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出没阻止対策を全く講じずに、札幌市街地徘徊の羆を銃殺したのは動物倫理に反する 門崎允昭博士

以下は、日本熊森協会顧問で北海道野生動物研究所所長の門崎允昭博士が発行しておられる<北海道熊研究会 会報>第91号のコピーです。行政、マスコミ、各方面に拡散してください。(熊森本部)

 

 

北海道熊研究会」Hokkaido Bear Research Association

 

ご意見ご連絡は本紙送信emailではなく、下記の email へお願い致

します       e -mail:   kadosaki@pop21.odn.ne.jp

 

<北海道熊研究会 会報>  第91号  2019年 8月 17日

北海道熊研究会事務局 北海道野生動物研究所内(Tel. 011-892-1057)

代表 門崎 允昭

事務局長 Peter Nicholsピーターニコルス氏

幹事長 藤田 弘志 氏

 

既報会報の1~90号はWebsiteに「北海道野生動物研究所」と入力しご覧下さい

 

「北海道熊研究会」Hokkaido Bear Research Associationの活動目的

熊の実像について調査研究し、熊による人畜及びその他経済的被害を予防しつつ、人と熊が棲み分けた状態で共存を図り、狩猟以外では熊を殺さない社会の形成を図るための提言と啓発活動を行う。 この考えの根底は、この大地は総ての生き物の共有物であり、生物間での食物連鎖の宿命と疾病原因生物以外については、この地球上に生を受けたものは生有る限りお互いの存在を容認しようと言う生物倫理(生物の一員として人が為すべき正しき道)に基づく理念による。

 

<札幌市南区で、人の存在を無視しながら、時に農作物や果樹を、食害しつつ(マスコミ報道による)、市街地を、徘徊していた羆を、出没を、阻止する、対策を全く講じずに、銃殺したが、これは動物倫理に反する行為である(門崎允昭の見解)

生物倫理とは、(生物の一員として、人が他種生物に対し、為すべき正しき道)の義。

 

羆がなぜ、札幌市の市街地にまで、出現するように、なったか。その理由を、私が1970年から現在まで、継続調査して得た、資料を基に述べる。先ず、羆は強烈な爆発音がする銃での殺戮を嫌い恐れ、致命所傷とならず助かったものは、銃で撃たれた場所に出て来なくなる。そのような事が続くと、その場所から人里方面には、羆は出て来なくなる。ところが、銃での殺戮を止めると、徐々に、また出て来るようになる。

札幌市での実情を言うと:私が札幌圏での羆の実態調査を始めた、

1972年から1988年,10月迄の17年間、札幌圏での羆の捕殺は<銭函川上流部~奥手稲山~手稲山~永峰沢川上流部~砥石山~砥山ダム>を結んだ西部地域一帯と、<滝野~常盤~焼山~夕日岳~朝日岳(定山渓)>を結んだ南西部地域一帯から山側でのみ、銃で行われていた。札幌圏での羆の捕殺資料は、1964年からあるが、前記と同じである。従って、それより東部と北部と南部の山林に、羆が来る事は無かった(下記に地図)。ましてや、人里や市街地に、羆が出て来る事など、考えられなかった。

しかし、1989年~1998年の、10年間、札幌市管内では、羆を1頭も捕獲しなかった。その結果、羆が、生息域を人の居住圏方向に拡張し出し、10年後の、2008年頃には、人の日常的生活圏近傍の山林地域に、羆が出没するようになった。そして、現在に至ったと言うのが、市街地に羆が出没するに至った経緯である。

 

羆の行動には必ず「目的と理由」が有る事、市街地に出て来る羆の目的は4大別される。

<出没の①> 若羆(母から自立した年の子の呼称)が検証に出て来る事がある母羆から自立した(自立させられた)若羆が、独り立ちして生活する為の行動圏を確立するための探索徘徊過程で、

<出没の②> 道路を横断する目的で出て来る事が有る。

<出没③>  農作物や果樹や養魚を食べに出て来る。

④ その他、力のある個体に弱い個体が襲われて逃げ出る。子が里や市街地に出てしまい母が心配し出て来る。などがある。この場合には、出て来る個体については、性別や年齢は関係無い。

 

<今般の羆への対応策>

この個体が山林から出て来る場所は、羆の生態をたゆまず真摯に調査研究していれば、およその位置場所は特定し得るはずである。なぜ、そこに、電気柵を張って、出て来る事を阻止しなかたのか。電気柵に触れ、刺激を体験すれば、例え、それを幾日か体験すれば、あの羆は、市街地に出て来なくなった可能性が強いと、私は確信する。

それを、為さず、銃殺した事は、あまりにもひどい。これを、対応規範に基づいて、殺したとか。仕方がなかったとか。この殺す事に関与した連中は・・・・・だろう。自然界がどう言うものか。人と自然界の有り様・・・分かっていないし、分かろうともしていない。その尊大な態度には、しっぺ返しが、来るだろう。

 

 

<今回の羆について>

北海道新聞2019年8月14日によると、この羆は、体長(鼻先と肛門間の直線距離)1.4m、推定年齢8歳とある。報道された行動様態と頭吻部の形からすれば、8歳では有り得ない。より若いはずである。年齢は、犬歯と最奧歯の歯肉との関係を見れば、2歳3歳、4歳以上(歯のセメント層に見える年輪で分かる)の、判別が着く。当局は、正確はdataを、公表すべきである。

