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熊森本部が北海道市民環境ネットワークら主催のヒグマフォーラム「都市のクマとヒト」に出席 

ご報告が大変遅くなってしまいましたが、2018年12月8日(土)、北海道の環境保全活動を推進するNPO法人北海道市民環境ネットワークと一般財団法人セブンーイレブン記念財団が札幌エルプラザで開催したヒグマフォーラムに、くまもり本部から2名が参加しました。

神戸空港を発つときは、薄着で十分でしたが、札幌は気温1℃、震え上がるような寒さでした。

とても同じ国とは思えません。異国に来たような錯覚に陥りました。

自然も森もクマたち野生動物の状況も、北海道と近畿地方とでは、かなり違うだろうなと改めて思いました。

 

注:写真やグラフはいずれもwクリックしていただくと大きく見えます。

 

すてきなチラシ

 

私たちにはもう一つ目的があって、前日にあたる12月7日(金)、札幌にある北海道大学農学部を訪れました。

熊森本部では現在、自然保護を仕事にしたい新卒学生・院生計2名の正職員を募集中です。

札幌駅を降りるともう目の前が大学でした。

昔は大学構内の川にもサケが上がってきていたそうです。

 

北海道大学。強風に乗って水平方向に降る雪にびっくり。

 

ちょうど到着がお昼どきだったので、まず、学生食堂でお昼をとりました。

学生がどんどんやってきます。

さすが、まじめに勉強している感じの学生ばかりです。

しかし、今の欲望全開社会では、卒業後、ほとんどの学生たちが、望むと望まざるとにかかわらず、企業の利益を上げるために、自然破壊や地球環境破壊に加担して生きていくことになるのだろうなと思うと、むなしいです。

 

食事後ロビーでくつろぐ学生たち

 

昼食後、求人票を持って就職担当教員に会いに行くと、2019年3月卒業予定者の8割は大学院に進学することになっており、残り2割の学生の就職は、もう100%決定しているということでした。しかたなく、2020年卒業予定の学生・院生 への求人として、求人票を置いて帰らせてもらいました。

 

この後、2つ目の大学、野生動物生態学研究室がある酪農学園大学を訪れました。就職担当官は、「兵庫県からよく来てくださいました」と感激してくださいました。ここは時間が遅かったので、学生にはほとんど会えませんでした。求人票を預けて帰りました。学生のみなさん、よろしくお願いします。

酪農学園大学

 

次の日の朝、フォーラム会場に行くと、多くの人達が詰めかけておられました。酪農学園の学生たちも来ており、最終的には参加者は200名を超えていたと思います。テレビ局も来ていました。ヒグマとの共存に関心を持って集まってくださる方が、北海道にもこんなにおられたのかと感激でした。

会場風景

 

北海道では昭和の終わりまで、ヒグマは開拓の邪魔となるため根絶させるべき害獣として、根絶研究が進められていたということです。

ヒグマとの共存が叫ばれ出したのは、なんと、平成になってからだそうです。

ヒグマは、北海道の自然が開発されるのを、命に代えて遅らせた、自然の守り神だったのです。

 

人口200万都市札幌の周辺には、捕り尽くして長らく見なくなっていたヒグマが、最近、再び目撃されるようになってきたそうです。

 

200万人が住む札幌市に、ヒグマたちも棲んでいる

 

以前ほど殺されなくなってきたので、ヒグマたちが安心して本来の生息地に戻り始めたのでしょうか。

平地ほど住みやすくて実り豊かな大地はありませんから。

しかし、市街地の中にまでヒグマが出て来ると、人身事故を誘発する恐れがあり、よくありません。

 

電柱に張られた熊出没注意のポスターを見ているヒグマ

 

ヒグマたちとどうやって共存していこうかと、みんなで模索されていました。

絶滅させる前に、ヒグマとの共存に舵を切り変えて下さった北海道民のみなさんを、心から讃えたいと思いました。

発表してくださったみなさん、いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。

1回お会いしただけなのでまだよくわかりませんが、この会に集まられた皆さんは、ヒグマを同じ大地に暮らす仲間ととらえられており、連帯感を感じました。

 

 

北海道庁生物多様性保全課では、ヒグマの主な食料として、ミズナラ、ブナ(道南のみ)、コクワ(=サルナシ)、山ブドウの4種の山の実りを毎年調査されています。

近年ずうっと不作年や凶作年が続いていること、ヒグマの有害駆除が増え続けていることを、わたしたちは心配しています。

北海道にはまだ熊森の支部がありませんが、今年の夏には、久し振りに北海道の熊森会員たちと集って、ヒグマとヒトの共存を進めるために、私たちに何ができるか考えてみたいです。

