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環境省令で指定管理鳥獣にクマ追加も、初年度から不適で、熊森はクマを外すか別案を提案
指定管理鳥獣とは、全国的に生息数が著しく増加していたり、生活環境や農作物、生態系に被害を及ぼしたりする野生動物で、集中的かつ広域的に管理(=捕殺)が必要な種に対し、国が大幅な個体数低減をめざして捕殺強化のための交付金を出すもので、2014年に鳥獣保護管理法に新しく導入され、シカ・イノシシが指定されました。
(熊森は、1999年に当時環境庁が個体数調整捕殺を導入しようとした時から、自然保護上からも生物倫理上からも、山の中にいる何の被害も出していない野生動物を個体数調整の名で人が殺すことに一貫して反対してきました。)
仲睦まじい親子のヒグマ
今春、私たちが大反対したにもかかわらず、環境省は伊藤信太郎環境大臣が主導して、この指定管理鳥獣に、環境省令(=施行規則)でこれまでのシカ・イノシシに加え、クマを追加しました。
このような発想のバックには、クマが山から出て来て被害を及ぼす最大の原因は生息数の増加であるというクマ研究者たちの一方的で誤った考えがあります。
このクマ指定管理鳥獣、案の定、初年度から不適です。
以下、北海道のヒグマの例で見ていきます。
<北海道庁ヒグマ捕獲(=捕殺)新目標>
年間捕殺目標雌雄計1329頭、10年間で1万3290頭を捕殺する。
目標:人里周辺の森林に生息する個体を中心に捕獲を強化し、推定生息数を22年末の1万2200頭から34年末で約35%減の7931頭にする。
今年8月21日の道ヒグマ保護管理検討会では、検討会委員の一人である兵庫県立大の横山真弓教授(野生動物管理学)が、「10年で1万3290頭捕殺では不十分で、5年間で達成すべき」と主張していました。そうなると、毎年の捕殺目標は、2658頭になります。
ちなみに、山の実り大凶作の異常年となった2023年度の道内ヒグマ捕殺数は、最終統計によると過去最多の1804頭でした。
命あるヒグマをまるで工業製品でもあるかのように数字だけで機械的に扱うことを恐ろしく感じます。ヒグマは人間同様、豊かな感情を持ち親子の愛情も深い動物です。ヒグマをはじめとする北海道の野生動物たちは、北海道の豊かな自然生態系を形成してきた生き物たちで、人間から尊厳されるべき先住民です。クマ研究者の皆さんが作られた「北海道ヒグマ管理計画」には、クマが生存することによる恩恵を、今、私たち人間が受けているという視点が完全に抜け落ちていると感じます。
機械的な捕殺目標に基づき、問題を起こしていないクマも、子グマでも親子グマでも無差別に捕獲する個体数調整捕殺を止めるべきです。狩猟と有害駆除で十分です。
ところで、11月12日に報道されたUHB 北海道文化放送の番組によると、今年の北海道はこれまで長年続いていた秋の山の実り不作から一転して、10年ぶりにクマの主食であるドングリが大豊作です。
札幌市西区の登山道入り口に大量に落ちているミズナラのドングリ(UHB)
番組の中では登山者たちも、「10何年歩いていてこんなにドングリやクルミの実がなったのは見たことがない。今年は異常なほどの実りだ」 「すごく多いですよ。ドングリは大豊作。山ぶどうも多い。今年はクマ出てこないと思う。いままで出てきていたでしょ、エサなくてね」と語っていました。
ヒグマは今年の5月~7月はいつも通り出没していましたが、秋以降の出没がピタッと止まっているそうです。これまでクマと人の軋轢が増えるのは、クマ数の増加が問題とされてきましたが、熊森がずっと主張してきたように、クマの出没数は、山の中の餌量で決まることが証明されました。
道庁は、今年、どうやって1329頭(2658頭?)のヒグマを捕殺するのか。
山の中に分け入って殺すのでしょうか。捕殺する必要などあるのでしょうか。
これがクマ指定管理鳥獣初年度の実態です。
ちなみに今年10月末までのヒグマ捕殺数は579頭です。
クマという動物の特性を知らない一般の方は、今年ドングリが大豊作なら来年クマが爆発増加するのではないかと心配されているようです。
しかし、ヒグマは6月ごろの交尾期、オスの子殺しもあるそうで、生まれた子供が全て成長するわけでもなく、元々、クマは繁殖力の弱い動物です。
秋の実りの凶作年、十分な脂肪を貯えられなかったメスは受精卵を着床させません。
自ら個体数を調整する能力を持っているのではないでしょうか。
ヒグマだけではなくシカやイノシシに関しても同様ですが、野生動物と人が日本列島で共存するには、祖先がしていたように、使用する大地を分け合ってお互いに生息地を侵さないように棲み分けることが必要です。野生動物たちの聖域内で、彼らが増えようが減ろうが、それが自然なので、人間は何もしなくていいのです。
