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カテゴリー「東京都」の記事一覧

青梅猟友会会員による親子グマ駆除問題  熊森が刑事告発受理の申し入れを取り下げて終わる

熊森本部は、東京都青梅猟友会に所属する会員が、2016年11月に親子グマ3頭を駆除したにもかかわらず、駆除数を1頭分しか青梅市に届け出ていないことを、同猟友会の内部告発により知りました。

熊森本部はさっそく証拠物件を確認し、「鳥獣保護管理法」等違反でこの猟友会員を刑事告発する準備を進めました。(2018年2月会報くまもり通信94号参照)

 

しかし、青梅市は熊森の動きを察知したのか、熊森が予定していた刑事告発記者会見直前に、当該猟友会員に再度聞き取ったところ、捕殺グマは実は3頭だったことを明らかにしたと、熊森の先を越して全マスコミに文書で通達してしまいました。青梅市が、この猟友会員を擁護しようとしたのだと思われます。

 

熊森の刑事告発の申し入れを受け、青梅警察署は捜査を開始してくださいました。そして、3月14日、熊森本部と熊森東京都支部は、現場の山中で、青梅警察署担当職員から捜査結果の説明を受けました。

青梅警察署員の説明後、再度現場検証する熊森本部と熊森東京都支部員ら(2018年3月14日)

 

事件があった場所は集落から400メートルも離れており、クマが居ても何の問題もない場所です。前述の猟友会員が、猟犬やハンターに追われてこんな山の中まで逃げ込んでいた親子グマを撃ち殺したことに、まず、私たちは深い憤りを感じました。

また、山中に逃げ込んでいる親子グマの母グマを捕殺することを認めた当時の青梅市にも問題があります。残された子グマは母グマなしには生き残れないことぐらい、誰でもわかることです。

 

この猟友会員は、「現場は当時、サワフタギ等の藪に覆われており、木から降りて藪に隠れた母グマが向かってきた。我身を守るため散弾銃を撃ったら、子グマ2頭にも当たってしまった」と警察に供述したそうです。

 

その後、熊森が、情報公開制度を使って青梅市の森林整備記録を取り寄せたところ、事件現場は当時、下草や低木が刈られた後で、その後は現在に至るまで、森林整備は行われていないことがわかりました。

 

ならば、当時、藪に覆われて母グマや子グマが見えなかったという供述は、客観的事実と矛盾します。当該猟友会員が警察に供述した内容に、真実でない部分があったことを熊森は確認しました。

 

しかし、撃つ必要のない親子グマを撃ったのではないかという疑問は残るものの、目撃者がいません。撃たれたクマは1頭ではなく3頭だったという以上の真相究明は難しいと結論し、熊森は2018年8月 16日、青梅警察署に刑事告発受理の申し入れの取り下げを通知して、この件に終止符を打ちました。

 

このような結果に終わりましたが、今回の刑事告発の申し入れは、猟友会や野生動物捕獲業者による違法行為を抑止することにつながると思われ、それなりの意味はあったと熊森は考えています。

 

弁護士の先生方をはじめ、いろいろな方にお世話になりました。みなさん、ありがとうございました。

 

10年間連続 駒澤大学高等学校新入生520人にくまもり講演 

今年も5月30日1時限目にくまもりが講演させていただきました。

東京と言っても、学校のある世田谷区は緑あふれる住宅地です。

家々の花壇に花があふれていました。

学校の玄関の菩提樹の大きな木も、ちょうど花盛り。

いい香りを漂わせていました。

 

この学校は毎年夏に1年生を長野県の提携している山村集落に連れて行って、森について学ばせておられます。

2年生は平和学習に取り組まれるのだそうです。

どちらも高校生にとって大切な勉強で、このようなカリキュラムを組まれている先生方に敬意を表します。

講演する森山名誉会長

 

会長の日程の都合がつかなかったので、今年は名誉会長の講演となりました。

くまもり講演を聞く駒澤大学高校生

 

講演の後、毎年、全生徒の感想文が送られてきます。

人間として大切な、まじめさや真剣さ、やさしさを失っていないすばらしい生徒たちです。

銃の前には絶対弱者とならざるを得ない他生物のことも考える優しい文明だけが、自然を守って生き残るという趣旨のお話をさせていただきました。

どれくらい伝わったでしょうか。

感想文が届くのが楽しみです。

 

