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カテゴリー「_クマ保全」の記事一覧

石川県内 春夏のクマ目撃多発 元猟師とくまもり室谷会長が、若グマの餌場不足を指摘 中日新聞 

以下、中日新聞石川版の後半部分

 

県内餌場減 山戻らず越冬

 

半世紀余りクマ猟にかかわってきた石川県白山市白峰の元猟師加藤隆夫さん(78)は、人里に下りてくるクマに若い個体が多いことに注目する。「木の実などの餌場が少なくなり、餌の奪い合いになっている。確保しにくい子グマが押し出されている可能性がある」

 

親子グマ 石川県白山にて 日本熊森協会石川県支部撮影 2018.9.2

 

餌場はなぜ少なくなっているのか。天然林の再生活動に20年余り取り組む「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)は「スギやヒノキを植林する造林政策が大きな原因の一つ」と指摘する。

 

人工林の木材は近年、価格の安い外材に押されて伐採や間伐が進まず、多くの森林が放置されたまま。日光が差さず下草が消え、雨で表土が流出して保水力が低下し、クマの餌になる木の実も育たなくなっているという。人工林が多く、手入れが行き届かなくなっている金沢、小松市の山で目撃情報が多く、木の実がなる天然林が残る白山麓では少なくなっている。

 

日本熊森協会は、2019年度から新設された森林環境譲与税による国の交付金を利用し、天然林を増やし整備するよう石川県内の自治体にも働き掛けている。室谷悠子会長は「クマは本来、山奥にすむ臆病な動物。人間とクマはこれまでうまくすみ分けてきたし、今後も共生できるはず」と訴える。

以上。

 

熊森から

中日新聞前半記事によると、人工林率40%の石川県で、クマの目撃が相次いでおり、金沢市の4月から7月21日までの目撃数は85件、この時期の目撃数としては過去16年間で最多。住宅地でも目撃されているということです。山から出てくるのは、ほとんどが3歳以下の立場の弱い若グマだそうです。

 

石川県は、7月初めに、今年の秋の木の実の結実状況を調査した結果、ブナが凶作、ミズナラが豊作、コナラが並作になる見通しで、今秋のツキノワグマが平野部に出没する可能性は低いとの予測を発表しています。

 

では、なぜ、春や夏に、山から出て来るのでしょうか。

 

環境省系の研究者たちの予測は、以下の通りです。

1、クマが生息数を増やした。

2、クマが放置された里山へ生息域を拡大した。

3、クマが人間の食べ物のおいしさを知った。(味しめ説)

4、クマが人間を恐れなくなった(人なめ説。新世代グマの誕生)。

 

原因は、全て、クマにあります。

対策は、個体数低減のための捕殺と緩衝帯としてのやぶ刈りです。

 

神のみぞ知るの世界なので、全面否定はできませんが、余りにも短絡的です。

 

熊森は、この時期、クマが出て来るのは、まず、山の中に夏の餌(オオヤマザクラ、ニワトコ、ヤマグワなどの夏の木の実、アリやハチなどの昆虫、サワガニなど)の量が不足しているのが原因だと思います。

 

みなさんはどう思われますか。

 

いろんな原因が考えられるでしょうが、熊森は若グマたちが空腹による苦しさの余り、餌を求めて出てきているという事実を押さえることから考え始めるべきだと思うのです。

 

熊森は、原因をすべて物言えぬ弱者に押し付けるのではなく、拡大造林政策、奥山観光開発、酸性雪、地球温暖化、大規模林道建設など、人間がしでかしたことで、山中のクマたちの夏の餌量不足をまねいていないか、検証していくべきだと考えます。

 

中日新聞さん、元猟師や熊森の室谷悠子会長のコメントを載せてくださってありがとうございました。

行政や肩書のある研究者のコメントしか載せない他紙と比べて、多様な意見を掲載しようとされる貴紙に、心から敬意を表します。

 

