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これはおもしろい、読み応え十分、一気に読破 林将之著「葉っぱはなぜこんな形なのか?」

図鑑分野でベストセラーとなった「葉で見分ける樹木」など、樹木図鑑を次々と世に出される一方、今や講演など各方面で大活躍されている日本熊森協会顧問でもある林将之先生(1976年山口県生まれ)が、上記名の初エッセイ集を5月に講談社から出されました。

 

「葉で見分ける樹木」図鑑は大変優れもので、熊森本部スタッフたちも山行き時に必携となっていますが、今回の、「葉っぱはなぜこんな形なのか?」の内容に関しては、中身が予測できず、日本熊森協会本部に送られてきたものを、とりあえず読んでみることにしました。

葉っぱはなぜこんな形なのか? 植物の生きる戦略と森の生態系を考える

表紙の葉っぱの絵の中に、クマとシカの小さな絵が入っています。なぜかな?読んでみてのお楽しみ。

 

感想の前に、まずこの本で、林将之先生が24歳の2000年に「このきなんのき」という樹木鑑定サイトを主管して立ち上げておられることを知りましたのでご紹介しておきたいと思います。樹木の写真を送って名前を尋ねると、先生をはじめ、いろいろな市民ボランティアがかかわって、無料ですぐに名前を教えてもらえるのです。すばらしい市民サービスですね。

さっそくサイト内をのぞいてみました。大変利用しやすくなっています。こんなサイトを作ってくださっていたのか。林先生らしいなあと思いました。みなさんも大いに利用してください。

 

さて、この本の感想ですが、私たち熊森はこれまで最高の研究者についてもらって、ずいぶんいろんな樹木について勉強してきましたが、この樹木の葉っぱが、なぜ不分裂葉、なぜ分裂葉、なぜ全縁、なぜ鋸歯縁、なぜ単葉、なぜ羽状複葉など1回も考えてみたことがありませんでしたので、大変新鮮でおもしろかったです。

 

知識偏重の世の中ですが、先生が言われるように、自然界はわからないことだらけだけれど、まず、固定観念なしに自分で考えてみるという姿勢が、とても大切だと思うようになりました。先生は、本書に書いたことは筆者の知識を基にした主観であり、科学的な根拠をしっかり確かめた訳ではないと断られています。もちろん集めた葉っぱの枚数は10万枚に上るということで、膨大なデータがバックにあってのこと。単なる無責任な思い付きではありません。

 

どうしてこの本が楽しいのかというと、指導教官の顔色や所属学会の評判、他人の指摘やバッシングなど気にしてカチカチにならざるを得ない学問の世界の中で、林先生がそのようなことを一切気にせずに全く自由に考え自由に発言されているからだと思います。先生の中に強さや自信があってのことでしょうが、本来学問はこのように自由に意見交換されるべきものだろうと改めて思いました。論文ではなくエッセイなら思い付きでいいのだと思いました。一読者として、先生と一緒になって考えながら読み進められました。もちろん、読み終わってから、樹木の葉っぱを見る目が変わってきたのは言うまでもありません。世界がまた新しく大きくなりました。

 

林先生ありがとうございましたと終わりたいところですが、実はこの本、題名からはわかりませんが、約5分の2のページが、クマ、シカ、オオカミの問題や自然と人間の関係について述べられているのです。先生の知見がどんどん広く大きくなっていっておられるのを感じます。ここでも先生は、この本は、論文でもなければ知識を紹介する本でもなく、僕の考えを紹介するエッセイと断って、これまた林先生の自由闊達な所見が述べられているのです。ふーん、そのような考え方もあるのかと、妙に感心したり影響を受けたりしてしまいます。自然界のことは、神のみぞ知るの世界なので、神でない私たち人間としては、全く普通の一市民として、正直に思うまま自由な議論を気楽に出し合えばいいのだと林先生の初エッセイ集から教わりました。林先生のさわやかで正直な人間性が伝わってくるエッセイ集でもありました。今回の出版を心からお祝い申し上げます。

 