生き物にとって命ほど大切な物はないのですから、私たち人間は生き物を殺すことばかり考えずに、餌量が確保されるよう、戦後の国策であった拡大造林や奥山開発で人間が破壊し過ぎた生息地を再生させていただくこと、クマを初めとする森の生き物たちが安心して山で暮らせるように、人間が一歩後退して、原則として彼らの生息地に人は入らないようにすること、祖先が延々と設置していたシシ垣のように、被害防止柵を設置するといった棲み分け対策を優先すべきでないでしょうか。
クマとの軋轢を低減させたいのなら、まず、クマ生息地での観光開発や道路開発、メガソーラー、風力発電など自然破壊を伴う再生可能エネルギー事業をやめねばなりません。
環境省の職員の皆さんが、クマがシカ・イノシシのように捕殺強化だけにならないように、クマの交付金メニューに捕殺以外のものも入れてくださっています。しかし、地方自治体次第で、捕殺強化に偏る恐れがあり、そうなると絶滅が心配されます。元々、指定管理鳥獣はクマという動物の特性に合わないものなのです。(伊藤環境大臣の失敗です。)
浅尾慶一郎新環境大臣には、シカやイノシシと比べて繁殖力も弱く、生息数が3ケタも少ないクマを、シカやイノシシと同列に扱わないように、クマを指定管理鳥獣から至急外すことを、まずやっていただきたいです。
ただし、電気柵の設置や専門員の配置などの目の前のクマ対策に国からの交付金は必要ですから、指定管理鳥獣に、捕殺強化をめざさない種類をつくり、クマをそちらに指定する案などはありだと思います。
シカやイノシシも捕殺以外の方法で対処していけるようにすべきだと思います。殺しても殺しても、手を緩めるとすぐ元の数に戻ってしまいますから、無用の殺生になっています。これは残酷なだけで、永遠に殺処分が終わりません。明治にオオカミを滅ぼしたから、シカ・イノシシの数が制御できなくなったという説もあります。自然界のことは、調べても調べても人間にはわからないことだらけなのです。それが自然です。ただ、祖先の生命尊重思想だけは、子孫として忘れずに持ち続けねばなりません。(完)
みなさんのドングリで、「とよ」は今年も順調に冬ごもり前の食い込み
- 2024-11-28 (木)
- _クマ保全 | 大阪府 | 豊能町誤捕獲クマ「とよ」
熊森が保護飼育の援助しているクマたちのために、今年も多くの方が公園のドングリや栽培クリ、果物などを送ってくださいました。
皆さん、毎年、本当にありがとうございます。
おかげで、とよは、ドングリ中心に1日約10キロ食べ続け、おなかの周りに冬ごもり用の分厚い脂肪層が付いてきました。
11月17日朝、九州で焼き畑にかかわってきた一人の青年が熊森にやってきたので、まず、とよのお世話の手伝いに行ってもらいました。
以下は、彼の感想文です。
とよ君のお世話を手伝って
本日、週1回のクマ舎のお掃除に同行させてもらえることに!!
今回、人生で始めて、クマを見させていただきました。
西宮市の熊森本部から車に乗せてもらって、クマ舎まで約1時間。
その間にクマのことなど、事前情報を色々聞く。
クマの種類はツキノワグマ。聞いたことはあったが、胸に三日月のような模様があるとのこと。
会う前からすごくドキドキわくわくしました。・・果たしてどんな子に会えるのだろう・・?
現場に到着して獣舎の鉄格子越しに初対面。
名前はとよ君。
・・・彼は、ただただ、猛烈にずっとドングリを食べ続けていました!!!笑
冬眠前にたっぷり食べるのであろうその本能というか、「食べる」ということに100%の意識が向いているクマがとっても純粋で。。。
下の写真は、ドングリから一瞬顔を上げた時のとよ君です。
もちろんだけど、この時期、里山に降りてくるクマたちも、畑を荒らそうとかそのような考えは決して一ミリも頭にはないんだろうな。
冬ごもり前のこの時期、ただただ、食べることに必死なのだ。
この後、飲まず食わずで何か月間も厳しい冬を越さねばならないのだから。
とよ君のただ純粋なまでの、「食べる」ということに向けられた意識から、自然界で生きる動物たちの山と生きている一体感のようなものを感じました。
とよ君を通して、自然界に感動。
とよ君はこの時期、1日に大きな糞を10個するそうで、運動場には大量の糞がありました。70個?
糞の片づけを手伝いながら、クマの糞って全く臭くなくて甘酸っぱい香りがすることを発見しました。
日本全国から寄せられた、とよ君の大好物の種類(クヌギ)のドングリ、
寝床にするための無農薬の藁、
スタッフやボランティアの方々の丁寧すぎるほどの清掃、、、
過保護のようにも思えるほどの奉仕は、とよ君を保護すると決めたときに、全力で飼うという熊森の皆さんの決意の表れだったのですね。
おなかの周りに脂肪がたっぷり蓄えられたとよ
事務所に帰ってから、とよ君との出会いから飼うことになるまでの一連の経緯をまとめた特別報告をくまもりユーチューブ動画で見せてもらい納得。
熊森さんがずっと活動し続けてきた道のほんの少しを知れた感じで、あらためて熊森の皆さんに敬意を感じました。
この度は、急な訪問にも関わらず、貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました!!
