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11月4日(日)林野庁初参加 祝 第11回くまもり東京シンポジウム「人工林から豊かな森へ」

2018年11月4日(日)東京都表参道のウイメンズプラザにて、くまもり東京都支部主催の第11回くまもり東京シンポジウムが開催されました。

 

今回のくまもり東京シンポジウムには、林野庁担当者がご出席くださり、今年5月に国会で成立した「森林経営管理法」をもとに、林野庁の考えていることを発表してくださいました。

くまもりの集まりで林野庁の係官が発表してくださるのは初めてのことであり、画期的なことです。時代の変化を感じるとともに、発表してくださった担当者には心からお礼申し上げます。

 

また、今年新たに熊森顧問になってくださった元徳島県木頭村村長の藤田恵氏も、ビデオ発表となりましたが、熱弁をふるってご講演くださいました。

 

室谷悠子くまもり新会長も、30分間の力強い講演を行いました。

 

以下は、各発表者の要旨です。

まず初めに、くまもり東京都支部の川崎支部長より挨拶がありました。

「日本は世界で唯一、首都にまだクマの棲む森が残っている国です。しかし東京都の山の多くが戦後の拡大造林政策でスギなどの単一人工林に覆われてしまいました。残された自然林の山の実りが悪いときは、クマなどの野生動物が人里に出て来てしまいます。

 

山にかかわってこられた三重県の後藤さんは、次のように述べられています。

「本来植林は大きな山でも、その3分の1しかできません。それ以上したら間違いです。

山の尾根は全部自然林で残す。谷間の緩やかな所だけ植林する。谷間にはスギを植え、中腹にはヒノキを植え、南向きの日の当たる所は全部自然林で残す。これが紀州人の掟でした。

戦後の拡大造林は、これを破って山という山に全部植林しました。だから今ある植林の3分の2は間違いです。

手入れできない人工林も、半分土砂で埋まったダムも、コンクリートで固められた河川や海岸も、全てが今後、大規模災害につながる負の遺産です。

全てのことに私が解決策を訴えられるわけでもありませんが、崩壊寸前の植林地に関しては国民総出で巻き枯らし間伐の運動を行えば、今なら崩壊を止められると思います。」

 

動物と人間の棲み分けを復活させるためにも、大都市の水源を守るためにも、来年度からの森林環境譲与税は、「放置人工林を豊かな森へもどす」ことに使っていただきたい。私たち都民にとっても、重要な話です。今日はたくさんのことを学びましょう。」

 

くまもり新会長  室谷悠子 「熊森がめざす豊かな森づくり」

「私たちが兵庫県北部の豪雪地帯で実験した例では、スギやヒノキの人工林に6割の強度間伐を施して、間に広葉樹の苗を植えても、数年たてばまた残されたスギが太り、林内が真っ暗な元の人工林に戻ってしまいました。こうなるともう広葉樹は育ちません。

 

人工林を広葉樹林に戻すには、定性間伐ではなく、皆伐または崩れやすい山では小面積皆伐を実施する必要があります。兵庫県北部はシカが多い場所でもあり、シカが侵入しないための囲いや雪対策が必須です。

 

一方、温暖で湿潤な気候の九州では森の再生力が大きく、シカが多くても、シカ除け柵など不要で、皆伐場所を放置しておくだけで、数年で広葉樹林化できます。

 

これまで熊森が人工林の広葉樹林化をめざして長年試行錯誤した結果得られた知見からモデルをつくり、国や行政に提示していかなければならないと考えています。

 

また、来年1月に国会に提出される森林環境税法案は、現段階では何に使うかという使途がはっきり決まっていません。ぜひ放置人工林の自然林化を使途に義務付けるよう、多くの国民の皆さんに声を挙げていただきたいです。」

 

熊森顧問・元徳島県木頭村長 藤田恵氏 「拡大造林で壊れ続ける四国の山と川」

「戦後の拡大造林により、山の保水力が落ちてしまいました。その影響で台風や大雨がくると山からどんどん土砂が流れてきて、川底やダムを埋めていきました。また、土建業者をもうけさせるための補助金規定に従って、山奥まで不必要な幅の広い舗装林道が作られ、山奥の自然がどんどん壊されています。」

 