【続報】 東京都での親子グマ違法捕殺がテレビ等で報道されました

2月1日にお伝えした、東京都青梅市の親子グマの違法捕殺問題の続報です。

 

2016年11月、東京都青梅市で、猟友会員が、捕獲許可が1頭しか出ていないにもかかわらず、山で木に登り逃げていた3頭の親子グマを射殺しました。2頭の子グマを射殺したことは最近まで隠されていました。

熊森は、1月31日、クマを撃った猟友会員を鳥獣保護法違反で刑事告発するため青梅警察署に申し入れしました。

また、2月1日には、東京都知事宛に再発防止と絶滅危惧種である東京都のツキノワグマ保全強化の要望書を提出しました。

熊森の活動がいくつものメディアで報道されています。
親子グマの死を無駄にしないために、クマの生息地である奥山の自然林の復元と、クマと共存できる保護体制の構築ができるよう、関東での活動もこれまで以上に広げていきたいです。
たくさんの方にこの問題を知ってもらいたいので、ぜひこの記事を拡散してください。

 

 

【各社のニュースはこちらから見られます】
弁護士ドットコムニュース
https://www.bengo4.com/c_1009/c_22/c_21/n_7366/
TBSニュース
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3280091.htm
NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180201/0007388.html
産経新聞
http://www.sankei.com/smp/life/news/180201/lif1802010035-s1.html

【速報!】東京都青梅市での子グマ2頭の無許可射殺を刑事告発へ

都庁記者クラブでの会見の様子。

2016年11月、東京都青梅市で、猟友会員が、捕獲許可が1頭しか出ていないにもかかわらず、山で木に登り逃げていた3頭の親子グマを射殺しました。2頭の子グマを射殺したことは最近まで隠されていました。

日本熊森協会は、関係者の証言と現場調査から、2頭の子グマの捕獲は鳥獣保護法等に違反するとして、昨日、青梅警察署を訪れ刑事告発を申し入れました。

また、本日、東京都のツキノワグマ保護体制の構築を求めて、東京都知事宛の申入書を提出しました。

熊森の副会長の室谷弁護士の外、東京都の市野綾子弁護士、島昭宏弁護士にも告発代理人としてご協力いただきました。

 

クマは襲ってきたのではなく、山林で木の上に逃げていて無抵抗だった

2016年11月10日、親子グマ3頭の目撃情報があり、東京都猟友会青梅地区から駆除隊9名が出動し、猟犬をかけてクマの追い払いを開始しました。青梅市は、1頭しか捕獲許可が出ていないから子グマを撃たないようにと指示していました。それにもかかわらず、猟犬を追いかけていた猟友会員が、山林でスギの木に登って逃げていた3頭の親子グマを射殺しました。猟友会員は、3頭を射殺したにもかかわらず、青梅市には「1頭だけ捕獲した」と嘘の報告をし、2頭の子グマを捕獲したことは隠し、なかったことにしてしまいました。

熊森に、今回の無許可捕獲の通報があったのは、2017年11月末です。熊森本部は以降、聞き取りや現地調査等を進めてきました。

2017年12月、青梅市は、2016年に11月のクマ捕獲は1頭ではなく、3頭だったとメディアへ訂正発表をしました。青梅市の聞き取り調査では、クマを撃った猟友会員は、「クマが藪から出てきて、自分に向かってきたから射殺した」と証言しているとのことでした。

しかし、熊森本部、東京支部、神奈川支部等の現地を調査したところ、現場はスギの人工林内でクマが身を潜められる藪などありませんでした。クマが登っていたスギの木には母グマと思われる爪痕がいくつも発見されました。

また、クマを撃った猟友会員は、3頭を射殺した直後、駆除隊にいた猟友会に対し、「木に登っている親子グマ3頭を全て撃ってしまったので、市役所の人に内緒で山から下ろすのを手伝ってほしい」と依頼をし、クマが向かってきたという発言は一切していないという証言も得られました。

