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くまもり本部 近畿とは違う、九州の人工林を視察

7月19,20日、熊森協会本部から九州におもむき、熊本県支部長、宮崎県支部長、福岡県支部長、平野虎丸顧問や現地の熊森会員と共に,熊本県、宮崎県、大分県の山々を現地視察してまわりました。

 

移動中の車窓から眺める景色は本当に人工林ばかりで、九州の人工林の多さには愕然とするものがありました。

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九州の山は、ほとんどがスギの人工林

 

●地震による山崩れ跡と、豊かな湧水(熊本県)

熊本県阿蘇に入り、まず目についたのが今年4月の地震で崩壊した山々の姿でした。

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地震による山地崩壊

今回の地震で崩れた場所はその多くが人工林でした。しかし、そのような観点では報道されていないので、人々は<人工林が土砂災害の大きな原因>となったことにあまり気づいていないそうです。

 

阿蘇周辺では湧水が非常に多く、とてもきれいでした。毎分60トンもの水が湧きだす場所もあるそうです。高森町では湧水をいただきました。クマが絶滅した九州で、こんなにきれいな湧水が出るのを不思議に感じました。昔はもっとたくさんの湧水が湧いていたということです。私たち若い世代は、過去の自然の姿を知らないので、つい今の自然の状態だけで判断してしまいます。

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湧水(熊本県高森)

 

●九州では、皆伐してもすぐに森が再生

今回、九州の山を視察しに行った目的の一つは、九州の支部長の皆さんが、「九州では皆伐後、シカ柵を張ったり植林したりしなくてもすぐに自然林が回復する」と言われるので、この目で見てみたいと思ったことです。

 

実際に九州の山に入って驚きました。

皆伐して一年放置されていた山が、すでにパイオニア種であるヌルデやネムノキ、カラスザンショウなどの稚樹や、ノイチゴなどの下草に覆われていました。近くに広葉樹林が残っていたので、今後、次々と種が飛んできて立派な自然林に回復していくと思われました。

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人工林を皆伐して1年後の跡地(熊本県山都町)

 

下の写真は50~60年放置されていた牛の放牧場跡です。見事に自然林に復元しています。

皆伐後50~60年の山

皆伐後50~60年の山(熊本県)

 

奥山保全トラストが6年前に購入した宮崎県高千穂の人工林の皆伐跡地を見に行きました。沢の対岸から眺めただけですが、見るからに自然植生が回復しており、樹高が6~7mくらいに成長していると見られる木々もありました。九州では、わずか6年でこれほど回復するのかと、とても驚きました。もちろんどこも、シカ柵は張られていません。

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皆伐後6年の山(宮崎県高千穂)

 

自然林再生がむずかしい現在の兵庫の山

下の写真は人工林皆伐後3年たった兵庫県宍粟市の広葉樹植樹地です。シカ除けネットの外はもちろん、中にもほとんど下草が生えてきていません。

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人工林皆伐3年後 2015年8月28日撮影(兵庫県)

 

この違いは?

兵庫県のシカ年間捕殺数は4万6千頭、宮崎は2万5千頭、熊本は2万頭、どちらにもシカはたくさんいそうです。九州と兵庫の自然再生スピードの違いは、シカの密度差?気候差?他にも理由がありそうです。

 

●バイオマス事業の為に皆伐

九州では林業が収入になるということで、皆伐がかなり進んでいました。近年急速に需要が進んでいるのが、バイオマス事業です。これまで売れなかった木材がある程度の値段で売れるということで、林業界は活気づいていました。しかし、バイオマス発電に使われる木は、どんな木でもいいので、バイオマス事業を中心に林業を進めていくと、人工林を放置したり、自然林を伐採したりすることも考えられます。

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バイオマス事業のために皆伐された山(宮崎県)

 

熊森は林業を否定しているわけではありませんが、木材生産に使う場所、バイオマスに使う場所、そして動物がすめる自然豊かな水源の森にする場所などと、山をゾーニングすることがとても重要だと考えています。今のように、目先のお金のために人間が山を全部使うというやり方では、貴重な自然や生物の多様性、水源の森が失われてしまいます。

 

●ストップ・ザ・スギ再植林

残念ながら、九州では人工林の皆伐跡地は、ほぼ必ずスギを再植林していました。手厚い補助金が出るからです。

九州では、人工林皆伐跡地でも、放置しておくだけで簡単に自然林に移行していくのですから、何とか植え過ぎた人工林を自然林に戻していけるよう、熊森がその流れを作っていこうと、支部長さんたちと話し合いました。