林野庁森林整備部計画課 三間知也氏 「新たな森林管理システム(森林経営管理制度)について」

「林野庁としても、スギやヒノキなどの針葉樹の人工林を、造り過ぎたと感じています。なので、今後は減らしていき、林業で使われない部分は、できる限り針葉樹と広葉樹が混交するような複層林に変えていきたいです。

 

また、森林環境税が市町村で実際に使われる際に、土地所有者が不明もしくは亡くなられているなどの理由でおられないときは、市町村の権限で放置人工林の整備をしていけるように法改正しました。

 

九州豪雨災害や西日本豪雨災害で大規模な土砂崩れが発生したのは、人工林のせいではなくて、異常な降雨によるものだと私たちは考えています。」

 

この後、東京都支部、神奈川県支部から、活動報告がありました。

 

熊森から

この日、62名の方々がこの会場に来てくださいました。

 

参加者の中には、人工林問題や東京都のツキノワグマ生息状況に関心の高い都議会議員の先生や、大学の生物系の先生方もおられました。また、質疑応答の時間には、参加者からたくさんのご意見・ご感想をいただきました。

 

戦後の拡大造林政策の失敗は、林野庁だけの責任ではなく、声を上げなかった全国民に責任があると熊森は考えています。

 

林野庁は、ごく最近まで、戦後進めてきたスギやヒノキの針葉樹の単一造林に問題はないと主張されていましたが、ようやく「人工林を造り過ぎた」と発表されるようになりました。しかも、今回、民有人工林の8割が放置されていると、言いにくいことを正直に発表されました。国民としては、温かい拍手を送りたいと思います。

しかし、近年の豪雨被害で発生している山崩れに人工林が関係していることについては、今も林野庁は否定的であることがわかりました。

 

森林経営管理法や森林環境税が正しく効力を発揮するためには、多くの国民が山のことも勉強し、声を上げていかなければならないと思います。(国民が勉強しなければならないことが多過ぎて、大人は本当に大変です)

 

まだ、奥山放置人工林を森林環境税を使い天然林に再生すべきだという署名にご署名をいただいてない方は、以下のネット署名でご協力ください。Change.org森林環境税で、スギ・ヒノキの放置された人工林を天然林に戻してください

 

 

森林環境税署名 1万筆突破、もっと声が必要です

熊森会員のみなさま

いつも応援いただきありがとうございます。
会報96号が届いているころだと思います。

2018年6月から集めている森林環境税の署名、たくさんの方にご協力いただき、紙とネット署名を合わせて1万筆を突破しました!本当にありがとうございます。特に林業県である熊森協会宮崎県支部のみなさんがたくさん集めてくださいました。

国会を動かすには、まだまだ声が必要です。
10月末の集約へ向けて、もうひと頑張りご協力をお願いいたします。
この署名をきっかけに、日本の森の危機を知っていただき、豊かな森再生のために日本熊森協会の会員になっていただければ幸いです。
集めた紙の署名を持っておられる方は集約のため、そろそろ本部にお送りください。

送付先
662-0042 兵庫県西宮市分銅町1-4 熊森ビル 一般財団法人 日本熊森協会

◆署名用紙のダウンロード◆
http://kumamori.org/index.php/download_file/view/1395/

◆ネット署名◆
https://chn.ge/2JsWbSW

熊森栃木県支部提出 林野庁全国森林計画に対するパブリックコメント

栃木県の里山にある農村地帯に居住されている栃木県支部長は、以下のコメントを提出されました。

 

1. 放置人工林が多く、これを天然林に戻すことを前提とした計画にしてください。
私の住む場所は、個人所有の小規模山持ちが多く、高齢化も著しく手入れがされない、出来ない。地形の変化も多く搬出道整備も困難。伐採適期だが材木は
売れない。また、シイタケ栽培が盛んだったので、コナラ・クヌギの広葉樹林も多い。苦労して開墾のこんにゃく畑、売れずにシイタケ林に戻ったが、同様な状態
です。20年前後で伐採し萌芽更新させていたが、7年半前の福島原発事故で生産も厳しく原木需要もなく、(負)動産化している。家屋に近い針葉樹や広葉樹は、
倒木の不安を抱えながら生活している方も多い。伐採は多大な費用が必要です。イノシシが徘徊し、農作物は防護柵設置とセットでないと耕作も困難。長い年月
で作り上げてきた里山も、政策の失敗などで井十するのも困難。せめて、森林環境税などを投入し、官民が力を合わせて里山の健全な育成を図ってください。

 

