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パブコメで大多数が反対でも原案通り進める 環境省がクマを指定管理鳥獣に指定(省令発表未)
検討委員たちの発言は、クマは数も少なく繁殖力も弱いのでシカ・イノシシと同列にはできない。東北や北海道と他の地域では生息状況がかなり違うので、全国一律にクマを指定管理鳥獣に指定することには無理があるなど、まっとうな意見が全体を占めていた。
検討委員たちの意見が無視されている。
ヒグマ、ツキノワグマ(四国の個体群を除く)を指定管理鳥獣にすることに( )します。
野生鳥獣との軋轢を、野生鳥獣の生息数を人間が大幅に低減させて一定数にコントロールすることによって解決しようとする考え方を導入して25年が経過しましたが、罠だらけの山となり残酷なだけです。しかも、大量捕殺によって被害がなくならないことはシカやイノシシの対応で、すでに結論が出ています。
どうする環境省 クマ指定管理鳥獣化パブコメ結果 賛成9 反対440
環境省はクマを指定管理鳥獣にすることをどう思うかの1行だけを提示して、国民の意見を聞きたいとしてパブリックコメントを募集しました。締め切りは3月13日でした。
環境省は3月28日、パブリックコメントの結果とそれに対する回答を発表しました。
以下が、その発表です。
忙しい中、パブリックコメントに応募されたすべての皆さんに敬意を表します。
膨大な数のコメントをまとめてくださった環境省職員の皆さんに感謝申し上げます。
熊森としては、パブコメ結果と環境省回答を見て今後どうしていけばいいのか、多くの国民の皆さんと大いに議論したいです。
自分の考えをしっかり述べることのできる国民が増えることが、いま日本に本当に必要です。
みなさん、ご意見をお寄せください。
3月15日 杉本和巳議員が、衆議院第3回環境委員会で再エネ事業について質問
3月15 日、令和6年衆議院第3回環境委員会で杉本和巳議員(比例東海ブロック、維新・教育無償化を実現する会)が、再生可能エネルギー事業について質問されました。
質問中の杉本和巳議員
(要旨)文責熊森
杉本和巳議員 次に再生可能エネルギーについてです。
陸上風車:北海道で留萌から稚内にずっと日本海側を車で走っていくとですね、28基の風車が幌延のあたりにずらーっと並んでるんですね。極めて壮観ですね。素晴らしいなと思って、私はずっと風力風力と思っていたんですけれども、熊森協会さんに聞くとですね、風車は生態系上、そのヒグマはもうあるかもしれないし、キタキツネもそうかもしれないですし、あるいは水源としての水の流れ方とか、そういったものに非常にマイナスになるということです。
洋上風車:先日、再生可能エネルギー海域利用法というEEZまで洋上風力発電を中心としてその範囲を広げるということが閣議決定されたというふうに伺っていますが、こういったものが生態系並びにその他自然環境に与えるマイナス面、バードストライクだけに限らず、ほかの動物にもそれから自然全体についてどんなマイナス面があるか総論として伺っておきたいというふうに思います。
メガソーラー:太陽光発電についても伊豆半島の伊東の(メガソーラー)を視察しましたけれども、山の頂上とか中腹に太陽光パネルが設置されて、それによって木材が伐採されて、その木材が台風みたいなのが来たときに流れて、川を縦に伝って海に流れて海洋というか、漁場を赤潮の発生原因になったりして影響が出ているみたいなことを地元の陳情で伺ったことがあります。
この3つについて、環境影響評価として、生態系並びに自然環境にどんな影響があるのか、御担当の政府参考人から御答弁いただければと思います。
環境省鑓水総合環境政策統括官
お答えいたします。
陸上風力につきましては、近年の導入拡大に伴いまして、森林開発に伴う動植物の生息地の喪失やバードストライクの発生による鳥類への影響等、動植物や生態系への影響に対する懸念が大きくなっている状況だと認識してございます。
洋上風力につきましては、バードストライクに加えまして、海生生物や藻場への影響等が懸念されるところでございます。
太陽光発電事業につきましては、森林伐採に伴う土砂の流出やのり面の崩壊が発生する事例があると認識してございます。
このため、事業者が環境への適正で配慮がなされた事業を進めるように、環境省といたしまして、①環境影響評価評価制度に基づきまして、必要な確認を行っているところでございます。
それらの影響について事業者が適切に調査予測評価を行うこと。またそれらの影響を回避低減する措置を求めているところでございます。
そうした中で②環境大臣意見におきまして、例えば事業実施区域の見直しを求める場合もございます。
杉本和巳議員
再生可能エネルギーというのは全て善みたいに思ってしまいますが、光と影の部分がやはりあって、その影の部分も我々はしっかりチェックしていかないと環境立国として向かっていけないし、ネットゼロ(=正味ゼロ)に向かわないと思いますので、ちょっと御感想で結構なんですが、風力並びに太陽光についてのマイナス面についての御意見を伺えればと思います。