再植林したものの、その後、放置されて、自然林に戻りつつある山もありました。

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再植林地が放置され、自然林へと移行

九州で再植林がさかんなのは、九州の山林所有者のみなさんの考え方として、人工林は手入れされたきれいな山で、雑木林は管理されていないきたない山であり、自分の山が雑木林になるのは恥ずかしいという意識があるのだそうです。そのため再植林したものの、その後の管理は補助金で補いきれないので、結局山は放置され、雑木林に戻っていく例もあるようです。

 

●自伐林家の手入れされた美しい人工林

最後に、山を非常にきれいな状態で保っている宮崎県の自伐林家の方をご紹介します。自伐林家は自分の山を間伐し、山が崩れないように手を入れてていねいに木を育てます。本来であれば60年生ほどの太さと思われるスギが、まだ45年しかたっていないというのでとても驚きました。下草もたくさん生えているとても綺麗な山でした。

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林床にはキレンゲショウマの花が一面に咲いていた(宮崎県高千穂)

 

他県の支部の山を見せていただいたことで、また、いろいろと勉強になりました。ご案内くださったみなさん、本当にありがとうございました。

 

 

 

林野庁を林業から解放し、奥山の国有人工林を、まず自然林にもどすべき 参考書籍:里山資本主義

わたしたちが、人工林率60%70%80%という、針葉樹一辺倒の奥地の行き過ぎた人工林の大変な弊害を訴え続けて22年。

しかし、台風や大雨という自然の力が人工林を倒していく以外、人工林は放置されたままで、一向に、人為的な力による

人工林→自然林

の転換が進みません。

奥山生息地を壊された野生動物たちは人里に出てくるしかなく、哀れにも、人間によって有害獣のレッテルを張られ、大量殺害を受け続けています。

 

国や研究者、行政の指導で、地元の人たちの中には、動物を殺すことが当たり前のように洗脳される人たちが出てきているようで、心配です。

殺生をしない。生き物の命を大切にする。

これは、日本人のすばらしい特性であったはずです。この文化があったからこそ、日本には自然が残り、豊富な水があり、今日の繁栄があるのです。

自然を守るには、自然への畏敬の念や、同じ生きとし生けるものとしての生き物への深い愛情があればよく、高度の学問も研究者も科学技術も不要です。

 

かくなる上は

林野庁を林業から解放し、奥山国有人工林を自然林に戻していっていただく

しかありません。

 

林野庁に電話をして、前提となる現在の債務について尋ねてみました。

<林野庁債務> 2014年1月31日現在

一時期3兆8千億円まで膨らんだ累積赤字ですが、1997年、2兆8千億円が、国により補填され、残り1兆円の債務(国や銀行から借りたため、返さなければならないお金)となりました。

しかるに、この1兆円の赤字ですが、現在、1兆2700億円まで膨らんでしまいました。

林野庁はこれまでの特別会計から一般会計になり、職員の給料は国から出るようになりました。

あとは、木を伐って売って、1兆2700億円の債務(内訳、銀行に8000億円、財務省に4700億円)を返していけばいいだけです。

ちなみに、平成24年度返還できたのは41億円だそうです。これでは永遠に、林野庁は奥山の木を伐り続けなければなりません。

 

熊森は、2兆8千億円に引き続いて、1兆2700億円の債務も、国が補填して下さることを望みます。戦後の森林政策が失敗したわけですが、これは、林野庁だけに責任があるものではなく、行き過ぎた拡大造林に反対する声を上げなかった国民にもあると思います。

林野庁が林業から解放され、奥山国有人工林が保水力豊かな自然の森に戻されていくなら、国民にとってはこちらの方が、はるかにメリットがあると思います。林業は、里山民有林で行うようにすれば、伐り出しも簡単になります。(以下、参考書籍)

 

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林野庁を、森林保全庁とし、今後は森林保全業務のみ行うようにしていただくことを提案します。

みなさんは、どう思われますか。

平野虎丸顧問、むかしの熊本の山を語る

熊本の林家に生まれ育って75年、当協会顧問平野虎丸氏が、野鳥密猟Gメンの活動に忙しい中、合間を縫って、熊森本部事務所を訪れてくださいました。戦後の拡大造林などで、人間が自然生態系を破壊してしまう前の、熊本の山の話をしてくださいました。若いスタッフたちもみんな、目を輝かせて長時間聞き入りました。