2. 天然林は、生物多様性の生棲域・水源涵養など多くの機能があります。これ以上減らす計画はやめてください。
栃木県の北側は、クマ・シカ・サル・イノシシなどが増加して、生物多様性域のようにもイメージされますが、野生獣の被害も深刻です。彼らたちと可能な限り共生
の道を模索するためにも、奥山に広葉樹林帯を設け、里に下りない方法も検討ください。ジビエ料理への活用も体内への放射能濃度がが高めで、駆除しても活
用されず処分されます。天然林・人工林も多いのですが、荒廃している山が多く、山道散策は歩きにくいことはなはだしいのが実情です。観光客も多数訪れます
が、快適の森林整備が訪問者へのリピート率を向上させます。そのための施策の努力をお願いします。

熊森本部提出 林野庁全国森林計画に対するパブリックコメント

以下のコメントは、室谷悠子会長が日本熊森協会を代表して、林野庁に提出したものです。

 

林野庁森林整備部計画課全国森林計画班パブリックコメント担当 御中

 

全国森林計画に放置人工林の天然林化を組み込んでください

 

当会は、水源の豊かな森の保全・復元及び野生動物保全に取り組んでいる実践自然保護団体です。設立以来21年間、奥山の放置された人工林を天然林に戻していくことを提唱し、自身でも地元の方と協力し、天然林再生に取り組んできました。

拡大造林政策により、天然林を伐採し奥地の奥地まで造られた人工林は、外材の輸入や木材(特に建築用材)の需要減少のため約3分の2が放置され荒廃し、沢涸れ、豪雨の際の土砂崩れ、生物多様性の低下が各地で問題となっています。林業をするには採算が合わなかったり、水源保全や治山のためには天然林で置いておくべき場所まで人工林にしてしまったことが問題の根本原因であり、現在、1030万㏊ある人工林を減らし、林業に適した場所以外は天然林に戻していくことが必要です。

来年度、森林環境税が導入予定ですが、国民一人一人から徴収される税金は、水源の豊かな森を守るために今、一番必要な、放置人工林を天然林に戻していくことに使われるべきです。

平成31年度から平成46年度までの全国森林計画案についても、造りすぎてしまった放置人工林を、天然林へ戻していくことを前提とした計画にしてください。

 

1 水源保全、生物多様性保全、災害防止、花粉症低減のため奥山で放置されている人工林を天然林へ再生するための計画にしてください

(1)Ⅰ の1「森林の整備及び保全の基本的な考え方」に、放置人工林の天然林化を入れるべき

(2)Ⅰの1「第1表森林の有する機能ごとの森林整備及び保全の基本方針」の「水源涵養機能」、「山地災害防止機能/土壌保全機能」及び「生物多様性保全機能」の部分に、天然林がこれらの機能に優れていることに鑑み、放置人工林の天然林化を森林整備及び保全の基本方針として組み込むべきである。

(3)Ⅰの2「森林の整備及び保全の目標」の地域ごとの保全目標に、それぞれの地域で、放置人工林の天然林化を組み込むべきである。

(4)Ⅱの1(3)「造林」について、花粉症対策として花粉の出ないスギを植えることが掲げられているが、不自然なことをすべきではなく、放置人工林を天然林化し、スギ・ヒノキ等の減らすことにより、花粉症対策をすべきである。

 

2 天然林が大幅に減少する計画では豊かな森は守れません。天然林が増えていく計画に転換してください

(1)Ⅰの2の「第2表森林の整備及び保全の目標」では、計画最終年である平成46年には、天然林が57万㏊減少することになっており、水源保全、生物多様性、災害防止等の機能の強化する方針と矛盾するものであり、これ以上天然林を減らすべきではなく、増やす計画にするべきである。

(2)Ⅰの2の第2表森林の整備及び保全の目標では、育成複層林が52万㏊増えることになっているが、育成複層林化は将来的に天然林に戻していくことを見すえた施業がなされるべきである。

 

 

3 林業に向き、継続的な手入れが可能な場所でのみ、自立でき、持続可能な林業が育つような施策を

(1)Ⅱの4「森林施業の合理化に関する事項」について、拡大造林により、本来林業に向かない場所にまで人工林を造りすぎたことにより、広大な面積の森林が荒廃し、地域の環境に適した強い林業を育てられなかったことを反省し、継続的に手入れがしやすく林業に適した場所でのみ人工林施業が行われるようにし、そのような場所で、自立し、持続可能な林業が育つような施策を実施すべきである。