伊藤環境大臣
委員御指摘のように再生エネルギーのみならず、全てのエネルギー発生においては必ず光と影がございます。それで③環境省としてはこの2050年、カーボンニュートラルを目指して再生可能エネルギーの最大限の導入が不可欠と考えております。
他方、今参考人からも答弁がありましたように、大規模な森林開発を伴う再生可能エネルギーの事業計画が増加し、動植物への影響や生態系の損失に対する懸念は大きくなってきていると思います。
このため、環境への適正な配慮がなされた事業を推進することが大変重要であり、環境省としては環境影響評価制度において、環境影響や環境保全措置を確認していくことがより重要になってきていると考えております。引き続き④環境配慮が確保された再生可能エネルギーの導入が図られるよう、環境影響評価制度の運用等にしっかり取り組んでまいりたい、そのように考えています。
熊森から
①日本の環境影響評価評価制度は、業者の費用負担で業者が行うものですから、どうしても影響は軽微などとして業者に甘くなりがちの結論となります。
②環境大臣意見は、自然環境を守るために真摯にご意見を書かれていると感じますが、問題は事業を変更したり中止したりする権限がないことです。
③自然の中で巨大再生可能エネルギー開発を行えば、どうしても著しい自然破壊が生じます。環境配慮が確保された再生可能エネルギーなどあり得ません。再エネ事業は、都市部やビルの屋上などすでに自然が破壊されてしまっている場所で行われるべきです。
3月15日 林佑美議員が参議院予算委員会でクマの生息地である奥山の生活環境について質問
3月15 日、令和6年衆議院第3回環境委員会で林佑美衆議院議員(和歌山県、維新・教育無償化を実現する会)が、クマ生息地の生活環境の改善について質問されました。
この原因は、拡大造林政策によるスギ・ヒノキの植林、奥山の大規模開発による生息地の自然林の減少です。九州、四国、紀伊半島では、人工林率が6割を超えております。大臣もよく発言されておられますように、クマはシカやイノシシと比較して、生息数も少なく、繁殖力も弱く、環境変化にも弱い動物です。
クマは春夏秋の山の植物を食べており、食べる植物の種類は200種類を超えると言われております。秋はドングリ類を大量に食べ脂肪をつけ、冬眠に入ります。奥山に豊かな自然林があることがクマの生存条件です。昨年は東北や北海道で大量出没が起こりました。
山の実りの凶作が原因とされておりますが、異常な熱波による記録的猛暑となったためか、山に食料が何もないという例を見ない状況が発生した模様です。気候変動などの環境破壊により、豊かな森が残っていた東北や北海道でも森がクマを養えるだけの豊かさを失ってきていると感じております。
秋田県は近年、クマの捕殺の強化を進めてきましたが、昨年生息推定数の半数を優に超える2400頭超のクマを捕捉しております。捕殺をいくら繰り返してもクマが出てくる根本原因を解決しなければ被害は減りません。また、大量捕殺を繰り返していくと、地域的にクマが絶滅するところも出てくるでしょう。
そこで質問なのですが、被害を減らしていくにはクマが人里に出なくてもいい環境をつくるという根本的な対策が一番大切であり、林業不振により放置された人工林を自然林に戻す取り組みや、去年のような温暖化の影響が考えられる山の実りの大凶作の年であっても、クマが山の中に餌を確保できることを考えた、実のなる樹種の植樹などが必要となってくると考えますが、クマの生息地である奥山の生息環境について、環境省はどのように考えられておられますでしょうか。
朝日健太郎 環境大臣政務官
お答えいたします。環境省では、クマ類の保護や管理に関しまして都道府県の対策の指針となるような①ガイドラインを策定しております。また、昨年秋の、委員からありましたとおり、深刻な被害状況を受けまして、②専門家による検討会を設置をいたしまして、本年2月8日に被害防止に向けた総合的な対策の方針を取りまとめていただきました。
この内容ですけれども、クマ類の地域個体群の保全、そして人間との軋轢の軽減の両立を図るため、人間とクマ類の③棲み分けを図ることとしております。こうした考えに基づきまして、奥山などにおいてクマ類の保護を図るための保護優先地域や人身被害の防止を図るための人の生活圏、それらの間の緩衝地帯を設置設定し、それぞれの地域に応じて適切に管理を行うゾーニング管理を進めているところであります。
環境省では、奥山地域を含めまして、④国立公園や鳥獣保護区などの保護区域の指定などによりまして、生息環境の保全を図ってまいります。引き続き、農林水産省などの関係省庁と連携をいたしまして、クマ類の生息環境の保全を図って参りたいと考えております。
林議員
