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環境省令で指定管理鳥獣にクマ追加も、初年度から不適で、熊森はクマを外すか別案を提案
指定管理鳥獣とは、全国的に生息数が著しく増加していたり、生活環境や農作物、生態系に被害を及ぼしたりする野生動物で、集中的かつ広域的に管理(=捕殺)が必要な種に対し、国が大幅な個体数低減をめざして捕殺強化のための交付金を出すもので、2014年に鳥獣保護管理法に新しく導入され、シカ・イノシシが指定されました。
(熊森は、1999年に当時環境庁が個体数調整捕殺を導入しようとした時から、自然保護上からも生物倫理上からも、山の中にいる何の被害も出していない野生動物を個体数調整の名で人が殺すことに一貫して反対してきました。)
仲睦まじい親子のヒグマ
今春、私たちが大反対したにもかかわらず、環境省は伊藤信太郎環境大臣が主導して、この指定管理鳥獣に、環境省令(=施行規則)でこれまでのシカ・イノシシに加え、クマを追加しました。
このような発想のバックには、クマが山から出て来て被害を及ぼす最大の原因は生息数の増加であるというクマ研究者たちの一方的で誤った考えがあります。
このクマ指定管理鳥獣、案の定、初年度から不適です。
以下、北海道のヒグマの例で見ていきます。
<北海道庁ヒグマ捕獲(=捕殺)新目標>
年間捕殺目標雌雄計1329頭、10年間で1万3290頭を捕殺する。
目標:人里周辺の森林に生息する個体を中心に捕獲を強化し、推定生息数を22年末の1万2200頭から34年末で約35%減の7931頭にする。
今年8月21日の道ヒグマ保護管理検討会では、検討会委員の一人である兵庫県立大の横山真弓教授(野生動物管理学)が、「10年で1万3290頭捕殺では不十分で、5年間で達成すべき」と主張していました。そうなると、毎年の捕殺目標は、2658頭になります。
ちなみに、山の実り大凶作の異常年となった2023年度の道内ヒグマ捕殺数は、最終統計によると過去最多の1804頭でした。
命あるヒグマをまるで工業製品でもあるかのように数字だけで機械的に扱うことを恐ろしく感じます。ヒグマは人間同様、豊かな感情を持ち親子の愛情も深い動物です。ヒグマをはじめとする北海道の野生動物たちは、北海道の豊かな自然生態系を形成してきた生き物たちで、人間から尊厳されるべき先住民です。クマ研究者の皆さんが作られた「北海道ヒグマ管理計画」には、クマが生存することによる恩恵を、今、私たち人間が受けているという視点が完全に抜け落ちていると感じます。
機械的な捕殺目標に基づき、問題を起こしていないクマも、子グマでも親子グマでも無差別に捕獲する個体数調整捕殺を止めるべきです。狩猟と有害駆除で十分です。
ところで、11月12日に報道されたUHB 北海道文化放送の番組によると、今年の北海道はこれまで長年続いていた秋の山の実り不作から一転して、10年ぶりにクマの主食であるドングリが大豊作です。
札幌市西区の登山道入り口に大量に落ちているミズナラのドングリ(UHB)
番組の中では登山者たちも、「10何年歩いていてこんなにドングリやクルミの実がなったのは見たことがない。今年は異常なほどの実りだ」 「すごく多いですよ。ドングリは大豊作。山ぶどうも多い。今年はクマ出てこないと思う。いままで出てきていたでしょ、エサなくてね」と語っていました。
ヒグマは今年の5月~7月はいつも通り出没していましたが、秋以降の出没がピタッと止まっているそうです。これまでクマと人の軋轢が増えるのは、クマ数の増加が問題とされてきましたが、熊森がずっと主張してきたように、クマの出没数は、山の中の餌量で決まることが証明されました。
道庁は、今年、どうやって1329頭(2658頭?)のヒグマを捕殺するのか。
山の中に分け入って殺すのでしょうか。捕殺する必要などあるのでしょうか。
これがクマ指定管理鳥獣初年度の実態です。
ちなみに今年10月末までのヒグマ捕殺数は579頭です。
クマという動物の特性を知らない一般の方は、今年ドングリが大豊作なら来年クマが爆発増加するのではないかと心配されているようです。
しかし、ヒグマは6月ごろの交尾期、オスの子殺しもあるそうで、生まれた子供が全て成長するわけでもなく、元々、クマは繁殖力の弱い動物です。
秋の実りの凶作年、十分な脂肪を貯えられなかったメスは受精卵を着床させません。
自ら個体数を調整する能力を持っているのではないでしょうか。
ヒグマだけではなくシカやイノシシに関しても同様ですが、野生動物と人が日本列島で共存するには、祖先がしていたように、使用する大地を分け合ってお互いに生息地を侵さないように棲み分けることが必要です。野生動物たちの聖域内で、彼らが増えようが減ろうが、それが自然なので、人間は何もしなくていいのです。
生き物にとって命ほど大切な物はないのですから、私たち人間は生き物を殺すことばかり考えずに、餌量が確保されるよう、戦後の国策であった拡大造林や奥山開発で人間が破壊し過ぎた生息地を再生させていただくこと、クマを初めとする森の生き物たちが安心して山で暮らせるように、人間が一歩後退して、原則として彼らの生息地に人は入らないようにすること、祖先が延々と設置していたシシ垣のように、被害防止柵を設置するといった棲み分け対策を優先すべきでないでしょうか。