 

ヒグマは夏場に駆除されることが多い。デントコーンを食べに畑に出て駆除されるのだろうか。

近年、有害駆除数が増加傾向にある。2018年は818頭が有害駆除された。これ以外に10月1日から始まる狩猟でも、撃ち殺される。2018年の狩猟数は、今のところ不明。

 

 

 

昨年暮れ、くまもり本部が高知県トラスト地を訪れ、地元の方と懇談

報告が遅れましたが、熊森本部4名(会長、名誉会長、職員2名)は、2018年12月18日と19日に、高知県香美市にある四国トラスト地の調査に入りました。

 

まず、12月18日。

兵庫県西宮市を出発して淡路島を抜け、徳島自動車道を西に進んでいくと、とてもお天気がよかったので南側に剣山が見えました。

徳島自動車道より南を望む

四国のクマはもうあの山の頂上付近にしかいないんだと思って眺めましたが、さすがに遠すぎてよくわかりません。

いったん愛媛県に少し入ってから、今度は高知自動車道を南下しました。

2018年の豪雨災害で崩壊したスギの人工林が何か所かありました。

高知自動車道は、片側車線が土砂に埋まって使えなくなっていました。復旧工事中でしたが、大変なことになっていました。

高知県大豊町

 

それにしても、トンネルの多いこと!

便利になったというものの、どれくらいの地下水脈が切られたことか。

石と違って、コンクリートは100年後劣化して崩れて来ます。その頃、修理する人はいるのだろうか。

現代人は、子孫に負の遺産を残し過ぎではないか。

こんなことを考えながら進みました。

高知自動車道トンネル

 

高速を降りて地道に入ると、四国山地が目の前に見えます。

冬だというのに山全体が緑色をしているのは、ほとんどが、スギやヒノキの人工林だからです。

ここまでよく植えたなあと思いました。

 

四国山地

 

しばらく進むと、また、スギの人工林が崩れていました。

ここは、放置されていました。

人工林の山崩れ

 

やっと、くまもりのトラスト地がある石立山が見えてきました。

このあたりは落葉広葉樹林が多く残されています。冬ですから落葉しており、山が茶色っぽく見えます。

黄色で囲んだ部分が熊森第一トラスト地

 

第一トラスト地に向かい、山に入ります。

トラスト地の下にある山

 

尾根に上がり、尾根筋を進みます。とにかく山が急です。左に落ちても右に落ちても大変なことになりそうです。

戻ろうかと何度も迷いましたが、室谷会長はどんどん前に進んでいきます。

同じ枝ぶりの木が続きますが、葉が落ちているので、なんの木かわかりません。

尾根筋を歩く

 

なぜかこんな山の中にオモトの群生がありました。

ほっと一息。

赤い実がとてもきれいです。

ということは、シカが食べないのだ。

やはり、毒草でした。

オモトの群生

 

やっとトラスト地の一番下に到着。

人工林皆伐地

 

山が急すぎて、くらくらします。

ここは、皆伐放置して天然林に戻るかどうか様子を見ている場所です。

 

私たち人間は、平地が好きなクマ・サル・シカ・イノシシを山に全部追い込みました。こんな急な所で暮らすかれらはどんなに大変だろうかと思いました。

 

やっとのことで全員、無事下山。

往復3時間程の行程で、見つけたシカの糞は2か所だけでした。

三嶺と違って、まだシカはそんなにいないようでした。

 

12月19日。

四国森林管理局の担当者にお会いして、四国のクマを滅ぼさないような森林整備をお願いしました。

新しく来られた担当者は、前向き回答で、熊森一行はうれしくて飛び上りそうになりました。!!!

 

次に、2か所のトラスト地がある高知県香美市の市長さんを表敬訪問しました。

お忙しい中、1時間も時間を取って下さり、私たちの話も色々と聞いてくださいました。

森林環境税を何に使おうかと考えておられました。

中央が市長さん 熊森本部・愛媛県支部員ら

 

午後からは、徳島県入りして、徳島県側から石立山を見ました。

その後、地元の方にいろいろと長時間、大変興味深いお話をお聞きしました。

山にとても詳しい方たちでした。

5月になったら、熊森会員にクマの棲んでいる山を案内してあげるよと言ってくださいました。

 