今後、日本熊森協会としては、林先生の講演会を企画していきたいですし、その時には、この楽しくしかも考えさせられる本をたくさん仕入れて、おすすめ本として販売しようと思いました。

 

 

 

 

アメリカで広がるダム撤去 映画「ダムネーション」(パタゴニア制作)公開のお知らせ 

「川に情熱を傾ける者たちが社会の流れを変えた。」

アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。

<中略>

だが、「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレージー」と言われながらも川の自由を求め続けた人々の挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起きるドキュメンタリー。

制作責任者はパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。共同プロデューサーは生態学者で水中写真家のマット・シュテッカー。

http://damnationfilm.net/より引用)

東京 渋谷アップリンク 2014年11月22日(土)~
横浜 シネマ・ジャック&ベティ 2014年12月6日(土)〜
大阪 シネ・リーブル梅田 2015年1月10日(土)〜
名古屋 名古屋シネマテーク 2015年 年明け予定
神戸 神戸アートビレッジセンター 2015年1月24日(土)〜
福岡 中洲大洋映画劇場 2015年1月17日(土)〜

また、市民上映会の申し込みも上記ウェブサイトよりできます。

 

熊森から

年末年始、映画は「DAMNATION」を見てみましょう。熊森は、日本でも、クマたちの生息地にサケが遡上する川をとりもどしてやりたいと願っています。

 

汐文社 新刊書 「クマに森を返そうよ」 沢田俊子著が大好評

うれしいニュースです。今年3月に「クマに森を返そうよ」 という児童書(小学校高学年以上)が出版されました。

s-クマに森を返そうよ

 

昨年、ひょんなことから、売れっ子の児童文学者沢田俊子さんが、最新の日本熊森協会を取材して、本を書いてくださることになりました。出版社は、「はだしのゲン」出版などで有名な汐文社です。

 

今回の出版は、外部の方が熊森の活動を取材して本を書くという、初めてのケースです。当協会としては、100%ガラス張りで、何を見てもらっても何を聞いてもらってもいいという姿勢で、取材に対応させていただきました。

 

沢 田さんは、山奥でもどこでもわたしたちに付いてきて、ご自分の目や耳で熊森活動を確かめて歩かれました。私たちが話題に出した人物には、実際に会って直接話 を聴かれました。

当協会を指導して下さっている研究者のご自宅にも同行され、研究用に栽培されている各種ブナ科植物や、研究用に飼育されているブナ科植物 に付くいろいろな虫たちを見せていただき、その後は、いっしょに奥山原生林を歩いて、奥山生態系の現状も学ばれました。

驚いたのは、他の研究者や団体がどう言っているかまでいろいろ調べておられました。

見事なまでの科学的態度です。というか、人間としての誠実さでしょう。

 

 

ヒグマについては、ヒグマの会山本牧副会長が平成24年に東海大学札幌校舎のフォーラムで講演された記録「ヒグマはなぜ里に近づいてくるのか」も読まれました。その中に、

 

1970年~1980年までのヒグマの糞調査の結果、98%が植物質、残り2%は、アリ・ザリガニで、ほとんどベジタリアンだった。しかし、近年、人間が山でエゾシカを撃って放置するようになってから、シカの死体を食べるヒグマが出てきた

 

という記述があります。沢田さんは、人間が、クマの食性まで無茶苦茶に壊していっている現状に、胸を痛めておられました。

 

私たちは、沢田さんの取材ぶりを見ていて、沢田さんの本がどうして子どもたちに受けるのかが、わかってきたような気がしました。

徹底して現場を取材され、ご自分の目や耳で確認して、疑問点は徹底的に尋ね、中立の立場で子ども目線で書いていかれます。

その後ろには、少女のような好奇心と、どこにでも飛び出していく行動力、良く調べたことでないと書かないという、大人としての責任感があります。

 

<一般読者からの感想>

一気に拝読!泣きました。「これは子供だけでなく、大人も読む必要のある本だ!」と叫びそうになりました。

 

<熊森から>

まだの方は、是非、お買い求めください。最新の日本の森や野生動物の現状がわかる本です。

 

<必読> 熊森顧問・橋本淳司先生著「日本の地下水が危ない」 (本日発売)