クマとの軋轢を低減させたいのなら、まず、クマ生息地での観光開発や道路開発、メガソーラー、風力発電など自然破壊を伴う再生可能エネルギー事業をやめねばなりません。
環境省の職員の皆さんが、クマがシカ・イノシシのように捕殺強化だけにならないように、クマの交付金メニューに捕殺以外のものも入れてくださっています。しかし、地方自治体次第で、捕殺強化に偏る恐れがあり、そうなると絶滅が心配されます。元々、指定管理鳥獣はクマという動物の特性に合わないものなのです。(伊藤環境大臣の失敗です。)
浅尾慶一郎新環境大臣には、シカやイノシシと比べて繁殖力も弱く、生息数が3ケタも少ないクマを、シカやイノシシと同列に扱わないように、クマを指定管理鳥獣から至急外すことを、まずやっていただきたいです。
ただし、電気柵の設置や専門員の配置などの目の前のクマ対策に国からの交付金は必要ですから、指定管理鳥獣に、捕殺強化をめざさない種類をつくり、クマをそちらに指定する案などはありだと思います。
シカやイノシシも捕殺以外の方法で対処していけるようにすべきだと思います。殺しても殺しても、手を緩めるとすぐ元の数に戻ってしまいますから、無用の殺生になっています。これは残酷なだけで、永遠に殺処分が終わりません。明治にオオカミを滅ぼしたから、シカ・イノシシの数が制御できなくなったという説もあります。自然界のことは、調べても調べても人間にはわからないことだらけなのです。それが自然です。ただ、祖先の生命尊重思想だけは、子孫として忘れずに持ち続けねばなりません。(完)
10月27日投開票 衆議院選立候補者へアンケート❗(秋田・大阪・兵庫・山口・島根・愛媛)
- 2024-10-25 (金)
- _国会・行政
くまもりでは、これまでも選挙などの機会に意識調査のアンケートを実施してきました。今回は、本部がある兵庫県や大阪府、秋田県、山口県、島根県、愛媛県などの立候補者に向けて以下3つの質問をいたしました。回答の締切は10月19日でしたが、その後も回答いただき次第随時更新してまいりますので、ぜひご参照ください!
Q1. 奥山水源の森の荒廃について
戦後、簡単に伐り出しができない奥山に大量に造成されたスギやヒノキの人工林が、近年、放置され大荒廃しています。保水力を失った放置人工林による湧き水の減少や、大雨のたびに起こる土砂災害が深刻な問題となり、生息地を失い、餌を求めて人里に出てくる野生動物たちと人との軋轢も増えています。
水源保全のためにも、野生動物を奥山に戻し獣害を軽減させるためにも、行き過ぎた人工林を災害に強く保水力豊かな天然林に早急に戻していくべきですが、利益を生みにくい天然林化事業はほとんど進んでおらず、強いインセンティブが必要です。当選されたら、奥山の放置人工林の天然林化の推進にご協力いただけますか。
ア.大いに協力する イ.協力する ウ.どちらともいえない エ.協力できない
Q2. クマをはじめとする野生動物との共存・鳥獣被害対策について
クマとの軋轢が各地で問題となっており、クマを指定管理鳥獣にして、捕殺強化の動きが進んでいます。これまで、野生動物の科学的計画的頭数調整政策(ワイルドライフマネジメント)によって、野生動物の有害捕殺に莫大な予算がつけられ、捕殺行為の利権化も問題となっており、被害は計画通りに減っていません。
鳥獣被害は、集落や畑を柵で囲む、追い払いを行うなどの防除対策と、生息地の再生により、人と野生動物の棲み分けを復活させることに重点を置いて解決すべきです。当選されたら、野生動物の大量捕殺ではなく、棲み分け対策を推進する政策へ転換していくことにご協力いただけますでしょうか。
ア.大いに協力する イ.協力する ウ.どちらともいえない エ.協力できない
Q3. 森林や自然を破壊する再生可能エネルギーについて
政府の進める再生可能エネルギー推進策によって、国内外の投資家が大規模な森林破壊を伴うメガソーラーや巨大風車などの事業を次々と計画しています。森林破壊は水資源の枯渇、土砂災害の増加につながります。当選されたら、森林破壊を伴う再エネ事業の規制のための制度改革にご協力いただけますか?
ア.大いに協力する イ.協力する ウ.どちらともいえない エ.協力できない
【大阪府】10月24日現在
【兵庫県】10月21日現在
【秋田県】10月21日現在
【愛媛県】10月21日現在
【山口県】10月24日現在
【島根県】10月24日現在
再エネで、本当に二酸化炭素の排出量は減るのか
自然エネルギー(再エネ)が排出する二酸化炭素の量は、本当に火力発電よりも少ないのでしょうか。
科学的根拠に基づいて計算し、検証した本に、出会いました。
衝撃でした。
以下に、この本を簡単に紹介します。
近藤邦明著「電力化亡国論」2012年発行
全工程に於ける二酸化炭素の発生量を合計すると
太陽光・風力発電 > 火力発電!