ありがとうございました。日本最大の大型野生動物であるクマの棲める森は、多種多様な生き物が絡み合う生態系の営みの中でつくられた水源の森でもあります。人工林が多く占める森林環境を少しでも改善して、クマの生息できる環境を奥山につくっていくことが、人や動物のみならず、地球の環境にも資すると考えております。
ぜひ環境省が先頭に豊かな森林環境をつくっていただきたいと思います。
熊森から
林議員、ご質問ありがとうございました。戦後の拡大造林政策による奥山人工林化が行き過ぎ、クマなど奥山の動物たちが生きられなくなっているという指摘を私たちが開始してから32年目です。人工林は行き過ぎていないとして、私たちはずいぶん批判されてきました。やっと国会でこの問題が出るようになったことに感無量です。
今の日本の行政は、経済第一で、野生動物たちの食料を思いやるような優しさは皆無に近い状態です。一般国民は胸を痛めているので、環境省や農水省が市町村など地方行政を指導して、野生動物たちの餌場となる森再生事業を進めていただきたいです。
熊森から環境省と国民のみなさんへ
①環境省のガイドラインが守られていないという現実があります。
熊森はこれまで各地の奥地集落を訪れ、地元の方や猟師の皆さんと話し込んだり、自分たちで調べたりして得た見聞を元に、何度も環境省に、「錯誤捕獲された野生動物は放獣すること」などのガイドラインを多くの都道府県が守っていないという現実を訴えてきました。
しかし、1999年の地方分権法によって野生動物の捕獲に関しては、国は都道府県に権限を委譲しているからとして、これまでこの件に対して環境省は都道府県を指導してくださっていません。権限を委譲したと言っても、国の定めた範囲内での権限移譲のはずですから、環境省は都道府県を支援するとともに、国のガイドラインを守るように強力に指導すべきだと思います。
第一、くくり罠のような残虐罠を山の中に無数に設置してシカやイノシシの問題を解決しようという発想自体が、人間の倫理観からも生態系保全上からも間違っていると思います。
②検討会委員に自然保護団体や動物たちの心がわかる動物愛護団体を加えるべきです。
研究者ばかり集めて検討しても、斬新な発想が生まれにくいと思います。クマ関係の検討会には、ツキノワグマ研究の第一人者である宮沢正義先生(今年97才)や、ヒグマ研究の第一人者である門崎允昭先生(今年86才)らに長年指導していただき、自らも徹底した現地調査やクマの生息地保全、被害対策の実践を行ってきた日本熊森協会も検討委員会に入れていただきたいです。国の今後を決めるにあたって正しい歴史を学ぶことが大切なのと同様、自然保護にとってもわが国の野生動物たちとの共存の正しい歴史を知る識者から学ぶことが大切です。
③祖先がしていたように、原則、奥山をクマの生息地として棲み分けるべきです。
現在、スキー場やキャンプ場など、奥山にも人間活動の場が多く広がっており、そのような場所を人間ゾーンとしてゾーニングしている現状では、クマたちはどこにおればいいのか居場所がないという現実があります。
④国立公園内での風力発電など再エネ事業を禁止してください。
巨大風力発電計画が奥山尾根筋で目白押しです。環境省が国立公園を守ってくださるのはありがたいことです。ならば、山の命ともいえる山の最も大切な場所である尾根筋を平らに削ってしまい、尾根筋に至る道路建設のためにと森林を大伐採して国立公園を破壊してしまう再エネ事業を環境省は禁止すべきです。
環境省には、本当にがんばってもらいたい。
環境省がんばれ!
私たちは環境省の応援隊です。
追悼 保利耕輔議員
新聞報道によると、自民党政調会長や文相を歴任された保利耕輔元衆議院議員が11月4日、誤嚥性肺炎のため死去されました。89才でした。保利耕輔氏は政界を引退されるまで、熊森協会の顧問を務めてくださいました。まったく偉ぶらず国民に対しても謙虚で、まさに人格者でいらっしゃいました。
以下、新聞報道より
1979年の衆院選に佐賀全県区から自民公認で立候補し、初当選され90年に第2次海部内閣の文相として初入閣。党国対委員長、小渕再改造内閣の自治相・国家公安委員長も務めた。
2005年の「郵政政局」で自民を離党。06年に復党して政調会長を務めた。当選12回を重ね、14年の衆院選に出馬せず、政界を引退した。
<熊森からの追悼>
初めてお会いしたのは2002年でした。初対面の私たちに、大変丁寧に1時間も対応してくださり、感激しました。佐賀県の放置人工林の写真をたくさん見せてくださり、私もこの放置人工林の問題を何とかしなければならないと思って頑張ったけどうまくいきませんでしたと、肩を落として話されました。
話の後、突然林野庁に電話してくださり、「長官はいるか。熊森協会が来られているんだ。熊森の話をしっかり聞くんだ」と、長官を探し続けてくださいました。あいにく、長官は不在とわかり、N02の審議官ならおられることがわかると、秘書さんを付けてすぐ林野庁まで私たちを連れて行ってくださいました。