 

1998年時の札幌圏の羆の生息圏(赤線の内側)。

赤丸は1972年~2001年間の羆の捕殺地点(48地点)。

 

7月19日発生の宮城県気仙沼市でのクマによる死亡事故について

気仙沼の山中でクマに襲われ男性死亡 河北新報 2019年7月19日より

 

クマと人間との事故が発生した場合、センセーショナルで一方的なマスコミ報道がなされると、本来、人間よりずっと平和愛好者であるクマという動物が、まるで狂暴動物でもあるかのように誤解されたり、地元にお住いの方々に必要以上の恐怖心や不安を与えたりしてしまいます。

そこで、熊森本部は可能な限りいち早く事故現場へ出向いて、事故原因の究明と再発防止対策を行っています。遠方などの理由で出向くのが無理な場合は、担当部署に電話で聞き取りを行っています。

 

7月19日に宮城県気仙沼市で発生した死亡人身事故について

 

事故現場は、集落の中心から2kmほど離れた、岩手県との県境に近い場所です。

熊森本部作成の事故現場。クリックすると大きくなります。

 

市の担当者:今回亡くなられた男性は、シカの有害駆除の委託を受けていた捕獲者で、親族の方のお話によりますと、19日は早朝5時か6時頃に、罠の見回りに行くと家を出られました。

 

一向に帰ってこないのでご家族が市や警察に電話しました。猟友会と警察と市の担当者で探したところ、くくり罠の近くに倒れていた男性が見つかりました。男性は顔をクマにぼこぼこに叩かれたようで、引っかかれた傷もついていましたが、体を食べられたりはしていませんでした。猟友会が近くを探したところ、罠から100m離れた所に、足首にくくり罠をつけたまま歩いているクマがいたため、その場で射殺しました。

 

くくり罠の周りは、草がはだけて地肌が露出していたので、クマは脱出しようとかなりもがいていたんだと思います。おそらく、男性は、罠の見回りをされていた時に、クマがくくり罠にかかっているのを発見して、様子を見ようと近づき、恐怖感でいっぱいになったクマが全力で暴れてくくり罠を引きちぎり、男性の方に向かってきたんだと思われます。

 

熊森:くくり罠の12cm規制はなされていましたか?

 

担当者:いいえ。

 

熊森:クマとシカが生息する地域では、くくり罠を使用禁止にするか、輪の直径を12cm以下にしていただかないと、クマの錯誤捕獲が後を絶ちません。

以前、気仙大島にクマが泳いで渡ってきた時、島内に罠が設置されましたが、当時の気仙沼市の担当の方は、捕獲したら山へ持って行って放獣する。

気仙沼の人はクマを滅多に見ないので恐れるが、山の人は昔からクマと一緒に暮らしてきたから、クマに寛容で放獣を受け入れてくれると言われていました。

 

担当者:県から、箱罠にかかったクマは放獣するように言われていました。クマなんかいたっていいじゃないかという人は確かに多いですね。

 

熊森:箱罠であれば放獣もできますが、くくり罠にかかったクマの放獣には麻酔が必要で、獣医さんや熟練放獣者が必要です。再発防止のために、今回の場所は、くくり罠12センチ規制か使用禁止が必要です。

 

 

熊森から

 

亡くなられた方、ならびにご家族の方々には、慎んでご冥福をお祈りします。

そして、射殺されてしまったクマにも、手を合わせます。

 

なぜ、クマと人の不幸な事故が発生してしまったのか、どうしたら防げるのか。

 

以下、参考文献

「兵庫県で発生したツキノワグマによる人身事故の検証ー2016年、2017年の事故例」
日本奥山学会誌 vol7 水見竜也(1) 2019 pp34-49

※クリックすると読めます。

 

事故を防ぐには、1件1件の事故例を分析して、その地域の実態に合った対策を行う必要があります。

行政担当者の皆さんにがんばっていただきたいです。

どうした?!「とよ」

大阪府高代寺で保護飼育されてきたツキノワグマの「とよ」9才。

元野生グマで、最初は人間をえらく恐れていましたが、今では良くなついています。

元気に走り回わる愛らしい姿は、熊森の希望でした。

 

7月13日、お世話隊や副住職さんが、とよの異変に気づきました。

食欲不振。あんなに好きだったブドウも食べず寝ています。

風邪かなと思っていたら、7月16日、後肢が2本とも動かなくなっていることが判明したのです。

「とよ」は犬のように横になったまま、寝たきりになってしまいました。

 

何の病気?!。

みんな、もう真っ青です。全く原因がわかりません。高い所から落ちて骨折か?