栃木県塩谷町、牧場の飼料タンクに落ちた親子グマの救出作戦

2019年7月18日、親子3頭のクマが、デントコーンなどが入った家畜用飼料タンクの中に落ち、4日間出られずに閉じ込められたままになっているというニュースが流れました。

 

飼料タンクに親子グマ 4日間閉じ込められ衰弱

 

ニュースに取り上げてくださった記者さんに、深く感謝します。

記者さんのおかげで、私たちはこの親子グマたちのことを知り得ました。

 

異変に気付いたタンクの持ち主は、親子グマがタンクに落ちて出られなくなっていることを、14日に役場に届けています。

その後の役場の対応はどのようなものだったのでしょうか。

 

熊森本部を初め関東の熊森支部員らは、町の担当者へ次々と電話して、この親子グマの救出を願い出ました。

 

 

現地は、標高1000~1100mの山奥にある町営牧場です。人家や集落からは離れています。

事件発生場所はかなりの山奥(担当者の聞き取りをもとに、熊森本部が作成)

 

以下、塩谷町の担当者とのやりとりです。

 

熊森:この親子グマを、何とか山へ帰してあげてほしいです。

担当者:私たちも何とか助けたいので、山に放す方針です。しかし、4日間、この中に閉じ込められていたので、衰弱していないかが不安です。

 

熊森:放獣決定に、感謝いたします。どのようにして放されますか。

担当者:飼料タンクを解体して横に寝かせ、タンクの上部にある蓋をロープで引いて開け、自力で脱出させます。衰弱していますので、麻酔は使えません。本日中に放獣作業をしたいです。

 

熊森:何とか水を飲ませてあげてください。本日放獣作業ができないのなら、ひもつきバケツに水を入れて、ロープでタンクの中へ降ろしてやってください。

担当者:はい。やってみます。

 

(夕方、熊森本部は、再度、塩谷町の担当者に問い合わせました。)

 

熊森:無事放獣は出来ましたか。

担当者:午後、タンクを横に寝かせ、蓋を開けて放獣作業を行いました。子グマ2頭はすぐにタンクから脱出し、走っていきましたが、母グマは衰弱がひどいのか、タンクから出られない状況です。タンクを横に寝かせるときは、母グマは興奮していたのですが。

 

熊森:タンクの外に、水を入れたバケツをたくさん置いてください。タンクを横にするときに怖かったと思います。人がタンクの近くにいると、安心して出られませんので、母グマも余計に気を張って体力を消耗してしまいます。みなさん遠く離れてください。子グマも近くで母グマが出てくるのを待っていると思います。また、現在の状況を獣医師にも相談してください。

 

担当者:わかりました。やはり水が必要なんですね。やってみます。

 

しかし、18時のニュースでは、母グマが衰弱死したことが報じられました。

 

熊森から

ニュース映像を見ると、自らも脱水症状に陥っていると思われる母グマが、タンクの中で懸命に子グマに自分の唾液を飲ませていました。

とてもつらくて見ておれません。

もう少し早くこの情報を察知できていたら、助けることができました。

とても悔しい気持ちです。

 

関東の熊森会員の皆さんをはじめ、この件で、親子グマを助けたいと、何度も町の担当者へ電話をしてくださったみなさん、

本当にありがとうございました。

また、タンクを壊してもいいから、中の親子グマを助けてやってほしいと言ってくださった牧場主さんにも感謝します。

 

飼料タンクにクマが落ちてしまう事件は、東北地方や北関東のクマ生息地では時折あります。

牧場経営者のみなさんは、クマが蓋を開けられないように、蓋の改善をお願いします。

 

この件で、日本熊森協会顧問の門崎允昭顧問と、水見竜哉研究員がメディアの取材を受けました。

 

門崎顧問のコメント入りNEWS

はしご使って?屋根のタンクに“親子クマ”落ちる

 

水見研究員コメント入りNEWS

高さ6mの飼料タンクに落ち・・・クマの親子か、救出大作戦

 

山に逃げた子グマが、母なしで生き残ることはむずかしいと思います。

命に対しては、いかに迅速な対応が必要かを、改めて思い知らされた事件でした。

みなさんと共に、今後の教訓として生かしたいです。

石川県 金沢市・白山市で室谷会長が講演

森林環境税についてもお話し、大盛況でした!!