後で、受付の方に、「自民党の中には、見ず知らずの一国民にここまで丁寧に対応してくださる国会議員さんがおられるんですね。今日は感激しました」と、お礼を言いに行くと、「保利議員は特別です」とあっさり答えられました。私たちはラッキーだったんだと感謝しつつ、なんとか保利さんの後を継いで放置人工林の問題を解決しようと、固く決意しました。
この後、熊森も精いっぱい頑張り続けていますが、あれから22年、未だ何ら進展せずに今日に至っています。
保利さんがお元気なうちに、放置人工林問題解決のご報告ができなかったこと、熊森は無念です。
この問題を解決しないと、クマが奥山に帰れません。
しかし最近は、役場の若い担当者たちが、子供のころから見てきた放置人工林を自然林と勘違いし、これが自然だからと、何の疑問も持たなくなってきました。びっくりです。
熊森は、放置人工林問題に国が動き出すまで、どこまでもあきらめずに、今後も取り組んで参ります。
保利さん、今後もどうか、天から応援していてください。
最後になりましたが、当時、秘書さんにも大変お世話になりました。
心からお礼申し上げます。
2002年5月30日発行の保利議員とお会いした時のことをまとめた、当時の会報を添付します。
良かったらご覧になってください。
クマに餌やりで罰金30万円の「自然公園法改正案」と、くま森のドングリ運びは全く無関係です
2月10日(水)10:00ヤフーニュースを見て、ドングリ運びは罰金30万円の対象なのかと不安になった会員から、問い合わせが相次ぎましたが、全く関係ありません。
そもそもこの法改正は、知床でヒグマなどの野生動物たちと写真を撮りたい人たちが、エサ投げをすることを禁止するためのもので、国立・国定公園における利用ルールやマナーの向上をめざすために、30万円以下の罰金を課す案です。
この記事の途中、クリックするとどんぐり運びの写真が出て来ます。なぜこんな場所に全く無関係のドングリ運びの写真が入ってくるのか関係者に問い合わせたところ、直ちに削除されました。削除はされましたが、熊森のドングリ運びが、まるで30万円の罰金対象かと勘違いさせるような表示をしてしまった関係者の責任は大変重いと思います。
この法案は、近々閣議決定されて、その後、世に出てくる予定です。熊森も、しっかりと追っていきたいと思います。
オンライン全国クマ部会 環境省のガイドラインを、捕殺を抑止してクマと共存できるものに
1月30日に開催された、本部主催2021年度第1回オンライン全国クマ部会に、全国から50名が参加しました。
2019年、2020年と全国のクマ駆除数は6000頭を超え、過去最多を更新しています。狩猟による捕殺以外に、この2年間で、1468頭のヒグマ、1万1078頭のツキノワグマが許可捕獲により殺処分されたのです。このような捕殺を続けていたら、クマが絶滅する地域が出てくるのは時間の問題です。
熊森は、2020年11月、全国の皆さまからいただいたクマの捕殺に規制をかける署名約27000筆を、環境大臣政務官と農水大臣政務官に提出し、放置人工林を早急に広葉樹を主体とする水源の森に復元し、大型野生動物との共存・棲み分けを復活してほしいと要望しました。
環境省は、2021年前半に、全国のクマ生息都道府県に策定させている特定計画のうち、クマ保護計画及びクマ管理計画についてのガイドラインの改定を予定しています。熊森は、この2年間の大量捕殺でクマ絶滅の引き金が引かれたと危機感でいっぱいになっています。今回のガイドライン改訂を、クマ大量捕殺に歯止めをかけるガイドラインにしてもらうため、環境省や国会にさらに大きく働きかけていこうと思います。
今回のオンライン会議は、環境省に何を訴えていくべきかを会員のみなさんに伝え、ご意見を求めるために開催しました。ガイドラインができて、パブコメが募集されてから変更してもらうことは難しいため、今のうちに早めに環境省に声を届けてください。
環境省〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館 TEL 03-3581-3351(代表)小泉進次郎環境大臣
【以下、学習会の内容要旨です】
第1部「クマと共存するため、2021年熊森はこれをする!」
日本熊森協会 会長 室谷 悠子
制度をつくるのは環境省、クマの捕獲権限を持っているのは都道府県で、都道府県が権限を市町村に降ろしている場合は、市町村です。
制度を変えるには時間がかかりますし、それだけでは解決しません。都道府県や市町村に、できる限りクマを捕殺をしないように訴えることが重要です。
地元が捕殺をしなくてもクマ問題を解決できるよう、本部・支部をあげて、地元を回り、地元の皆さんと力を合わせて、クマと棲み分け、共存できるように自分たちでもできることを次々と進め、それを全国に広げていきましょう。
第2部「クマを絶滅から救うために環境省に提言したいこと」
日本熊森協会 野生動物保全担当 水見 竜哉