<以下、橋本先生のブログから転載しました>

・・・・

本日「日本の地下水が危ない」が発売になりました。

【日本の地下水が危ないオフィシャルサイトOPEN】
http://www.aqua-sphere.net/chikasui/

数年前から、
「日本の水源が外国資本に買われている」と
メディアで報じられています。

しかし真相は闇のなかと言われてきました。

私は外国人と実際に接したという
不動産業者や地主などに会って話を聞き、
具体的な動きをつかみました。

また対策を立て始めた
国や自治体の現場も取材しました。

「地下水保全条例」を策定した自治体には、
北海道、埼玉県、群馬県、茨城県などがあります。
しかし、これらの条例の目的は、
「土地の取引を見える化」であり、
水資源保全とは直接関係ありませんでした。

何かおかしい。

私は取材をしながらずっと、
この問題の本質は何だろうと考え続けました。

取材を進めるうちに、
外国資本の買収とその対策を講じる日本というのは、
問題の一部分に過ぎないことに気づきました。

グローバル化の流れにのって
水や土地を売ろうとする日本人もいます。

国家の力を強めて水への支配を強化する動きもあります。

水源をめぐる問題は複雑に絡み合っていました。

さらに各地の地下水が枯渇に向かっているという
事実もつかみました。

汲み上げすぎが原因ではなく、
涵養(かんよう・地表から水をしみ込ませること)不足が
原因でした。
水どころの熊本市周辺では、
地下水位の低下は5メートルにもなります。

水源地をめぐって
いろいろなことが起きているにも関わらず、
あまりにも知らなかったことが多く、
驚きの連続でした。

水は生活していくうえで欠かせないものです。
それなのに知らないことが
多すぎませんか?

水道からは永遠に水が出てくるというのは、
幻想に過ぎないかもしれません。
私たちの知らないところで、
水の奪い合いは起きているのです。

どうぞ本書をご高覧いただき、
また、多くの方におすすめいただければと存じます。

●以下はネット書店アマゾンのリンクです
http://amzn.to/113RIVu   橋本淳司

・・・・

<熊森からのお知らせ> 第9回熊森滋賀県支部の集いで、橋本淳司氏が記念講演

「水をとりまく問題と水源の森」 参加費無料

【日時】2013年2月23日(土)午後1時30分 ~5時00分

【場所】大津市木戸市民センター(旧志賀町役場)3階 大会議室

[JR湖西線志賀駅下車徒歩5分][無料駐車場 有]

【内容】

1:00 ~   開場・受付

1:30 ~   滋賀県支部活動報告

橋本淳司氏講演

4:30     閉会予定

【主催】日本熊森協会滋賀県支部      【後援】滋賀県

参加希望者は、Tel・Fax 077-548-9226  

E-mail   kumamorishiga@yahoo.co.jp
日本熊森協会 滋賀県支部までお申し込みください。

体が恐怖で震えるお勧め本 「ハチはなぜ大量死したのか」

「ハチはなぜ大量死したのか」ローワン・ジェイコブセン著 仲里京子訳 2009年文藝春秋発行 1905円

アインシュタインが「蜂がいなくなったら人類は4年しか生きられない」と予言した話は有名です。実際今、2007年春までに、北半球の西洋ミツバチの4分の1が消えたそうです。

ミツバチの集団失踪、これはアメリカではCCDと呼ばれています。コロニー・コラプス・ディスオーダー。

農薬、単一作物栽培、遺伝子操作作物、抗生物質の多用、ストレス、栄養不足、ダニ、細菌、電磁波、様々な原因が考えられますが、今のところ原因は不明です。ミツバチの集団失踪について、知れば知るほどこわくなってきます。

人間が、経済の為にハチの体を改変し、本来のハチではないものに変えてしまったのです。

牛を、経済の為に本来の牛の体ではないものに変えてしまったのと同じ構造です。

この本を読んで、私たち人間がどれほどハチの恩恵を受けていたのか知りました。

そのハチに対して、人間が行ってきた非人道極まりないことを知って、おぞましくなりました。人類全体が、他生物の迷惑や悲しみや苦しみなどつゆも考えられなくなり、自分勝手なことをしてきたこと、今もしようとしていること、これらは絶対に許されることではないでしょう。