 

4 豪雨の際の流木対策は、治山ダムを奥地の奥地までつくるのではなく、緑のダムと言われる天然林の保水力、治山力を生かしたものにすること(これ以上自然に逆らって、奥山をコンクリートで固めるのはやめるべき)

(1)Ⅰ の1「第1表森林の有する機能ごとの森林整備及び保全の基本方針」の「山地災害防止機能/土壌保全機能」の中に、「谷止や土留等の施設の設置を推進」とあるが、山の奥の奥までコンクリートで固めるのは生態系の破壊であり、天然林化を図ることにより、天然林の保水力・治山力を生かして土砂崩れ等を防ぐべきである。

(2)Ⅲの2(3)「治山事業」について、豪雨の際、多くの放置人工林が崩壊し、各地で土砂崩れを発生させている現状は、放置人工林の天然林を進めていくことが一番の治山対策であることを示している。流木対策として、「流木捕捉式治山ダムの設置」の推進と記載されているが、奥地をコンクリートで固めるのは自然生態系の破壊であり、天然林の保水力・治山力を生かして土砂崩れ等を防ぐべきである。

以上

猛暑のせい?兵庫県ミズナラのドングリに大きな生育の遅れ

2018年夏、兵庫県の奥山を調べたところ、なぜかドングリの実りがかなり遅れていることが分かりました。

若杉原生林やその近辺のミズナラの木も、例年と違いこの時期としては実がまだ小さく、殻斗に埋まったままです、数も少ないように感じました。

2015年8月初旬、若杉原生林近くのミズナラのドングリ(赤枠内)

 

2018年8月初旬、上写真近くのミズナラのドングリ(赤枠内)

 

冬ごもりに備えてのクマの食い込みが、7月下旬から8月上旬にかけてもう始まっています。(飼育グマ「とよ」も、7月からの食欲がすごいです)

クマの命を支えてきたミズナラは、ナラ枯れによってすでに大量枯死してしまっています。残されたミズナラの実りがこのような状態では、クマたちは今年いっそう山で生きていけなくなるのではと心配です。

 

兵庫県と岡山県は今年もまた11月15日から1ケ月間、クマ狩猟を行うと発表しています。

 

兵庫県は人里での目撃数の増加や捕獲数の増加から、県内のクマが爆発増加したとして、熊森の大反対を押し切って、2016年から20年ぶりにクマ狩猟を再開しました。

その時、山奥でクマ狩猟を再開することで、山奥から人里に出てくるクマを山奥に追い返す効果を期待していると発表していました。山中でクマを追いかけまわすことがどうして、クマが人里に出て来ることを抑えることになるのか熊森には理解できません。

 

クマの生息奥地はブナ・ミズナラを伐採後植林したスギ・ヒノキの人工林で覆われており、内部も大荒廃。

残された天然林内でも近年ナラ枯れや下層植生の衰退が進み、クマが食料を得られる状態にはありません。

この状態を放置したまま、クマに山から出てきたら殺すぞというのは、あまりにも人間としての反省が足りず、他生物という弱者への配慮のなさ過ぎではないでしょうか。狩猟ではなく、奥山放置人工林の天然林化こそを進めてほしいです。

 

まだまだ暑い日が続きますが、両県の担当者は、クマ生息地の山を見に行ってほしいと思います。

県庁職員のみなさんは当協会の原生林ツアーにご参加いただき、本来のクマの生息であった奥山に食料がない現状を体で感じてとっていただきたいものです。

 

クマ狩猟再開を行政に提案されたクマ研究者は、研究対象物に愛情がないのか、クマの生態がよくわかっておられないのか、一体何なのだろうと思います。

 

 

 

つくられた有害鳥獣 反省なき大量駆除

神奈川県会員が、以下の埼玉新聞記事を紹介してくださいました。

 

 

クリックしたら大きく見られます。

 

(熊森から)

人間が野生鳥獣を有害鳥獣にしているのであり、その原因の半分が、小島望氏の記事によってズバリ指摘されています。原因の残りの半分は、拡大造林など人間による森破壊で、こちらの方は熊森が発足当時から指摘し続けてきたことです。

埼玉県の川口短期大学に、鳥獣被害増大の原因が人間にあることを見通しておられる教授がいらっしゃることを知って、うれしくなりました。

全国の研究者、行政マンに、読んでいただきたい記事ですね。

 