去年、一昨年と、日本のツキノワグマは前代未聞の年5000頭を超える駆除が続き、地域絶滅が起こりうる危機的な状況です。現行のクマガイドラインの内容では、クマ生息数の調整ばかりで、生息地が荒廃し、クマたちの食料が激減している最大の問題にふれていません。(奥山を調査している人はほとんどいないので、このような現実が国民に知られていません。)冷温帯である生息地がクマを養える環境でなければ、いくら捕殺を繰り返してもクマは里に出て来ます。
【奥山がクマを養えなくなっていることを前提に、
できる限り捕殺を抑えるガイドラインに】 1 クマの個体数調整捕殺は行わない。実際の農作物被害や人身事故の恐れを前提とし、限定的にしか捕獲許可を出さない 2 出没≠被害のため、出没しただけでは、捕獲許可を出さない 3 具体的な被害がない中での、長期かつ大量のクマ捕獲罠の設置は認めない 4 誘因物の除去、被害防除、追い払いをまず行う ここに十分な予算をつけること! 5 親子グマ、子グマは原則捕獲禁止 6 捕獲後は、できる限り放獣をする 7 シカやイノシシ罠に錯誤捕獲されたクマが、法に反して大量に殺処分されているが、放獣を徹底させること 錯誤捕獲が生じた場合、有害捕獲へ切り替えてクマを殺処分するのは違法であることを明記 8 錯誤捕獲が生じないように、クマがいる都道府県では、シカ・イノシシ捕獲用檻を、囲いわなかクマスルー檻にする。くくりわなは真円12㎝以下のものしか認めない 9 山の実りが凶作で大量出没した年は、過剰捕獲にならないように特に注意する 10 生息環境の復元、山菜・昆虫・木の実などの食料激減問題の解決が必要なことを明記し、解決策を具体的に進めていく 11 集落の被害防除、棲み分け対策に十分な予算をつけ、徹底すること
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第3部「推定生息数の出し方とその問題点について」
日本福祉大学 教授 山上 俊彦 氏(統計学)
クマが何頭いるのか、正確な数を出すことは不可能ですし、どんなやり方でも誤差は必ずあります。全国の自治体のクマの生息数推定の計算方法を検証していますが、計算過程を非公開としている科学的検証にたえないものや、目撃や捕獲数が増えれば数が増える数理モデルとなって生息数が過剰に推定されていると考えられるものが多くあります。
生息推定数は、それを使う人がどう使うかが大切で、あくまでも推定で、真実はわからないことを前提に使うべきです。どのような指標をもとにどのようなモデルで計算しているのかの外部検証が不可欠です。生息数推定に用いたデータ・モデル式・プログラミングを全て公表すべきです。
【参加者の感想より】
●水源の森確保の提案も: 殺生禁止令が出ていた1200年間の間、日本にはオオカミも棲んでいました。棲み分けは重要ですが、四国では山が荒れて、特に餌のない冬場に谷の水が枯れています。その昔は水があったのでそこに魚や植物資源も少なからずあり、餌場になっていたとも考えられますが、餌場復元と同時に、水源の森確保も同時に提案してください(徳島県Iさん)。
●日本はクマをすぐ捕殺しすぎ: 私は、昨年夏に自宅近くの山の中でクマとばったり遭遇し、引っかかれたり噛まれたりして軽傷を負いました。直近でその近くでコグマを見ましたので、恐らく母グマがコグマを守るために行った行為だったのだと思います。私は、事故当時、クマ鈴などを持たずにいましたので、原因は自分にあるのだと反省しました。役所に報告をしたところ、すぐにクマを捕獲すると言って罠を現場に設置しました。私は、今回の事故の責任はクマではなく自分だから、捕獲しても殺処分しないでほしいと伝えました。しかし、役所はクマを捕まえて殺処分してしまいました。
私は20年前にアメリカから日本に移住してきた者ですが、母国ではこんな簡単にクマを捕獲して殺処分することなんてなかったです。捕まえても山に返していました。日本は、クマなど動物を簡単に駆除しすぎです(群馬県Cさん)。
●絵本などで子どもたちにも伝えたい: 野生動物との共存を子供にも伝えるものとして、絵本や説明文を作家や著作家とタイアップして作るのはどうでしょうか。教科書に載ることがあれば、かなり多くの子供たちに何年にもわたって読まれるので、これからの世代へ考え方のもとになっていくと思います。
●都市に住む人へのアピールを:自分は関係ないと思っている都市住民に、水源の森を守ることを意識してもらえるようなアピールを考えていきたいものです。「水源の森を訪ねる、守る、造る、美しくする、楽しむ」というような方向に発展させていくような活動はどうでしょう。地方の重要な河川、関東なら多摩川上流や丹沢、利根川などの源流にたどり着くような、楽しい企画にするのです。支部は独自にいろいろなことができますが、活動づくりのひとつとして例示したり、他支部のおもしろい源流ツアーを紹介したりするのも、いいかもしれませんね(兵庫県Mさん)。
くまもりの会員数が増えればもっと多くのクマが守れます!