 

自然を守るといっても、人間が余りにも今は何もかもに手を入れ過ぎてしまったので、今の人たちには、どんなのが自然の生態系なのかわからなくなっています。どれも大変興味深いお話でした。ほんの一部ですが、ご紹介します。

 

Q1:NHKクローズアップ現代が,かつて、シカが増えなかったのは、狩猟圧があったからだというのですが。

A: 自分の所では、考えられない。昔は、今のように山に道路がなかったし、もちろん車もなかった。シカは、当時、早朝家を出て昼にやっと到着するような奥山にいた。そこまで、道なき道を斜面をよじ登っていくん だが、普通の人が行けるようなところではなかった。昔は、銃の性能も悪かった。猟師でも、年に1~2頭シカが獲れたらいいとこ だった。

 

Q2:NHKが、増えたシカが生態系を壊しているというのですが。

A:人間は何を勘違いしている のでしょうか。生態系を破壊しているのは人間です。野生動物には、本来、生態系を破壊するほどの能力はありません。野生動物は銃も機械も使えず、林道もコ ンクリート道路も大きなダムも造ることが出来ません。原生林を伐採したこともありません。一斉造林をしたこともありません。野生動物が、人間よりも大きな自然 破壊力を持っていると、本気で信じているのでしょうか。森を破壊しているのは人間であることぐらい、小学生だってわかります。生態系を破壊しているのは人 間です。

 

Q3:拡大造林前の自然の山には、実のなる木がありましたか。

A:いっぱいあったです。山の中には、野生の柿や栗もたくさんありました。柿や栗は、どれも幹の直径が70センチぐらいの巨木でした。今栽培されている柿の木は、毎年実るでしょう。あれは人間が接ぎ木したものだからね。特別であって、自然じゃない。山に自然に生えていた柿の木は、数種類あって、成り年が微妙にみんなずれていた。その結果、毎年どれかの実がなっていました。実はどれも小さかった。種類によって、指の先ぐらいの実もあれば、ピン球ぐらいの大きさの実もあった。実は小さかったが、もうびっしり大量になるんです。今のように何の実りもない年とかはなかった。栗もね、実は小さかったが、びっしりなっていた。

 

Q4:山の生き物は多かったですか。

A:鳥がいっぱいいた。クマタカがうちの猫や鶏小屋の鶏をしょっちゅう獲っていった。蛇は1回山に入ると、10匹~20匹ぐらい出会った。昔の山にはハチがものすごくたくさんいた。ハチは大切な役目をしている。1度、巨木を伐ったら、ハチが怒って攻撃してきて、ひどい目にあった。その木に、ハチが巣を作っているのがわからなかった。地上10メートルぐらいの所に巣を作っていたようだった。ハチは、木のいろんな高さの所に巣を作るからね。昆虫は、もういっぱいいたから多すぎて気にもかけなかった。里山にはタヌキ・ウサギとかいろいろいた。マムシも沢山いたが、マムシは匂いがきついので、いるなとすぐわかる。独特のにおいだ。それで人間は注意するので噛まれることは無かった。

 

Q5去年、人工林を中心に、熊本でも、山があちこちで崩れましたが、人工林の根が小さいからですか。

A:植林した木が、成長して重くなってきたのです 。植林スギは根が小さいので、重くなった自らの体重を支えきれなくなって、どんどん崩れ始めました。これからますます崩れて来ますよ。

 

 

 

3月26日 職員研修で林業体験を希望している企業を、お手伝い 

6月に予定されている若手幹部研修会で、林業体験をさせたいという企業が熊森本部に来られました。奥山には間伐してほしい山がたくさんあります。スタッフの若者たちが下見に来たので、現地をご案内し、地元の方につなげさせていただきました。3月の末というのに、地元は雪が舞っていました。

6月に最適の皮むき間伐を、くまもり本部スタッフが放置人工林内で実演

どんなに努力しても、過疎化高齢化が進んでいく地元集落。「地元には、チェンソーを使える者も、もうほとんどおらず、地元に山はもう守れない。国民全体で守ってもらいたい。20世紀の人間中心文明は失敗した。これからは、水を制する者が世界を制する時代。水源の確保は、国の重要政策でなければならないはずだ…」地元のリーダーの話す内容は、どれも重く、現実そのものでした。