親子クマが射殺された現場付近の様子。人工林に覆われ、藪はない。
この現場の位置は、青梅市が作成した捕獲地図とも相違ありません。

親子3頭のクマが登った杉についた爪痕を調査する熊森本部と支部

違法行為には、法に基づく処分を

東京都では、絶滅危惧種とされているツキノワグマは狩猟禁止措置が取られており、許可のない捕獲は鳥獣保護法や銃刀法違反となります。

クマを撃った猟友会員の「藪に隠れていたクマが向かってきたから撃った」という報告は、クマが潜める場所のない現場の状況や当日駆除隊に参加していた猟友会の証言とも矛盾します。

青梅警察署は、刑事告発を受理するかどうか検討するとのことでしたが、絶滅危惧種の保全という観点からも、事実を適正に捜査し、違法行為に対しては厳しい処分がなされるべきです。

 

東京都でツキノワグマの保護体制強化を要請

2月1日、熊森は東京都庁へ出向き東京都知事あてに、今後、絶滅危惧種である東京都のツキノワグマ保全強化を要請する要望書を提出し、都庁記者クラブで記者会見を行いました。

クマは、本来臆病で、人間が怖いので、積極的に人を襲う習性はありません。猟師が猟欲のあまり無抵抗のクマを「襲ってきたから撃った」ことにしてしまう、今回のようなケースは、氷山の一角であると考えられます。クマは繁殖力が低く、捕獲圧に弱いので、「危険」というレッテルを張り、安易な捕獲を進めていると絶滅に拍車をかけることになります。

東京都で、クマと人が共存できるよう、奥山への放獣や追い払いの徹底、そして何より本来の生息地である奥山の自然林の復元等の取り組みが行われるよう、東京都支部とも協力し活動を進めていきたいです。

(野生動物保全担当 水見)

 

ツキノワグマ保護体制構築のための東京都への要望事項

1   東京都でも、他府県のように、ツキノワグマの放獣体制をつくること。特に山の実りが凶作年の出没やイノシシ等の罠への錯誤捕獲については、捕獲したクマを山に放獣できるようにすること。

2   クマの出没時、追い払いや誘因物の除去を徹底すること。

3   絶滅防止の観点から、子連れのメスグマは原則捕殺しないことをルール化すること。

4   ツキノワグマの違法捕獲が発生しないよう、捕獲許可権者である東京都が捕獲従事者の監視体制の強化、各自治体への指導を徹底し、違反者に対しては適正な処分をすること。

5   東京都の本来のクマ生息地である奥山がスギ・ヒノキの人工林率が高く、クマが生息できない環境となっているため、奥山の広葉樹林化を進め、ツキノワグマの本来の生息環境の整備をすること。

 

要望書PDF

 

東京都への申し入れの様子。小池百合子都知事あての要望書は東京都環境局の多摩環境事務所長が受け取った。

 

第6回ストップ・リニア訴訟 南アルプスを愛する登山家が、物言えぬすべての命に代わって訴え

9月8日、熊森としてストップ・リニア!訴訟の第6回口頭弁論を傍聴するため、東京地裁に行ってきました。

傍聴の抽選には173名が並びました。

今回は、服部隆さん、林克さん、西ヶ谷弁護士から、静岡県のリニアトンネル工事についての陳述がありました。

 

服部さんは、登山歴46年のベテラン登山家です。

 

 

以下、服部氏の訴え

 

「登山歴46年、私たち岳人は、リニア・トンネル工事による南アルプスの自然破壊に対し深く憂慮しています。

本日、私は登山者の代表として、また物言えぬすべての命に代わって、裁判官各位に訴えます。

 

<トンネル掘削によ地下水脈分断について>

 

静岡県の北端でリニア路線が横切る地域を「南アルプス南部」と呼びます。

頂点は3000メートル峰で、そこから駿河湾に流下している130キロメートルの大井川。

その最上部地下をリニアが貫通します。

 

 

静岡県におけるリニア問題は、ここ大井川最上流部に集中しています。

この拡大図を見ると、まるで毛細血管のように無数の枝沢=谷が本流に注ぎます。

この無数の支流が減水、ないし枯れる恐れがあるのです。

資料によれば「二軒小屋」付近が毎秒2トン強の減水予測で、ここは登山基地です。南アルプスの真っ只中です。

毎秒2トンは冬の渇水時は本流が干上がることになり看過できません。

 

保全策として、JR東海は「導水路トンネル」を計画。

トンネル内にあふれ出した水を集めて11.4キロメートルほど下流の椹島(さわらじま)で本流に放水、「水を戻す」という案です。

しかしこれでは根本解決になりません。水が戻るのは椹島より下流のみ、上流部には一滴の水も戻らないのです。

すなわち「人間の都合」しか考えていない保全策です。

 

 

「隣に似たような谷があるから大丈夫」?!

