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2017年 熊森本部による兵庫県クマ生息地の豊凶調査結果 ブナ並下、ミズナラ並、コナラ並上

ブナ、ミズナラ、コナラなどのクマ生息地のどんぐり(堅果類)には豊作、並作、凶作などと、年によって実りに差があります。

クマは8月の末から木に登り、まだ青いうちから堅果類の実を大量に食べて体に脂肪を貯え、冬籠りに備えます。

堅果類の実りが悪いと脂肪不足で冬籠りに入れませんから、食べ物を求めて人里への出没が増えてしまう傾向があります。

近年、2004年、2006年、2010年のいずれかが地域によっては山の実り全てゼロという異常なまでの大凶作となりました。原因不明です。

おびただしい数のクマが人里に出てきて駆除されました。

人里のドングリであるアラカシ等は良く実っておりましたから、それを食べに来たクマもいました。

 

熊森本部では毎年9月中旬に兵庫県のクマ生息地の豊凶調査を実施し、秋のクマの出没を事前に予測しています。

今年も9月11日から16日まで、1週間ほどかけて全21か所を回ってきました。

調査結果を数値化し、凶作、不作、並下、並上、豊作の5段階で評価しました。

 

ブナは13か所で調査しました。

一斉開花年(9割以上が実をびっしりと付ける)ほどではありませんが、場所によっては豊作の木もたくさんありました。

まったく実がついていない木もあり、県全体の平均としては並下でした。氷ノ山のブナのシイナ(殻だけで中身なし)率は53%でした。

一部地域的には、去年豊作だったところが今年はゼロなど、他地域と連動していない場所もありました。

鳥取県境のブナ

 

ミズナラは18か所で調査しました。多くの木で実りがみられましたが、並作程度の木が多かったです。

蘇武岳のミズナラ

 

今年はコナラを9か所で調べました。コナラは結構実りが良く、並上でした。

ブナ、ミズナラ、コナラの全てにおいて豊作の木も沢山みられたので、今年は全体的に実りが良いと感じました。

 

西日本では以前、どんぐりの凶作年の秋にクマの出没が多かったのですが、近年は夏の出没も多くなっています。夏のクマの餌は昆虫や液果です。奥山を調査してみると昆虫が激減しています。液果類の実りはどうでしょうか。ミズキ、クマノミズキ、ヤマブドウも数本ですが調査してみました。

氷ノ山のヤマブドウ

ミズキ・クマノミズキは並下でした。

ヤマブドウやサルナシは判断が難しいと思いました。実りゼロと思っても、人間が採ってしまったあとかもしれないからです。

ブナについたクマの古い爪痕

 

調査時にクマの古い爪痕を見つけましたが、今回は1週間歩いても、フンも含め、新しい痕跡がまったく見つけられませんでした。

もう奥山に、クマはあまりいないのかもしれません。

もしそうなら、大変なことになってきたと思います。

 

ちなみに、兵庫県森林動物研究センターの調査結果は以下です。ただし、こちらは、兵庫県全域調査の結果です。

ブナ並上、ミズナラ豊作、コナラ豊作

9月8日熊森本部、岡山県の山を調査 森林破壊により、クマが山から出て行ってしまっていた

はじめに

岡山県の山を知っている人は、岡山県にクマが残っていると聞くと驚かれるのではないでしょうか。

なぜなら、山が観光やレクレーションのために開発され尽くしており、人間がどこまでも山に入り込んでいるからです。

クマがいる地域は岡山県東部の兵庫県に接する西粟倉村と旧東粟倉村(現:美作市に合併)あたりで、面積にすれば岡山県のほんの一部だけです。

少し前までは、岡山県にクマが残っていても、10頭程度だろうと言われていました。

 

クマの分布 JBN作成

水色は環境省2004年確認地点、赤色は2014年の分布拡大地点

 

大量捕獲

ところが、山の実りゼロの異常年だった2010年には、何と岡山県で60頭のクマが捕獲され、全頭放獣されたのです。

兵庫県から大量に入ってきたのではないかという説もありましたが、真相は不明です。

その後は落ち着いていましたが、平成28年度は、目撃数が237件、有害捕殺が12頭(西粟倉村、美作市、津山市)、錯誤捕獲が28頭という大量捕獲となりました。

しかも、最近は、岡山県の西方面にも目撃が広がりだしました。

目撃数が増えたのは、この年、秋田県でクマによる人身事故死4名があったので、人々がクマに神経質になって、犬やイノシシをクマと見間違って報告したり、それまで見かけても気にせず届けなかった人達が行政に届け出たことも考えられます。しかし、40頭もの捕獲は、どう説明すればいいのでしょうか。

 

岡山県今年からクマ狩猟再開

岡山県は、兵庫県でMCMC法によるベイズ推定でクマの生息数を推定した研究者に岡山県のクマ数を推定してもらい、中央値205頭という数字を得たため、クマが激増しているとして、兵庫県にならって今年からクマ狩猟を再開することにしました。