それにしても、「日本政府の現状認識能力の欠落先送り体質が如実に表れている」は、至言です。

優秀なはずの官僚のみなさんが、どうしてほとんど誰もかれもが物言えぬ野生鳥獣に罪を背負わせ、彼らを殺すことしか考えない人間になっていくのでしょうか。どうして生命の尊厳がわからなくなっていくのでしょうか。

公務員になった時は、みんな正義感に燃えていたはずです。

日本の行政システムに、重大な欠陥があるとしか思えません。

 

行政は、人間が原因を作っているのに全く反省することなく、野生動物を殺害することを猟友会や業者に指示することで目の前をごまかそうとしています。

誰だって殺生は嫌ですから、行政は自分の手は汚しません。部屋の中にいるだけです。

 

野生鳥獣から見たら、今の人間は悪魔でしょう。

熊森は訴えます。人間は悪魔であってはならない。

人間本来のやさしさを取り戻すためにも、熊森は野生鳥獣の保護運動を続けます。

 

 

林野庁が 「全国森林計画(案)」に対するパブリックコメントを募集中

案件:H30-357

案件名 : 「全国森林計画(案)」に対する意見・情報の募集について

公示日 : 2018/07/25

締切日 : 2018/08/13

意見応募要領

林政審議会平成30年4月13日配布資料

全国森林計画の素案の概要について

担当課 :林野庁森林整備部計画課
電話:03-3502-8111(内線6144)

 

 

熊森から

資料は膨大です。

見てもらうだけで、読む必要はないと思います。

もうこれ以上、山崩れや流木被害で死者が出ないようにしなければなりません。

 

災害に強い山を取り戻すため、

野生鳥獣が昔のように山で暮らせるようにするため、

水源の森を確保するため、

 

人間はおごりを捨てて、人間が管理する山(林業用)を最小限にし、人間が管理しない自然放置の豊かな山を最大限取り戻すべきであることを訴えてください。

 

代々熊本県の林家である平野虎丸氏が訴える 公務員は林業から手を引くべし

<林業に携わる公務員は>
・林業収入があってもなくても赤字でも、きちんと給料がもらえます。
・経営が赤字になっても自分は負担せず、国民の税金で穴埋めします。
・山は人間が思うように管理できると、傲慢にも錯覚しています。
・森林・林業基本計画、全国森林計画、森林経営管理法案・・・国民が読んでも何のことかわからないむずかしい文章を次々と出してきて、一応パブリックコメントを国民に求めます。(国民の意見を取り入れる気など、はなからありませんが。)
かれらは、本当の森造りは野生生物にしかできないことに気づいていません。
そんな公務員たちが、戦後、
・国民の貴重な財産である国有林で、林業を開始しました。
・民間の山主たちに、自分たちが決めた林業政策を国策として強要しました。
その結果、日本の山や林業は、どうなったのでしょうか。
以下は、平野虎丸氏の

森林整備、水源涵養林、森づくりなどといういろいろな呼び名で植林が行われていますが、目的はすべて、木材用途(林業)です。
しかし、あまりにも植え過ぎました。

木材が多過ぎるので値段が安くなり、国や県が行っている分収造林の場合、入札不調となる場合が多く、伐期がきたスギでも伐採されずに山に残されているのです。
それが今回のような土砂崩れや流木災害の原因にもなっています。

 

私たちが昨年購入した宮崎県五ヶ瀬町三ヶ所の山林も、国有林の隣接地にあり急斜面で沢を抱いており、山崩れがあちこちで発生しています。
数年前入札不調で伐採されなかったために、お金が入らなかった元の山主さんたちから「アケボノツツジがあるので購入してほしい」という希望がありましたので、購入しました。
宮崎県と分収造林契約されている山ですが、10年間契約を延長されて山主さんたちにお金が入る目途がなくなったためです。

 

山主さんたちは皆高齢です。
生きているうちに県と契約したスギの分収造林が少しでもお金になることを願っておられたのですが、叶いませんでした。
分収造林で入るお金よりも、私たちに山を売ったお金のほうが高くなったので喜ばれました。
そういう方々がたくさんおられます。

 

私たちは宮崎県から引き続き分収造林契約を望まれていますが、早期に伐採したいという私たち側の理由で分収造林契約をしません。
国や県と分収造林契約している山は、山主さんが伐採したくても出来ないというのが実態です。