ぜひ、会員に! |
まだの方急いでください 環境省シカ・イノシシガイドライン改定に対する意見提出、1月12日まで
今春、環境省は、シカやイノシシ、クマ、サルなどの大型野生動物を今後どのように保護管理していくかについて、ガイドラインの改定を行おうとしています。現在、それに向けて、パブリックコメント(意見募集)を募集しています。
全国都道府県保護管理計画は、環境省が策定するガイドラインに基づいて作られますから、今回のガイドラインの改定は大変重要です。
しかし、今回の改訂内容は、これまでと同様で、捕殺することにより野生動物の数をいかに低減させるか一辺倒であり、生態系保全上も人道的にも非常に問題です。このような内容を策定したのは、3年ごとに入れ替わる環境省の担当官ではなく、委員を務める学識経験者たちです。
中央環境審議会自然環境部会 鳥獣の保護及び管理のあり方検討小委員会名簿
(ワイルドライフ・マネジメント派だけで委員を独占しており、これでは改革が期待できません。小泉環境大臣は、委員会にぜひ熊森を入れるべきです。)
我が国は1999年に全国の自然保護団体の猛反対に耳を貸さず、ワイルドライフマネジメント派の大学教授らが提案した西洋思考のワイルドライフ・マネジメント(個体数調整)を導入しました。それ以来、この20年間に膨大な数の野生動物を捕殺してきましたが、殺生を嫌うという日本人の美徳を壊した罪は計り知れなく大きいと思います。また、いつまでたっても捕殺数が減らず大量殺害が続いており、残酷過ぎます。
ワイルドライフ・マネジメントは完全に破たんしているので、生息地を保障する祖先の棲み分け共存法に転換すべきです。そもそも人間が野生動物の生息数を人間が考えた適正数にコントロールしてやるなどという発想自体が全く自然を理解しておらずクレイジーな自然観です。野生動物にも地元の人たちにも、昔の棲み分け共存の方が良かったと思います。棲み分けさえできれば、野生動物など何頭いてもいいのです。
熊森は、大型野生動物の生息数を極限にまで減らして野生動物と人との軋轢をなくすのではなく、棲み分け共存を復活させるための環境づくりを進め、野生動物たちを殺さずに、野生動物たちの命の尊厳を守る計画にしてほしいと願っています。
個体数調整の名の元、殺処分対象となっている野生動物たちには、声をあげる力がありません。声をあげられる私たちが、環境省に声を届けましょう。
野生動物対応として、膨大な予算と人員を要するワイルドライフマネジメントではなく、野生動物たちの生息地を保障する祖先の棲み分け共存法を採用すべしという声をだけでも届けてほしいです。
◆以下、環境省のパブリックコメント募集要項
1、意見募集している内容
(1)第二種特定鳥獣管理計画作成のためのガイドライン(ニホンジカ編)改定案(添付資料1)
ガイドライン策定者
岩城 光 千葉県環境生活部自然保護課
梶 光一 東京農工大学農学部 教授
小泉 透 独立行政法人森林総合研究所 研究コーディネータ
坂田 宏志 株式会社 野生鳥獣対策連携センター 取締役
濱崎 伸一郎 株式会社 野生動物保護管理事務所 代表取締役WMO
平田 滋樹 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
中央農業研究センター 上級研究員
山根 正伸 神奈川県自然環境保全センター 研究連携課 主任専門員
(2)第二種特定鳥獣管理計画作成のためのガイドライン(イノシシ編)改定案(添付資料2)
ガイドライン策定に関わった専門家一覧(50 音順、敬称略)
浅田 正彦 合同会社 AMAC 代表
小寺 祐二 宇都宮大学 雑草と里山の科学教育研究センター准教授
坂田 宏志 株式会社 野生鳥獣対策連携センター 代表取締役
平田 滋樹 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
中央農業研究センター 上級研究員
藤井 猛 広島県農林水産局農業技術課 事業調整員
横山 真弓 兵庫県立大学自然・環境科学研究所 教授
クリックすると、内容を見れます。
クマは、このあとになるそうです。
2、意見のお送り方法、お送り先
○ 郵送の場合
〒100-8975 東京都千代田区霞が関1丁目2番2号
環境省自然環境局野生生物課鳥獣保護管理室 宛て
○ FAX の場合
FAX 番号:03-3581-7090
○ 電子メールの場合
電子メールアドレス:shizen-choju@env.go.jp
3、期日
令和2年12月14日(月)~令和3年1月12日(火)17:00まで
※郵送の場合は同日消印有効
※詳細は、意見募集要項 環境省HP(クリック)より
パブリックコメントを書かれる方は、以下の熊森の意見・提案をご参考にしてください。
<熊森のコメント>
1、錯誤捕獲を減らすために以下のことを徹底してほしい(p32② クマ類、カモシカ及びその他哺乳類の錯誤捕獲)
①例えば標高800m以上の奥山には捕獲罠を一切設置しないなど、野生動物のコア生息域に罠を設置することを厳禁する。
②シカ・イノシシ罠にクマなどが錯誤捕獲されないように、糠などのツキノワグマを強力に誘因する誘因物を使用しない、くくり罠の輪の直径は真円12cm以下を徹底させるなど、様々な処置を施すこと。もし、錯誤捕獲が発生した場合は、放獣を徹底させるとともに、今後、その場所に罠を設置しないようにすること。