 

 

熊森本部が後山連山調査に

9月8日、くまもり本部調査研究員3名は、岡山県にそんなに多くのクマがいるのだろうかと、兵庫県から西粟倉村に入り、兵庫県境にある岡山県の最高峰後山(うしろやま旧東粟倉村)標高1345m(「西大峯山」とも呼ばれ、かつては修験道の中心地)あたりを調査してみようと出かけました。

 

 

この日の移動ルートを以下の図に示します。人工林の部分がわかるように、早春のグーグルアースに重ねてみました。

濃い緑色の部分がスギやヒノキからなる常緑針葉樹の人工林、ベージュ色の部分は落葉広葉樹の自然林です。白色は残雪です。

赤線が車で移動した部分 黄色い線が歩いた部分(クリックすると拡大します)

 

毎回、このあたりに来ると、左右の山のほとんどが人工林であることに驚かされます。

人工林率は西粟倉村が85%、旧東粟倉村が73%、植えられるだけスギやヒノキを植えたという感じです。

クマの棲める広大な自然林など残っていません。

 

 

すばらしいながめ

ダルガ峰(なる)林道の展望台で昼食をとりました。

ここから、後山連山である駒の尾山(1280m)、後山方面への見晴らしは、抜群でした。さわやかな風に吹かれて、快適度100%です。

ここから見える範囲に205頭のクマが生息しているのでしょうか。

 

昼食後、車を置いて、ダルガ峰(なる)標高1163mに向かいました。

不思議なことに、こんな標高の高い山のてっぺんに、約80ヘクタールの平地が広がっています。

 

ダルガ峰(なる)の入り口 

 

「クマ注意」の看板を見て、私たちはクマに会わないように、鈴を鳴らしたり手をたたいたり大声を出したりしながら進みました。

皆伐された人工林の木の切り株がずらっとならんでおり、跡地はススキが原になっていました。

ところどころに生えている木は、ほとんどすべてシカの食べないウリハダカエデです。

道は平らで、中国自然歩道として立派に整備されており、最初のうちはとても楽しかったです。

しかし、良く考えてみると、ここは元々、クマたちの国だった場所です。

人間がこんなことをしてもいいのだろうかと思いました。

 

クマの餌も痕跡もなし

そのうち人工林地帯に入りました。

標高1000メートルを超えてまだ人間がスギを植えるなら、もうクマの居場所はありません。

祖先がしていたようにせめて標高800メートルより上は野生動物たちに返してやらないと、もうひとつの国民である野生動物たちとの共存などできません。

広葉樹林地帯もありました。しかしここのミズナラやブナにはなぜか実がなっていない木が多いのです。

私たちは約1時間半、クマの痕跡とエサを探して注意深く歩き続けましたが、何もありませんでした。何という山だ!

この山は人間が楽しいだけで、クマは時には通るかもしれないが棲めないと確信を持ったので、引き返すことにしました。

 

帰りは、もう、音や声を立てず、黙って下山しました。こんな山にクマなどいるはずがないと思ったからです。

1000メートル級の山々が連なる岡山の奥山連山にクマが棲めないのなら、岡山のクマはどこで何を食べて暮らしているのでしょうか。

駐車していた所まで戻り、車でアスファルトの道路を一気に下りました。

 

低標高地帯にクマの痕跡

周囲は延々と続く人工林地帯ですが、低標高まで下りて来たとき、道路沿いの1本の桜の木に今年の熊棚ができているのを見つけました。

サルナシの実もなっていました。

岡山のクマたちは、山ではなく、こんな人目を忍ばねばならない道路の横で餌をとっているのかと思うと、かわいそうになりました。

町まで降りると、姿を隠せる小さな自然林がいくつかありました。ドングリの木もありました。果樹もあります。

岡山のクマたちは、むしろこのあたりに身を潜めているのではないでしょうか。

 

熊森本部は近年、兵庫の奥山が荒れてクマが棲めなくなっていると大問題にしてきましたが、岡山の奥山の動物の棲めなさは兵庫の比ではありませんでした。

 

行政担当者のみなさんは、休みの日に山を歩いてみてください

岡山県のクマが激増しているとコンピューターで計算した研究者は、西粟倉村や旧東西粟倉村の連山を最近歩かれたことがあるのかたずねてみたいです。

夕方になっていましたが、今年からクマ狩猟再開を決めた岡山県行政に会いに行って、担当者に狩猟再開にあたって山を調査されたかたずねました。答えは、行ったことがないということでした。

 

クマが人里に出て来るのは増えすぎたからであり、猟期にはクマを山中で狩猟して個体数低減を図るべきという、兵庫県や岡山県が進めている政策を、みなさんはどう思われますか。

自然界の事は、25年間調べ続けている私たちにもわからないことでいっぱいです。

しかし、もし本当にクマが激増しているのだとしたら、何を食べて増えているのか、クマ狩猟再開を行政に進言してきた研究者たちは明らかにすべきでしょう。

 