環境アセス書でJR東海は「周辺に同質の環境が広く分布するから影響は小さい」と記述していますが、そんな単純な話ではありません。

その谷に棲む水生生物、魚、植物はどうやって移動するのでしょう。

また簡単に「重要種の移植」を持ち出すのも、水を戻さず見捨てるという宣言であり、この言い訳は免罪符にすぎません。

そもそも重要種とそうでない命をどうやって決めるのか?

厳しい自然条件の中で南アルプスに生きる命への敬意のみじんもなく、心の震えが止まりません。

 

生き物の生息場所には皆理由があり、安易に「移植」などすべきではありません。

この7月に奥西河内(おくにしごうち)の水源調査に行って、2.350メートル地点の谷筋でツキノワグマの糞を発見しました。

山は彼らのものです。

彼らが生きる場所です。

この谷は彼らが命をつなぐ場所なのです。

この谷水を減らしては、枯らしては決してなりません。

 

「上流部の谷に水を戻せないなら、工事は中止してください」これが、南アルプスに生きる生き物と私たち登山者の思いです。

ずさん極まりない、甘すぎるアセスメントを追認した国土交通省の、リニア工事計画認可の取り消しを求めます。

 

 

(熊森から)

大井川下流

 

リニア工事によって大井川の水が毎秒2トン減少することはJR東海も認めており、その保全策として、導水路を引いて水を戻すとしています。

しかし、この保全策にはそこに生息する動植物への配慮が全くありません。

トンネルを掘るのは大井川最上流部にもかかわらず、JR東海が保全によって水を戻す場所は11.4km下流であり、大井川中下流域住民のための利水対策にすぎません。

大井川上流におけるリニアトンネル工事は、上流に生息する「谷の水を生きる糧としている多くの動植物の減少そして死滅を意味」します。

山を知り尽くした登山家が物言えぬ生き物に代わって訴えてくれたことが、熊森としてとてもうれしかったです。

 

リニア事業によって、南アルプスに生きる動植物の生息地は確実に奪われ、移動できるものは益々人里に出てくるようになるでしょう。

そして、有害獣のレッテルを張られて殺処分されていくのです。

 

リニア事業を止めるためには、世論を動かすことが不可欠です。

一体誰のためのリニアなのか。

自然を、そして、私たち人間や動植物の大切な水源の森を壊してまで必要な物なのか。

一旦破壊してしまえば、後でいくら後悔しても、豊かな自然も地下水脈も、もう2度と取り戻せないのです。

全国民が、JR東海やJR東海から宣伝費をもらっているマスコミによるリニア宣伝に騙されず、自分の頭でよーく考えて見るべきだと思います。

 

口頭弁論後の集会

 

現在、リニア市民ネットは

リニア中央新幹線訴訟の公正な審理を求める署名が始めました。

まだの方はよろしくお願いします。(署名用紙

 

次回以降の口頭弁論は、

2017年11月24日 第7回(愛知県におけるリニア被害について)

2018年1月19日 第8回(東京・神奈川におけるリニア被害について)

2018年3月23日 第9回(内容未定)

です。

ストップ・リニア!訴訟の口頭弁論をまだ傍聴されたことのない方は、ぜひご予定ください。

 

2月24日 東京地裁「第3回リニア公判」傍聴報告 裁判に頼らず、もっと反対運動を大きく!