2、シカの生息地を確保すべき。(p41-42上段「(9)生息地の保護及び整備に関する事項)
シカは本来、草原や湿原の動物だったが、戦後、ほとんどの生息地を宅地や農地に転用され、生息地を失ってしまった。四国や九州、西日本などは山全体が放置人工林に覆われ、今や林内に下層植生がない。この様な状態では、シカは残された僅かな自然林の下草か里の農作物に依存しなければ生きられなくなっている。放置された人工林を伐採して草原や湿原を再生したり、使われなくなったゴルフ場やスキー場をシカの保護区とするなど、安心して棲める生息地を人間の責任でシカたちに保障してやるべきである。
3、被害防除対策主軸の保護管理計画にすべき(p42-43「(10) 被害防除対策に関する事項)
シカの被害が深刻な地区は年間100頭から200頭のシカを捕殺している。このような場所で考えてみると、シカの有害駆除にかかる費用は、シカの有害駆除費の相場である15000円/1頭で計算すると、年間:150万~300万円である。
しかし、シカ防除のために1kmのワイヤーメッシュ柵を作るのに、工事費1000万円くらいが相場。ワイヤーメッシュは対応年数が10~15年ほどといわれているので、長期で見てみると、以下のようになる。
(10~15年のスパンの場合)
有害捕殺費:1500万~4500万円
金網柵設置保全費:1000万~1200万円(この期間の補修代などを考慮)
兵庫県シカ管理計画(資料編 平成29年3月)では、ワイヤーメッシュ柵設置による集落、田畑全体を囲う被害防除対策後の評価を各地区の農会にアンケートした結果、実に80%以上の地区で被害減少の高評価を得ている。
尚、シカの捕獲数もそうした地域では年間数頭にとどまっている。捕獲ではなく被害防除対策に重点を置く方が、長期的にみると個体数調整よりもローコストで確実に被害減少できる結果が出ている。
野生動物を殺さずに被害防除で野生動物に対応するやり方は、そもそもわが国が明治になるまで1200年間貫いてきた「殺生禁止令」の中で発案された「シシ垣」のアイデアである。野生動物との棲み分け・共存・被害対策は、野生動物を殺すことによって人間が決めた適正頭数に低減させ続ける西洋流のワイルドライフ・マネジメントを導入するのではなく、私たちの祖先が野生動物たちに生息地を保障して棲み分けてうまく共存してきた非捕殺対応こそを踏襲すべきである。以上。
[速報] クマ捕獲規制と共存対策を求める 26,798筆の全国署名と要望書を環境大臣、農林水産大臣宛に提出!!
絶滅回避と人身事故防止のために、緊急対策を要請しました
11月27日、環境省にて、宮崎勝環境大臣政務官(参議院銀)に、熊野正士農水大臣政務官に、全国から集まった26,798筆の署名とクマの絶滅回避と人身事故防止のための緊急対策を求める要望書を提出しました!
コロナ禍の中、人と会うことが制限される中で、本当にたくさんの人が、1頭でも捕殺されないように、クマと共存し、クマの棲める水源の豊かな森が日本にも残るようにと必死で集めてくださいました。署名提出には、赤松正雄顧問(元衆議院議員)、片山大介顧問(参議院議員)その他、たくさんの方にご尽力いただきました。
思いのつまった署名を、室谷悠子会長、片山大介顧問、クマ保全担当の水見職員、川崎東京支部長らと届けてきました。
捕殺より、えさ場の確保、人身事故防止、生息地復元が急務
近年、食料を求めてクマが里に大量に出没し、誘引物を入れた罠に誘引され、大量に捕殺されています。昨年度のクマ捕殺数は過去最多6000頭を超えました。
私たちは24年間奥山を歩き、調査し続けてきました。クマが、人里に出てきたのは、クマが増えたからでも、人を恐れなくなったからでもなく、クマの本来の生息地である、奥山水源域の自然林が、クマを養えないまでに劣化したことが原因です。
拡大造林政策により広大な奥山自然林が失われ、ダム建設によって俎上するサケ科の魚を失い、地球温暖化によって昆虫が消え、液果は実を結ばず、酸性雨によってドングリ類を枯死させるナラ枯れが全国的に大発生、山にクマの食料が皆無という危機的な状況となり、大量出没が起こっています。
今年の全国のクマ捕殺数は、9月末現在で4000頭を超えており、このままいけば昨年を上回る捕殺数となることが予測されます。
クマをこのまま捕殺し続けると、クマは絶滅し、生態系保全上からも人道上からも問題です。豊かな水源の森の造り手を失えば、人間も近い将来水不足で苦しむようになります。
環境大臣への要望事項 ※要望書はこちら
【クマとの共存のための緊急要請】 全国の自治体が捕殺を抑制しながら、人身事故回避・共存対策を実践できるように、今年度改訂予定の「特定鳥獣保護・管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)」においても、以下の対策を反映させてください。 1 山の実りがない年は、緊急対策として、里のどんぐり、オニグルミ、カキ・クリなどをクマに分けてやってください。人身事故の危険がある場合は、実をもいで山へ運ぶことを実践できるようにしてください 2 人身事故が起きないようにするためにも、できる限りの捕殺抑制を 3 クマが里に出てくるのを押さえるために、山裾にクリなどを植え、クマ止め林を造る必要があります 4 潜み場除去のための草刈りや誘因物除去など人身事故防止対策の徹底を 5 根本対策として、奥山の生息地の復元を |