大雨の中、会員の獣医さんに診に来てもらいました。

骨折ではない。血栓か椎間板ヘルニアが疑われるが、外からではわからないとのこと。

「とよ」は、寝室に寝たままで、4日間出てきませんでした。

もうだめ。

マジックハンドを使ってサクランボを口の前に差し出すと、1粒ずつなら食べることが分かりました。

とにかくサクランボで命を繋いでもらおうと、どんどん買ってきて与えました。

なんと、「とよ」は、この日、サクランボを15パック平らげました。

次々と「とよ」の口の前にサクランボを差し出すお世話隊の方は、最後、腕が動かなくなるまでがんばったそうです。

 

2本の前足だけで移動する「とよ」

 

本部は森山名誉会長を中心に必死で、クマにくわしい獣医さんを探し回りました。

和歌山県の北野支部長や室谷会長も、つてを頼って獣医さんを探しました。

動物園の獣医さんには、すべて断られました。

やっとのことで獣医さんを見つけて、「とよ」の動画をいくつか送って見てもらったり、現地に来てもらったりしました。

骨折ではないが、ヒビによる神経炎かもしれない。左足の甲を下にして足をひきづっているのは、脊髄損傷のサイン・・・。

いろんな診立てがありましたが、レントゲンを撮らないとわかりません。

痛みがひどいと食欲も出ないということで、とりあえず、痛みどめの抗炎症剤と胃の保護剤を飲ませることになりました。

 

おかげさまで、服薬によって痛みが抑えられたのか、「とよ」の食欲は戻ったのですが、まだ後肢が不自由なままです。

お世話隊を中心にお寺や熊森本部職員も入って、連日、お世話や見守りをしていますが、現在、完治のめどが立っていません。

若いクマなので、こんなことになろうとは夢にも思いませんでした。

 

とりあえず、みなさんに、「とよ」の現状をお知らせしておきます。

推定918頭のクマに春~秋、誘引物入り捕殺罠2311基常設の異常性 和田副会長 兵庫県議会で質問

去る6月20日、くまもり副会長の和田有一朗兵庫県議会議員(神戸市垂水区選出)が、兵庫県本議会でいくつかの質問をしました。

その中から、兵庫県のツキノワグマが3年前から一大捕殺強化されている問題について質問した部分について、以下に紹介させていただきます。

 

【質問2:ツキノワグマの保護管理について】

和田 有一朗議員:

次に適正な野生鳥獣の保護・管理についてお伺いいたします。

近年、人と野生動物との軋轢がメディアを賑わせることが多くなってきています。シカやイノシシは人身事故はあるものの、農業被害が中心である一方で、クマの場合は人身事故の問題が中心となっているところであります。

 

兵庫県においても本県に生息するツキノワグマは平成8年度から狩猟禁止、追い払い活動や学習放獣などの保護対策を進めた結果、推定生息数が絶滅することが当面ないレベル800頭まで回復し、直近の推定生息数の中央値が830頭となっていると推定した県(注:推定したのは兵庫県森林動物研究センターの研究員)は、ツキノワグマ管理計画に基づき狩猟を含め野生鳥獣の被害対策の強化を進めてきたところであります。

 

しかし、注意をしておかなければならないのは、推定生息数はあくまでも統計に基づく推定であって、実際の生息数は推定より多い可能性もはるかに少ない可能性もあるということであります。

日本ではクマをはじめ野生動物は(今や)害獣として扱われ、個体数調整という名のもとに、本来の生息地である山の中まで人が入り捕殺をしており、本県でも出没を確認しない段階で推定生息数をはるかに超える罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せず、害獣駆除しているという声を私は聞いております。

 

乱獲は野生動物の絶滅の大きな原因であり、兵庫県でもツキノワグマが絶滅の危機に陥った過去からしても、捕獲が過剰となっていないか、十分な検証が必要であると思います。

 

そもそもクマは基本的には人を避け、森の奥深くに生息する動物であります。しかし、突発的に出会うと防御的な攻撃を招き危険な場合があります。また、クマによる人身被害、農業被害の発生は必ずしも、実はクマの個体数の多さに比例しているわけではありません。

 

クマの本来の生息地である森を開発、利用してきた人間が、季節や年によって食べ物を柔軟に変化させるといったクマの生態を知り、例えば奥地の放置人工林を天然林に戻すなど、本来のクマの生息地である奥山のクマの生息環境を整え、棲み分けを実施していくこと、藪の刈り払いをすること、庭の果実を除去すること、事故が起こった場所には立ち入らないようにすること、クマの餌場となる場所にはできるだけ近づかないようにすること、また、近づく必要がある場合は十分に注意すること等、地道な取り組みを続けていけば、当然クマ生息地の住民の不安を解消することは重要でありますが、私はクマを殺さずとも共存していくことはできると考えます。

 

そこで、誘因物、それは放置果樹であったり廃棄農作物であったり、生ごみなどがありますが、こういったものを除去、農耕地等への電気柵等の設置と管理、クマの集落周辺への侵入や一時的な定着を防止するための耕作放棄地等の整備や藪の苅りはらい等によって、出没を確認しない段階で罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せずに害獣駆除するといった方法によることなく、適正なクマの保護・管理ができると考えますが、当局の誤所見をお伺いいたします。

 

【答弁:ツキノワグマの保護管理について】

田中基康 環境部長

本県では森林動物研究センターの知見に基づき、生息数推定の精度を向上させながら、個体数管理、生息地管理、被害管理を総合的に推進するワイルドライフマネジメントを行っております。

 

近年ツキノワグマの推定生息数が狩猟解禁基準の800頭を超えたため、平成28年度から1か月の制限付きで狩猟解禁しております。

また自然増加数を上限に、集落やその周辺地域に出没する個体に限定して必要な有害捕獲を従来から行っておりますが、これに加えまして、シカ罠等に誤って入り込む、これは当然放獣するわけですけれども、個体までを含めた捕獲総数は3年連続で100頭を超えております。これは過去にはございませんでした。

 

人身被害が発生する中で、残念ながら危険度がより身近になっている有害罠の設置など確実な対策が必要な状況にあると考えておりますので、どうぞご理解を賜わりたいと思います。

