の皆様、どうぞお聴き逃しなく!
マスメディアのみなさんからの当協会取材受付条件
2011年9月22日改訂
1、現象だけでなく、原因も報道してください。
2、これからどうしていけばいいのか、解決法にもふれてください。
「森と生きる」-日本熊森協会が「むすび(2011年4月号)」に紹介されました
- 2011-03-29 (火)
- メディア掲載・出演
正食協会発行の雑誌「むすび(2011年4月号)」が、日本熊森協会・森山まり子会長の最近の講演を中心とした15ページにわたる「森と生きる」を特集して下さいました。
「持続可能な文明への転換めざす」日本熊森協会の活動を紹介するすばらしい内容です。会員のみなさん、ぜひお読みください。1冊570円。
購入を希望される方はこちらへ
・水源の森を買取り永久保全
・奥山再生を目指し、放置人工林を強度間伐
・豊かな植生を戻すための広葉樹の植樹
・そして豊かな森の存続には欠かせない野生動物の保護活動
・自然農 ・環境教育、等々
地元農家や林家をはじめ、様々な方達と信頼し合い連携しながら現地で進めているくまもりの先進的な実践活動が見事にまとめられています。
「先祖への感謝、未来への責任、生きとし生けるものへの畏敬の念 これなくして日本の国はない」顧問の安田喜憲先生の言葉が、読む者の胸を打ちます。
是非ご一読ください。
山形県支部長の投書が朝日新聞に掲載!
八木山形県支部長の投書が、2月22日付け朝日新聞「声」の欄への掲載されました!
八木支部長は先日山形県のクマ春季捕獲中止などを求めて要望書を提出するだけでなく、一人でも多くの方に現状を知っていただくために投書も行っていたのです。
熊森ではあちこちでこのような声を上げていくことを求めています。
*山形県支部ではクマ春季捕獲中止の要望書賛同署名を集めていましたが、2月16日を持って受付を終了致しました。 たくさんの方にご協力いただき、誠にありがとうございました。
「クマ捕殺 根本的な解決にならぬ」
自然活動指導者 八木 文明
(山形県長井市 57)
昨年は全国的に山の実りが少なかったせいか、クマの出没が相次いで人身事故も多発。農作物の被害もかなりの額に上ったと聞く。そうした状況下、県内では今年度220頭のクマが捕殺された。県内の推定生息数の10%超だ。 山形では今世紀の10年間で約2300頭のツキノワグマが捕殺されたことになる。クマはブナ、ミズナラ、コナラなどの広葉樹の森に依存して生きている。しかしそれらの実は毎年豊作というわけではなく、豊凶の差が大きい。 私は、クマの人里への出没の背景に、開発や酸性雨などによる森林環境の変化があると考える。さらに数年前から低山では「ナラ枯れ」、標高の高いブナ帯ではブナの「葉枯れ」が進行している。原因が解明されたわけではないが、里山の荒廃や農薬使用などが遠因という説もある。 豊かな森林を守ろうと、植樹などささやかな活動を仲間たちと続けているが、モグラたたきのような捕殺は控えてほしいと願っている。根本的な解決にはならないからだ。しかし願い空しく、県は来年度の捕獲数の上限を今年度より11頭多い229頭とする方針を固めた。極めて残念だ。
くまもり活動を中心に取材して作ったドキュメント映像「人とクマと森と」が、高校生部門の最優秀賞に!
神戸市にある兵庫県立伊川谷北高校放送部が、野生動物と人間のかかわりを通じ共存の可能性を探ろうと、くまもり活動を中心に取材してまとめた作品「人とクマと森と」(約8分間のドキュメント映像)が、2010年11月に行われた「第30回地方の時代」映像祭で、みごと、高校生部門の1位優秀賞を受賞しました。
その様子が1月29日のNHK BSフォーラム(17:00~17:54)で紹介されます。興味を持たれた方は、ご覧になってください。
2010年12月17日の毎日新聞(神戸版)でも写真付きで大きく紹介されました。
この作品は、1月30日に、神戸芸術工科大学にて上映されます。
開場 13:00
上映 13:30~ (約8分間)
場所 神戸芸術工科大学(神戸市西区学園西町8-1-1)、吉武ホール
13:00~15:00の開館中は会館外のブースでも連続上映していますので、ぜひご覧ください。