農林水産大臣への要望事項 ※要望書はこちら
【クマの人身事故防止と棲み分け対策のための要望】 鳥獣被害対策予算、森林整備関連予算、森林環境譲与税などを活用し、クマの生息環境整備と人身事故防止及び棲み分け実現のため、以下の対策を実現ください。 1 人が気をつけることで人身事故は防げます。潜み場除去のための草刈りや誘因物除去など人身事故防止対策を鳥獣被害対策予算で実現させてください 2 里のどんぐり、オニグルミ、カキ・クリなどをクマに分けてやってください。人身事故の危険がある場合は、実をもいで山へ運んでやってください 3 根本対策として、生息地・奥山の広葉樹林の復元を至急進めてください 4 クマが里に出てくるのを押さえるために、山裾にクリなどを植える「クマ止め林」を造るための事業に公的補助が使えるようにしてください |
室谷会長は、「本来の生息地である奥山にえさのないなか、捕殺を繰り返しても、出没や人身事故は無くなりません。①えさの問題をどうするか、②棲み分けをどう進めていくかという視点の対策が急務です」と訴えました。
宮崎勝環境大臣政務官は、「来年度前半までに、ガイドラインやクマ出没対応マニュアルの改訂が予定されており、「共存」という視点を取り入れていきたい」と答えられました。熊森が実践し、提案するえさ場の確保や棲み分け対策、放獣体制の整備などもガイドラインに取り入れられるよう重ねてお願いしました。共存のための各自治体のモデルになるガイドラインができるように、今後も要請を続けます。
熊野農林水産大臣政務官には、奥地の放置人工林をクマの棲める広葉樹林に戻してほしいということと、鳥獣被害対策として、捕殺に頼らない棲み分け対策やクマたちのえさ場の確保に力を入れてほしいとお願いをしました。熊野政務官は、エサの問題、生息地の問題を考え、棲み分けをすることが必要という話を、「ゾーニングが大事なのですね」と真剣に聞いてくださりました。
「農林水産省の鳥獣被害対策予算が、来年度さらに拡充される予定です」と政務官がおっしゃられたので、現在の捕殺を中心とする獣害対策から、野生動物たちが山で暮らし、棲み分けができるような環境整備と野生動物を寄せつけない集落づくりにシフトしていくことが必要なことをお伝えしました。
署名提出に合わせて、環境省記者クラブと農政記者クラブで、記者に説明をしました。「クマが出てきて捕殺された」「事故が起こった」という現象だけではなく、クマたちが奥山から出て来ざるを得ない現状や共存と人身事故防止のため、何をすべきかということを報道してほしいと訴えました。「現場を取材に行きたい」とおっしゃられる記者さんもおられました。
日本熊森協会の提案は、いずれも24年間、クマ生息地で実践してきた取組に基づいて行われているものです。ぜひ、私たちの活動を取材に来ていただきたいです。
現在も、全国各地で、クマが出没し、捕殺が続いています。署名提出を契機に、安易な捕殺に頼らない共存の取組みが進んでいくよう、今後も、国に対して要請を続けるとともに、都道府県や地元自治体にも共存対策の実施を働きかけていきます。
国際動物福祉団体 Wild Welfare(ワイルド ウェルフェア)も共存対策を提案
世界をまたにかけて、飼育下にある野生動物の福祉向上に取り組むWild Welfare(ワイルド ウェルフェア)の幹部のSimon Marsh(サイモン マーシュ)氏からも、小泉進次郎環境大臣宛の親書を授かり、政務官にお渡ししました。
サイモン氏は、捕獲された野生動物の自然復帰プロジェクトに関わった経験を持ち、人との軋轢を減らすための啓発や捕まったクマの放獣、野生復帰のための一時保護施設の整備などを、日本熊森協会などのNGOとも連携し、行うべきだと提言をされました。
Wild Welfare(ワイルド ウェルフェア) サイモン氏の親書はこちら
海外では、クマが人里へ出てきただけで捕殺するのではなく、原因を究明し、人側も十分に注意し、クマを寄せ付けないように配慮して行動することを徹底している地域が多くあり、学ぶべきことがたくさんあります。
イノシシ罠に誤ってかかってしまったクマをどうしますか
ツキノワグマの生息地域であって錯誤捕獲のおそれがある場合については、地域の実情を踏まえつつ、ツキノワグマの出没状況を確認しながら、わなの形状、餌付け方法等を工夫して錯誤捕獲を防止するよう指導する。また、ツキノワグマの錯誤捕獲に対して迅速かつ安全な放獣が実施できるように、放獣体制の整備に努める。
これまで、錯誤捕獲されたクマは法律通りきちんと放獣してきた岡山県なのに、どうなってしまったのでしょうか。
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尊厳されるべきは人間の命だけという間違った方向に日本社会が進んでいることに、熊森は大変危機感をおぼえています。すべての生命が尊厳される社会でなければ、自然も、地球環境も守れません。
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熊森は自然保護団体として、どこまでも、全生物の生命尊厳を訴えていきます。
クマはなぜか、簡単に罠にかかってしまう動物です。