これからの活動に生かしていきます^^
とよ君おげんきでね~!!!
風車ができたらヒグマが出て来たと稚内の酪農家が証言 くまもり北海道が稚内で学習会
広大な土地を持つ北海道は東北と並んでメガソーラーや風力発電など、再エネ事業の草刈り場となっています。
再エネは、火力発電の何百倍もの土地が必要ですから、北海道のや東北の山間部や大地が狙われるのです。
道北の稚内ではもうすでに稼働している大型風車が188基もあります。
この1年間で44基増えました。
今後も続々と風車計画があがっています。
なんともかとも、もう信じられない思いです。
下の図は、稚内を中心とした道北地方のアセス中、建設中、稼働中の風力発電です。
クリックして拡大してから見てください。作成時のもののため、現時点と異なるものもあります。
佐々木邦夫氏Facebookより
こんな稚内で、10月13日、熊森北海道支部が風車学習会を開きました。十数名の方が集まってくださいました。
以下、北海道鈴木ひかる支部長からの報告です。
・
稚内に来ると、山の尾根筋にずらりと風車。ものすごかったです。
稚内の山々の尾根に林立する風車群 クリックしてください。
地元で昔から代々酪農を営んでおられる方にインタビューしました。
風車ができたらヒグマが山から出て来た、電波障害が起きて携帯電話が使えなくなったと訴えられています。
すでに稼働している稚内の風車の騒音を録音してきました。
風車の音
この風車の騒音や振動、人間の耳には聞こえない超低周波音などに耐えかねて、山から出て来るヒグマなど森の動物たちを責められますか。
北海道庁は、ヒグマの大量捕殺を計画しています。
稚内風車に関する新聞記事です。
町を上げて風車推進の中では、稚内市民もいきなり反対の声を上げにくいと思います。
風車の真実を学ぶ市民学習会を市内各地で順次持っていくことが、まず必要だと思いました。
熊森本部から
北海道鈴木直道知事は、再生可能エネルギーの積極導入に熱心です。
北海道の自然を大破壊をして、東京などの首都圏に電気を送ろうとしています。
北海道の大地を愛する者ならできないのではないでしょうか。
稚内も市長以下、ほとんどの市議が風車推進派だそうです。
日本は、産業構造上、地方がどこも疲弊しています。
膨大な利益を得ることになる発電業者からのおこぼれのお金をたった20年間もらうために、地方はふるさとの大自然破壊行為を許すのでしょうか。一度壊してしまった自然は元には戻りません。
風車で命を奪われることになる鳥や獣や昆虫などは、どうなってもいいのですか。
未来の子供たちのことは考えないのですかと問いたいです。
自然の大切さを理解できるトップが、行政側にも企業側にもほとんどいないことが、日本社会の深刻な問題です。
風車には、バードストライクや騒音低周波音による風車病、山崩れなど、様々なデメリットがあります。
風力発電は製造から、発電中ずっと必要なバックアップ電源まで考慮すると、火力発電以上に二酸化炭素を出すともいわれています。
このようなことは国民には伝えられていません。
マスコミは、風力発電の負の側面や私たち国民の電気代から徴収されている再エネ賦課金を使って、どこの国が、どんな事業者が再エネで莫大な利益を得ることになるのかしっかりと伝えてほしいです。
ネットの時代ですから、国民のみなさんも、その気になって調べたら、今行われている再エネの嘘がわかってくるはずです。
要は、この国の未来に責任を持とうとしている大人がどれだけ我が国にいるかという問題だと思います。
再エネは、我が国の存続にかかわる重大問題です。やるなら、都市部と屋根置きまでにとどめるべきです。
再エネ業者に道徳心を失わせ、地元行政を狂わせている再エネ賦課金を即時廃止は見直すべきと考えています。(完)
9月24日奥山保全トラストと熊森が三重県大台町大森正信町長らを訪問
三重県の人工林率は64%と高率です。
そんな中、大台町の広大な山林676ヘクタール(池ノ谷:一部人工林を含む、父ケ谷:全山自然林)が売りに出され、当時のNPO法人奥山保全トラスト(現在:公益財団法人 奥山保全トラスト)は、何とか三重県に残された自然の森を守りたいと、全国民に寄付を訴え、2010年に見事、トラスト地としての購入に成功しました。
当時、ご寄付くださった方の多くは、地元を初め東京や名古屋など都市市民の皆さんで、都市の力が中心となって守った森と言ってもいいかと思います。
三重県大台町池ノ谷トラスト地
今回、本部は公益財団法人 奥山保全トラストの職員や、トラスト地の整備を毎年続けている熊森三重県支部の方たちと、久しぶりに大台町役場を訪問しました。
町長は大森正信さんという方になっていました。
大森町長は、「みなさんに大台町の水源の森をトラストしてもらって、本当にありがたかったです。中国が買いに来てたんです。」と、大喜びで私たちを迎えてくださいました。
あれから14年たっていますが、地元の皆さんに今もこんなに感謝されているのだとわかり、うれしかったです。
大森町長が私たちの訪問を喜ばれて、くまもりの森山名誉会長と固く握手(中央)