行政は県民にクマ情報を公開すべき

実は、熊森本部は昨年度、クマ情報の公開を兵庫県に求めました。その中の項目の一つに、これまでに捕殺されたクマの胃内容がありましたが、公開を拒否されました。そこで、仕方なく兵庫県情報公開審議会に訴えました。審議会の答申は、「胃内容に関しては、(森林動物研究センターの研究者が)研究に用いるデータとしての状態が記載されていない部分に限り、公開する」でした。

しかし、この答申に基づいて、兵庫県が最終的に熊森に提示した胃内容情報は、全てが白紙か黒塗りでした。

 

このような研究者や行政の態度を、私たちは大変残念に思います。

一体何が起こっているのか、情報を提供してくださらないと私たちは考えられません。

民主主義の第一歩は情報公開のはずです。

 

クマ狩猟再開だなんてとんでもない

今回の調査で、私たちは、岡山県の知事さんに会って調査報告をし、クマ狩猟を再開するなどという無茶なことをやめていただくように訴えたいと強く思いました。

もし猟期に山にクマがいたなら、ここにいたら撃たれないとクマに思わせることが、地元の人たちにとってもとても大切なことなのです。

行政担当者のみなさんは、忙しくて奥山を調査する時間などない大学の先生たちの指示を鵜呑みにしないで、どのような政策が本当に地元の人たちの為になるのか、今一度、自分の頭でじっくりと考えていただきたいです。(完)

本部 東北クマと森調査(3)岩手県・秋田県

8月23日

この日は秋田県入りです。ドライブウェイを通って、岩手県と秋田県にまたがる雄大な八幡平(はちまんたい。約4万ヘクタール。ほとんどが国有林)を抜けました。

八幡平は火山で奥羽山脈北部の山塊です。頂上部分が平らなため、平の名がついています。

ドライブウェイから見下ろした八幡平のシラビソ原生林
この世のものとは思えない美しさ

 

頂上まで道路がついているから、この雄大な景色を見ることができたのです。

しかし、景色を見れなくてもいいから、ここは人間が入れない聖域にすべきだと思いました。

 

9千~5千年前に発生した水蒸気爆発によりできた多くの火口に水が溜まり、いくつもの沼ができています。

地形的に人が近づくことができない熊沼もそのうちの一つ

 

山の中で工事用大型車両とすれ違いびっくりしました。何をしているのか見に行ったら、地熱発電工事でした。

2012年、環境省が国立公園内の地熱発電工事を許可したのです。ここではやめてほしいです。

景観台無し

 

熊森は、経営破たんした八幡平熊牧場に残されたクマたちを救うために、何度も八幡平を訪れました。

親しくなった地元ホテルの女将さんを訪ねて、毎年夏に現れるクマの情報などを聞き取りました。

今年は、夏らしい日が2日しかなかったと言われていました。

その後、ビジターセンターを訪ね、いろいろと教わりました。

ビジターセンター(建物は環境省だが、職員は民間)

 

驚いたことに、八幡平のクマの夏の主食は、ミズバショウの花の真ん中の黄色い部分なのだそうです。

 

八幡平を抜けてから、秋田県仙北市の今年のクマによる人身事故(死亡)現場に行きました。

この奥で、タケノコ採りの女性が、クマによる事故で死亡した

クマに人間が来たことを知らせるため、大声を出しました

 

死亡事故の後、山中に仕掛けられた2つの捕獲罠に2頭のクマがかかり、殺処分されました。

しかし、DNA鑑定の結果、この2頭のクマは事故とは無関係でした。

生息地内に罠を仕掛け、事故とは無関係のクマまで殺すなど、許されるものではありません。

仙北市を訴えたい思いで市役所を訪れ、担当者から詳しい話を聞き取りました。

 

この後、キュウリ、スイカ、モモ、リンゴなどを買い込んで、久し振りの出会いが大変楽しみな、北秋田市のくまくま園の救命グマたちに会いに行きました。

まず会ったのは、愛知県豊田市で捕獲されたツキノワグマの愛知と豊子です。どちらも元気でした。

今年、2頭の子を産んでいた豊子

 

当時、有害駆除されるところを助けた愛知県豊田市の行政の人達が、去年、愛知と豊子を見に来られたそうです。

なんだか心が温まりました。元気にしているかどうか、心配して見に来られたのでしょう。私たちと同じです。

 

飼育係の方は、40数頭いるツキノワグマの顔を全部覚えておられるということでびっくりしました。

どのクマとどのクマが気が合わないか等ずっと見て、クマに対応していると言われていました。

 

次はヒグマ園です。

ヒグマたちの救命に協力してくださったみなさんに代わって、安否を確認し、餌の差し入れをしてきました。

昨年1頭が亡くなりましたが、あとはみんな元気です。

オスとメスは1日おきに運動場に出してもらっているということです。

この日はメスの日で、9頭全部のメスが、運動場に出ていたようです。

 