山は緑であればいいとしか思っていなかった都会の若者たちにとって、考えさせられることの連続の下見だったようです。6月の研修は50名でされるとか。成功を祈ります。

この場所は、人工林皆伐跡地で、地元の方が、植樹や下草刈りをしていただけたらと望んでおられる場所です。

3月21日広島地裁判決 細見谷林道 補助金は違法だが返還は求めず

廿日市の細見谷林道建設問題で、地元西山林業組合への廿日市市からの補助金は公共性が無い、貴重な生態系が残る渓畔林を破壊する事業にも公益性がないと指摘して、地元市民6人が市に対して07、08両年度の補助金計約425万円の返還を求めていた裁判で、広島地裁は住民の訴えを棄却しま した。21日の判決で広島地裁の金村敏彦裁判長は「補助金を出すことは公共上の必要がなく違法」としましたが「交付は20年以上前から続き問題視する声もな く不法行為などはなかった」として、住民の訴えを棄却しました。原告代表の金井塚務さんは「形式的に負けて実質的に勝った。今回の判決は(環境)保全のた めのスタートを切った」と話しました。

(03/21 18:28)

動画を見る

2/6、2/16 本部森再生チームが木材市場視察

本年4月から、現在破たんしている国産林業を立て直す目的で林野庁が菅首相当時に策定した「森林・林業再生プラン」が施行されます。この事業は、ドイツ林業をまねて山中に作業道を網の目のように造り、そこへ高額の大型林業機械を導入し、林業の工業化・効率化をはかり、木材自給率50%をめざすものです。

森林という言葉が使われていますが、実際は森のことには全くふれられておらず、官僚の皆さんが机上の上で考えられた「平成24年からの林業再生事業」です。

2005年にドイツを訪れ、すでにドイツ林業について調べていた熊森は、ドイツの平地林業を日本に導入するには無理があるとして、このプランが国に出された2010年、何度もこのプランについて熊森本部で学習会を持ち、熊森林業家会員達の声も聴いて

「このプランが実施されると、いっそう山が荒廃してしまう」

として、何度も何度も上京して林野庁や国会議員に修正を願い出ました。しかし、ほんの一部の提案しか受け入れてもらえず、このプランには今も危機感でいっぱいです。

これまでの切り捨て間伐のみの事業には、もはや国からの補助金は出ません。今春からは搬出間伐を伴う事業にしか林業補助金は出ないのです。

搬出した木材は売れるのだろうか。本部森再生チームのメンバーから8名が、木材市場を見学しました。

この日の原木の中値は、スギが1㎥が約9000円、ヒノキが1㎥が約18000円で取引されていました。価格は低迷したままでした。買い手のつかない原木もありました。今春からどんどん間伐材が市場に出て来ると思われますが、需要が無ければ山積みされていくだけです。どうなるのでしょうか。

熊森は、複雑極まりない自然界のしくみを知らず、大切な国民である野生鳥獣や現場作業員の声を無視した工業化林業をめざすこの国策の結末を見続けていきます。

群馬県 「学術捕獲名でツキノワグマを有害駆除許可」 に対する群馬県支部の取り組み

数年前から、わたらせ森林組合及び桐生広域森林組合等から、「熊剥ぎ」による林業被害対策として、熊を有害駆除できるようにしてほしいという請願が、県に毎年出ていました。

今年の6月29日、群馬県がこの件に対して回答しようとしているという情報を得、群馬県支部は、6月27日には電話で、翌日の28日には県庁に赴き、担当部長さんと面会して、今回の有害駆除は前例が無く違法であると訴えました。

しかし、県は7月中旬~8月中旬の期間限定で、桐生市とみどり市において、クマを学術捕獲名で有害駆除する許可をおろしました。

群馬県支部は、すぐにわたらせ森林組合に電話し、熊森の考えを伝えました。そして、7月11日会員6名で現地調査に赴きました。

現地被害箇所2ケ所を確認し、数人の林業家に状況を聞き、わたらせ森林組合の事業課長さんと話し合い、参事さんが用意して下さった被害写真も見せて頂きました。奥山の森林の衰退では意見が一致致しました。特に林業家や課長さんが強調されたのは、多くの林業家が経営が厳しく山を離れ廃業してゆく現在、数少なく残っている林業家も事業としてやっていけない。これ以上クマの被害が続くと森林の手入れを行う人が全くいなくなる、ということでした。熊森としては、「テープ巻等の被害対策には協力する。」「林業家の御苦労は理解するが、クマ捕獲等の対症療法ではこの問題は解決しない」など、話しました。