この日、大森町長、西尾副町長と共に、林野庁近畿中国森林管理局三重森林管理署の皆さんにも入っていただき、大台町の奥に広がる広大な久豆(くず)国有林と大杉谷国有林(どちらもスギやヒノキの人工林になっている)の今後について話し合いました。
大台町、奥山保全トラスト、三重森林管理署、熊森協会のみなさん
大森町長さんは、大台町としては全部元の天然林に戻してほしいと思っていると、森林管理署に強く申し入れられました。
昔の山や川をよくご存じの町長さんは、「昔は山から大量の清らかな湧水が湧き出し、宮川はすばらしく豊かな川だった。魚をはじめ生き物がいっぱい溢れていた。今は水量も激減。もっと水を流してくれと下流から言われるが、うちも水が必要だから、全てに応じられない。
宮川にダムを造ったことも失敗だった。ダムを造ってから、川の豊かさがすっかり失われてしまった。
宮川ダムを撤去したいと思って調べたら、ダムの部分の土地は今や大台町のものではなく中部電力のものになっており、できないことが分かった」と残念そうに言われていました。
広大な国有林に造ってしまった奥山人工林を今後どうするかは、林野庁の本庁が判断されるそうですが、林野庁としても地元の意向は無視できないとのことです。当面、林野庁としては国有林に至るまでの奥山道路の補修をしたいそうで、この予算が下りるのに5年ぐらいかかると言われていました。
大森町長さんに、「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」を手渡して別れました。後から思うと、大森町長さんは私たちが提案書に書いたことを全部わかっておられたので、手渡す必要はなかったです。昔の大台町の山や川をを知っておられる町長さんの存在は大きいと思いました。
熊森から
「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」について
<三重県のクマは保護対象>
広大で最高に豊かな森があって初めてのクマの生存が可能となります。戦後の林野庁の拡大造林政策によって、大半の山を人工林にしてしまった紀伊半島では、クマの生息は難しく、環境省は残り少ない紀伊半島のツキノワグマを絶滅の恐れのある地域個体群に指定しています。これを受けて三重県ではクマは保護対象であり、ずっと捕獲が禁止されてきました。
<今年、人身事故発生>
今年の8月14日夕方、音のする物を持たずに三重県の熊野古道をひとりで下山中の大阪の70代の女性がクマとばったり出会い、人身事故が発生しました。(クマに襲われたのではなく、事故です)
<三重県知事がクマを駆除対象にすると言い出す>
これを受けて、三重県の一見勝之知事は8月22日の記者会見で、県内のツキノワグマを「駆除の対象」に改めるよう、環境省に申し入れることを明らかにしました。知事に当選されるほどの方ですから、立派な方なんだろうとは思いますが、自然生態系の方の知識は不足のようです。
<知事や三重県議会議員の皆様に、三重県のためにもクマやクマの棲む森の保全・再生の必要性を伝えたい>
この日の午前中、私たちは三重県議会の大物議員を訪れ、クマのためにも人のためにも、クマを駆除するのではなく、奥山の自然再生が急務であると申し入れ、「捕殺に頼らないクマ対策の提案書」手渡しました。知事や議員の皆さんに自然界の仕組みについて伝える機会を作っていただきたいです。(完)
今秋も、兵庫県本部フィールド部隊はクマ防除現場に駆けつけています
9月以降、今年もクマの目撃情報が増えてきて、「クマの防除対策をお願いしたい!」と兵庫県クマ生息地のいくつかの地区からご依頼が入り始めました。
兵庫県は今年、ブナ、ミズナラ、コナラすべてが×という14年ぶりの大凶作の上、カキも不作です。10月末まで気温が高く、クマたちもどうしたものかと戸惑っていると思われます。その結果、今年9月末までの兵庫県クマ目撃数は605件と、昨年の同時期268件より大幅に増えています。今年9月末までの兵庫県のクマ捕殺数は78頭と、すでに今年度の捕殺上限を超えてしまっています(昨年度同時期の捕殺数は21頭)。今年、兵庫県のクマ狩猟は中止ですが、有害駆除は今後も続きます。
地区の皆さんは、「クマは来てもいいけど、人身事故が起きないようにしたい」とおっしゃって、クマ対策に取り組まれています。しかし、地元は過疎化や少子高齢化がすすんでおり、限界もあります。
そこで熊森本部職員に引率された都市部の会員を中心としたくまもりフィールド部隊が、助っ人として地元に入り、地元の方たちと一緒に作業をします。
人が利用しない集落近くの柿や栗の木はクマが来ないように伐採する
伐採木は、小さく切って邪魔にならないところへ置く。
人が利用する柿の木は枝打ちした後、トタンや畔シートを巻いて、クマが寄り付かないようにします。
ツキノワグマは臆病で、人間から身を隠せるような草場の中を移動することが多い。
そのため、草刈りはクマを寄せ付けない重要な対策のひとつです。
背丈よりも高い草は刈払い機を使って、木の周りや障害物周辺は、鎌で丁寧に手刈りしていきます。
手刈り部隊のボランティアさんが、野生動物の糞を発見!