計算式が多くて、読むのに一苦労しましたが、目を見張る内容だと思いました。
著者は、科学的根拠に基づく何冊ものエネルギー専門書を出されるかたわら、河合塾で講演されるなどして、エネルギー問題の真実を明らかにされてこられました。計算過程や専門的な内容についてお知りになりたい方は、近藤氏の著書、フェイスブック、ブログなどをご参照になさってください。(高校レベルの数学が必要)
この本には、様々な観点から、原発や再エネ発電の問題点が明らかにされています。今回は、その中から、同量の電気を得るために必要な化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の使用量について、再エネ発電と火力発電を比較計算した部分に関してのみ、計算式省略にて紹介させていただきます。
再エネ発電は、発電装置製造時はもちろん、発電稼働中にも日々大量の化石燃料を消費し続けなければなりません。なぜなら、太陽光パネルは夜間や天候が悪い日には発電できないし、風力発電は風が弱過ぎても強過ぎても発電できません。その上、再エネ発電は発電できている時でも常時予測不可能な変動発電量となるため、この電気を人々が使える常時一定量の電気にするためには、蓄電装置や緩衝装置が必要です。他にも、バックアップ電源として常時、化石燃料を無駄に燃やし続けておかなければならないのです。
(太陽光発電による日中の発電量)wクリックでグラフは鮮明に。
九州電力資料より
(風力発電による1日の発電量)wクリックでグラフは鮮明に。
九州電力資料より
再エネ発電は、延々と続く太陽光パネルや林立する風車だけではなく、国土を覆い尽くす高規格の送電網とそれを支える巨大な鉄塔建設などが不可欠となり、巨大な工業製品を次々と造って国中に設置していく必要が生じます。(日本の美しい山々は、蜘蛛の巣のように張り巡らされた高圧電線や鉄塔などの工業製品で埋まり、殺伐とした景色になってしまうでしょう。熊森泣)
しかも、これらの発電装置は雨・風・日光・落雷などの厳しい自然環境にさらされるため、劣化が激しく、耐用年数は10年~20年程度。蓄電装置は非常に高価な上、10年程度で廃棄物と化します。
トータルで計算すると、再エネ発電は火力発電よりずっと多くの化石燃料を消費することになるということです。その結果、当然、火力発電よりずっと多くの二酸化炭素を発生させることになります。再エネは、限りある貴重な化石燃料の浪費以外の何物でもないことになります。ならば、まだ火力発電の方がましです。(最近は、技術革新により、限りなく公害を出さない火力発電所ができているということです。もちろん、湯水のように電気を使う生活を改めることが一番であることは言うまでもありません。次世代にも資源を残してやろうと考えるやさしい大人でありたいですね。熊森)
結論
熊森から
近藤氏は、「日本では福島第一原発事故という大災害を経て、国民は脱原発を求めるようになりました。環境保護系の市民運動家たちは脱炭素、脱原発を求め、その代わりのエネルギーとして、科学的な評価を行わないまま『再生可能エネルギーならば環境にやさしいはずだ』という思い込みのみで、導入促進に向かって活動しているのが現状です。」と、言われています。
今の日本国の最大の腐りは、政府が決めた国策に沿った説だけが学会やマスコミによって表にどんどん出され、科学的事実に基づいた見解や論文であっても、国策に反するものは日の目を見れないような仕打ちを受けるようになっているという不公平さです。
熊森も人ごとではありません。28年間の活動を振り返ると、拡大造林政策や野生動物の個体数調整捕殺などの国策に異論を唱えたために、日の目を見れない仕打ちをずっと受けています。本当にひどいです。
科学的見解は、通常、多様であり、科学的な議論と検証を通じて、科学的知見や技術が確立されていくものです。もちろん、人間は神様ではないので、それでも間違うこともあるし、できないこともあります。それでも、様々な立場から批判的に検討するというのが、科学の発展の大前提です。。
事実に基づいた誠実な対論が存在する場合は、必ず並列して紹介する社会にすべきです。(昭和の時代の新聞は、まだ、対論もよく提示していたのになあ)どちらの考えが正しいのか、対論・異論を提示して、国民みんなに自分の頭で考えてもらうようにすべきです。
この本からは、近藤氏の誠実さや知的レベルの高さが伝わってきて、感動しました。専門家の皆さんにはぜひ、近藤氏の計算結果を検討してみていただきたです。
わが国は、1974年から「サンシャイン計画」と称して、多額の予算を組み、太陽熱や水素エネルギーが使えないかと研究を重ねてきました。結果、科学技術の特性や経済性から、これらのエネルギーは使えないとして、2000年に研究の幕を閉じた歴史があります。技術として、本当に使えるのか。十分な検証や技術的な課題が克服できていないものをやみくもに進めると、再エネ推進もエネルギー自給も頓挫してしまうと思います。
近藤氏は、他にもご著書として、何冊もの本を執筆されています。
「温暖化は憂うべきことだろうか」(不知火書房)
「誰も答えない!太陽光発電の大疑問」(不知火書房)
「東電・福島第一原発事故備忘録」(不知火書房)など。
近藤氏の了承を得て2021年4月のレポートを読めるように、以下に添付させていただきました。
「工業化社会システムの脱炭素化は不可能」(7ページ)
新たに続々と再エネ事業計画が出て来ている