どのヒグマものんびりと幸せそうにしていました。

顔の表情や動きを見て、みんな大事にしてもらっているのがわかりました。

ちょうど夕食の時間で、全員が個室に入りました。

檻の外からスイカをあげるには、小さく切らねばならないことがわかって、汗だくで切りました。

おいしそうに食べてもらって良かったです。

スイカの差し入れ

 

熊森は、これからもずっと救命グマたちを見守り続けたいと思います。

みなさんも是非、くまくま園を訪れてください。

 

8月24日は、東北森林管理署、秋田県庁自然保護課、岩手県庁自然保護課を順次訪れて話し込みました。

この4日間で学んだことを、今後の熊森活動に大いに生かしていきたいと思います。(完)

本部 東北クマと森調査(2)福島県・宮城県・岩手県

8月22日

2009年と2010年に実のなる木を植樹した東北初の熊森植樹地が福島県にあります。

何度かその後、苗木の生育ぶりを見に行ってくださっている山形県の熊森支部長に案内していただいて訪れました。

当時はアカマツ人工林の皆伐跡地で、むき出しの地面でしたが、今や人の背丈を超える植物にびっしりと覆われ、分け入ることも困難な状況でした。

 

苗木以外に、マツなどのさまざまな実生の樹木が成育し、アザミ、ハギなど、種々雑多のきれいな草花がササの間にびっしり生えていました。

 

 

植樹当時見えていた、後ろの山を思い出して、なつかしむ

 

ミズナラの苗木に、実が1つついていた

 

この場所は、自然の力で見事、森に戻りつつありました。

 

 

この後、当時お世話になった元町長さん宅を訪ねました。

おうちの周りの柿園には、立派な柿の実がたくさんついていました。

「クマが秋に食べに来ませんか」とたずねると、「秋の山は食べ物でいっぱいだから、民家の柿になど1回も来たことないよ」と教えてくださいました。

他にも、地元の貴重なお話をたくさん聞かせてくださいました。

蓮の種は、傷をつけないと芽が出ないそうですが、東日本大震災の後に、蓮が芽を出した不思議な池があります。

地震で、昔池の中に埋まっていた蓮の種が傷を受け、芽を出したのではないかということでした。

今では一面の美しい蓮池になっていました。

地震の後、蓮池になった池

 

この後、宮城県北部のクマ生息地で、家の周りに3本の日本熊森協会の旗を立て、クマ保護を周囲に訴えておられるくまもり会員のご自宅を訪ねました。

宮城県の人工林率は50%と、とても高いのです。

林業に携わっておられるこの会員から、山のことや野生動物の情報を得ました。

兵庫県と違って、混み入った人工林の中にも、下層植生が育っている

 

会員の家の前で記念写真

 

この後、岩手県に入り、岩手の森や動物に詳しい写真家の方に、いろいろとお話を聞かせていただきました。

 

みなさんから教わって、だいぶんいろいろなことがわかってきました。

みなさん本当にありがとうございました。

 

本部  東北クマと森調査 (1)宮城県

東北3泊4日の調査で、私たちは実に多くのものを得ました。ここでは、ごく、簡単に報告させていただきます。

今回の調査に参加した本部3名は、仙台まで飛行機で、後はレンタカーで移動しました。

 

8月21日

①宮城県庁自然保護課の方と懇談

②午後から、宮城県の森調査

ふだん、人の手が入り尽くした近畿地方の奥山を歩いている私たちには、東北の森は深くて別の国に来たのかと思うほど豊かでした。

しかも、人口密度が低いせいか、車で行けども行けども集落がありません。この森は、野生動物の国なのです。

 

宮城県の森の中

 

森の中を歩くと、餌の少ない夏の時期ですが、次々と実がなっている木が現れます。

サルナシ、ヤマブドウ、ミズキ、ウワミズザクラ、ヤブデマリ・・・

サルナシに無数の実がなっていた

 

足元には、地面を踏みしめる度に様々な昆虫がたくさん飛び出してきます。

クマの生息痕跡が至る所にあります。熊棚、背こすり跡、杉の皮ハギ跡、爪跡、足跡、糞・・・

ウワミズザクラの巨木にあった今年の熊棚(中央)

 

ミズキを食べた後のクマ糞(この日見つけた4つの糞のうちの一つ)

 

この森には、クマが何頭もいるなと感じました。

クマはここにいたらいいのに、中には夏にデントコーン畑などに出て行くのがいて、昨年度も宮城県では1か月に30~40頭ぐらい有害捕殺されています。

しかし、東北のクマは、秋になるとふつうは一斉に山に戻ってしまうそうです。

なぜなら、山の中にドングリの木がたくさんあるから、人里にまで食べ物を探しに行く必要がないのです。

宮城県、月別クマ出没数

 