7月15日、県議会議員から9月の定例県議会に請願すべきではないかとの御案内を頂きました。

7月28日、県自然環境課長さん、担当係長さんに根治療法としての奥山の荒廃の現状とその保全再生活動の必要性を持参資料で説明し、「熊剥ぎ」は熊が栄養採取「ミネラル補給」で行っていると考えられるので、奥山の森林を衰退・枯損から守るために、薬剤散布・樹幹注入でなく炭撒きで酸性化した土壌中和を行い、樹木を再生する必要があることを話しました。学術捕獲は取りやめるべきと要請しましたが、昨年まで毎年県議会に森林組合等から請願が出されていたが却下をしてきた。しかし被害の実態と残された林業家の立場を考えるとやむなく許可することになった、期間は8月末までとするとのことでした。

9月06日、県環境森林部長さん、自然環境課長さん、担当係長さんと話し合う時間を設定して頂きました。

森林衰退・枯損対策等での根本対策としては、現状の「樹幹注入等」対策では結果が出ていないので、熊森群馬が実践してきた「炭撒き」による樹木再生では結果が出ているので、早急に県でも検討し協力して行う事を要請しました。会議途中に林政課の担当室長さんを呼んで頂き「ナラ枯れ・松枯れ」対策を協力し検討することになりました。また、根本対策としての奥山保全再生や「熊剥ぎ」対策を行政・森林組合・熊森群馬等で協議会を持ち、協力して対策の検討を行うことで合意を得ました。

●群馬県庁発表によると、期間中3頭の熊が罠にかかって捕殺されました。

9月07日、県議会議長あてに県議会議員2名の紹介を得て、松枯れ・ナラ枯れ対策や、野生動物達との食い分け・棲み分けができる「将来の群馬県民が安心して生きられる県土づくり」を求める請願を請願書として締切日直前でしたが提出を致しました。

以上がこの問題に対する群馬県支部の対応の経緯です。

●熊森の各支部は、地元や行政に足しげく通って、熊森活動を推進しています。会員のみなさん、応援してあげて下さい。

かつてクマたちの国だった紀伊半島最奥地の植林地を調査

かつては修験道の山で、普通の人は入れなかった紀伊半島最奥地の山々を地元の林業家の方に案内してもらいながら調査しました。よくぞこんな奥地にまでと信じられないほど、スギの人工林で埋まっていました。しかし、植えてはみたものの、林業不振で林業撤退者が続出。このあたりでもかつて30軒あった林家ですが、今では1軒になってしまったそうです。しかも、その残された林家の方も、経営は苦しく、親から林業を継いだことを後悔しているということでした。民主党が国会で成立させた「森林・林業再生プラン」について感想を聞くと、こんな急峻な山奥で大型林業機械なんて入れられないし、路網整備も山崩れの元だし・・・ここらでは無理という事でした。日本ではこのような急峻な山がほとんどなのですが。国はどう考えているのでしょうか。熊森は、林業家のためにも、このような最奥地は、野生鳥獣たちに早急に返してやるしかないと考えます。

100年スギの人工林です。手も入れてきたし、木は良く育っています。しかし、搬出コストを考えると赤字になるので、伐り出せないそうです。「こんなことになるなんて・・・」案内して下さった林家の方は落胆しておられました。

民間のスギの植林地や国による分収造林地が山奥の奥まで続いています。林業家としてがんばって間伐して手を入れて来られたそうですが、林業地としてもうあきらめておられる感じでした。

何カ所か、スギの木の皮がはがされていました。クマなのだそうです。このあたりのクマは、皮をはがした後をかじるのではなく、爪で無数にひっかくことがわかりました。地域によるクマ文化の違いです。この木はもう材としてはだめだそうです。(搬出できない場所なので、どうせ売れないのですが)このように皮はぎのある地域では、クマは林業家の敵です。ここでも、くくりわなにかけて、猟友会に撃ってもらっている林業関係者たちがいるそうです。2年ほど前、この県の林業家の皆さんにお会いした時、今でも、林業を守るため、クマをわなにかけて次々と獲っていると教えてくれました。県の有害駆除数発表は毎年ゼロですと言うと、誰も届けませんからという答えでした。この国では、野生動物保護のためのチエック機能がないので、紀伊半島のクマは絶滅危惧種であっても、殺され続けているのが現状です。本来、環境省が調査し、指導すべきなのですが、日本の環境省は、わたしたちが何度訴えても、違法捕殺を調べようとしません。国民はこの現状を知るべきです。