四国の熊森会員はもちろん、全国の熊森会員のみなさん、見学会に参加をご希望される方は、早めに本部までお知らせください。

本部からも何名か参加します。

5月になるのが、とても楽しみです。

無実の雌グマを撃ち殺した人間側の罪は? フジテレビ土曜プレミアム「人肉を食べるクマの謎」

番組を見て、熊森本部はあまりのくだらなさに論評する気も失せました。しかし、HPで取り上げてしまった以上、放映後放置というのも無責任なので、とりあえず論評させていただきます。(番組の内容はひどくて、許せないものでした)

 

先週、フジテレビがとんでもない番組の予告編を何度も何度も流しているという通報が、熊森本部に相次ぎました。

 

1月21日、熊森本部は大阪のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をして、米田(まいた)一彦氏の推測はテレビ受けするセンセーショナルでおもしろいものかもしれないが、熊森としては米田氏個人の根拠のない妄想的なものに過ぎないととらえている。放映することによって、クマはもちろん青少年をはじめとする国民が受ける害は大きい。その理由は・・・と説明させていただきましたら、東京に伝えるということでした。

 

その後、何の連絡もないので、放映を中止されたのか、内容を訂正されたのか、さっぱりわかりませんでした。

 

1月26日になって、関西テレビ(兵庫県のフジテレビ版)のテレビ欄に、「前代未聞、人肉を食べるクマの謎」と出ていたので、やはり放映されるのかと思い、今度は、東京のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をしました。大阪からの連絡は入っていました。このことは評価しますが、「まず、番組を見てください」の一点張りで、こちらの説明に耳を傾ける姿勢はありません。いったんまちがったことを報道してしまえば取り返しのつかないことになるのに、報道者としての責任感が全くないと感じました。

 

そういう訳で、放映が始まるのではないかと思われる夜10時過ぎぐらいからテレビをつけて、見たくもない番組を見る羽目になりました。

 

「ばったり出会ったクマと20分間にらみ合うことになり、最後、ナイフでとがらせた竹でクマの目をついたら、目の下の固い所にあたってしまって、クマがきびすを変えてゆっくり逃げて行った。口の周りにべっとり血がついていた」という、当時、タケノコ採りに入ってクマと遭遇して生還した人の証言がありました。これは事実だと思います。(こういうとき、人間の方がゆっくり後ずさりすべきということを、番組として告知してほしかったです)

しかし彼が会ったクマが、米田氏の言う殺人グマスーパーK(米田氏命名)かどうか、誰にもわかりません。4名はいずれも亡くなられているので、当時の状況の証言を得ることは不可能です。

 

よって、生還者以外の話は、

再現ビデオも含め、全て米田氏の推測に基づくやらせと思われます。

牙をむいて登場したクマも、もちろん本物ではありません。
猟友会の皆さんは、このテレビを見て、自分たちが利用されたと怒っておられるのではないでしょうか。

 

写真家の宮崎学氏は、クマをスカベンジャー(=腐肉食動物)だと言われています。腐肉ばかり食べているわけではないので、私たちはスカベンジャーだとは思いませんが、クマは雑食性ですから、もし、地面に動物の死体があれば食べることはあります。草食動物以外は、みんなスカベンジャー的な要素をもっており、動物の死体があればすぐに食べて片付けてしまいます。これは自然なことです。

 

2016年に秋田県鹿角市の熊取平でタケノコ採りに入った4名がクマと遭遇して死亡した事件は、確かに前代未聞の痛ましい事件でした。どうしてこんなことが起きたのか知りたくなる人間の心理はわかります。

 

科学の歴史を振り返ると、たったひとりの人が唱えた異論が、後の世で正しいと認められることの繰り返しですから、米田氏ひとりが唱えているだけだとして否定する気はありません。しかし、スーパーKというクマが、人肉の味をしめて人喰いグマとなり、次々と人肉を求めて人を襲ったという米田氏の推測には、やはり無理があると思いました。

 

もし、そんなクマが誕生していて今も4頭いるのなら、その後も、熊取平でクマによる死亡事故が相次いでいるはずです。しかし、この3年間、皆無です。(第一、米田さん、人肉は、一度食べると病みつきになるほどおいしいものなのでしょうか?海外のニュースによると、最近は、鳥葬しても、添加物などの化学物質で人間の体が汚染されているためか、鳥が食べなくなったそうですが)

 

熊取平の事件はあくまで事故であり、クマの一撃で死亡した人間を、当時タケノコを食べるためにササ原に集まっていた多くのクマたちが、スカベンジャーとして食べただけのことだろうと、熊森は推察します。

 

それにしても、ササ原からひょっこり顔を出して人間がいるのに気づき、再度ササ原に戻った雌グマが、4人を死亡させたクマだと間違われ、ハンターたちに撃ち殺されました。胃の中はほとんどタケノコで、一部人肉が入っていたそうですから、スカベンジャーをしたのでしょう。人を殺した犯人かどうか確かめもせず撃ち殺し、犯人ではなかったようですなんて終わり方に、大変疑問を感じました。