ここの人達は、山にクマがいるのは当たり前で気にしていないそうです。

山から出てきたクマは、駆除すればいいと思うそうです。

一応、人とクマとの棲み分けができています。

しかし、殺生は良くないので、山から出て来ても、追い払ったり、畑の周りに電気柵を張ったりして、殺さない解決策を追求してほしいです。

宮城県ではクマは狩猟対象獣で、毎年10頭前後のクマが狩猟されています。

 

追伸ですが、谷川の水が冷たいと思ったら、水温が12度でした。

 

真夏に水温12度

 

野生のクマにも会えて感激でした。

車の中から撮影したクマ

 

宮城のブナ林

 

宮城の森を案内してくださった先生に、感謝でいっぱいです。

この奥山のブナ・ミズナラ林(120ha)にクマは棲めるか?熊森本部が専門家に山の調査を依頼

8月9日、熊森本部調査研究部は、専門家に来ていただき、兵庫県宍粟市にある氷ノ山山系の奥山ブナ・ミズナラ林を調査していただきました。

まず、標高600メートル地点から沢沿いを伝って登っていきました。

(1)魚影が見られない

水量の少ない谷川

 

小さな川魚は少しはいると思うのですが、周りの山が人工林で埋まっているせいか、谷川の水量も少なく、おそらく水温も高く、確認できるような魚影はありませんでした。(イワナの適正水温は16.8℃まで)

 

昔のように渓流の水が冷たく水量が多いと、川魚も豊富でクマは年中ここに棲めるそうですが、これでは無理とのことでした。

 

(2)酸性降下物の影響はない

夏なのに、枯れた葉が少しありました。酸性降下物の影響でしょうか?

 

先生のお答えは、「酸性降下物による影響であれば、下層植生のみならず同時に多くの樹木も枯れます。しかし樹木はしっかり育っていますから、違うだろう」ということでした。

 

(3)液果植物がほとんどない山

この山にはなぜか、液果植物であるヤマザクラやウワミズザクラが全くありません。

ミズキやヤブデマリが1本ぽつんと生えているのが見つかりましたが、クマは何本も液果植物が生えている山に来るのであって、こんな1本しかないような効率の悪い所には来ないそうです。

案の定、ヤブデマリには実がついていましたが、クマが食べに来た形跡はありませんでした。

この山には、熊の餌となるような昆虫もいないし(地球温暖化の影響か?)、クマの春夏の食料はありません。

実のついたヤブデマリは1本あったが・・・

 

(4)秋の食料

①ヤマブドウ

クマはトチの実を食べませんが、幹の苔のはがれ方で、トチノキにクマが登ったことがわかると教えてもらいました。

トチノキには、葉のない太いツルが巻きついていましたが、上を見上げるとヤマブドウが高い所で葉を広げていました。枯れ木のように見えたツルは、ヤマブドウの生きたツルでした。ヤマブドウは日光のあたる場所にしか葉を付けないようです。

 

②ブナ・ミズナラ

この山を登って行くと堅果植物であるブナ・ミズナラ林です。凶作でなければ、秋にクマが利用しにくるだろうということです。数年前、ナラ枯れが入って、ミズナラが壊滅するのではないかと心配しましたが、一部枯れただけで今のところ終息した感じです。

 

(5)若木・稚樹・下草がない

私たちは、この山に若木・稚樹・下草がないことを、非常に気にしていましたが、先生は、林冠が鬱閉(うっぺい)していることを考えると、それほど異常な状況ではないだろうと言われました。

鬱閉(うっぺい)した林冠

木が1本倒れてギャップが出来たら、そこにはさまざまな芽生えが生じるのでしょうか。シカが食べつくしてしまわないでしょうか。

 

(6)ササが消えたのは、シカではなく一斉開花

沢沿いを3時間ほど登り続け、標高1000メートルあたりで北側の尾根へ上がろうということになり、急斜面を登りました。

 

 

斜面には、背丈の低いチシマザサがぽつぽつと広がっていました。

シカがササを枯らしたのか、たずねてみました。日本中でシカが犯人にされています。

先生の判定は、一斉開花によるササ枯れであり、自然現象ではないかということでした。

その証拠に、枯死したササは背が高く、緑色のササはどれも枯れたササの根元の地下茎から出た芽でした。

徐々に下層植生が回復していくのではないかと言われていました。

 

 

ササの青い葉は地面近くだけで、先端部はどれも枯死している

 

下層植生がササばかりになると、他の植物が入ってこれなくなるので、これまたよくないそうです。

下層環境も多様性が必要です。

 

<先生のこの山の評価>

「ドングリなどの堅果類等、秋の食糧になるものはあるが、全体的に、クマの夏の食糧となる液果類の樹木が少なすぎる。たとえば、ヤマザクラやウワミズザクラの実はよくクマが食べるが、この山にはそういった液果類の樹木がほとんどない。川魚もほとんどいない。兵庫県ではクマの数が爆発的に増加していると聞くが、奥山にクマが生きていくための充分な食糧がないのに、増えられないだろう。クマがこの山に棲みつくことはできない。秋に利用するだけだろう」