(クマっぽい糞ですね…)
シカなどが通った跡もありました。
↓草刈り前
↓草刈り後
同じ場所とは思えないくらい、とても綺麗になりました!
ボランティアの皆さんは、お住まいもバラバラ、年齢層もバラバラ。
皆さん、「地元の方の役に立てることを精一杯やろう」と一生懸命がんばってくださいます。
ちなみに今年の最年少は中学1年生の男子!
高枝のこぎりで、一生懸命カキの木の枝を切ってくれました。
現在進行形のクマ防除対策!
クマが冬眠するまでまだまだ続きます。
クマ防除ボランティアに参加ご希望の方は、ぜひ本部までご一報ください。
また「今年の最年少記録更新したい!」という若い力も大募集中です!
熊森本部 0798-22-4190
令和6年度兵庫県ドングリ類は14年ぶりの大凶作
2024年9月12日兵庫県庁環境部 自然鳥獣共生課 発表
(以下、概略)
兵庫県立森林動物研究センターが実施した今年のドングリ類(堅果類)の豊凶調査によると、14年ぶりの「大凶作」であることが判明しました。
兵庫県のクマ生息地域の多くで、今秋のツキノワグマの出没数は、過去5ヶ年平均の2~4倍になると予測され、冬眠前のクマが餌を求めて人里へ大量出没する可能性が危惧されます。
兵庫県に於ける今年度のクマの目撃・痕跡情報数は8月31日現在449件。
同時期としては平成13年度に統計を取り始めて以来の過去最高値。
この時期の過去最高は平成22年度の386件。(以上)
以下は、兵庫県資料を熊森がピックアップ表示
令和5年兵庫県のクマ目撃地
(色が濃くなるほど、目撃数が多い)
兵庫県のクマは北部に多く生息し、南西部にも生息しています。
令和6年堅果類の実り(ブナ、ミズナラ、コナラ)
今年は、クマの生息地にほとんどドングリの実りがないことがわかります。
もっと詳しくお知りになりたい方は、以下の兵庫県資料をご参照ください。
熊森から
保水力抜群の巨木の奥山水源の森は、これまでクマを初めとする全野生動物たちが無料で造ってきてくれました。人間は彼らに深い感謝の気持ちを忘れてはならないと思います。清らかで滋養豊かな水が豊富に湧き出してくる森あってこその日本文明です。
クマたちの大量出没を考える時、私たち人間がまずしなければならないことは、生息推定数の計算ではなく、クマたちの生息地に、「飲み水と餌があるか」のチェックです。お店のない野生動物たちは、1日中その日の餌を探して歩いています。彼らの行動を左右するのは生息数ではなく餌です。
生息数が多くても、山に十分な餌があると里に出てきません。生息数が少なくても山に餌がなければ、最後の1頭が駆除されるまで次々と出てきます。
熊森のドングリ解説
ブナ
ツキノワグマは冷温帯の動物で、冬ごもり前に一番好む餌はブナです。しかし、ブナは豊凶が激しくて凶作年の実りはゼロです。ブナに頼っていては、凶作年餓死しますから、クマは他のドングリもあてにして生きてきました。
ブナは年平均気温が6℃~12.5℃の間でないと生きられないため、兵庫県では高い山が連なる鳥取・岡山・兵庫県境の狭い範囲にしか残っていません。近年、気温高温化が激しいためか、見るからに樹勢が衰えてきており、実っても、シイナと言って殻だけで中身のない実がほとんどです。もはやクマはブナに頼って生きることはできません。
ミズナラ
ブナほど豊凶が激しくないミズナラは、冬ごもり前の食い込み期にクマが一番あてにしてきた大きなドングリです。しかし、近年の気温高温化によって暖温帯から冷温帯に上がってきたカシノナガキクイムシによって、この虫に対抗する機能を持っていなかったミズナラは、一気に大量枯死してしまいました。(ナラ枯れ)
枯れ残ったわずかな木々に実りがあったとしても、以前と比べると木そのものがないのですから、採食できる量は激減しています。
その他のドングリ類
ミズナラほどではありませんが、ナラ枯れでそれなりに木が枯れてしまっています。
結論
昨今のクマは冬ごもり前に大量に必要な脂肪のたくわえを、何によって得るのでしょうか。
昨年、豊岡市では、それなりにコナラのドングリが実っている場所もあったのですが、なぜかクマたちが食べている形跡はありませんでした。