自然エネルギー(=再生可能エネルギー。以下、略して、再エネ。ただし、エネルギーは使えばなくなるので、再生することなどあり得ません)と、美しい名で呼ばれている太陽光発電や風力発電。これらは、現在、国内外の投資家の投資対象となっており、巨大事業化されています。
これらの発電には、火力発電や原子力発電と違って気が遠くなるような広大な敷地と巨大な発電装置が必要です。
狭い日本にそのような広大な土地はありませんから、わが国では今、何をしているかというと、各地で二酸化炭素の吸収源である奥山水源の森を延々と伐採し、災害の元になる切土や盛土を施して太陽光発電や風力発電の事業を推進しています。
こんなことになったのは、まず、一番に2012年の「再エネ特措法」による固定価格買取制度の導入、次に、菅(すが)総理大臣が2020年10月26日の所信表明演説で、突然、日本は2050年までにカーボンニュートラルをめざすと宣言したからです。(2030年には、温室効果ガスを2013年度から46%削減することをめざすとも表明)
岸田首相も、この方針を継承して再エネ推進一辺倒です。
ああ、国土が壊れていく。
首相が宣言すると、官僚を初め国中の公務員は皆、その目標に向かって総力を挙げて突き進まねばならないようです。(最近わが国では、国会審議を経ずに突然、首相から出される方針が多すぎます)今や、国を挙げて、再エネ推進まっしぐら。新しい法律がその方向に向けて次々と作られていきます。マスコミ報道も研究者の研究も一斉にそれを後押しします。事業者は儲けたいので、大喜びしていると思います。(「再エネ特措法」により、私たちの電気代に上乗せして国民から強制的に徴収している再エネ賦課金によって、再エネ事業は確実に暴利を得られる仕組みになっています。再エネ賦課金は2011年3月11日午前、民主党政権時代の菅(かん)内閣によって閣議決定されたものです)
再エネ推進のために全生物の命を支えてきた水源の森を壊していいのか。
再エネ推進のために森を壊してクマなど森の動物たちが里に出て来てもいいのか。
再エネ推進のために、多くの鳥がバードストライクで死んでもいいのか。
再エネ推進のために、山が崩れて地元の人命や財産が失われてもいいのか。
再エネ推進のために、川や海に泥水が流れ込んで川や海が死んでもいいのか。
余りにも愚かではないでしょうか。
全生物や次世代に無責任すぎませんか。
次の総選挙で熊森は、日本国を守るため再エネを争点として、全候補者にアンケートをとり、結果一覧を示そうと思っています。同時に、立候補者に再エネ賦課金を見直すべきと訴えようと考えています。儲け第一で再エネを進めるのは、国民のためにならない。これは、全国の事例を見れば明らかです。
熊森は水源の森を守る自然保護団体として、2021年から、森林伐採や山の形を変えるような再エネ事業はしてはならないと、全国再エネ問題連絡会を結成し、共同代表も事務局も引き受けて、自然破壊型再エネ事業を止めようと声を上げ、動きに動いてきました。
経産省、環境省、国土交通省、林野庁、総務省・・・各省庁を訪れ、必死に訴えてきましたが、官僚のみなさんは国策を推進せざるを得ないようで、規制はほとんど進みません。
最近、ネットでは、自然破壊型再エネ事業に反対する声が少しずつ出てくるようになりました。しかし、まだまだ多くの国民は、再エネは原発よりいいだろうとか、地球温暖化を止めるためには仕方がないのではないとか、地元にお金が落ちるのはありがたいとかで、自然破壊型再エネ事業の取り返しのつかないデメリットに気づいていません。反対する声は以前よりも大きくなってきましたが、まだまだ小さすぎます。
今年になってからも、秋田県や岩手県をはじめ各地で祖先が残してきた豊かな森や海を破壊する新たな巨大再エネ事業計画が続々と出て来ており、熊森は水源の森を守る自然保護団体として、もう危機感でいっぱいです。豊かな自然が破壊されることや住民の皆さんの生活環境が破壊されることに危機感を持った方が集まって、声を上げ事実を伝えていくしか、止める道はないのです。熊森は、全国再エネ問題の事務局として、地域の皆さんを全力で応援しています。どのようにして事業を止めたらいいのか困っておられる方は、ご連絡ください。
元佐賀市長木下敏之氏のユ-チューブ動画がすごくいいです。
ぜひ見てください。
阿蘇山のメガソーラーについて(左文字を、クリックすると見れます)
ヨーロッパなどでは、再生可能エネルギー万能論はもうない 青山議員再エネ賦課金廃止を訴え
第213回参議院経済産業委員会(令和6年5月16日)で、・低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び・二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の両案が一括して審議されました。
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以下は、熊森の文責で、自由民主党の青山繁晴議員の質疑応答の要旨をまとめたものです。
(質疑応答の全文をお読みになりたい方は、上の青山繁晴議員の質疑応答をクリックしてお読みください。)
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<以下、概略要旨>
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青山議員