 

(熊森から)

ブログでは主な事しか書けませんでしたが、専門家の先生に来ていただいて多くのことを学びました。内部資料には、もっと多くのことを残しておきたいです。

 

この山のふもとの集落のおばあさんたちが、「むかしは谷川に30センチくらいのヤマメがたくさんいて、女でも手づかみできたよ」と以前、教えてくださったことが思い出されました。そんな川があれば、クマは年中この山に棲めたのかもしれません。戦後の拡大造林政策によって、どこの谷川も水量が激減です。スギやヒノキばかり植えられたことによって、クマたちは直接、食糧を失っただけでなく、川魚という貴重な食料も失うことになったのです。

 

この自然の山に液果植物がほとんどない理由は、よくわかりません。理由を思いつかれた方は教えてください。自然界の事は、人間には永久にわからないことでいっぱいですが。

 

東中国山地にある兵庫県では、兵庫県森林動物研究センターの研究者(当時、兵庫県立大学准教授、現在、株式会社 野生鳥獣対策連携センター代表取締役)が2011年春、ベイズ推定法を用いてクマが爆発増加したと発表しました。私たちには、推定過程がよくわかりません。集落でのクマの目撃が増加したこともあって、兵庫県はクマ狩猟を再開しただけではなく、現在、積極的にどんどんクマを有害捕殺しています。

 

山すそに、クマが大好きな糠入りの罠をシカ・イノシシ用として大量に設置したことも、クマの目撃数や錯誤捕獲が激増した原因の一つではないかと私たちは思うのですが、兵庫県は情報公開を請求してもほとんど非公開回答なので、県民としては訳が分からなくなります。

 

一方、西中国山地では、生息推定数は微減とされ、奥山のクマの生息密度が低下していることが分かった(ドーナツ化現象)として、狩猟も禁止されたままです。熊森の自動撮影カメラから、兵庫県もドーナツ化現象を引き起こしていることはまちがいありません。

中国山地の東と西、なぜこれほどまでに結論が違うのでしょうか。

 

6月27日 岐阜の山中で2頭でいるクマを目撃 

本部職員2名と岐阜県支部スタッフが岐阜の奥山を調査しました。

6月27日午前11時ごろ、崩壊した林道を伝って登山中、中年男性がくしゃみをしたような音を聞きました。

「こんな山奥に、他にも来ている人がいるのかな」と話していると、10秒後ぐらいに「オーオー」というまたしても中年男性のような低くて太い声が、谷を隔てた対岸の斜面から聞こえてきました。

声の方を見ると、対岸の斜面の上から何かが10メートルぐらい落ちてきて、途中で止まりました。

てっきり人が滑落してきたと思い、助けに行こうと思った瞬間、真っ黒の塊のようなものが見えました。

人ではないとわかりました。「クマや」という声があがり、すぐに一同、カメラとビデオを取り出しました。

直線距離で100メートルはあるでしょう。

カメラを持つ者、ビデオを持つ者、それぞれを拡大してレンズをのぞくと、何と2頭がケガもなくじゃれ合っているではないですか。

 

 

しばらくして、2頭は別の方向に急斜面山を駆け上がっていきました。

人間には絶対あんなことできません。すごい運動能力です。

クマってすごいな。見とれてしまいました。

 

クマにとって6月は交尾の季節、成獣のオスメスだったのだろうか、それとも兄弟グマだったのだろうか。

一同興奮冷めやらず、とりあえずビデオのスイッチを切ったら、何と録画が始まりました。

えっ、一連の動きを動画撮影したつもりだったのに、撮影されていなかったのです。がっくり。

という訳で、今回は写真のみの報告です。

 

 

日本にはまだこうやって、野生のクマが人間と無関係に暮らしている原生林が残っている。

何とすばらしい国なんだろう。未来永劫、絶対にこの自然を残したいと思いました。

ちなみに、このあたりの森は、兵庫県と違って下層植生が豊かで植物も虫も多様性にあふれているように見えました。

兵庫県のクマ哀れ。

 

【くまもり本部】イノシシがクマ用カキ園の金網柵内に侵入 電気柵設置へ

平成のクマ止め林を造ろうと、2年前兵庫県宍粟市で、熊森と地元がカキ苗を植樹しました。ここに、イノシシが入ったという連絡が、地元から入りました。こんなことは初めてです。

この現場は、広さ約1800㎡に約50本のカキの木が植えられています。

シカが入らないように、周囲を高さ2.5m程の金網で囲っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成のクマ止め林

 

イノシシは、金網の下を掘って柿園へ侵入していました。

イノシシが通った穴(赤丸内)

 

 

植樹した柿の苗木は、ほとんど無事でしたが、苗木の盛り土が全て崩されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柿の木の盛り土が崩されている

 