兵庫県のクマたちは、飲まず食わずで4~5か月暮らす冬ごもりのために、今後、何を食べて行けばいいのか、大変な飢餓状態となって苦しんでいると思います。
戦後の拡大造林政策によって、兵庫県のクマ生息地の多くはスギとヒノキの放置人工林に覆われ、下草も生えず荒廃したままです。
森林環境譲与税や県民緑税を使って、林業に適さない場所に作ってしまった人工林は伐採し、早急に野生動物に餌を提供できる天然林を再生してやるべきです。
熊森は、他の都道府県の状況も調べて、クマの保全とクマによる地元の被害防止対策を同時に考えています。
そのための全国的な調査や研究を、無償又は有償で手伝ってくださる方を募集しています。
将来的には職員登用の道もあります。
調査研究が好きな方得意な方は、ぜひご応募ください。
早朝民家前で人に出くわし、立ち上がって後ずさりしながら立ち去っていったクマ
兵庫県のクマ生息地で9月10日早朝5時半に、車で新聞配達をしていた方がクマとばったり出会われ、そのクマが立ち去るまでの一部始終を車中から動画撮影されました。
乳首が目立つクマ
動画内のクマの様子
クマは人間が車に乗ってやってきたことに気づき、戸惑った感じで立ち上がり、周りをきょろきょろ見回しています。
乳首の周りの毛が倒れていくつかの乳首がくっきりと浮かび上がっているので(クマの乳首は3対)、くまもりとしては、授乳中の母グマではないかと感じました。
立ち上がって人間の方を意識しながらもあたりを見まわしているのは、近くにいる子グマを探しているのかもしれません。
やがてこのクマは、立ち上がったまま人間から目をそらさず、二足歩行のままゆっくり後ずさりし、立ち去ります。
なんだかまるで、私たち人間がクマに出会ったときの対応法を、クマが実践している感じです。
たまたま近くで作業中の本部スタッフがこのニュースを知り、現地を訪れましたが、クマはもういませんでした。
ところが、その後、このクマに捕獲罠がかけられたというニュースが流され、本部はびっくりして地元行政の担当部署に電話して状況を聞いてみました。
熊森:立ち上がって後ずさりして去って行っただけの母グマと思しきクマをなぜ捕獲するのですか。母を失うと、子グマも生き残れません。
担当者:今年は去年と全く違ってクマの目撃がすごく多いです。(今年の兵庫県の山の実りについては、次回ブログに掲載)朝に夕にクマの目撃通報があり、その度に担当者は現地に飛び出して行かねばならず、大変な状況です。
このクマは、昼間出て来たり、民家の横のクリの木の実を食べたりしたので、駆除対象です。
熊森:子グマがいるかもという配慮は全くないのですね。クマに電気柵は大変有効なので、そのクリの木の周りに電気柵を張って、クマが来れないようにできないのですか。
担当者:地元では電気柵をあまり使いたがらりません。張った当初はいいのですが、すぐ草に覆われたり、柵の下に穴を掘られたりするので、電気柵はメンテナンスが大変。過疎化高齢化した集落にはメンテナンスできる余力がない。もし、メンテナンスしてあげるから、電気柵を張りませんかという話なら、地元は大喜びするでしょうね。
以上。
熊森から
本来のクマは、争いを避ける平和的な動物です。
かれらは皆1日中餌を探しており、餌ではない人間には基本的に興味がありません。
人間がクマを殺そうとするから、クマは人間を恐れるようになり、人間から逃げたい一心で、無関係の人にまで人身事故を起こしてしまいます。
熊森は、各地のクマの出没ケースについて状況を問い合わせ、現地に行ったりして、できるだけ殺処分しない解決法をさぐっています。
地元の方や行政の声も聞きながら進めていくこのような大型野生動物たちとの共存活動を手伝っていただける有償又は無償ボランティアの方々を、くまもりは大々的に募集しています。慣れるまでは、熊森職員と一緒に現地で動いていただきます。クマとの共存を強く願われている方は、ぜひご応募ください。
兵庫県本部:2024年度豊岡市クマ防除対策のお手伝い、春から始動しています!