 

もう、今回を最後に、熊取平で人喰いグマ誕生の米田報道は終わりにしてほしいです。これまでクマと共存してきた秋田県の人たちが、人喰いグマ誕生の報道を真に受けて、クマを大量に捕殺したのです。

事実かどうかわからないことをまるで事実のように、劇にまでして再現報道するテレビ局の責任は、誠に大きいと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 

 

1月26日21時~ フジテレビが、検証不可能な米田一彦氏の人食いグマ誕生推測を放映予定 フジテレビ視聴者センター03-5531-1111に電話を!

1月26日(土)、21:00~23:10にフジテレビの土曜プレミアム・報道スクープSPという番組内にて、

「男女4人惨殺…人食いグマの謎に迫る」

というタイトルで、2016年に秋田県で起きたクマによる人身事故の話題が蒸し返し放送されるようです。

 

 

1月25日、東洋経済オンラインが配信した、フジテレビ「報道スクープSP 激動!世紀の大事件Ⅵ~平成衝撃事件簿の真相~」取材班による

「男女4人食った「凶暴グマ」のおぞましい実態」

という、記事を読むと、大体の中身が予測されます。

 

 

2016年に鹿角市で起きたクマによる4件の死亡事故後、米田一彦氏の「人喰いグマ誕生」や、「スーパーK」などのセンセーショナルな推測が、マスコミをにぎわせました。

 

しかし、日本熊森協会は、米田氏の推測に重大な疑義をいだいています。

「秋田に人喰いグマがまだ3頭生き残っている」は、米田一彦氏の毎度のお騒がせネタです(2017.5.12くまもりHPブログ)

 

米田氏は2018年初め、「まだ、人喰いグマが4頭残っている」として、またしてもセンセーショナルな推測を発表し、マスコミに大きく取り上げてもらっていました。

しかし、これらはあくまで米田氏の推測に過ぎず、私たちは米田氏以外に同様のことを主張している人を知りません。

(そんなクマが本当にいるのなら、昨年度も秋田県で、クマによる死亡事故が続発したはずですが・・・)

 

フジテレビとしては視聴率を上げることを狙っておられるのでしょうが、たったひとりの者の推測を報道するのは、大変危険です。

クマに知識のない国民が聞いたら、ほんとうかと信じてしまうかもしれません。

クマのためにならないだけでなく、国民のためにもなりません。

物事の正誤は多数決で決まるものではありませんが、もし、このような強い批判のある内容を報道するのであるなら、米田氏の推測を否定している日本熊森協会などの主張も同時に報道して国民の判断を仰ぐべきでしょう。

 

 

クマの生息推定数1000頭の秋田県で、2016年に476頭、2017年には793頭という絶滅も危ぶまれるような前代未聞のクマの大量捕殺が行われました。

 

現在、熊森本部は、2017年になぜこのようなクマの大量捕殺がなされたのか、情報公開で秋田県から取り寄せた793頭もの膨大なクマの駆除データを分析中です。

 

分析作業はまだ中途ですが、この大量捕殺は、クマによる被害が発生したのが原因ではなく、秋田県民がクマに恐怖を抱くようになって実施されたものであることがわかってきました。

 

米田氏の推測や、それを検証もせずに大々的に報道したマスコミの責任は、誠に大きいと思います。

クマの生命を奪うことになるかもしれない問題については、報道はもっと慎重であるべきです。

 

熊森本部は、1月21日、大阪のフジテレビ視聴者センタに電話して、クマに口がないのをいいことに、このような一方的な内容を報道しないよう、責任者に厳重に申し入れました。

責任者は名前を教えてくれませんでしたが、担当者に伝えますということでした。

フジテレビは私たちの厳重抗議にもかかわらず、予定通り報道するのでしょうか。

 

この報道に問題を感じられる方は、フジテレビが今後も高視聴率を保つテレビであり続けられるためにも、ぜひ、フジテレビ視聴者センター03-5531-1111まで電話をしてあげて下さい。

 

 

クマたちより 2018年もありがとう!!