地元の方の話では、イノシシはカキの木の盛り土に繁茂したカズラ(つる草)の一種であるクズ(葛)の根を掘り起こして、食べているのだということです。くず餅からもわかるように、クズの根には良質のでんぷんが蓄えられています。

 

 

 

 

 

 

 

地面を這って広がって行くクズの根

 

イノシシがあの鼻で土を掘り返すのは大変なことだと思います。(どうやって土を掘るのか見たことがありませんが)しかし、カキの苗木の盛り土に生えたクズなら、土が柔らかいので簡単に掘り起こせます。

ここに目を付けたイノシシは賢いです。

大きくて真っ黒なイノシシの糞に交じって、いくつもの小さな糞が散乱していました。子供を何頭か連れて侵入しているのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

イノシシ糞(写真右下)

 

この時期、イノシシの親子のえさ探しの大変さを思うと、同情を覚えます。しかし、カキの苗木を枯らされたら困るので、この日は地元の方と、イノシシが入った金網の下の穴をふさぎ、植えたカキの木の盛り土を直して、電気柵を設置しました。

電気柵の杭を打つ地元の方

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

組み立て

つなぐ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がいしに線を掛ける

 

通電テストをして、電気柵張りは完了しました。

設置完了した電気柵(オレンジ色の線)

 

最後に、手袋をはいた手でワイヤーを触ってみたら、手首にバンと電気が来ました。

参った。

電源は乾電池8個の12ボルトですが、それを数千ボルトぐらいに高めて流しているのだろうと思います。しかし、電圧は高くても、流れている電流自体は微弱なので、イノシシの鼻に電線が当たっても、心臓をやられて死ぬようなことはありません。

 

 

兵庫県では、年間15000頭ものイノシシが狩猟や有害駆除で殺されています。

しかし今回のように、イノシシによる被害が出ても、殺さずに電気柵を張ったり、侵入経路を塞ぐなどの対策で、被害をなくしていくことができます。

祖先は昔から、こうやって被害防止に汗を流して、野生動物たちと共存してきました。

その根底には、同じ生きとし生けるものとしての共感がありました。

この共感を子々孫々、民族の文化として伝えていくことが、人間の生息環境でもある自然を守ることにつながるのです。

 

これでもう、イノシシは入らないよと、地元の方が保証してくださいました。

 

電気柵張り作業に初めて参加してみて、祖先が石や泥を積んでシシ垣を造ったことを思うと、今は、各段に簡単に被害防止柵が張れる時代だと思いました。

もちろん、夏に草が茂ってくると、漏電が起きますから、電気柵の下の草刈りが必要です。

その時は、会員のみなさん、ボランティア草刈り隊をお願いします。

 

この日、地元のみなさんに教わって、電気柵張りをマスターでき、うれしかったです。

クマの生息地でイノシシ被害に困っておられる地元があれば、電気柵張りの応援をしていきたいです。

 

 

クマ狩猟を実施している岐阜県のクマ生息林調査

熊森本部は、10月16日、研究者にもご参加いただいて、総勢9名で岐阜県のクマ生息林を兵庫県の山と比較しながら調査しました。

初めに調査した山は奥飛騨にある山で、70年程前に1度伐採されています。そのため、先駆種のカバノキ科やシデ類が多い林でした。下層植生はオタカラコウにそっくりのメタカラコウや、オオイタドリ、アカソ、アキノキリンソウ、カメバヒキオコシ、マルバユキザサ、マルバフユイチゴなどです。

 

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奥飛騨のクマ生息林

この山の向かいにある国有林は、森林遷移の最終である極相状態の非常に豊かな山です。天然のブナやミズナラと、クロベ、チョウセンゴヨウ、サワラ、シラビソ、オオシラビソ、トウヒなどの針葉樹が生えています。将来的には、このあたりの山は、伐採後放置すると、この国有林のような針広混交林に遷移していくと思われます。

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国有林

国有林内はササが繁茂していました。ここには、20年前の兵庫県の山の姿が残っていました。クマ狩猟を認める訳ではありませんが、こんな林なら隠れ場があり、そう簡単にはクマも狩猟されないだろうと感じました。

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部分的にササが一斉開花しているところがありました。

 

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チマキザサ?チシマザサ?この時期の判別はむずかしい。

 

この辺りの地質はとても崩れやすく、あちこちで崩れていました。山が崩れることも自然なので、人家に影響がない限り、放置しておけばいいと思います。

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ところどころ、巨大な堰堤が造られていますが、それにヒビが入っていました。

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この日は、この下流の宿に宿泊しました。この堰堤が崩れたら集落が影響を受けると言われて、そういう場所では何とかしなければならないと思いました。

宿舎で、御主人からイヌワシやクマの話を聞きました。

地元の人達にとって、クマがいるのは当たり前だそうです。庭のクリの木にもクマが来るそうです。クマを見かけて通報するのは観光客だと言われていました。

クマの存在を許容している人々は、このような奥地に行くと今でも全国どこでも普通におられます。クマは本来、平和愛好家で、人と共存できる動物なのです。兵庫のクマの専門家と呼ばれる研究者のみなさんに、この真実を知っていただきたいです。