- 2024-07-28 (日)
- _クマ保全
本部のある兵庫県は、西宮市や尼崎市、神戸市などの大都市がある瀬戸内海側と、たくさんの山に囲まれた中部や北部に分かれます。
中部北部はクマをはじめとする野生動物たちの主な生息地で、近年、出没が多く、中でも県内で1番クマが多く出る豊岡市は、ほぼ年中クマ防除対策を行っている市になります。
昨年、熊森は豊岡市と連携し、クマ防除対策の実働部隊として、多くの集落で「草刈り」「柿もぎ」「剪定」「伐採」などのクマを誘引する原因を取り除く作業をし、人身事故ゼロ、捕殺ゼロを達成しました。
今年もぜひクマ防除対策に協力してほしいとお声がけを頂き、今年も現場に行って暑い中、被害防除対策に取り組んでいます。
まだ柿の実は大きくなっていないので、実際にクマが集落内に出てきてはいないのですが、「クマが出てくる前に対策する」という地区長さんはじめ集落の皆様の防除意識の高さがあります。
まずは現場の確認をし、市の担当者、地区長さん、所有者さんと一緒に作業内容を共有します。
去年までクマが来ていた証拠、爪痕がしっかり残っていました!
その後、早速作業へ!
チェーンソーを使い、使用しない柿の木を伐採したり、剪定したりしました。
所有者さんが使用する柿の木は畔(あぜ)シートを巻いて、クマが登れないように対策します。
集落の皆さんも積極的にお手伝いして下さり、スムーズに作業が進みました。
こちらの集落は、作業日数2日半で伐採41本、畔シート巻き2本の対策をしました。
秋になってクマとの人身事故やクマ捕殺が発生しないよう、事前に対策できてよかったです!
山裾の柿の木は残しています。
昨年の兵庫県の堅果類の実りは、ブナ…大凶作 コナラ…豊作 ミズナラ…大凶作 3種全体…凶作でした。
コナラが豊作だったのですが、なぜかクマたちはコナラを食べずに集落のカキに来て大変でした。
今年の兵庫県は、初夏の大好物である液果類のウワミズザクラが不作のためか、6月末までのクマの目撃数は、去年より50件も多い201件。
こんなに目撃数が多かったのは、これまで2017年の219件と、2018年の237件の2回しかありません。
6月末までの捕獲数に至っては60頭(有害駆除20頭、錯誤捕獲40頭でうち38頭放獣)と、過去最大です。
錯誤捕獲の多さも問題です。クマが掛かる恐れのある場所には、くくり罠を掛けないという通達はなされているのでしょうか。
この後、兵庫県が環境省のクマ指定管理鳥獣化にそって捕獲強化路線を突っ走っていかないか心配です。
何とか以前のような棲み分け共存がが復活されるよう、熊森は今年も都市部ボランティアを動員して、地元のみなさんと一緒に環境整備にがんばります。
(本部フィールド部)
福島県からまっとうな声があがった!福島民報6月30日玄侑宗久氏の文「ソーラーパネルと熊」
以下、福島民報に掲載された玄侑宗久氏の文です。
「ソーラーパネルと熊」
ここ数年、町場での熊の出没が激増している。環境省によれば、昨年度の熊による人的被害は、十九道府県で計一九八件、二一九人で、統計のある二〇〇六年以降最多だった。
北海道や東北北部はむろんだが、福島県でも会津地方を中心に熊被害は拡大し、県内の目撃件数となれば今年六月一六日時点で二三七件、去年の同じ時期より八五件増えている。
いったいなぜなのか? 山で何があったのか? 多くの報道では、異常気象による山の木の実の減少などを原因として挙げ、私も一応は頷[うなず]いてみる。しかし本当にそうだろうか……。これまでにも不作の年はあったはずだし、本当にそれだけだろうか……。
東日本大震災以後、国は速やかに太陽光発電パネルを全国に普及させようと、固定価格買取制度を作り、建築基準法の適用外にしてとにかく推進した。小池百合子都知事は、二〇二五年四月以降の新築家屋に太陽光パネルの設置を義務化したから、この流れは変わっていない。そして風景としてのメガソーラーは田舎でも好まれないため、勢いぐっと奥まった山の中にソーラーパネルが林立している。三春町から見える遠くの山でも、南側の斜面全体がパネル、という山があるし、その途中で伐採中という山も目立つ。
日本熊森協会のデータでは、二〇二二年までに太陽光発電のために切り倒された森林は二万三千ヘクタール。しかも今や日本は、国土面積に占めるソーラーパネル設置率と発電量が世界一なのである。パネル面積の合計は一四○○平方キロメートル、なんと東京ドーム三万個分なのだ(堤未果著『国民の違和感は9割正しい』より)。
宮沢賢治は生きるために熊を撃つマタギと熊の心の交信を『なめとこ山の熊』に描いたが、ひたすら金のために木を伐[き]り続ける人間は、熊たちも許さないだろう。
それだけではなく、ソーラーパネルは地震に弱いことも判[わか]ってきた。能登半島地震では、パネルの重さで耐震強度の弱まった家が、多数倒壊した。またパネルの寿命は一〇~二〇年、リサイクルもできず、設置業者は廃棄物の処分まではしてくれない。しかも古くなって放置されれば、シリコン系のパネルからは鉛が溶けだし、化合物系のパネルだとヒ素やカドミウム、セレンなど発がん性の有害物質が地面に沁[し]み込む。屋上のパネル設置を推進した米カリフォルニア州は寿命がきたパネルの処分に困り、地下に埋設した結果、地下水の汚染という深刻な問題に直面している。さぁどうするのか?