7月12日、13日と室谷会長は日本有数の豊かな自然が残る霊峰「白山」のある石川県へ講演に出かけました。

 

12日、若手議員の会で森林環境税について講演 金沢市

金沢市会議員の熊野盛夫(くまのもりお)さんの所属する石川県の若手議員の会で、森林環境税のお話をさせていただきました。

石川県の市町村では、今年から交付される森林環境譲与税の使い道を決めていない自治体がほとんどでした。国会で、森林環境税を使って広葉樹林化の推進を求める附帯決議が付いたことなどを紹介し、豊かな水源の森再生のために放置人工林の天然林化に活用してほしいと訴えました。

これから自治体が使い道を決めていくというだけあって、1時間30分の話をとても熱心にお聞きいただき、地域の振興にも役立てられるような仕組が必要ではないかなど、活発なご意見をいただきました。森林環境譲与税の使い道を議論していく自治体の市議のみなさんに直接お話をさせていただくことはとても大事なことだと感じました。

 

13日、石川県支部主催「森と水といのち、の今」 白山市

石川県支部のみなさんがこの日のために、1人1人に声をかけ、何と104名の方が集まってくださいました!副支部長の飯島さんは、連日、フェイスブックを更新して参加を呼びかけてくださいました。

 

講演会では森林環境税・譲与税で放置人工林の天然林化を進めてもらうために行った国会でのロビー活動や石川県支部での取り組みも紹介しました。

石川県支部の浴衣での森林環境税署名活動(2018夏)

石川県支部では、地域の方と協力して金沢市への陳情を全国に先駆け実施しました。

また、熊森が22年間取り組んできた天然林再生や野生動物との共存のための実践活動も紹介しました。映像も交え、2時間弱の長時間になりましたが、みなさん最後まで、熱心に聞いてくださいました。

森林環境税の導入など、森と私たちの関りをもう一度見直す時期に来ている今こそ、豊かな森再生のために動き出すときが来ていると感じて、石川県支部のみなさんが準備してくださった講演会。石川県でたくさんの人が手をつなぎ、実践活動が始まるきっかけになればこれほどうれしいことはありません。石川県支部では、野生動物との共存へ向けた森づくりに動いていきたいとのことで、今後がとても楽しみです。

講演会終了後に支部スタッフのみなさんと。子どもたちと一緒に作ってくれた動物たちのたくさんいる素敵な壁飾りと一緒に。

石川県支部のみなさん、ご参加いただいたみなさん本当にありがとうございました。次は、ぜひ、森づくりの実践活動の現場でお会いしましょう!

 

全国で森林環境税の講演会を

日本の森の現状や豊かな森再生のために活用できる森林環境税について地域の方々や議員の方に詳しく知ってもらうこのような機会を持つことはとても重要なことだと感じました。全国の自治体が、森林環境譲与税を何に使うか検討している時期なので、各地を回ってこういう講演会ができたらと思います。

企画をしてみようという方は、ぜひ、本部までご相談ください。

 

 

 

 

6月22日、兵庫県の山奥に、初の大苗植樹!