クマの魅力を伝えるHP「くまプラネット」より、熊森の保護飼育クマ 太郎、花子、とよの2018ベストショットを贈ります。

今年の11月7日に天寿を全うした花子も含めて、たくさんのみなさんのお世話とご寄付で保護飼育が続けられています。今年もありがとうございました。来年も太郎やとよに会いに来てやってください。

クマたちの様子はのくまくま日記で公開中です。Facebookページもありますので、ぜひフォローください。https://www.facebook.com/KUMAplanet/

 

獣舎の柵に寄りかかって、くつろぐ太郎(7月22日)

 

プールの水を飲み、お世話隊Hさんをジィーっと見る花子(2月25日)

 

ミズをほお張って、無心にムシャムシャ食べるとよ(5月29日)

みなさま、どうぞ良い年をお迎えください!

クマたちの餌場になっていたくまもり植樹地

日本の森は、クマがいて初めて森林生態系が完成します。

くまもりは、クマの棲む町但東町(兵庫県)が大好きです。
地元や行政が土地を提供してくださったので、但東町には4か所のくまもり植樹地があります。

 

12月22日、久しぶりに2002年度の植樹地を見に行きました。

今年の豪雨で地面がえぐれた林道を、奥山に向かって車で注意深く25分間ほど進みます。

途中、あんなに暗かったヒノキの放置人工林が一部、明るくなっていました。

わあ、間伐が始まったんだ。

間伐されたヒノキの人工林と縦横に造られた作業道

 

やっと、くまもり植樹地に到着。

あれから 16年、当時、植えた3年苗のクヌギやコナラが、見上げるまでに大きくなっていました。

なつかしい植樹地風景

 

人工林の山の中に、突然、ドングリ公園?が出現。

シカが多いため、森にはなっていない

 

今年も、クマたちが存分にここを利用してくれていました。

シバグリ(手前の木)は、どれもクマ棚でいっぱい

 

クヌギやコナラの下には、ドングリの殻斗(かくと)がたくさん落ちていました。

中のドングリは全て食べられて、殻だけが残っていた

 

あっ、クマの糞です。

原型が崩れかけたクマ糞を発見

 

神戸東ロータリークラブのみなさんをはじめ、2002年にここに植樹してくださったみなさん、

この植樹地が、冬籠り前のクマたちにささやかながら食料を提供して、クマの生存を支えていますよ。

 

次にもうひとつの植樹地に向かいました。ここは、2012年にも植樹しています。

シカ除け網の中で元気に育っていた2012年のカキ苗

 

2002年に植えた柿苗のシカ除けチューブは、もう外してあります。

どの木にも今年のクマ棚と爪痕がびっしり。

クマに枝を折られた後、新しい枝をいっそう伸ばしたカキノキ(クマの剪定)

 

この場所は伐採跡地でしょうか、以前、長いこと草原でした。

今年行くと、大きく育ったススキの間から、ものすごい勢いでアカマツが伸び出していました。

森の遷移が始まったんだ!

 

「動物たちに帰れる森を、地元の人達に安心を!」

クマたちの絶滅を止めるために、森再生に挑戦する一方、くまもりは緊急避難措置として、実のなる木を奥地に次々と植えてきました。正解だったと思います。

 

人とクマの棲み分けを復活させるため、来春も、また実のなる木を奥地にいっぱい植樹しましょう!

 

 

 

 

 

 

10月30日 安藤誠講演会 in 芦屋市・尼崎市

2018年10月30日、びっくりするような大きなオートバイに乗って、北海道釧路の鶴居村から、くまもり新顧問の安藤誠氏が兵庫県まで来てくださいました。

 

この日、昼は芦屋市で、夜は尼崎市で、日本熊森協会本部主催の講演会「安藤誠の世界」が持たれました。

昼の部

 

安藤氏は、プロのネイチャ―ガイドとして北海道やアラスカの原生的な自然をガイドされているだけではなく、アメリカのスミソニアン博物館で今年動画部門でグランプリを獲られたプロの写真家でもあります。

 

昼の部と夜の部では、全く違う内容でした。どちらもとてもよかったです。

安藤氏は何日間話しても尽きないまでの膨大な話す内容を持っておられ、会場の人達に合わせて語っていかれます。

今回は熊森協会主催の講演会だったので、熊森に合わせたお話を用意してくださり、私たちにとってはとても贅沢な時間でした。

 

夜の部

 

熊森の顧問を受けてくださったのは、熊森が21年間運動し続けているという継続への信頼(安藤氏流の信頼できる人=継続している人)や、権力に取り入ろうとしない姿勢を評価されたからです。

 

安藤氏は、検閲のないネットの世界が広がって、インチキ情報が渦巻く人間社会となってしまっている現在に大変な危機感を持っておられ、ヤラセが一切ないすべてが本物の自然界を垣間見ることによって、人間の嘘・社会の嘘を見抜く力をつけてほしいと強調されていました。

 