もとより、先ほどより答弁にありましたように中長期的な生息地管理として広葉樹の植栽を行っております。

何より、集落にクマを誘引しないよう被害管理として放置果樹、生ごみなどの誘因物の除去を進めておりますけれども、啓発呼びかけにとどまらないよう、本年度からは民間専門家(株式会社野生動物保護管理事務所や 元兵庫県森林動物研究センター研究員坂田宏志氏が設立した株式会社野生鳥獣対策連携センターなどを想定)による集落ごとのきめ細やかな実地指導も展開してまいります。

GPS行動追跡等も進めて引き続き進めてまいります。

今後とも市町はもとより近隣府県とも十分に連携しながら人身被害の防止を最優先にしつつ、クマと共生できる科学的・計画的な保護管理を着実に進めてまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

 

熊森から

和田副会長の質問、完璧です。ありがとうございました。

 

2018年を例にとると、兵庫県では、県内推定生息数918頭のツキノワグマに対して、まだクマが出てきていない春の時点で、609頭のクマ捕殺許可書が県から発行され、シカ・イノシシ捕獲檻のうちの2311基にクマ札が付けられてクマ捕獲共有罠とされ、春から10月末まで、集落200メートルゾーン内に罠を常設。入ったクマは狩猟と合わせて137頭までという上限数があるものの、全頭殺処分。

兵庫県がこのようなクマ捕殺体制をこっそり敷いていたことが、昨年の熊森の調査で発覚しました。

 

その結果、人里に出て行きたかったわけではない多くのクマが、誘引物の匂いに誘引されて罠に向かったのです。

2019.7.23現在までの、兵庫県庁資料より

 

地元で聞くと、このようなクマの捕殺方法は、平成29年(2017年)の7月から始まり、平成30年(2018年)と今年の2019年は、春から開始されたとのこと。

 

上記グラフから、大量の常設クマ捕獲罠によって、集落200メートルゾーンになど出ていく気がなかったクマを、山から呼び出して罠にかけ、殺処分していることがはっきりとわかります。

初めに殺したいありきであり、これはもはや有害捕獲ではなく、完全に、クマの個体数調整捕殺なのです。クマの個体数調整はしませんと協議会で宣言された兵庫県の言葉が嘘になっています。

 

熊森は26年間兵庫県の奥地を見て参りましたが、熊森がささやかながらも奥山に餌場を復元してきたことと比べて、兵庫県のクマの餌場復元事業は掛け声ばかりで復元実態はゼロだと思います。それどころか、奥山観光地化や奥山道路建設、シカの食害など、クマの生息環境は劣化の一途です。生きるために、過疎化した集落周辺に移動したクマたちを、人は責められないと思います。

 

奥山をクマたちが棲めないようにしたあげく、人間の所に出て行かないように踏ん張っているクマまで誘引剤で里に誘引して、有害駆除名目で個体数調整捕殺をする。もう、人間をやめたくなります。人間の残酷さや嘘に、クマたちは泣いていることでしょう。

 

なぜか、新聞社は、兵庫県の実態を県民に全く伝えようとしません。

 

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のしていることを知っているのでしょうか。

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のクマ捕殺法を支持しているのでしょうか。

 

くまもりは、集落周辺でクマの被害や人身事故が起きたら、山中にいるクマを集落周辺に呼び出した兵庫県が責任を取るべきだと思います。みなさんはどう思われますか。

 

みなさんの住んでおられる都府県でのツキノワグマ捕殺体制は、どうなっているでしょうか。みなさんも調べてみてください。

 

石川県内 春夏のクマ目撃多発 元猟師とくまもり室谷会長が、若グマの餌場不足を指摘 中日新聞 

以下、中日新聞石川版の後半部分

 

県内餌場減 山戻らず越冬

 

半世紀余りクマ猟にかかわってきた石川県白山市白峰の元猟師加藤隆夫さん(78)は、人里に下りてくるクマに若い個体が多いことに注目する。「木の実などの餌場が少なくなり、餌の奪い合いになっている。確保しにくい子グマが押し出されている可能性がある」

 

親子グマ 石川県白山にて 日本熊森協会石川県支部撮影 2018.9.2

 

餌場はなぜ少なくなっているのか。天然林の再生活動に20年余り取り組む「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は「スギやヒノキを植林する造林政策が大きな原因の一つ」と指摘する。

 

人工林の木材は近年、価格の安い外材に押されて伐採や間伐が進まず、多くの森林が放置されたまま。日光が差さず下草が消え、雨で表土が流出して保水力が低下し、クマの餌になる木の実も育たなくなっているという。人工林が多く、手入れが行き届かなくなっている金沢、小松市の山で目撃情報が多く、木の実がなる天然林が残る白山麓では少なくなっている。

 

日本熊森協会は、2019年度から新設された森林環境譲与税による国の交付金を利用し、天然林を増やし整備するよう石川県内の自治体にも働き掛けている。室谷悠子会長は「クマは本来、山奥にすむ臆病な動物。人間とクマはこれまでうまくすみ分けてきたし、今後も共生できるはず」と訴える。

以上。

 

熊森から

中日新聞前半記事によると、人工林率40%の石川県で、クマの目撃が相次いでおり、金沢市の4月から7月21日までの目撃数は85件、この時期の目撃数としては過去16年間で最多。住宅地でも目撃されているということです。山から出てくるのは、ほとんどが3歳以下の立場の弱い若グマだそうです。