くまもり本部から、今回も傍聴に行ってきました。

98席の傍聴席に、152名が並び、抽選が行われました。

 

●古田孝夫裁判長が被告側に鋭い質問

古田裁判長は、「事業認可の前に建設指示を出しているが、それぞれの段階での判断がもし違法であれば、最終的に工事実施計画の認可も取消しになるというのでいいですか?」と被告である国に鋭い質問を投げかけました。

国の代理人は、「次回期日までには明らかにしたい」と答えました。

 

●岐阜県民の意見陳述<リニア工事によるウラン鉱床問題>を聞いて

  岐阜県の住民が、リニア通過予定エリアは、ウラン鉱床が点在する場所なので、工事によってウラン鉱床が掘り起こされれば、放射線量が高いウラン残土はどこに持っていくのかという問題について陳述されました。

リニアは国が認可して安部政権が3兆円の公的資金を融資、JR東海という大企業が行う事業だから、きちんと調べてやっているのだろうと思われがちですが、実態は全く違います。

これまでJR東海は、岐阜県側からウラン鉱床に関して、現地調査・ボーリング調査などを求められていたにもかかわらず、文献調査やヒアリングによる調査しか行っていませんでした。

しかし、「リニアを考える県民ネットワーク」が独自で、放射線量測量調査を行い、改めて、調査を要請した結果、JR東海も調査をせざるを得なくなりやっと調査したのです。

その結果、リニアが、ウラン鉱床が生成されやすい地質にトンネルを掘って工事を進めていく事業であることを認めました。住民のみなさんの不安は大変大きなものです。

 

●裁判中にもリニア工事は進み、自然環境が大破壊されていく問題について

参議院議員会館での報告集会会場で、沿線住民の一人が、「こうやって毎回の公判で、沿線住民の意見陳述をひとりずつ続けている間に、リニア工事が進んでいく。もっと裁判のスピードを上げられないのか」と、心配の声が上がりました。

これに対して、川村晃生原告団団長は、「裁判を進める一方で、この裁判を支える運動の裾野を各地にどんどん広げ、そのことが裁判に跳ね返るようにしていくことが大切」と答えられました。

本当にその通りだと思いました。裁判だけに頼るのではなく、裁判中にも、リニアの問題点を知った私たちが、どれだけ各地域でリニア問題を多くの人に伝えていくことができるか、これがリニアを止められるかどうかの鍵になります。

リニア工事は、人間だけではなく、たくさんの野生動植物の生息場所をも奪う工事です。これほど膨大な自然を失ってまで進める価値がある事業なのかどうか、ひとりでも多くの国民のみなさんに、一度立ち止まって考えていただきたいです。

 

熊森本部が参加している「リニア市民ネット・大阪」は、来る3月4日に大阪で勉強会を予定しています。みなさん誘い合ってお集まりください。

 

 今後も、ストップ・リニア!訴訟では、意見陳述が続きます。

今後の東京地裁での公判予定日は、以下です。

2017年4/28、6/23、9/8、11/24、2018年1/19

地裁前の集会の様子

 

1月29日 東京クマ学講座 

くまもり東京都支部とくまもり神奈川県支部の共催による東京クマ学講座が、日本教育会館一ツ橋ホール707号室で開催されました。

講師は「東京のクマ」で有名な山﨑晃司氏(東京農業大学   地域環境科学部   森林総合科学科   教授)です。

「東京、そして日本のツキノワグマの今」という演題で話してくださいました。

会場風景

 

1991年から奥多摩のツキノワグマの調査に取り組んでこられた山崎先生のお話は、東京都などのくまもり会員が以前からぜひお聞きしたいと熱望していたものでした。参加者一同、全神経を集中させて聞き入っておられたことと思います。

 

先生はまず初めに、クマ保全に取り組むなら、現地に行き、地元の方とお話をし、地元の方たちの気持ちをくんであげて、その上で自分の意見を言うことが大切だと話されました。これは熊森本部もずっと言い続けてきたことで、その通りだと思います。まだ地元集落と結びついていない支部は、ぜひがんばってください。

 

大昔、日本列島の本州には、ヒグマ、ツキノワグマ、ヒョウ、トラ、オオカミたちが暮らしていたそうで、想像しただけですごいです。アジアの広大な地域に生息してきたツキノワグマですが、現在、残念ながら、分布域がどんどん縮小されているそうで、危機感を持ちました。そんな中で、日本には、まだツキノワグマがいます。単位面積当たりで見たら、日本はクマの生息密度がもっとも高い国のようで、祖先の共存文化をとても誇らしく思いました。残念ながら、九州のツキノワグマは滅びてしまいました。四国は大変危うい状況なので、山崎先生も、今年、何とかしようと決意されているようでした。熊森も、四国のクマの絶滅を止めるために、できる事をみんなで一緒にしたいです。