大規模太陽光発電や巨大風力発電(陸上・洋上)は、森林や海の自然破壊であるというのは、もう自明の理です。しかも廃棄物の処理方法がない。(再エネをさらに拡大することがないように)再エネを拡大して水素を作ることを一定限度内にとどめるべきじゃないでしょうか。
※くまもり注:S+3EとはA安全性(Safety)を大前提とし、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時達成するという意味です。
熊森から政府への注文:国民に分かる日本語で政治をやってほしいです。
実は、日本が風力発電を強化する前に、デンマーク環境省当局者3人と議論した時、いずれも、風力発電は日本には合ってないよ、まず陸でやってきっと失敗するだろう、で、海に出ていくだろうが、日本は遠浅の海が少ないので、これもまた余計な負担を強いられることになると懸念も示されたわけです。残念ながら、長い月日を経て、今現実になっているわけです。
再エネによる国土自然破壊・海洋破壊にはすさまじいものがあります。国が推進しているからか、批判的な報道がない上、一般国民の見えない場所で実施されているため、まだ、国民の多くは再エネの恐ろしい実態に気づいていないと思います。私たちも最初、再エネは素晴らしいものなのかと思っていました。各地の事業現場を見に行って、この国を潰す気かと絶句しました。
・
次の選挙では、大規模にわが国の自然を破壊し続けている再エネという名の地球破壊事業を止められる人たちを選ばないと、もうこの国に、人類に、未来はないと思います。
・
近藤邦明氏は、そもそも今わが国で行われている「再エネ」は環境に配慮したものなんかではなく、
製造過程も考慮するといっそう空気中のCO2濃度を増しているだけで、自然エネルギー発電システムは、火力発電システム以上に化石燃料を浪費する
と言われています。
また、杉山大志氏は、我が国がたとえ2050年にCO2排出量をゼロにしたところで、
地球の平均気温は0.006℃しか低下せず、(地球温暖化抑制になんら)意味がない
と言われています。
再エネ事業は電気の安定供給や地球環境のために進められているのではなく、
経済界や国内外の投資家たちが莫大な利益を得るためにだけ進められている経済活動事業
青山議員は非常によく現実を見ておられます。
スクープ!指定管理鳥獣化主導の北海道でヒグマ個体数が過大に推定操作されていたことが判明
(はじめに、熊森から)
現在のクマの生息数推定計算は非常に複雑になっており、専門家でないとチェックは不可能です。
統計学の専門家である元日本福祉大学経済学部教授の山上俊彦先生は、この度、北海道のヒグマ生息数の推定過程を精査され、過大推定となるようにように操作されていることを見つけられました。
(本文)
以下は、山上俊彦先生のお話をまとめたものです。
北海道庁はこれまでクマの個体数推定方法を、全国で唯一非開示としてきましたが、2024年3月末の北海道ヒグマ保護管理検討会にて、やっと、道総研(地方独立行政法人北海道立総合研究機構産業技術環境研究本部エネルギー・環境・地質研究所)の研究者に依頼してきた1990年~2022年度末におけるヒグマの個体数推定方法の概略を提出しました。
概略なので大まかな輪郭が示されただけです。詳細まではわかりませんが、それでも今回の発表で、なぜヒグマの駆除数がこれだけ増加しているにも関わらず(2021年度のヒグマ捕殺数1030頭、放獣ゼロ)個体数推定値が増加し続けているのかがはっきりしました。
北海道ではヒグマの個体数を推定するにあたって、まず、北海道を7つの地域に分け、高密度地域は33頭、中低密度地域は20頭程度のヒグマから得たヘア・トラップ調査に基づいて、メスの生息密度を求めています。
例えば、渡島半島地域では2012年に渡島西部地で実施したヘア・トラップ調査の結果から、メスの生息密度推定値の95%信用区間は、下限値0.141頭/k㎡~上限値0.327頭/k㎡で、中央値は0.215頭/k㎡でした。
これに森林面積をかけて、メスの上限個体数を推定するのですが、当然のことながら、中央値である0.215頭/k㎡に森林面積をかけなければなりません。空間明示型標識再捕獲法(ベイズ統計学)を用いてクマの個体数を推定するにあたって、他府県では皆そうしています。ところが、北海道はなんと、上限値に森林面積をかけているのです。
しかもその森林面積はクマが生息できる自然林でなければならないのに、多くの人工林を含めた森林面積をかけているのです。
このように北海道庁が、生息密度の中央値ではなく上限値を用いたり、針葉樹の人工林を生息地にカウントしたりするなど、個体数が過大に推定されるように意図的な操作をしていたことがわかりました。
生息密度の上限値を用いた上限個体数を設定して計算機実験を行うと、個体数は非現実的な値に接近するまで増加し続けることになります。
しかも1990~2012年の間は個体数が増加し続けるように事前にプログラミングしていたこともわかりました。
その結果、全道の 2022 年時点のヒグマ個体数推定の下限値、中央値、上限値は、それぞれ 6,264頭、12,175頭、21,347 頭となっています。このとき、生息密度の「上限値」を用いて求めたのが個体数公表値の「中央値」となっているのです。
もし、このような操作がなされていなければ、北海道のヒグマ生息数は7000頭程度になります。実際の頭数は人間にはわかりません。