 

石川県は、7月初めに、今年の秋の木の実の結実状況を調査した結果、ブナが凶作、ミズナラが豊作、コナラが並作になる見通しで、今秋のツキノワグマが平野部に出没する可能性は低いとの予測を発表しています。

 

では、なぜ、春や夏に、山から出て来るのでしょうか。

 

環境省系の研究者たちの予測は、以下の通りです。

1、クマが生息数を増やした。

2、クマが放置された里山へ生息域を拡大した。

3、クマが人間の食べ物のおいしさを知った。(味しめ説)

4、クマが人間を恐れなくなった(人なめ説。新世代グマの誕生)。

 

原因は、全て、クマにあります。

対策は、個体数低減のための捕殺と緩衝帯としてのやぶ刈りです。

 

神のみぞ知るの世界なので、全面否定はできませんが、余りにも短絡的です。

 

熊森は、この時期、クマが出て来るのは、まず、山の中に夏の餌(オオヤマザクラ、ニワトコ、ヤマグワなどの夏の木の実、アリやハチなどの昆虫、サワガニなど)の量が不足しているのが原因だと思います。

 

みなさんはどう思われますか。

 

いろんな原因が考えられるでしょうが、熊森は若グマたちが空腹による苦しさの余り、餌を求めて出てきているという事実を押さえることから考え始めるべきだと思うのです。

 

熊森は、原因をすべて物言えぬ弱者に押し付けるのではなく、拡大造林政策、奥山観光開発、酸性雪、地球温暖化、大規模林道建設など、人間がしでかしたことで、山中のクマたちの夏の餌量不足をまねいていないか、検証していくべきだと考えます。

 

中日新聞さん、元猟師や熊森の室谷悠子会長のコメントを載せてくださってありがとうございました。

行政や肩書のある研究者のコメントしか載せない他紙と比べて、多様な意見を掲載しようとされる貴紙に、心から敬意を表します。

 

栃木県塩谷町、牧場の飼料タンクに落ちた親子グマの救出作戦

2019年7月18日、親子3頭のクマが、デントコーンなどが入った家畜用飼料タンクの中に落ち、4日間出られずに閉じ込められたままになっているというニュースが流れました。

 

飼料タンクに親子グマ 4日間閉じ込められ衰弱

 

ニュースに取り上げてくださった記者さんに、深く感謝します。

記者さんのおかげで、私たちはこの親子グマたちのことを知り得ました。

 

異変に気付いたタンクの持ち主は、親子グマがタンクに落ちて出られなくなっていることを、14日に役場に届けています。

その後の役場の対応はどのようなものだったのでしょうか。

 

熊森本部を初め関東の熊森支部員らは、町の担当者へ次々と電話して、この親子グマの救出を願い出ました。

 

 

現地は、標高1000~1100mの山奥にある町営牧場です。人家や集落からは離れています。

事件発生場所はかなりの山奥(担当者の聞き取りをもとに、熊森本部が作成)

 

以下、塩谷町の担当者とのやりとりです。

 

熊森:この親子グマを、何とか山へ帰してあげてほしいです。

担当者:私たちも何とか助けたいので、山に放す方針です。しかし、4日間、この中に閉じ込められていたので、衰弱していないかが不安です。

 

熊森:放獣決定に、感謝いたします。どのようにして放されますか。

担当者:飼料タンクを解体して横に寝かせ、タンクの上部にある蓋をロープで引いて開け、自力で脱出させます。衰弱していますので、麻酔は使えません。本日中に放獣作業をしたいです。

 

熊森:何とか水を飲ませてあげてください。本日放獣作業ができないのなら、ひもつきバケツに水を入れて、ロープでタンクの中へ降ろしてやってください。

担当者:はい。やってみます。

 

(夕方、熊森本部は、再度、塩谷町の担当者に問い合わせました。)

 

熊森:無事放獣は出来ましたか。

担当者:午後、タンクを横に寝かせ、蓋を開けて放獣作業を行いました。子グマ2頭はすぐにタンクから脱出し、走っていきましたが、母グマは衰弱がひどいのか、タンクから出られない状況です。タンクを横に寝かせるときは、母グマは興奮していたのですが。

 

熊森:タンクの外に、水を入れたバケツをたくさん置いてください。タンクを横にするときに怖かったと思います。人がタンクの近くにいると、安心して出られませんので、母グマも余計に気を張って体力を消耗してしまいます。みなさん遠く離れてください。子グマも近くで母グマが出てくるのを待っていると思います。また、現在の状況を獣医師にも相談してください。

 

担当者:わかりました。やはり水が必要なんですね。やってみます。

 

しかし、18時のニュースでは、母グマが衰弱死したことが報じられました。

 

熊森から

ニュース映像を見ると、自らも脱水症状に陥っていると思われる母グマが、タンクの中で懸命に子グマに自分の唾液を飲ませていました。

とてもつらくて見ておれません。

もう少し早くこの情報を察知できていたら、助けることができました。

とても悔しい気持ちです。

 

関東の熊森会員の皆さんをはじめ、この件で、親子グマを助けたいと、何度も町の担当者へ電話をしてくださったみなさん、

本当にありがとうございました。

また、タンクを壊してもいいから、中の親子グマを助けてやってほしいと言ってくださった牧場主さんにも感謝します。

 