大苗を植えたらシカ除け柵が不要だったと、地元で植樹をされているグループに教えてもらいました。

今年6月22日、熊森も試験的に、2m~3m級の中苗~大苗4種4本を但馬地方に植えてみました。

クワ、ウワミズザクラ、ヤマボウシ、クリです。

クワとウワミズザクラは、初夏にクマの食糧となります。

大苗とまではいかないのもあるので、当分シカ防除も必要と判断し、シカ除け網も張りました。

 

左からクリ、ウワミズザクラ、ヤマグワ、ヤマボウシの苗木。

 

この日は、いろいろな場所で長年、植樹指導をされてこられた但馬の熊森会員が、指導して下さいました。

 

植える苗がいつもより大きいので、掘る穴もいつもより大きくなくてはなりません。

指導1、掘った穴の底を、つるはしでつついて柔らかくすると、根が張りやすい。

指導2、植樹後、苗木の周りに少し盛り土をする。

(地面にへこみがあると、雨水がたまって根腐りを起こす)

 

ヤマグワには、すでに実がびっしりついている

 

次は、支柱の立て方指導です。

 

大きな苗の植樹は、成果がすぐ出そうで、これまで以上に楽しかったです。

植樹後、突然の雷雨となり、植えた苗木はたっぷりと雨水を浴びました。

「苗木がうまく根付いて、早く動物たちに食料を提供してくれるようになってほしいね」とみんなで話しました。

 

作業後、植えた苗木をバックに記念撮影

 

クマが人里に出てこないように、熊森本部はこれまで1万本以上の実のなる木を、兵庫県のクマ生息地の奥山に植樹してきました。苗木は全て、一番根付きやすいと言われている小さな3年苗でした。

 

中苗や大苗でも根付くことがわかったら、苗木代は高いのですが、これからどんどん中苗や大苗を植えていこうと思います。

 

 

6月24日、滋賀県高島市でのクマによる人身事故現場へ熊森本部が急行、聞き取りと草刈対策を実施!

2019年6月23日、滋賀県高島市今津町でクマによる人身事故発生!

MBSTV 裏庭でクマと遭遇、70歳男性噛まれけが 滋賀県高島市

 

上のニュースを見て、6月24日朝、高島市の担当者に電話をすると、高島市としては、朝夕のクマが出やすい時間帯に、近くの道路をパトロールしている。クマ捕獲予定はないということでした。

心配なので熊森が現地に行って、ケガをされた男性を見舞い、できる被害防除対策があればやってもいいかたずねると、「それはありがたいです。ぜひよろしくお願いします」と言ってくださいました。

 

そこで、さっそく熊森本部スタッフ2名が、兵庫県西宮市から現地へ駆けつけました。

 

現地は山すその別荘地帯で、クマが出る地域だそうです。

お会いした方々は、「このあたりの人は皆、クマ鈴を持ってるよ」と話されていました。

ケガをされた男性は、自然が好きで10年ほど前に引っ越してこられたということで、左腕に包帯をされ、顔や左腕の一部にはクマの爪痕が残っていました。命にかかわるお怪我ではなかったことが確認でき、熊森本部スタッフも安心しました。

男性は、熊森の訪問を大変喜んでくださいました。

 

男性のお話

「事故があった日は、朝早くに(5時くらい)庭で物音がした。窓から見てみたら、2頭の小さなクマが、自分が庭に捨てた生ごみを食べていた。この地域はよくサルが出てくるので、家の中に何個かの石を用意している。サルが敷地内に入ろうとしたら、家の窓から音がするように石をポイと地面に投げて追い払ってきた。クマを見たのは今回が初めて。

 

クマといってもコグマだったので、山に追い払おうと思って、サルの時と同様にコグマに当たらないように、石をポイと地面に投げた。

 

そのあと、2頭のコグマが山へ逃げたかどうか確認しに庭に出て行ったら、塀の外側のスギの木に2頭が登っているのが見えた。

その瞬間、視界の左前方から塀を超えて、母グマが突然飛び出してきて、私の左腕に噛みついた。私は驚き、その場に倒れこんだ。母グマは、そのあとすぐに、コグマを連れて山へ走り去っていったと思うが、衝撃のあまりそのあとは覚えていない。噛まれたのは一瞬だったと思う。

 

事故現場で説明を聞く。2019年6月24日

 

すぐに家に入ってタオルで止血をし、救急車を呼んだ。入院するほどではなく、病院では3時間ほど治療をうけて帰ってきた。かまれた部分は傷が深いので腕を動かすと痛む。

 