 

国や県と契約していない民間の山林は伐期が来ればいつでも伐ることはできますが、急斜面など、出しが悪い場所の場合、業者が安く買いたたくので山主さんは「売らない」選択をします。
出しが悪い山の場合、値がつかないことも多々あります。
そういうわけで山にたくさんのスギが残っている現状です。

 

最近は、木材を山から減らすために、火力発電(バイオマス発電)に利用しているようですが、国民の(膨大な)税金で植林・保育した木材用途のスギを「燃やす」、などというのは許されないことだと思います。
火力用途なら、自然に生えた雑木で十分だからです。

 

これほど山にスギが残っているにもかかわらず、まだスギが植林されて続けているのは、スギを植林することを仕事とする公務員がいるからです。
商品は多すぎれば価値が下がり、売れ残ります。
林野庁や県の森林整備課・森林保全課がなくならない限り、スギ余りは続き、山崩れや流木災害、洪水が増えることになります。

 

伐期が来ているにもかかわらず伐採されないスギはたくさんあります。

特に、搬出が難しい急斜面のスギ植林地が売れ残ることになるので、今後、土砂災害や洪水はますます大きくなることがはっきりしています。
私たちが自然保護のために購入したスギ伐採地においては、急斜面の沢沿いの木や道路沿いの木は伐採するとき危険が伴うので残されているところがありました。

 

植えるときは小さな木なので何ということもないのですが、30年も経つと、人間の手に負えなくなるのがスギやヒノキなど木材用途で植林された木です。
簡単に伐ることも出来ず、動かすこともできません。
分収造林で入札不調になるのは、急斜面の山に植林されたスギです。

 

平坦地で出しのいい山は高値がつきます。
だからこそ平坦地での林業を私は勧めています。
売れない木を植える必要はないからです。

 

公務員は毎年税金で植林しているので、売れなくても損はしないので続けていますが、国民は豪雨災害や流木災害の犠牲となって生命と財産、インフラなどを失って大損をしています。
公務員が林業をやめることが一番国民のためになる選択です。

 

熊森から

なぜ、伐り出しやすい場所以外のスギ・ヒノキの人工林が大量に放置されているのか、平野さんのブログを読むとよくわかります。

国が言うように、山主に経営意欲がないからではありません。

 

来年から、放置人工林は、地方自治体や林業企業体が山主に変わって50年契約で管理していくことになります。

平野さんは、林業に使える山以外は、放置すること。人間が管理してはならないと言われます。

人間が管理すると、野生鳥獣は全て害とされてしまうからです。

 

奥過ぎたり急斜面すぎたりして材を搬出する手段がない人工林、無理に搬出しても赤字になるだけの人工林、こういう山の人工林を伐採したら、後は管理しないでひたすら放置する。放置することで豊かな自然がやがて必ず甦る。

管理しようと思う人は、中途半端に賢い人。自然が何なのか知らない人。

 

やはり、平野さんが言われるように、日本の林業が壊滅状態に陥ったのは、市場原理を無視して公務員が林業をしたことが原因かもしれません。

 

林野庁には、林業ではなく、国有林の自然を守る仕事をしていただきたいです。

 

利尻島のヒグマ 消息が途絶えて13日目

8月4日、天皇皇后両陛下が利尻島を初訪問されるそうです。

両陛下は、クマを初めとする生き物たちに大変お優しいお気持ちを持っておられますから、利尻島に人間を徹底的に避けて暮らしているオスのヒグマが1頭いても、何ら問題にされないと思います。

 

気になる利尻島のヒグマのその後ですが、7月12日に本島に向かい合った旭浜で糞と足跡が確認されて以降、消息はぷっつりと途絶えたままです。

利尻島ヒグマの痕跡(北海道利尻富士町役場HPより)

 

 

7月25日、利尻島の役場の担当者に電話をしてみました。

熊森:13日間も全く痕跡がないのは初めてですね。本島に泳いで帰ったのでしょうか?