飼料タンクにクマが落ちてしまう事件は、東北地方や北関東のクマ生息地では時折あります。

牧場経営者のみなさんは、クマが蓋を開けられないように、蓋の改善をお願いします。

 

この件で、日本熊森協会顧問の門崎允昭顧問と、水見竜哉研究員がメディアの取材を受けました。

 

門崎顧問のコメント入りNEWS

はしご使って?屋根のタンクに“親子クマ”落ちる

 

水見研究員コメント入りNEWS

高さ6mの飼料タンクに落ち・・・クマの親子か、救出大作戦

 

山に逃げた子グマが、母なしで生き残ることはむずかしいと思います。

命に対しては、いかに迅速な対応が必要かを、改めて思い知らされた事件でした。

みなさんと共に、今後の教訓として生かしたいです。

石川県 金沢市・白山市で室谷会長が講演

森林環境税についてもお話し、大盛況でした!!

7月12日、13日と室谷会長は日本有数の豊かな自然が残る霊峰「白山」のある石川県へ講演に出かけました。

 

12日、若手議員の会で森林環境税について講演 金沢市

金沢市会議員の熊野盛夫(くまのもりお)さんの所属する石川県の若手議員の会で、森林環境税のお話をさせていただきました。

石川県の市町村では、今年から交付される森林環境譲与税の使い道を決めていない自治体がほとんどでした。国会で、森林環境税を使って広葉樹林化の推進を求める附帯決議が付いたことなどを紹介し、豊かな水源の森再生のために放置人工林の天然林化に活用してほしいと訴えました。

これから自治体が使い道を決めていくというだけあって、1時間30分の話をとても熱心にお聞きいただき、地域の振興にも役立てられるような仕組が必要ではないかなど、活発なご意見をいただきました。森林環境譲与税の使い道を議論していく自治体の市議のみなさんに直接お話をさせていただくことはとても大事なことだと感じました。

 

13日、石川県支部主催「森と水といのち、の今」 白山市

石川県支部のみなさんがこの日のために、1人1人に声をかけ、何と104名の方が集まってくださいました!副支部長の飯島さんは、連日、フェイスブックを更新して参加を呼びかけてくださいました。

 

講演会では森林環境税・譲与税で放置人工林の天然林化を進めてもらうために行った国会でのロビー活動や石川県支部での取り組みも紹介しました。

石川県支部の浴衣での森林環境税署名活動(2018夏)

石川県支部では、地域の方と協力して金沢市への陳情を全国に先駆け実施しました。

また、熊森が22年間取り組んできた天然林再生や野生動物との共存のための実践活動も紹介しました。映像も交え、2時間弱の長時間になりましたが、みなさん最後まで、熱心に聞いてくださいました。

森林環境税の導入など、森と私たちの関りをもう一度見直す時期に来ている今こそ、豊かな森再生のために動き出すときが来ていると感じて、石川県支部のみなさんが準備してくださった講演会。石川県でたくさんの人が手をつなぎ、実践活動が始まるきっかけになればこれほどうれしいことはありません。石川県支部では、野生動物との共存へ向けた森づくりに動いていきたいとのことで、今後がとても楽しみです。

講演会終了後に支部スタッフのみなさんと。子どもたちと一緒に作ってくれた動物たちのたくさんいる素敵な壁飾りと一緒に。

石川県支部のみなさん、ご参加いただいたみなさん本当にありがとうございました。次は、ぜひ、森づくりの実践活動の現場でお会いしましょう!

 

全国で森林環境税の講演会を

日本の森の現状や豊かな森再生のために活用できる森林環境税について地域の方々や議員の方に詳しく知ってもらうこのような機会を持つことはとても重要なことだと感じました。全国の自治体が、森林環境譲与税を何に使うか検討している時期なので、各地を回ってこういう講演会ができたらと思います。

企画をしてみようという方は、ぜひ、本部までご相談ください。

 

 

 

 

6月22日、兵庫県の山奥に、初の大苗植樹!

大苗を植えたらシカ除け柵が不要だったと、地元で植樹をされているグループに教えてもらいました。

今年6月22日、熊森も試験的に、2m~3m級の中苗~大苗4種4本を但馬地方に植えてみました。

クワ、ウワミズザクラ、ヤマボウシ、クリです。

クワとウワミズザクラは、初夏にクマの食糧となります。

大苗とまではいかないのもあるので、当分シカ防除も必要と判断し、シカ除け網も張りました。

 

左からクリ、ウワミズザクラ、ヤマグワ、ヤマボウシの苗木。

 

この日は、いろいろな場所で長年、植樹指導をされてこられた但馬の熊森会員が、指導して下さいました。

 

植える苗がいつもより大きいので、掘る穴もいつもより大きくなくてはなりません。

指導1、掘った穴の底を、つるはしでつついて柔らかくすると、根が張りやすい。

指導2、植樹後、苗木の周りに少し盛り土をする。

(地面にへこみがあると、雨水がたまって根腐りを起こす)

 

ヤマグワには、すでに実がびっしりついている

 

次は、支柱の立て方指導です。

 

大きな苗の植樹は、成果がすぐ出そうで、これまで以上に楽しかったです。

植樹後、突然の雷雨となり、植えた苗木はたっぷりと雨水を浴びました。

「苗木がうまく根付いて、早く動物たちに食料を提供してくれるようになってほしいね」とみんなで話しました。

 

作業後、植えた苗木をバックに記念撮影

 

クマが人里に出てこないように、熊森本部はこれまで1万本以上の実のなる木を、兵庫県のクマ生息地の奥山に植樹してきました。苗木は全て、一番根付きやすいと言われている小さな3年苗でした。

 

中苗や大苗でも根付くことがわかったら、苗木代は高いのですが、これからどんどん中苗や大苗を植えていこうと思います。

 

 

6月24日、滋賀県高島市でのクマによる人身事故現場へ熊森本部が急行、聞き取りと草刈対策を実施!