自然界で生き物たちは皆一生懸命生きており、人間と同じように豊かな感情があり、個性が全て違う。ずっとみていると、いとおしくてたまらなくなる。生き物たちはお金や権力とは無縁で、人間の100倍も1000倍もピュアに生きており、私たち人間に、人生で何が一番大切なのか(お金や地位ではないよ)を教えてくれるという話には感動しました。

 

予備校の人気講師だったというだけあって、語りは人をひきつけます。写真や映像には魅せられ、本当に癒されました。

原生的な自然や生き物たちの話の中に、強い意志や確固とした哲学がこめられており、参加者のみなさんは口々に、もっと聞いていたかったと言われていました。

 

小さい頃からお母様が心配になるほどヒグマにとりつかれ、深い愛情を持ってクマを守りたいと思われてきた安藤さんですが、プロの手になるきちんとした狩猟は認められます(彼自身は狩猟をしない)。その点が、私達熊森本部には理解できなくて、講演終了後、質問してみました。そうしてわかったことは、私は日本人ではなく北海道人ですと安藤さんが言われるだけあって、北海道の人はアイヌの狩猟採集文化(縄文タイプ)の影響を強く受けておられ、私たち熊森本部の日本人は、稲作漁労文化(弥生タイプ)の影響を強く受けているということです。納得しました。どちらにしても、自然への強いリスペクトという点では、連携できると思いました。

 

クマなんかいない方がいいという人には、自然は全てつながっているのでクマだけを切り取れないことを伝えるべきだと教えていただきました。アイヌ語でヒグマを表すキムンカムイは、「豊かなる山の神」の意と一般に説明されていますが、本来のキムンカムイの意味は神々の中の一つの神を指しているのではなく、アイヌの自然観では、ヒグマを失うことはかけがえのない自然全てを失うことなのだそうです。それほどクマは重要なものだということです。アイヌの自然観を勉強してみたくなりました。

 

安藤さん、お忙しくて全ての講演依頼には応じられない状況の中、兵庫県で私たち熊森のために講演してくださって本当にありがとうございました。

 

まだまだ教えていただきたいことが山のようにたくさんあります。今後とも、よろしくおねがいします。

 

 

11月11日くまもり葬 花子ちゃんありがとう 

花子は最後は心臓が弱って獣医さんに診ていただき、お薬を服用していましたが、27才の天寿を全うしたと思います。

熊森永久顧問の故東山省三先生(元和歌山県鳥獣保護連絡会会長)なら、きっとお葬式をされるだろうなと私たちは思い浮かびました。

そうだ、わたしたちも花子のくまもり葬をやろう!

 

11月11日

12:30 葬儀準備開始

 

遺影と焼香台のセット完了

 

飼育者であった山田氏手製のお棺に入った花子を、山田氏らみんなで埋葬場所前に運びました。

 

13:30和歌山県北野支部長の司会でくまもり葬開始

 

くまもり森山名誉会長が、花子を13年間深い愛情を持ってお世話してくださった山田氏にお礼を述べ後、「花子の訃報を聞いて私たちも涙が止まりませんでしたが、ずっと花子をお世話し続けてきてくださった山田家のみなさんをはじめ、お世話補助をし続けてくださったボランティアの皆さんの悲しみはいかばかりかとお察しします。こんなに多くのみなさんに愛されて、花子は幸せだったと思います」と、あいさつしました。

 

次に、喪主の山田氏が、「花ちゃんは、本当にやさしくて人懐っこくてかわいい子でした。もっと生きてほしかったです」と涙ながらに挨拶されました。

悲し過ぎて多くを語れないご様子で、参列者一同も胸を詰まらせました。

 

山田家から焼香が始まりました。

焼香が終わった参列者のみなさんは、思い思いに花子の遺体を触って在りし日を偲んでいました。

 

お花や香典はお断りしていましたが、それでもと届けられたお花や、熊森本部からのお花を、お棺の中に入れていきました。

お花を送って下さったみなさん、ありがとうございました。

花子が花に埋まってしまい、本当に花子になってしまいました。

 

最後に、山田氏と息子さんが、お棺に蓋をしました。

 

山田氏が息子さんの補助を得て、お棺をショベルカーでそっと持ち上げ、事前に掘られていた穴にゆっくり降ろして行かれました。この地区では10年前まで、人間も土葬だったそうです。山田氏が、花ちゃんは焼却場に持って行かず、敷地内に土葬したいと言われたお気持ちがわかるような気がしました。

 

穴の底に置かれたお棺に、参列者一同がスコップ1杯ずつの土をかけ、最後に山田さんがショベルカーで、穴を埋められました。

 