針葉樹でほとんどが埋め尽くされた山の中には、動物たちの食料がありません。しかし、山林所有の境界線上にだけ、境界が分かるように、ブナやミズナラの巨木が残されていました。その1本であるトチノキに、最近クマが登った跡がついていました。実もない時期です。花でも食べに来たのでしょうか。人間に追い詰められたクマたちが、ここにはまだ風前の灯状態で間違いなく残っている。胸が騒ぎます。熊森としては、このあたり一帯の罠を撤去し、植林地を強度間伐で自然林に戻したいという強い衝動に駆られました。野生動物たちが山から出て来て農作物被害を起こすと怒り狂っておられる方々に、奥地のこの現状を、一度見て頂きたいです。戦後人間が行った森林破壊を見て、それでも一方的に動物たちを責められますか。

国や行政は、動物たちを殺すことしかしない。もうがまんならない。国の対策は間違っている。県民が声を挙げよう。和歌山県で、熊森協会の支部結成が進み出しました。

大阪府 木材総合センター 林業地 視察

熊森活動を進めていくうえで、林業の実態を見ておくことは大切です。

7/21(木)、林業従事経験のある本部スタッフが大阪府会員とともに、大阪府の林業の実態を見るため、大阪府森林組合木材総合センター及び、周辺山林を視察しました。
大阪府森林組合は平成13年に府内16の森林組合が合併し、設立されたものです。現在、大阪市の本店、豊能支店、三島支店、南河内支店、泉州支店と木材総合センターで構成されています。

木材総合センターは大阪府唯一の木材市場で、月2回木材市(主にヒノキ)が開催されるそうです。木材平均単価は(1m3)22,000円。それに対して平均搬出コストは11,000円(1m3)かかります。手数料等を引くと、山林所有者に還元されるお金はほとんどないということでした。このことは山林所有者が積極的に山林に手を入れることができない大きな原因となっています。大阪府内で純粋な林業(木材生産)が行なわれているのは、和泉地区と河内地区の2箇所くらいで、林業だけで生計を立てている人はゼロに等しいそうです。

今回視察した山林は120haとまとまった人工林で、戦後に植林された林分が大半を占めるヒノキ中心の単層林でした。昨年、熊森が大修正案を出すも、残念ながら原案のまま国会を通過してしまった、林野庁の「森林・林業再生プラン」の施行に向けて、幅3.5mの路網整備が着々と進められていました。

ここの山林は、道路を造れば木材の搬出も可能で、山の斜度もそれほどでもありません。規模、路網の整備状況から、大阪府における「森林・林業再生プラン」の路網整備・高性能林業機械による搬出間伐の見本林のような位置づけになっていることがわかりました。

こういう場所では今後、「森林・林業再生プラン」を反映した、大型林業機械を導入した林業のためだけの施業が効率的に進められていくのでしょう。林業従事者の方から、いろいろと貴重なお話を聞くことができました。ありがとうございました。

民主党の森林林業再生プランである拡大路網で、山が一層荒廃していく

国産材50%自給を目指すという民主党の森林林業再生プラン。まず、国の補助金で、大型林業機械を入れるための道を1ヘクタール当り30~100メートル(条件により異なる)造ることになりました。拡大造林の後は、拡大路網、大伐り出しというわけです。

詳しい人に聞くと、山は水脈も複雑で、どこに林道を造ればいいかは大変難しく、本当は山のプロが必要だそうです。ところが、日本にはそういう人がほとんどいないので、突然大量の道路を造るように言われて、現場では、多くが山のことなど知らない土建業の方が造っているのだそうです。

水脈が断ち切られて、あちこちから水が噴き出していました。このような道路から山が崩れ出すそうです。ああ、危険危険。

実際は、横に立派な道路があるのに、間伐がなされていない人工林でいっぱいです。熊森は、国の補助金は、道路造りより、まず、道路横の放置人工林の間伐に使うべきだと考えます。そして、林道造りには、山を深く知る山造りのプロが携わってほしいです。

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