今思うと、母グマは子供たちを守ろうと必死だったんだなと思う。考えもせずコグマに近づいていった自分が迂闊だった。今後は、生ごみを外に置かないようにする。反省している。」

 

再発防止対策

 

事故現場にはクマが身を潜められる繁みが多くありました。

事故再発防止のために、男性の許可を得て、草刈り機で草を刈り、見通しを良くしました。

事故現場(草刈り前) 写真の最奥部分の繁みにご注目ください。

 

草刈り後。30m先まで見通せるようになった。

 

男性は「こんな団体があるんだ。知らなかったです。来てくださって嬉しかったです。ありがとう。」と、大変喜んでくださいました。

 

熊森スタッフは、「こうした活動は、全国各地のくまもり会員の方々が、クマを初めとする野生動物たちと人との棲み分け共存を願って振り込んでくださる会費や寄附によって成り立っています」と話し、会報「くまもり通信」や小冊子「クマともりとひと」をお渡ししました。

 

男性はすぐに読んでくださり、「動物たちも、山に餌が無くて大変なんだな。人間が豊かな山を壊してしまったんだな。」とご理解くださっただけではなく、なんとその場でご寄附してくださいました。

 

全国の熊森会員の皆様・ご寄附くださった皆様へ

 

皆様のおかげで熊森本部は今日も、クマと人の棲み分け共存を進める活動ができました。

本当にいつもありがとうございます。熊森はこれからも可能な限り、現地へ駆けつけます。

これからも、よろしくお願いします。

島根県浜田市 いとも簡単に連続2頭の若グマ捕殺 メディア報道にも大問題 熊森本部厳重抗議

浜田市内ではこの2週間余りで、JR下府駅周辺や石見海浜公園、それに県立大学周辺などの広い範囲でクマの目撃が23件相次いでいたそうです。
警察などがパトロールを強化する一方、石見海浜公園を一部を立ち入り禁止にして、捕獲おり2基を設置していたところ、

①5月30日に体長1メートル13センチ、体重36キロで2歳から3歳のオスがかかり、直ちに殺処分されました。

 

テレビニュースから

 

親から離れたばかりの若グマです。殺処分が速すぎて、熊森が放獣してくださいの声を挙げる暇もありませんでした。

 

この件に関するマスコミの報道のひどさには、絶句です。

 

テレビニュースでは、檻にかかったクマに記者が近づき、「カメラに向かって、威嚇してきました!」と、それが重大問題であるかのように伝えていました。クマがどんなに狂暴であるか人々に伝わるようにしたら面白いニュースになると思ったのでしょうか。

罠にかかってしまい、人間に殺されるのではと恐怖でいっぱいになっているクマに人が近づいたら、クマは人間を必死で追い払おうとします。クマの行為は、当然です。こんなことすらわからない記者さんがおられるのでしょうか。

クマが捕殺された後、「捕まって一安心です。良かった」と、いうようなコメントをばかりを取り上げていました。

他生物との共存本能を失っていない子どもたちは、このニュースを見たらショックで胸がつぶれただろうと思います。

 

捕まえるのは仕方がないとしても、相手は、まだこの世に生まれて2~3年しかたっていない、何もわからない若グマです。

このクマがやったことは、公園にたくさん実るサクラの実を食べに来たことだけです。

殺してしまうのではなく、山へ逃がしてやろうという声は、島根県民から起きなかったのでしょうか。

信じられないほど一方的なニュースでした。

記者の不勉強には、あきれるばかりです。

 

 

目撃数が多いことから、クマは他にもいるのではないかということだったので、熊森本部としては、次回クマが捕獲されたら、今度は山に放獣してやってくださいとお願いしようと思いました。

6月5日、行政の連絡先をネットで探し始めたところ、体長130センチメートル、年齢は5歳か6歳、体重45キロのオスの若グマが、浜田市国分町の住宅の近くに仕掛けたおりにかかったので、すぐに殺処分したという新しいニュースが入っていました。またしても、罠にかかるのと殺処分が同時なので、声を挙げる時間がありませんでした。