ヒグマを指定管理鳥獣に指定した環境省令は、このような北海道の個体数過大推定操作を精査せずに決定したものであり、この際、環境省は管理指定鳥獣にヒグマを指定したことを無効とすべきです。環境省のチエック機能はどうなっていたのでしょうか。このような操作によって国からクマ捕殺交付金を得ようとした北海道の要求は、誠に不当であると言わざるを得ません。
以下グラフは、道総研による、ヒグマ推定個体数の変化です。
熊森から
ヒグマの生息数が増えたか減ったかは、いつと比べるのかで答えが変わってきます。1990年という年はヒグマの生息数減少が危惧され、絶滅するのではないかと心配されて、道庁が春グマ狩りを廃止した年です。その年と比べるなら、ヒグマは増えたという答えしか出てきません。北海道開拓のころは間違いなくもっともっといたはずです。
では、何頭だったら適正頭数なのかということですが、クマという動物は、葉が繁る森の中を単独行動で大きく移動し、木々が葉を落とす冬には冬ごもりにはいってしまうという生態上の特性があるため、何頭いるのか生息数のカウントが不可能な動物です。まして適正頭数など、人間が決められるようなものではなく、生態学において「適正頭数」の判断基準などありません。
グラフの2022年推定個体数をみると、上限値と下限値の差が15000頭と幅があり過ぎです。もし、下限値が実態を反映していた場合、ヒグマが増えているとは到底言えません。
これからのヒグマ対策は、ヒグマの推定個体数に右往左往するのではなく、人身事故や農作物などの被害をどう減らすかに重点が置かれるべきだと熊森は考えます。多くいても人間のいない所にヒグマがいるのであれば問題はないし、少ししかいなくても人間の近くに出てくるようであれば問題です。現在、行政は、クマの個体数推定に膨大な予算を使っていますが、無意味です。こんな簡単なことに、専門家と言われる人たちがなぜ気づかれないのか不思議でなりません。
私たちの税金は、ヒグマを殺すことではなく、生息地再生や被害防除対策など、人とヒグマが棲み分けられるようにすることに使っていただきたい。その方が、道民の皆さんのためにもなると思うのですが、道民の皆さん、いかがでしょうか。(完)
マスコミはクマを悪者にしたてるのはやめて 軽トラに突進した根室母グマ報道の問題点
昨年から、なぜかマスコミのクマ報道が、「クマは悪者で捕殺の対象」というもの一辺倒に変わりました。目に余るひどいクマ報道の連続です。アルメディアの方は、クマを悪者にすると視聴率が取れると言っていました。
クマは本来とても平和的な動物で、人間に遠慮してかわいそうなくらいそっとこの国で生きています。
こんな報道が続くと、クマという動物を全く知らない多くの国民が、人を襲う恐ろしい動物という間違った固定観念をもってしまいます。
今回の根室の軽トラに突進した母グマの報道でも、子グマを守ろうとした母グマの行為であったことがほとんど取り上げられておらず、ヒグマ凶暴、軽トラの被害ばかりが強調されています。以下は報道の見出しです。
・【クマ】軽トラックに襲いかかる 北海道・根室市
・北海道根室軽トラックにヒグマが衝突乗っていた2人けがなし
・【衝撃】ヒグマが軽トラックに体当たり フロントガラス破損
ニュース映像に使われたドライブレコーダーを注意深く見ると、一番初めに一瞬子グマが画面左に歩いていく姿が映っています。
(子グマと母グマの文字は、熊森による挿入)
この子グマのことに触れないと、なぜ母グマが軽トラにとびかかったのかが視聴者に伝わりません。
地元の方に聞くと、この軽トラックを運転していたのはギョウジャニンニクを採りに、国道からそれた山道に入り込んで行った地元の方だそうです。母グマにクラクションを鳴らし、パニックに陥らせています。ヒグマの生息地に入るのですから、最初に子グマを見つけた時点で一旦停止してそっと引き帰るという最低限のマナーを守るべきです。
突進してきた母グマの後ろにも、もう1頭の子グマが現れますが、この軽トラは無視してこの林道をぶっ飛ばしていきました。
また、根室市がこの母グマに捕獲罠を仕掛けるとの続編ニュースも、人間側の視点ばかりです。以下は報道の見出しです。
・ヒグマによる「軽トラック襲撃」を受けて「箱わな」緊急設置へ 今月中にも周辺2か所に車体は大きく損傷、、、北海道・根室市
・軽トラを襲ったクマ箱罠を設置し捕獲へ「人身事故につながる危険」北海道根室市
行政は、罠を掛ける前に、この軽トラを運転していた方を指導したのでしょうか。
物言えぬ生き物たちに全責任を負わせるという最近のマスコミ界の倫理感も問題です。
根室市は、道の駅の横に罠を掛けることを考えているそうです。しかし、罠の中にはハチミツなどクマの大好物が入っていますから、遠くのクマまで誘引してしまいます。北海道ではクマ放獣体制がありませんから、罠に掛ったクマは100%銃で殺処分されます。
この辺りは元々ヒグマの生息地で、何かを狙ってクマがやって来たのではなく、元々の通り道だということです。
根室市担当者によると、地元ではクマを捕獲してほしいという声も出ていないということですから、根室市は罠を掛けないようにお願いします。
根室の道の駅(鈴木支部長撮影)
道の駅横の熊注意や立ち入り禁止看板(鈴木支部長撮影)
注意看板は必要です。
根室市さん、今後ともヒグマとの共存をよろしくお願いします。
リニアから南アルプスの自然と大井川の水を守ろうとした静岡県川勝平太知事の偉大さ