花子がよく抱えて遊んでいた丸太を、みんなで角塔婆の周りに並べました。まるで何かの遺跡のようないい感じのお墓になりました。

 

角塔婆の「月の輪熊 花子の墓」の文字は、13年間花子のお世話に通ってくださった熊森和歌山県支部長の北野さんが書いてくださったものです。

 

この後、参列者一同で、花子の思い出を語り合いました。

 

お世話隊のみなさんは、花子に会うのがとても楽しみで、会うたびに大いに癒されていたということでした。

花子は教えもしないのに、お世話に来てくださった人々を喜ばせようといろいろ心配りをするけなげなクマだったそうです。

「おもてなし上手な花子」ということで、話が一致しました。

クマが人間をもてなそうとしていたなんて、すごい話だと思いました。

 

最後に、「花子ちゃんありがとう」の文字の下で、みんなで記念写真を撮りました。

東京から参列して下さった方は、13年前、花子が神奈川県相模原市から和歌山に移送されて来るときも、車で伴走して花子を安心させてくださった方で、思いもひとしおのようでした。

熊森からは、毎月お世話補助に訪れていた和歌山県支部、本部、京都府支部、大阪南地区が参列しました。

 

再び1頭になってしまった太郎君は事態を察しているようで寂しげでしたが、見物客から貰ったピーナツを静かに食べていました。

熊森は、今後も太郎君の飼育補助に通います。

天におられる東山省三先生、これからも私達を見守っていてください。

太郎と花子のファンクラブに飼育寄付金を送り続けてくださった全国の皆様も含め、花子を愛してくださったすべての皆様のこれまでのご厚情に、改めて深く感謝いたします。

 

熊森から

飼育者の山田さんやご家族は、家族が亡くなったとの思いで、深い悲しみの中、次にしなければならない作業に動きに動いてくださいました。

 

また、お世話隊のボランティアのみなさんも、訃報を聞いて次の日すぐに駆けつけ、花子の遺体をきれいに拭いてくださったり、寝室をきれいに片づけたりして連日通ってくださいました。葬儀終了後も残って、汚れた寝室を水洗いするなど、黙々と働き続けてくださっていました。

 

私たちにとって、他生物も人間同様、この地球上に生きる仲間なのです。

 

一方で、クマの推定生息数をコンピューターで計算し、自分たちが勝手に決めた適正数に低減させようと、罠を掛けて次々とクマを捕殺するように指示し、遺体を解剖しては論文を書いている人達もいます。彼らにとって、クマはまるで物です。気の毒に、彼らにはクマの命の尊厳などわかりようがないのでしょう。細分化された科学が、全体(命)を見れなくしているのです。

 

大事なのは人間の命だけという西洋思考の人間至上主義は、やがて人類を滅ぼします。

 

日本は戦後、すっかり西洋文明に染まってしまった感がしますが、いい面は取り入れ、良くない面は変えていかなければならないと思います。

 

 

 

11月8日(木)岡山県クマ狩猟安全講習会 で 猟師10名に聞き取り 進んでクマを撃ちたい方はゼロ

2011年に、兵庫県のツキノワグマが爆発増加していると突然発表した当時兵庫県森林動物研究センター研究員で当時兵庫県立大学准教授でもあった坂田宏志氏は、その後、行政と連携して野生動物捕獲を進める㈱鳥獣連携センターという企業を起業し、代表取締役となられています。

 

その後、岡山県のツキノワグマの生息推定数を計算する仕事を行政からとられ、なんと、岡山県のツキノワグマも爆発増加していると発表されました。彼を知る方たちに、坂田氏は岡山県のツキノワグマの生息推定数を算出するにあたって、岡山県のクマ生息地を調査されていたか尋ねると、1回も山に入らずに生息推定数を計算されたということでした。事実なら、すごい方だと思われます。

 

以下は、岡山県の報道発表資料です。

1 推定手法

平成17年から平成29年までの出没件数、捕獲数、再捕獲数及び堅果類豊凶調査等のデータを基に統計手法を用いて推定した。(専門調査機関に委託)

 

2 平成29年末の推定生息数
中央値:254頭
(90%の信頼区間:134頭~432頭)
(50%の信頼区間:198頭~320頭)

 

この結果、2017 年から岡山県も、兵庫県に次いでツキノワグマ狩猟再開に踏み切りました。

行政は本当に肩書に弱く、人を疑うことを知らないように感じます。

 

岡山県は、狩猟再開2年目の2018年、去年と同じく美作県民局に11月8日にハンターを集め、自由参加のクマ狩猟安全講習会を開催されました。

 