 

今、日本国は、一部の研究者たちが広めた、「大切なのは人間の命だけ」という、とんでもない誤った思想に覆われてしまっています。

西中国山地のクマは、環境省が絶滅の恐れがある地域個体群に指定しており、島根県の保護動物でもあるのです。これまで島根県は、日本一のクマの保護先進県として名をとどろかせてきました。罠にかかったクマの放獣体制も整備されています。殺さなくてもいい命を殺すのは、犯罪だと思います。

 

いったいどういうことなのか、石見海浜公園の管理責任者に電話をしてみました。

 

責任者によると、自分たちはこの件にノータッチで、自分たちが殺処分してくれと言った訳ではないということです。次回からは、山に逃がしてやってくれるよう県に頼んでほしいとお願いしておきました。

 

次に、浜田市の農林振興課に電話をすると、自分たちは捕獲申請はしたが、捕獲されたクマを殺処分してほしいとも、山に逃がしてやってくれとも、何も言っていない。全て、権限は県にあり、県が決めたということです。

そうかもしれませんが、若いクマが、人間の恐ろしさも知らずに、桜の木の実や住宅のビワの実を食べたからと言って、即死刑は行き過ぎです。県にクマをどうするかの権限があったとしても、市の職員として、山に逃がしてやってくださいとお願いはできたはずです。ここでも、次回は、人間としての倫理観から、山に逃がしてやったらどうかと県に頼んでほしいと、お願いをしておきました。

 

最後に、島根県庁の鳥獣対策室の担当者に電話しました。今回クマが出た場所は、人が多く訪れる場所で、島根県ツキノワグマ保護計画のゾーニングでは、クマ排除地域だったということです。それはわかりますが、それと捕獲後殺処分するのとはつながりません。島根県は放獣技術を持っているのですから、次回から、放獣してやってほしいとお願いしておきましたが、なんだか歯切れの悪い対応でした。どうされたのでしょうか?

 

電話を切ってから、みんながクマという動物をあまりにも悪く誤解し過ぎていることに気づきました。さっそく、石見海浜公園と浜田市に、くま森小冊子「クマともりとひと」を郵送しておきました。人々が、野生動物に共感を持てなくなり、害獣としか見なくなったのは何故だろうと思うと、やはり、メディアの報道姿勢に問題があるからだと思いました。あす以降は、メディアの記者たちにも、アタックしてみようと思います。くま森小冊子「クマともりとひと」を読んでいただければ、クマがどんな動物か、クマたちが棲んでいた山を、人間がいかに破壊し続けてきたかが、短時間でだいたい伝わると思います。

 

クマを初めとする野生動物の本当の姿や、彼らが置かれている悲惨な状況を知っていただくために、行政やマスコミのみなさんを筆頭に、くま森小冊子「クマともりとひと」を、生涯をかけて、全財産をつぎ込んで、全国民に配布して回りたいです。心ある皆さん、ご協力ください。

野生動物たちの存在意義を知ることは、とりもなおさず、私たち人類が、この地球上で生き残る道なのです。(完)

 

p.s 島根県のクマと森の状況をお知りになりたい方には、日本熊森協会発行の、田中幾太郎著「西中国山地からクマを失うことの意味」500円(送料別)をおすすめします。

益田市在住の田中先生は、幼少の頃より、猟師だったおじい様と、中国山地を駆け巡られてきた方で、「中国山地の主」と、呼ばれています。

地元の方々に、中国山地の生き証人の声を、ぜひ聞いていただきたいです。

 

お奨め本

石川県羽咋市・宝達志水町で4日間目撃され続けている子グマ、両行政は、捕獲後山へ放獣の方針

5月27日あたりから、石川県羽咋(はくい)市や宝達志水(ほうだつしみず)町で、目撃され続けている子グマがいます。この子グマが、川を泳いだり水田の畦を走ったりして捕獲隊から逃げる様子が、テレビでも放映されています。