 

2016年に起きた秋田県鹿角市のツキノワグマと人との事故については、一体何があったのか、神のみぞ知るですが、山崎先生の推察を興味深く聞かせていただきました。それにしても、この事故があったことで、秋田のクマは推定生息数の約半分500頭近くが殺処分されてしまいました。

熊森が思うに、クマによる人身事故が起きると、いつも、研究者を名乗り、どこまで本当かわからないセンセーショナルなことを流してメディアの寵児となる人がいます。今回もそのような人の言葉を真に受けて、マスコミが、「人喰い熊誕生」、「殺人熊誕生」などと、大騒ぎしました。その結果、全国で罪もないクマが大量に殺されたのです。熊森は、マスコミのあり方に猛省を促したいです。

 

東京都奥多摩のクマについては、まず、終戦直後の1947年にアメリカ軍が上空から撮った禿山だらけの山々の写真を見せていただきました。会場からどよめきの声が上がりました。ここまで過度に人間が山を利用していたということです。今、この場所は木々で覆われています。山崎先生の調査によると、最近、山に入った時出会うクマの数や見る痕跡が増えて来ているということでした。これまでクマがいなかったところにも、クマの分布域の拡大がみられるということでした。首都という巨大な大都市のバックにある奥多摩には、今も、クマ、サル、シカ、イノシシ、カモシカ、大型野生動物たちがすべて残っているということで、本当にすごいことだと思います。1362万人東京都民の水源を支える奥多摩の山々を、調査してみたくなりました。

 

山崎先生のわかりやすいやさしい語り口に、参加者一同、参加して良かった勉強になったと、みな喜んでおられました。

 

この後、森山まり子(日本熊森協会会長)が「日本熊森協会とツキノワグマ」という題で話しました。森山会長は、人工林・自然林とも荒廃して奥山にクマが棲めなくなっている兵庫県の現状から、作今のクマの生息域拡大現象が、実は生息域の移動によるドーナツ化現象なのではないかという推察や、今、全国で実施されている「数を 推測して殺すだけ」の野生動物を物扱いした管理(=ワイルドライフマネジメント)の残酷さや非人間性を、物言えぬ野生動物たちに代わって、物言える私たち人間が声を大にして世に告発していかねばならないなどと話されました。

 

会場には山崎先生を含めて、大学の先生が3名出席されておりました。後の2人の方には、大気汚染が及ぼす森林の枯死や、ベイズ推定法でクマの生息数を推定することが不可能な理由など訳などについてミニ発表をしていただきました。おかげさまで、この講座がさらに盛り上がったと感じました。

 

会場との質疑応答では、クマの生息数推定を計算する手法が現在確立しておらず、将来も確立するとは到底思えないため、研究者たちがそのようなことに労力を費やすことへの疑問など、参加者一同が考えさせられるような質問がいくつも出て、有意義でした。

 

今回の学習会で発表してくださったみなさん、会を企画してくださったみなさん、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。今後の熊森活動の力にしていきましょう。

 

講演会「ツキノワグマと人との共存のために」最終案内

・東京クマ学講座「ツキノワグマと人との共存のために」が明日1月29日に開催されます。

まだ席がありますので、ぜひご参加ください。参加者募集中です!

チラシはこちら

クマ学講座「ツキノワグマと人との共存のために」

日時:2017年1月29日(日)
開演13:25〜16:15(開場:13:00)
場所:日本教育会館一ツ橋ホール707号室
(東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2)
主催:日本熊森協会 東京都支部・神奈川県支部
資料代:500円
定員:100名
講師:山﨑晃司氏(東京農業大学教授)
「東京、そして日本のツキノワグマのいま」

森山まり子(日本熊森協会会長)
「日本熊森協会とツキノワグマ」

講演会後、会員の懇親会を予定しています。

申し込みは下記まで
メール:kumamori.tokyo.kwsk@gmail.com(東京都支部)
電話:0798-22-4190 (本部)
Fax:0798-22-4196 (本部)
当日参加も歓迎します。

5月20日午後1時、東京地裁前にお集まりください リニア認可取り消し求め提訴

可能な方は、ぜひ、東京地裁前にご集合ください

提訴日 2016年5月20日(金)     

午後1時  東京地裁前集合     

午後1時半 提訴     記者会見(司法記者クラブ)     

午後3時  参議院議員会館B105会議室にて、訴訟スタート集会  

夕刻    品川駅港南口でリニア認可取り消しを街頭で訴えます

 

国民は、熊本地震から何を学んだか。

リニアなんていらない。国土破壊、国土弱体化の最たるものです。

提訴によって、運動が少し大きくなってきました。

市民の力で、さらに大問題にしていきましょう。

子や孫のため!全生物のため!