熊森本部スタッフと岡山県会員計5名は、去年同様、クマ狩猟安全講習会に来られた猟師の方々に「岡山県のクマは生息地を失っているので、山中のクマまで狩猟しないでください!」というチラシと岡山県クマ資料を配りました。

緑色ジャンパーが熊森会員

配布チラシは、Wクリックで大きくなります。

 

昨年度のクマ狩猟講習会参加者は30名でしたが、今年は60名ぐらいに増えていました。結構多くの方が熊森のチラシを受け取ってくださいました。うれしかったです。

 

お話しできた方は10名程度でしたが、進んでクマを獲りたいと言われた方はゼロでした。

 

兵庫県同様、岡山県もクマを獲る文化がないのだなあとわかりました。猟師はクマを獲りたいと思っていないのに、行政が研究者の言いなりになって猟師にクマ狩猟をけしかけているように見えます。もし、人身事故が発生したら、行政はどう責任をとられるのだろうかと思いました。

 

行政は売り込んでくる研究者だけではなく、いろいろな研究者の声に耳を傾けていただきたいです。山の中を走り回っている猟師たちに、この20年間で出会うクマが25倍に爆発増加しているかどうか、アンケートを取られてみたらいいと思います。結果が出たら、発表してくださいね!熊森は猟師の皆さんのアンケート結果に、とても興味があります。

岡山県 里山にクマの痕跡多数、奥山は人工林にも天然林にもクマの痕跡なし

私たちは狩猟免許を持っていないので、美作県民局でのクマ狩猟講習会に参加させてもらえません。

チラシ配りを終えたあと、岡山県の里山と奥山を調べにいきました。

 

里の集落周辺には、至るところに「クマ出没注意」の看板がありました。クマが来ないよう柿の木を多数伐採したのか、柿の木が以前より少なくなったと感じました。残されたほぼすべての民家のカキの木にクマが登れないよう、真新しいトタンが巻かれていました。

 

地元の女性聞いたところ、クマが出てくるので、今年、本腰を入れてカキの木を伐ったり、トタン巻きをしたりしたということです。確かにこれで人間はいいのでしょうが、食料不足のクマはどうなるのでしょうか。

集落の裏山にあるカキの木(小屋の右の木)

 

カキの木には今年来たと思われる新しいクマの爪痕がついていました。

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その後、岡山県の奥山にある若杉天然林(西粟倉村)に向かいました。

 

西粟倉村は、山全てがスギというくらい長い間スギの放置人工林で埋まっていた村でしたが、1年ぶりに訪れると、大規模な間伐があちこちで進んでおり、真っ暗だった山中が、かなり明るくなってきていました。人工林の天然林化が進み始めたのでしょうか。ならば、熊森としてはとてもうれしいです。

 

目的地である若杉原生林は、約80haのブナやミズナラ等の落葉広葉樹の貴重な天然林です。

この周辺で今年クマの目撃があったということですが、とにかく大勢の人間がこの天然林を楽しむために訪れる地なので、クマは安心して住めないのではないかと思われます。

この天然林の周囲は、延々と続くスギやヒノキの広大な人工林に覆われています。

 

クリックすると大きくなります。冬でも緑色の部分は、常緑の針葉樹です。

 

道中の延々と続く広大な人工林地帯からやっと抜け出して、熊森メンバーは紅葉のきれいな若杉天然林に到着しました。

天然林は気持ちがいい。おいしい空気を満喫する熊森メンバー

 

21年前、熊森が「くまもり原生林ツアー」を始めた頃は、クマの痕跡がこの山に数多く見られました。当時、2頭のクマが棲んでいるということでいた。

 

しかし、最近は下層植生のササがどんどんと少なくなり、木々の葉や昆虫の数も減って、森が劣化し、見通しがよくなってきました。19年前から、クマだなや看板への爪痕など、クマの痕跡は全く見られなくなっています。

 

熊森メンバーは皆「山奥のクマが、里に下りている」と体感しました。

 

岡山県では昨年、山中で1頭のクマが狩猟されましたが(集落から200メートル以上離れないと銃を撃ってはならない法律がある)、クマ狩猟によって里に出て来るクマの数は減ったのでしょうか。

岡山県では今年、里に出て来た7頭が有害捕殺されています。人身事故も発生しました。

クマと人が昔の様に棲み分けできるように、狩猟より先に、奥山放置人工林の広葉樹林化を急ぐべきではないでしょうか。

 

現地は宮本武蔵生誕の地ですが、武蔵は今の放置人工林で埋まった岡山の山を見て、何を思うでしょうか。聞いてみたいものです。

 

 

 

 

 

 

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