2019年6月23日、滋賀県高島市今津町でクマによる人身事故発生!

MBSTV 裏庭でクマと遭遇、70歳男性噛まれけが 滋賀県高島市

 

上のニュースを見て、6月24日朝、高島市の担当者に電話をすると、高島市としては、朝夕のクマが出やすい時間帯に、近くの道路をパトロールしている。クマ捕獲予定はないということでした。

心配なので熊森が現地に行って、ケガをされた男性を見舞い、できる被害防除対策があればやってもいいかたずねると、「それはありがたいです。ぜひよろしくお願いします」と言ってくださいました。

 

そこで、さっそく熊森本部スタッフ2名が、兵庫県西宮市から現地へ駆けつけました。

 

現地は山すその別荘地帯で、クマが出る地域だそうです。

お会いした方々は、「このあたりの人は皆、クマ鈴を持ってるよ」と話されていました。

ケガをされた男性は、自然が好きで10年ほど前に引っ越してこられたということで、左腕に包帯をされ、顔や左腕の一部にはクマの爪痕が残っていました。命にかかわるお怪我ではなかったことが確認でき、熊森本部スタッフも安心しました。

男性は、熊森の訪問を大変喜んでくださいました。

 

男性のお話

「事故があった日は、朝早くに(5時くらい)庭で物音がした。窓から見てみたら、2頭の小さなクマが、自分が庭に捨てた生ごみを食べていた。この地域はよくサルが出てくるので、家の中に何個かの石を用意している。サルが敷地内に入ろうとしたら、家の窓から音がするように石をポイと地面に投げて追い払ってきた。クマを見たのは今回が初めて。

 

クマといってもコグマだったので、山に追い払おうと思って、サルの時と同様にコグマに当たらないように、石をポイと地面に投げた。

 

そのあと、2頭のコグマが山へ逃げたかどうか確認しに庭に出て行ったら、塀の外側のスギの木に2頭が登っているのが見えた。

その瞬間、視界の左前方から塀を超えて、母グマが突然飛び出してきて、私の左腕に噛みついた。私は驚き、その場に倒れこんだ。母グマは、そのあとすぐに、コグマを連れて山へ走り去っていったと思うが、衝撃のあまりそのあとは覚えていない。噛まれたのは一瞬だったと思う。

 

事故現場で説明を聞く。2019年6月24日

 

すぐに家に入ってタオルで止血をし、救急車を呼んだ。入院するほどではなく、病院では3時間ほど治療をうけて帰ってきた。かまれた部分は傷が深いので腕を動かすと痛む。

 

今思うと、母グマは子供たちを守ろうと必死だったんだなと思う。考えもせずコグマに近づいていった自分が迂闊だった。今後は、生ごみを外に置かないようにする。反省している。」

 

再発防止対策

 

事故現場にはクマが身を潜められる繁みが多くありました。

事故再発防止のために、男性の許可を得て、草刈り機で草を刈り、見通しを良くしました。

事故現場(草刈り前) 写真の最奥部分の繁みにご注目ください。

 

草刈り後。30m先まで見通せるようになった。

 

男性は「こんな団体があるんだ。知らなかったです。来てくださって嬉しかったです。ありがとう。」と、大変喜んでくださいました。

 

熊森スタッフは、「こうした活動は、全国各地のくまもり会員の方々が、クマを初めとする野生動物たちと人との棲み分け共存を願って振り込んでくださる会費や寄附によって成り立っています」と話し、会報「くまもり通信」や小冊子「クマともりとひと」をお渡ししました。

 

男性はすぐに読んでくださり、「動物たちも、山に餌が無くて大変なんだな。人間が豊かな山を壊してしまったんだな。」とご理解くださっただけではなく、なんとその場でご寄附してくださいました。

 

全国の熊森会員の皆様・ご寄附くださった皆様へ

 

皆様のおかげで熊森本部は今日も、クマと人の棲み分け共存を進める活動ができました。

本当にいつもありがとうございます。熊森はこれからも可能な限り、現地へ駆けつけます。

これからも、よろしくお願いします。

島根県浜田市 いとも簡単に連続2頭の若グマ捕殺 メディア報道にも大問題 熊森本部厳重抗議

浜田市内ではこの2週間余りで、JR下府駅周辺や石見海浜公園、それに県立大学周辺などの広い範囲でクマの目撃が23件相次いでいたそうです。
警察などがパトロールを強化する一方、石見海浜公園を一部を立ち入り禁止にして、捕獲おり2基を設置していたところ、

①5月30日に体長1メートル13センチ、体重36キロで2歳から3歳のオスがかかり、直ちに殺処分されました。

 

テレビニュースから

 