1999年に当時の環境庁が導入したワイルドライフマネジメント(日本語訳:野生動物保護管理)もその典型です。なぜ野生動物たちは研究者に恐怖の捕獲を受け体に印をつけられ、研究者が決めた生息数に一定するように、毎年殺されて調整されねばならないのでしょうか。

「森を返してほしい。森さえあれば、人間の所になど出て行きません」私達にはこのような野生動物という弱者の声なき声が聞こえてきます。環境省が地元の人たちに呼びかけている「殺生の勧め」は、地元の人たちを今以上に不幸にするものであると、私たちはこのことにも胸を痛めています。

和歌山県 切目川ダム建設を止めたい一心の方々と、(祝)今本博健顧問先生誕生

和歌山県日高郡の豊かな自然を、何とか子や孫に残してやりたいと願う心やさしい地元グループの方々が、予定されている切目川ダムの建設は大自然破壊になるとして、10年以上も建設を見直してほしいと要望し続けてこられました。しかし、この度、和歌山県庁は国に対して、地元からの反対の声はないので、ダム建設を進めてほしいという答申を出したそうです!

切目川ダム建設を止めたい一心の地元グループの方が、熊森に相談を持ちかけて来られました。さっそく、8月27日、前からぜひお会いしたいと思っていたダム専門家の京都大学名誉教授の今本博健先生の所へ、和歌山県熊森会員や地元グループの方々といっしょに相談に行ってきました。以前、原子力村ならぬダム村におられた今本先生は、これまでたくさんのダムを造り続けてこられました。しかし、ダムは治水に役立たないどころか、弊害の大きさを考えるなら、造ってはいけないと思うようになられました。そして、ダム村を出られたのです。

予想通り、今本先生の全身からは、誠実さがあふれ出ておられました。わたしたちは先生から、ダム建設の膨大な利権を教わってあきれ果てました。地元有力者や政治家が、全国にダムを造ろうとするわけがよくわかりました。原発と全く同じ構造だと思いました。人間は欲に目がくらむと、嘘やごまかしが平気で言えるようになります。子や孫や他の生き物たちがどうなろうが、国土がどう荒れようが、お金儲けの方が大事になります。つまり、他者を愛することが出来なくなるのです。国を愛することもできなくなるのです。そして、全身から不誠実さがあふれる人になるのです。気づかぬは本人だけです。

しかし、ラッキーなことに、ほとんどの圧倒的多数の一般国民は、利権とは無縁に生きています。この大多数を占める国民が声をあげたら、今の日本では、ダム建設は止められるそうです。いろいろと先生から知恵を授かって、地元グループの方々も希望を胸に元気よく帰られました。

いつか会報に、今本先生のお話をまとめたいと思いますが、その前に、全会員と全国民に、先生のご著書をぜひ一度読んで頂きたいと思います。一言感想を言うなら、今本先生、よくぞこの本を書いてくださいました!です。

熊森にも、山崩れや砂防ダムなどについて、いろいろとアドバイスをいただきました。先生には今後もいろいろと教えていただきたいので、顧問をお願いしたところ、快く受けてくださいました!これで熊森はまたいっそう強くなれそうです。感謝でいっぱいの一日となりました。

『ダムが国を滅ぼす』

「週間SPA!」ダム取材班

扶桑社

くまもり推薦図書 「いつの日にか きっと」

くまもり推薦図書に、『いつの日にか きっと』(文芸社出版 山形文雄 作  田中佑子 絵)という絵本が付け加えられました。
著者は、人間による森林開発とヒグマがたどらねばならなかった運命を、北海道を舞台に子供にも分かりやすく誠実に書ききっており、大変優れた感動の書です。

内容もすばらしいですが、絵の方も最高です。
この本は、今年で二回目になる第二回くまもり読書感想文コンクールの課題図書に指定されました。ぜひ、大人にも子供にも読んでいただきたいです。

フィード

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