役場:そうだといいのですが。確認のしようがないので、何とも言えません。捕獲罠は一応利尻島に2基用意しましたが、1回も設置していません。

 

熊森から

106年前にも本島から20㎞も離れた利尻島に泳いで渡ってきたヒグマがいたそうです。

また本島に帰ろうと思ったのか、海の中を泳いでいるところを見つかり、島民に殺処分されています。

 

もう、時代が違います。もし、このクマが罠に捕獲されたら、今度は殺さずに放獣してやってほしいと、北海道庁にお願いしました。

 

北海道庁によると、学術研究のため研究者が山中に仕掛けた罠にかかったヒグマを捕獲して麻酔をかけ、発信機を付けるなどの処置をしてその場で放獣した例は少しあるということです。

 

しかし、いったん罠に捕獲したヒグマを、殺処分せずに適当な場所に運んで放獣した例は、北海道にはないそうです。もし、利尻のクマが捕獲されたら、殺処分しかないということでした。

 

ヒグマの放獣など珍しくないカナダなどと比べると、北海道の野生動物保護は遅れているのでしょうか。

 

 

ヒグマの管理に詳しい人に、電話で聞いてみました。
以下が、その答えです。

 

ヒグマを罠で捕獲して山に運び放獣した移動放獣例は、知床では今年度はありませんが、以前、少しあります。

しかし、せっかく放獣したのに、すぐまた元の場所に帰ってきてしまいました。

北海道でヒグマを有害として罠で捕獲して、山奥に運び放獣することは、北海道ヒグマ管理計画上可能です。

そういうことができる人材は、知床財団はもちろん、それ以外にもいます。

しかし、過去に放獣例がないのは、どこの山に放獣するか、受け入れてくれるところがないからです。

 

もし、利尻のクマを有害捕獲して移動放獣するなら、箱罠(鉄格子檻)で捕獲してはだめです。

逃げようとして、ヒグマが鉄格子をかんで、歯をぼろぼろにしてしまいます。必ず、ドラム缶檻で捕獲しなければなりません。

 

次に、対岸は、宗谷総合振興局ですが、そこがうちの山に放していいよという許可を出すかどうかです。

 

カナダのような広い地域にヒグマがいるわけではありませんから、北海道では放獣先を見つけるのがなかなか難しいです。

 

 

 

 

 

50年スギの大量伐採は是か非か 森林環境税の使い方を考える

我が国の人工林のスギ・ヒノキの林齢には、大きな偏りがあります。

林野庁資料より

 

1950年代後半から始まった林野庁の拡大造林政策で、国内ではスギ・ヒノキ・カラマツを代表とする針葉樹の人工造林が猛スピードで進みました。

山林所有者が自らでは植栽できない箇所等については、森林開発公団(当時)や造林公社(当時)が、山主に変わって当面の費用を負担する「分収造林方式」により、人工造林が進められました。

 

しかし、1971年から、拡大造林面積は急速に減少し始めます。

造林できる場所は造林し尽してしまったこと、木材の自由化によって安い外材がどっと入ってきたこと、材価の暴落などが原因です。

日本の林業は、壊滅状態となっていったのです。

 

現在、林野庁は、大型機械を持つ企業などに委託して、森林環境税を使い、伐り出し困難な場所にある50年生以上の材を大量に搬出し、跡地に再びスギ・ヒノキを植えようとしています。目的は、林齢の平均化です。

あまりにも林齢に偏りがありすぎるので、林業の成長産業化を図るために、様々な林齢の材があるようにするという訳です。

 

この林野庁の方針に対して、林業政策を専門とする泉栄二愛媛大学名誉教授(森林国民会議)らは、猛烈に反対しておられます。

従事者が激減している日本の林業の危機を救うには、林齢の平均化ではなく、毎年同じだけの収入が林業者に一定量入る収入の平均化こそが必要で、そのための政策こそたてるべきだというのです。

一度にどっと搬出してしまえば、これが望めなくなります。

 

また、長期伐採をめざしている自伐林家からも、自分たちは巨木を育てて売ろうとしているのに、50年生以上の材を強制的に伐採させるような方針は受け入れられないと、猛反発が出ています。

 

さらにこれは、50年たった分収造林地の分収契約の実施(=林業収入の山分け)が不可能となった現在、山主にあと30年の契約延長を求め、ほぼ全員の契約を80年契約に書き換えさせた国の方針とも齟齬を生じるものです。

 

この問題、みなさんは、どう思われますか。

 

ひとり1000円の森林環境税をどう使うか、林業関係者だけではなく、いろんな者たちが声を出し合う時です。もちろん、国土の自然保護や水源の確保、野生鳥獣からの観点も絶対に必要です。

 

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