親から離れたばかりの若グマです。殺処分が速すぎて、熊森が放獣してくださいの声を挙げる暇もありませんでした。

 

この件に関するマスコミの報道のひどさには、絶句です。

 

テレビニュースでは、檻にかかったクマに記者が近づき、「カメラに向かって、威嚇してきました!」と、それが重大問題であるかのように伝えていました。クマがどんなに狂暴であるか人々に伝わるようにしたら面白いニュースになると思ったのでしょうか。

罠にかかってしまい、人間に殺されるのではと恐怖でいっぱいになっているクマに人が近づいたら、クマは人間を必死で追い払おうとします。クマの行為は、当然です。こんなことすらわからない記者さんがおられるのでしょうか。

クマが捕殺された後、「捕まって一安心です。良かった」と、いうようなコメントをばかりを取り上げていました。

他生物との共存本能を失っていない子どもたちは、このニュースを見たらショックで胸がつぶれただろうと思います。

 

捕まえるのは仕方がないとしても、相手は、まだこの世に生まれて2~3年しかたっていない、何もわからない若グマです。

このクマがやったことは、公園にたくさん実るサクラの実を食べに来たことだけです。

殺してしまうのではなく、山へ逃がしてやろうという声は、島根県民から起きなかったのでしょうか。

信じられないほど一方的なニュースでした。

記者の不勉強には、あきれるばかりです。

 

 

目撃数が多いことから、クマは他にもいるのではないかということだったので、熊森本部としては、次回クマが捕獲されたら、今度は山に放獣してやってくださいとお願いしようと思いました。

6月5日、行政の連絡先をネットで探し始めたところ、体長130センチメートル、年齢は5歳か6歳、体重45キロのオスの若グマが、浜田市国分町の住宅の近くに仕掛けたおりにかかったので、すぐに殺処分したという新しいニュースが入っていました。またしても、罠にかかるのと殺処分が同時なので、声を挙げる時間がありませんでした。

 

今、日本国は、一部の研究者たちが広めた、「大切なのは人間の命だけ」という、とんでもない誤った思想に覆われてしまっています。

西中国山地のクマは、環境省が絶滅の恐れがある地域個体群に指定しており、島根県の保護動物でもあるのです。これまで島根県は、日本一のクマの保護先進県として名をとどろかせてきました。罠にかかったクマの放獣体制も整備されています。殺さなくてもいい命を殺すのは、犯罪だと思います。

 

いったいどういうことなのか、石見海浜公園の管理責任者に電話をしてみました。

 

責任者によると、自分たちはこの件にノータッチで、自分たちが殺処分してくれと言った訳ではないということです。次回からは、山に逃がしてやってくれるよう県に頼んでほしいとお願いしておきました。

 

次に、浜田市の農林振興課に電話をすると、自分たちは捕獲申請はしたが、捕獲されたクマを殺処分してほしいとも、山に逃がしてやってくれとも、何も言っていない。全て、権限は県にあり、県が決めたということです。

そうかもしれませんが、若いクマが、人間の恐ろしさも知らずに、桜の木の実や住宅のビワの実を食べたからと言って、即死刑は行き過ぎです。県にクマをどうするかの権限があったとしても、市の職員として、山に逃がしてやってくださいとお願いはできたはずです。ここでも、次回は、人間としての倫理観から、山に逃がしてやったらどうかと県に頼んでほしいと、お願いをしておきました。

 

最後に、島根県庁の鳥獣対策室の担当者に電話しました。今回クマが出た場所は、人が多く訪れる場所で、島根県ツキノワグマ保護計画のゾーニングでは、クマ排除地域だったということです。それはわかりますが、それと捕獲後殺処分するのとはつながりません。島根県は放獣技術を持っているのですから、次回から、放獣してやってほしいとお願いしておきましたが、なんだか歯切れの悪い対応でした。どうされたのでしょうか?

 

電話を切ってから、みんながクマという動物をあまりにも悪く誤解し過ぎていることに気づきました。さっそく、石見海浜公園と浜田市に、くま森小冊子「クマともりとひと」を郵送しておきました。人々が、野生動物に共感を持てなくなり、害獣としか見なくなったのは何故だろうと思うと、やはり、メディアの報道姿勢に問題があるからだと思いました。あす以降は、メディアの記者たちにも、アタックしてみようと思います。くま森小冊子「クマともりとひと」を読んでいただければ、クマがどんな動物か、クマたちが棲んでいた山を、人間がいかに破壊し続けてきたかが、短時間でだいたい伝わると思います。

 

クマを初めとする野生動物の本当の姿や、彼らが置かれている悲惨な状況を知っていただくために、行政やマスコミのみなさんを筆頭に、くま森小冊子「クマともりとひと」を、生涯をかけて、全財産をつぎ込んで、全国民に配布して回りたいです。心ある皆さん、ご協力ください。

野生動物たちの存在意義を知ることは、とりもなおさず、私たち人類が、この地球上で生き残る道なのです。(完)

 

p.s 島根県のクマと森の状況をお知りになりたい方には、日本熊森協会発行の、田中幾太郎著「西中国山地からクマを失うことの意味」500円(送料別)をおすすめします。

益田市在住の田中先生は、幼少の頃より、猟師だったおじい様と、中国山地を駆け巡られてきた方で、「中国山地の主」と、呼ばれています。

地元の方々に、中国山地の生き証人の声を、ぜひ聞いていただきたいです。

 

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