川勝知事が知事最後にあたって非常に大事なことを言われていますので、長文ですが熊森の記録に残したいと思います。
以下は、SBS静岡放送5月10日発信ニュースからです。
静岡県の川勝平太知事は2024年5月9日、退任会見を行いました。
知事は「4期目の最大の公約は南アルプスの自然環境の保全と水資源の確保であり、それとリニア工事を両立させること」だったとして「一つの区切りがついた」と改めて辞職の理由を語りました。
<川勝平太知事>(2017年10月) 「工事によってメリットもない。すべてデメリットしかない。この工事を静岡県下ですることに対し、断固猛省を求めたい。考え直せということです」 これまで川勝知事は強い言葉でJR東海と対峙してきました。
2027年に開業を計画していたリニア中央新幹線は、東京と名古屋をわずか40分で結ぶ国家プロジェクトです。南アルプスをトンネルで貫く静岡工区をめぐっては、大井川の水の減少などを懸念して川勝知事は工事に同意せず、手付かずのまま。
2020年には、JR東海のトップ・金子慎社長(当時)が川勝知事に直談判しましたが、議論は進展しませんでした。国の有識者会議も報告書をまとめましたが川勝知事は態度を崩さず、JR東海の丹羽俊介社長はー。
<JR東海 丹羽俊介社長>(2024年3月) 「残念ながら品川~名古屋間の2027年の開業は実現しない」 2027年開業の断念。リニアの開業は早くとも2034年以降になります。
この発表の数日後に川勝知事は辞意を表明。そして、5月9日の最後の会見で「トンネル工事によって南アルプスの自然環境はマイナスの悪影響を受ける。黄色信号がつく」という認識を示し、「強引に進むのか、あるいは留まるのか、まさに岐路に立った」と強調しました。
また、リニア工事が静岡工区以外でも遅れていることをJR東海が発表したことにも触れ「不都合な事実の公表は、くさいものに蓋をする従来のJR東海の姿勢が一新された」と皮肉にも聞こえる表現で評価しました。 一方、JR東海は「開業時期に直結するのは静岡工区」との考えに変化はありません。
<川勝平太知事> 「4期目の公約にかかわる仕事に一つの区切りがついたと判断いたしました。水資源を保全するためにも、南アルプスの自然環境は保全しなければなりません。そこに住む私たちもそれは使命ではないかと思います。県民の皆様を信頼申し上げております」
<川勝平太知事> 「4期目の最大の公約は、南アルプスの自然環境の保全と水資源の確保であり、それとリニア工事を両立させることでございました。辞職の理由と重なりますので、お別れの挨拶の最後にこの件について申し述べておきます。
南アルプスは国立公園であります。昭和39年に国立公園に認定されました。それ故、その自然環境の保全は日本政府の国策でなければなりません。また、南アルプスはユネスコのエコパークに認定されております。従いまして、南アルプスの生態系を保全することは日本政府の国際的責務であります。
国の生態系に関する、いわゆる有識者会議が昨年暮れに最終報告書をおまとめになりました。それによりますと、南アルプス山中のトンネルの上を流れる沢・渓流は、工事によって例外なく水位が下がると報告されています。水位が下がりますと、水際に生きる生物などはそこに水が来ませんので、生死に関わる厳しいマイナスの悪影響を受けます。
また、工事で出る濁った水を透明にするためには、凝固剤の使用を報告書は提案されております。凝固剤を使いますと、水質は確実に悪化いたします。 この報告書の内容を一読いたしまして、一言で言いますれば、トンネル工事によって南アルプスの自然環境はマイナスの悪影響を受けると。言いかえますと、工事によって南アルプスの自然環境には黄色の信号がつくという認識を私は持ちました。
それでもなお、工事を敢行するということであれば、工事による南アルプスの自然環境への悪影響をいかに小さくするかが課題であります。沢の水位が下がることで死滅しかねない生物の保全などのために、有識者会議はモニタリング会議を提案なさいました。モニタリング会議は政府主導で今年2月に発足いたしました。モニタリング会議、その第1回会合、2月29日、2カ月前のことでございますが、基本方針がそこで確認されました。
そして、第2回会合が3月29日のことでございまして、その会合で丹羽氏を新社長とするJR東海は、南アルプストンネル静岡工区の事業計画について、これまで知られていなかったデータを公表をされました。世間はあっと驚きました。私も同様であります。いわく、高速長尺先進ボーリングに3カ月から6カ月、工事ヤードの整備に3カ月、トンネル掘削に10年、ガイドウェイ設置に2年という事実の公表でございます。
その数日後に、いわく、岐阜県は恵那市のトンネル工事に40カ月、すなわち3年と6カ月、長野県は飯田市の高架橋の工事に70カ月、すなわち5年と10カ月、山梨県は駅の工事に80カ月、6年と8カ月がかかるという公表をなさいました。
昨年までのJR東海の前の社長の体制の下では、一貫して静岡県の工事の遅れだけが繰り返し強調されていました。そのことからいたしますと、隔世の感がございます。今回の2度にわたる事実の公表で、静岡県のみならず、岐阜県、長野県、山梨県でも工事が遅れていることがはっきりといたしました。これらはいわば不都合な事実というべきものであります。くさいものに蓋をするといった感のある従来のJR東海の姿勢が一新したというふうに思われます。