 

次の日、10月17日は飛騨高地にある白川郷の近くの山を見に行きました。

このあたりは自然林がとても多くて、動物が棲めそうな山がたくさんありました。

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カモシカの角研ぎの跡がありました。

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チョウセンゴヨウマツについたカモシカの角研ぎ

 

古いクマの爪痕も見つけました。

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ウワミズザクラについたクマの爪痕

 

林道を1時間ほど車で走っていると、突然、車の10メートルほど前を、黒い大きな動物が一瞬横切りました。クマかカモシカでしょう。

樹齢120年ほどのブナ林や、遷移段階の白樺林、その上には樹齢200年ほどのブナ帯など非常に豊かな植生でした。また極相状態の針広混交林も残っており、動物にとってはいろいろな種類の自然林が点在する本当にいい場所だと感じました。

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岐阜県の人工林率は、県平均44%で、林業県として有名です。しかし、奥地にはまだ豊かな自然林がたくさん残っていることがわかり、ほっとしました。地方や県によって、山のようすが随分違います。

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ここは道路を作ったからでしょうか。山が恐ろしく崩れていました。

山も野生動物も、人間が手を付けると、取り返しのつかないことになっていきます。

今回、日本にまだ残っていた動物の棲める森に入っていろいろと勉強することができ、幸せでした。わたしたち人間の心身まで豊かになりました。(但し、お年寄りは、山の樹木の葉の量や実りの量が昔と比べて激減していると嘆かれます。昔を知らない私たちには、本来の自然がわかりません)

 

 

 

 

 

 

 

8月23日、28日 クマのひそみ場所をなくすため、地元集落の草刈りに出動

兵庫県豊岡市で、本部8月23日の「いきものの森」活動を行いました。

集落へのクマの出没を抑えるため、地元から依頼された草刈りです。

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ここは今年6月にクマが目撃され、わたしたちが追い払いをした場所のすぐ近くです。

草刈りを頼まれた場所は山すその斜面で、幅が45mぐらいありました。

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刈り払い機を使える人は草藪をどんどん刈っていきます。

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機械を使えない人は、のこぎりで竹を伐ったり、ササを刈ったりしていきます。

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 草刈り前                     草刈り後

作業終了です。

ここは竹が多くてなかなか大変でした。この日は炎天下で熱中症の心配もあり、早めに切り上げました。遠目にはあまり変わっていないように見えますが、作業前と比べるとかなりすっきりしました。

 

続いて8月28日。この日は熊森本部職員2名が刈り払い機を持って出動しました。23日に草刈りを行った場所の国道を挟んだ向かい側です。

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現場は、幅65m、奥行きが15mほどあり、前回よりかなり広い場所です。竹がないぶん楽ですが、笹が人の背丈より高かったです。

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最初は上側の獣害防止金網フェンスのそばから刈っていきました。

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地元の方が、上から刈ると刈った笹が下側に落ちていくので、下から刈り上げていくのが鉄則だよと、教えてくれました。途中から、地元の方も参加してくださいました。

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どんな刈り払い機がいいかなどいろいろ教わり、大変参考になりました。

 

この集落では集落のまわりを田畑ごと何キロもの金網防獣フェンスで囲っており、シカやイノシシは集落内に入って来れません。そのため、集落内にササや草が生い茂ってしまいます。しかし、地元集落は過疎化高齢化が進んでおり、山裾の刈り払いをする余裕がありません。

 

一方、クマは金網を器用に乗り越えて、集落内に入ってきて、草薮に身を隠します。金網防獣フェンスの山側は放置された人工林で、クマが体を隠す下草がありません。クマが好む体を隠せる草藪は、皮肉なことに、集落内にあるのです。そしてそこにはクリや柿の木が植えられています。クマにとっては山の中よりこの場所の方が居心地がいいことになってしまいます。

 

草を刈りながら、人工林が金網フェンスの内側にあればなあと思いました。そしたら、草刈りをする必要などありません。見通しのいい場所にはクマは近寄りません。本当に、現実は逆になっているのです。

目指したいのは、山にクマたちの食料や隠れ場があって、集落にはクマたちの食料や隠れ場がない、そんな集落です。

 

ここの草刈を終えるには、あと2,3回の出動が必要です。

 

次回は9月3日(土)に行きます。クマ生息地の集落での草刈りボランティアに参加していただける方は、本部まで至急お知らせください。機械が使えない方は、鎌を用意させていただきます。

ちなみに、集落のみなさんは、みんなやさしくて、都市からの応援部隊を歓迎してくださいます。

 

<熊森本部連絡先>

TEL 0798-22-4190 FAX 0798-22-4196 mail contact@kumamori.org

 

 

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