 

日テレニュース24、2019年5月29日より

29日午前7時に目撃された子グマ(クリックすると動画再生)

 

石川県ツキノワグマ管理計画では、市街地や田畑をクマ排除地域と決めており、ここに出てきたクマは「全て殺処分」することになっています。(熊森は、やりすぎだと思う)

何とか命を助けてやってもらいたくて、日本熊森協会本部は羽咋市の担当者に電話をしました。

 

担当者:

このクマは、親離れをして間もないクマのようで、単独で行動しています。川や繁みを伝って山から出てきたのではないかと思われます。昨日29日には、田んぼの畦や市街地近くの川を泳いでいるのを目撃され、市や警察、消防が駆けつけました。現在は羽咋市内での目撃も落ち着いていますので、パトロールも一旦やめました。看板設置や防災無線での呼びかけもしました。基本的に山に戻ってもらえるように見守る方針です。捕獲罠は3基設置しています。

私たちも子グマまでは殺処分したくはないので、もし捕獲されたら麻酔をかけて山に放獣する予定です。

 

熊森から

この子グマのことを心配してくださっている全国のみなさん、ご安心ください。行政担当者も、子グマまでは殺処分しようと思っていないようでした。日本熊森協会石川県支部も行政に電話をし、もし捕獲されたら山に返すよう頼んでくださっていました。支部のみなさん、ありがとうございます。

テレビニュースでは、人間たちがみんなで子グマを追いかけまわしていました。子グマは恐怖心でいっぱいになっていると思います。この様な対応は、クマによる人身事故を誘発します。クマが人間の生活場所に出て来た時は、クマもとまどっています。人間側が冷静になって、そっと見守ることが大切です。クマは自分から山に帰っていきます。親から離れたばかりの若グマは、どこが危険でどこが安全か、今、学んでいるのです。なんとかクマを刺激せず、見守ってやってください。

 

 

 

 

山形県鶴岡市のクロちゃんに会いに行きました

クロちゃん(メス)は、日本熊森協会のマスコットグマとして22年間大活躍してくれています。今年、29歳になりました。

本部ボランティアスタッフたちは、くまくま園に行った時、山形県まで足を伸ばし、クロちゃんを訪れました。

クロちゃんに会いに行くには、東京や大阪から山形県酒田行きの高速バスに乗って、「庄内観光物産館」で下車してください。飛行機の場合は庄内空港が最寄りです。

 

子どもの時のクロちゃん

 

昨年夏に猛暑のためか、初めて倒れ、みんなで心配しました。

今ではすっかり回復しています。

 

お父さんの佐藤八重治さんからイチゴをもらうクロ

 

山菜のイタドリやタニウツギの花をおいしそうに食べるクロ

 

大好物はおそうめんで、おそうめんを主食にしています。

冬はおそうめんに粉ミルクを入れたものが大好きです。

夏になると、おそうめんにポカリスエットをかけたものを好みます。

ポカリスエットバージョンでした

 

クロちゃんの家の2階は、宿泊施設になっています。

熊森会員は食事代だけ負担で宿泊できます。

 

家は、月山のふもとです。

クロちゃんの家の周りの風景

 

寝転んでタニウツギの花で遊ぶクロちゃん

 

クロちゃんファンクラブでは、今年もおそうめんを募集しています。

ソバやうどんも食べます。

送り先

997-0405 山形県鶴岡市上名川字堰西36-3 佐藤八重治方 クロちゃんファンクラブまで

 

まだ会いに行っておられない方は、ぜひ訪れてあげてください。

北秋田市くまくま園に行ってきました

今年も5月に、日本熊森協会本部でクマの保護飼育に長年携わってくださっている本部ボランティアスタッフのみなさんが、北秋田市の山の上にある「くまくま園」を自費で訪れました。