 

2016年5月12日(木) 以下、ヤフーニュースより

リニア反対の住民ら、5月20日提訴へ 認可取り消し求める

2027年に東京―名古屋間で開業を予定しているリニア中央新幹線について、反対する沿線7都県の住民ら約740人が、国を相手取り、JR東海の計画を認可した処分の取り消しを求める訴訟を20日に東京地裁に起こす。原告団が12日、東京都内で会見して明らかにした。

 

原告は沿線の居住者や、土地や家などを持つ人ら。弁護団の説明では、JR東海が公表している工事計画の環境影響評価について、自然環境破壊や騒音、振動などについての調査や評価が不十分で、「認可の要件を欠き、環境影響評価法に違反する」などと主張していく。

 

弁護団共同代表の関島保雄弁護士は、「トンネル掘削で出る東京ドーム50杯分とも言われる土の行き場さえ決まっていない。それ以外でも河川が枯れたり、景観が破壊されたりするなど、膨大な被害が起きることが予想され、訴訟で問題点を問いたい」と話した。

 


			

第8回くまもり東京シンポジウム

さる11月22日、第8回くまもり東京シンポジウムが、お茶の水女子大学で開催され、117名のみなさんがご参加くださいました。良いシンポジウムだったと思います。

 

 

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シンポジウム会場風景

 

まず最初に、くまもり東京都支部川崎支部長が、「環境省は現在、増えすぎているとして、大型野生動物たちを大量捕殺する政策ばかりを進めていますが、問題の原因を作った人間たちについては全く反省がありません。今回のシンポジウムが、このようなことを考えるきっかけになるように願っています」と、あいさつされました。

 

続いて、一般財団法人 日本熊森協会の森山会長が、会の名前になぜ熊という字が入っていなければならないのかを、わかりやすく説明されました。

また、人間は、トラやライオンのような肉食獣とも共存しなければならないことを思うと、ほとんど植物食といっていいような雑食動物である熊とは、祖先もこの国で共存してきたし、これからも共存できると話されました。

ただ、現在、多くの山で、増えたシカによって自然林内の下層植生が消えてしまい、熊がシカによって山で棲めなくなっているという危機的な状況にあることなどを紹介されました。

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環境省資料より

 

続いて、公益財団法人 奥山保全トラストの室谷理事長が、「日本では、土地所有権というのは大変強い権利です」として、ナショナル・トラストという手法が、自然を守る手段として大変有効であるという話をされました。

 

この日のメインは、信州大学山岳科学研究所の高畠千尋さんの講演「クマが人里にやってくる理由」でした。

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データの結果を説明する高畠さん

 

28頭のクマにGPSの首輪を装着したことによって得られたデータが、高畠さんによって次々と発表されました。

これによってわかってきたことの一つとして、人間が住みやすい平地や里山は、クマたちにとっても住みやすい、そして、住みたい場所であるということです。クマが人里に出てくると、現在、大問題にされますが、クマたちは、できる事なら、山岳地帯ではなく平地や里山に住みたいと思っているということでした。

 

下の本(信州大学山岳科学研究所出版)には、高畠さんの研究論文も入っています。今回、東京都支部が高畠さんをお呼びしたいと思うに至った本です。とてもいい本なので、熊森会員のみなさんにも是非読んでいただきたいです。

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今回の講演内容等は、何らかの形で文字にして、会員のみなさんにお伝えしたいと思っています。

この後は、大阪府で誤捕獲されたツキノワグマ「とよ」の救命までの道のりを13分でまとめた動画の上映や、東京都で今年有害捕殺された5頭のクマたちの報告、関東地区の熊森支部の支部長のみなさんによる活動報告などがありました。

 

準備してくださったみなさん、ご参加くださったみなさん、ご苦労様でした。

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