少なくとも水源地に近い山奥にソーラーパネルを並べるのはもう止めたほうがいい。熊はヒトの際限ない侵入と自らの生活環境の変化に戸惑い、ただ必死に生きる道を探しているだけなのではないか。(玄侑宗久 僧侶・作家 三春町在住)
熊森から
福島からのまともな声をやっとキャッチできました。
このような文を掲載してくださった福島民報に感謝します。
書いてくださった玄侑宗久さんは、まっとうな方だと思いました。
福島の山は、メガソーラーや風力発電で、すでにズタズタです。
今後もますます脱炭素という偽名目で、巨額のもうけを狙う人たちによって森林破壊が続いていくと思います。
彼らは今さえ自分さえ儲かれば、日本の水源の森なんか、どうなってもいいのです。
森の動物たちが生きられなくなって困ってしまい、里に出て片っ端から殺されていても、地元の人たちがどんなに困っていてもいいのです。
国も大手マスコミも、みんな彼らとつながっています。ならば、利権のない一般国民が組織的に声を上げるしか、この国を守る方法はないのです。
残念ながら福島県には熊森協会の支部がないので、熊森も動けておらず、やきもきしています。本部としては、どなたか福島県に熊森協会の支部を作ってくださいと叫びたい気分です。
支部ができたら、森林破壊の止め方を伝授します。
全ての命を大切に クマによる八甲田タケノコ採り女性死亡事故の終え方提案
6月25日朝、青森市郊外にある八甲田山地獄沼周辺(十和田八幡平国立公園特別保護区内)で、タケノコ(ネマガリダケ)採りをしていたむつ市の80代女性がクマに襲われ意識不明の重体となり、市内の病院で死亡が確認されたということです。死因は、多発性外傷ということです。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
起きてしまったことはもうどうしようもないのですが、問題は、この後どうするかです。
現地は国立公園の特別保護区であり、自然公園法によりすべての動植物の捕獲採集が禁止されている場所です。
もちろんタケノコ(ネマガリダケ)の採集も禁止されています。ここは野生動物たちの国なのです。
6月26日、西秀記青森市長は、(権限を持つ林野庁に)入山規制を要請したということで、妥当だと思います。
6月27 日、県や市は登山道を当分の間、閉鎖することにしたそうです。これも妥当だと思います。
NHK青森より
同時に、7月1日から現場に檻を設置してクマを捕獲することになったそうです。
ちょっと待ってください。これは問題です。
びっくりして行政に電話しました。
熊森「罠には誘引剤を入れるのでクマはかかるでしょうが、かかったクマが今回の死亡事故と関係があるクマかどうか、どうやって判定するのですか?現場に残されていたクマの毛と同じかどうかDNA鑑定でもするのですか?」
行政「そんなこと全く考えていません。別のクマがかかるかもしれませんが、クマが増えているので、別にいいんです」
熊森「クマが増えているって言われますが、青森県は去年生息推定数の53%のクマを有害駆除されていますよ。クマが増えたなどあり得ません」
行政「クマを駆除してくれという声がたくさん入っているんですよ。忙しいのでこれで。」
熊森から
早速、青森県知事と青森市市長に、冤罪グマを死刑にするようなことは、人間社会のためにも良くないという要望書を入れたいと思います。どちらも素晴らしい首長さんですから、わかっていただけるのではと期待します。
こんなことを認めていたら、いずれ人間社会も何らかの事件が起きたら、冤罪でもいいから誰かを死刑にしてしまえとなっていくと思います。
そんな恐ろしい社会はいやです。
クマの国に人間が入っていって、クマたちの大切な食料を取っていた時に起きた事故です。
人間もびっくりしたでしょうが、クマもびっくりして前足で人間をはたいたんだと思います。
クマはその場に10分間ほどいたということです。
クマは倒れた人間がどうなってしまったのか心配になって見ていたのかもしれません。
殺して食べてやろうなどという気はなかったと思います。
クマが食べたいのは、ネマガリタケなのです。
罠かけは意味ないでしょう。
どうしても掛けるなら、DNA鑑定して、無関係なクマなら放獣してください。
人身事故、まして死亡事故は痛ましいですが、あくまで事故なのです。
クマの国で起きた事故に対して、無関係なクマまで捕殺するなら、それは八つ当たりであり、正しい人の道ではないと思います。
行政の皆さんが責任を感じて何か行動をと思われるお気持ちはわかりますが、クマの国に罠を掛けて無関係なクマを殺すのはおかしいです。今少し冷静になっていただきたいです。
熊森は、全ての命が大切にされる社会、殺さなくてもいい命は殺さない社会を望みます。