今年の参加者は4名、現役中の3名は、いずれも勤務先の休暇を取って打当温泉泊まり込み参加です。みんなで、獣舎掃除などの飼育補助の奉仕活動を行ってきました。

 

くまくま園の入り口 正面がツキノワグマ飼育場  写真右奥がヒグマ飼育の新獣舎

 

くまくま園を裏から撮影 写真左建物がヒグマ舎で、その左広場がヒグマ運動場

 

2018年度日本熊森協会がヒグマたちに差し入れた食料の一例

(写真提供:くまくま園)

 

大好物のスイカとサツマイモ

 

運動場に置かれたスイカ

 

寝室内に置かれたスイカ (一玉ペロリだそうです)

 

大好物のブドウ

 

運動場のあちこちにブドウが置かれました

 

現在、北秋田市のくまくま園には、新しく建設された獣舎に、十数頭のヒグマが飼育されています。

いずれも、経営破たんした八幡平クマ牧場で飼育されていたヒグマたちで、殺処分が予定されていましたが、日本熊森協会が終生保護飼育を強く願い出て実現したものです。

飼育員の方とも、すっかり仲良くなりました。

主な餌は、トウモロコシの粉とクマフードです。

飼育員の方が、獣舎の周りに自然に生えているたくさんのフキ等の山菜を摘んで来て、主食の上に置いてやっていました。

飼育員の方が、ヒグマに深い愛情を持って飼育されているのが、各場面から伝わってきます。

どのヒグマも、満ち足りてとても幸せそうな顔をしていました。

 

熊森本部は、くまくま園に引き取られたクマたちが元気にしているかどうか、ツアーを組んだり、ボランティアスタッフたちが訪れたりして、毎年、見に行っています。

また、年に何回かは、おいしい果物などを差し入れしています。

くまくま園に引き取られたクマたちがどうしているか心配してくださっているみなさん、ご安心ください。

以前から飼育されていたツキノワグマたちにも会ってきました。

 

クマはヒトと心を通わすことができる、すばらしい動物です。

メディアは、「クマは人を襲う」などの誤情報を流さないでください。

 

八幡平クマ牧場で飼育されていた、以前、愛知県豊田市で捕獲されたアイチとトヨコたちも元気でした。

頭数が増えないように、ヒグマ舎もツキノワグマ舎も、オスとメスを分離飼育しています。

そういうわけで、今年生まれたクマの赤ちゃんは1頭だけでした。

私たちはどんな動物も大好きですが、クマの赤ちゃんのかわいさは格別です。

 

今年生まれた子グマ

 

みなさんも、北秋田市のくまくま園をぜひ訪問してあげてください。

大切に飼育されている動物たちを見ていると、こちらまで幸せな気分になってきます。

その時は、感想などを熊森本部にお送りいただければうれしいです。

 

 

 

 

 

2019年兵庫県クマ大異変 1月1日~5月10日までの県内目撃数はたった3件  但馬地方は0件

「今春、クマを全く見かけない。なんか変だよ。」但馬地方に住む住民から電話をいただきました。

 

そういえば、熊森本部では連休中に、クマのことで飛び出すことがあるかもしれないと構えていたのですが、全くそのような情報は入りませんでした。

 

冬ごもりが明けてクマが出て来るようになる4月のクマの目撃数の19年間の変化を、グラフにしてみました。

 

wクリックすると、グラフは大きくなります。

 

兵庫県のクマが絶滅危惧種だったころの2001年や2002年にも、4月の目撃数が少ない年がありました。しかし、最近は、爆発増加という言葉はさすがに県庁も撤回したようですが、クマが増え過ぎて800頭を超えているとして、昨年度も、58頭のクマを無差別罠にかけて有害捕殺した兵庫県です。

 

いったい何が起きているのか。自然界のことは人間にはわからないことだらけです。熊森本部は今後も様子を見ていきますが、いったいこの目撃数の激減はどう考えればいいのでしょうか。クマの保護団体としては、不安になってきました。

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