不都合な真実とはいえ、正直に事実を有り体に公表された現在のJR東海の丹羽社長の姿勢には、感じ入っております。正直に勝る徳目はありません。正直な丹羽社長に対しまして、敬意を表するものであります。
さて、南アルプストンネル工事について、工事に要する年数を単純に足しますと、12年から13年ということになります。重なるということになると、11年というふうになっているようでありますが、しかも、しかしながら、それをモニタリングをしながら、言いかえますと、順応的管理で工事を進めるということです。順応的管理、すなわち工事中に何か問題が生じますと、もう一回その工事がよかったかどうかフィードバックして考え直して計画を立て直すということでありますが、こういうやり方が順応的管理というものであります。したがって、こういうモニタリングをしながらの工事となるとすれば、ここで挙げられている工事年数を超えることが十分に予想されます。それは何を意味するんでしょうか。南アルプストンネル工事自体に黄色信号が灯ったことを意味すると思います。工事をすれば南アルプスの自然環境に黄色信号がつくというのが有識者会議の最終報告書の内容だというふうに私は認識しております。
そしてまた、今回、工事自体にも最低10年以上かかるということでございますので、これも青から黄色に信号の色が変わったというふうに捉えております。信号が黄色になれば、道路交通法に従いますれば進んではいけませんけれども、中には強引に突っ込む方もいらっしゃいます。強引に進むのか、あるいはとどまるのか、まさに岐路に立ったということでございます。それをどうするかについては、モニタリング委員会の御見識次第であります。
私は以上のことをもちまして、4期目の公約にかかわる仕事に一つの区切りがついたと判断いたしました。これまでJR東海さんに対しまして、かなり厳しいことも言ったことに対しましては、改めて申し訳なく存じますけれども、同時に丹羽社長の正直な姿勢に改めて敬意を表する次第でございます。ご立派でした。
なお、2018年6月、今から6年前ですが、JRさんと静岡市との間で締結なさいました、いわゆる用宗・落合線の5キロのトンネル工事は6年、丸6年経ちました。現在、掘削すら始まっておりません。丹羽社長はぜひこの約束は、約束通り実行してくださるようにお願いをいたします。
富士山と南アルプスは、いわば父と母のような存在であります。この霊峰と赤石山脈とは、命の水を供給することで、静岡県民を、またそこに息づく生きとし生けるもの全てを何世代にもわたって養ってまいりました。水資源を保全するためにも、南アルプスの自然環境は保全しなければなりません。そこに住む私たちもそれは使命ではないかと思います。
県民の皆様を信頼申し上げております。私はこれをもちまして、ふじのくに、愛するふじのくにを後にすることになります。ありがとうございました。皆様方の御多幸をお祈り申し上げます」
熊森から
コロナでリモートワークが広がり、リニアによる東京―大阪間の時間短縮の利便性を訴えておられた方々の主張が通らなくなりました。私たちはこれは南アルプスに穴を開けてはならぬという天の声だと感じました。
いったん走り出すと止められないというのは人間の悪いくせですが、南アルプスの自然や水を犠牲にしてまで造らねばならないものなど、この世にないはずです。いったん壊してしまった生態系は、もう二度と元に戻せませんから、リニア推進者の皆さんには、何とか目を覚ましていただきたいです。
川勝知事はいろいろと言われてきましたが、南アルプスと水を守ろうとして誰に何と言われようと頑張ってこられたことに関しては、誠に偉大な知事であり、後の世で必ず最大限に評価されるだろうと思います。
川勝知事に、心からお礼申し上げます。
パブコメで大多数が反対でも原案通り進める 環境省がクマを指定管理鳥獣に指定(省令発表未)
検討委員たちの発言は、クマは数も少なく繁殖力も弱いのでシカ・イノシシと同列にはできない。東北や北海道と他の地域では生息状況がかなり違うので、全国一律にクマを指定管理鳥獣に指定することには無理があるなど、まっとうな意見が全体を占めていた。
検討委員たちの意見が無視されている。
ヒグマ、ツキノワグマ(四国の個体群を除く)を指定管理鳥獣にすることに( )します。
野生鳥獣との軋轢を、野生鳥獣の生息数を人間が大幅に低減させて一定数にコントロールすることによって解決しようとする考え方を導入して25年が経過しましたが、罠だらけの山となり残酷なだけです。しかも、大量捕殺によって被害がなくならないことはシカやイノシシの対応で、すでに結論が出ています。
どうする環境省 クマ指定管理鳥獣化パブコメ結果 賛成9 反対440
環境省はクマを指定管理鳥獣にすることをどう思うかの1行だけを提示して、国民の意見を聞きたいとしてパブリックコメントを募集しました。締め切りは3月13日でした。
環境省は3月28日、パブリックコメントの結果とそれに対する回答を発表しました。
以下が、その発表です。
忙しい中、パブリックコメントに応募されたすべての皆さんに敬意を表します。
膨大な数のコメントをまとめてくださった環境省職員の皆さんに感謝申し上げます。
熊森としては、パブコメ結果と環境省回答を見て今後どうしていけばいいのか、多くの国民の皆さんと大いに議論したいです。
自分の考えをしっかり述べることのできる国民が増えることが、いま日本に本当に必要です。
みなさん、ご意見をお寄せください。