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ヨーロッパなどでは、再生可能エネルギー万能論はもうない 青山議員再エネ賦課金廃止を訴え
第213回参議院経済産業委員会(令和6年5月16日)で、・低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案及び・二酸化炭素の貯留事業に関する法律案の両案が一括して審議されました。
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以下は、熊森の文責で、自由民主党の青山繁晴議員の質疑応答の要旨をまとめたものです。
(質疑応答の全文をお読みになりたい方は、上の青山繁晴議員の質疑応答をクリックしてお読みください。)
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<以下、概略要旨>
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青山議員
大規模太陽光発電や巨大風力発電(陸上・洋上)は、森林や海の自然破壊であるというのは、もう自明の理です。しかも廃棄物の処理方法がない。(再エネをさらに拡大することがないように)再エネを拡大して水素を作ることを一定限度内にとどめるべきじゃないでしょうか。
※くまもり注:S+3EとはA安全性(Safety)を大前提とし、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時達成するという意味です。
熊森から政府への注文:国民に分かる日本語で政治をやってほしいです。
実は、日本が風力発電を強化する前に、デンマーク環境省当局者3人と議論した時、いずれも、風力発電は日本には合ってないよ、まず陸でやってきっと失敗するだろう、で、海に出ていくだろうが、日本は遠浅の海が少ないので、これもまた余計な負担を強いられることになると懸念も示されたわけです。残念ながら、長い月日を経て、今現実になっているわけです。
再エネによる国土自然破壊・海洋破壊にはすさまじいものがあります。国が推進しているからか、批判的な報道がない上、一般国民の見えない場所で実施されているため、まだ、国民の多くは再エネの恐ろしい実態に気づいていないと思います。私たちも最初、再エネは素晴らしいものなのかと思っていました。各地の事業現場を見に行って、この国を潰す気かと絶句しました。
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次の選挙では、大規模にわが国の自然を破壊し続けている再エネという名の地球破壊事業を止められる人たちを選ばないと、もうこの国に、人類に、未来はないと思います。
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近藤邦明氏は、そもそも今わが国で行われている「再エネ」は環境に配慮したものなんかではなく、
製造過程も考慮するといっそう空気中のCO2濃度を増しているだけで、自然エネルギー発電システムは、火力発電システム以上に化石燃料を浪費する
と言われています。
また、杉山大志氏は、我が国がたとえ2050年にCO2排出量をゼロにしたところで、
地球の平均気温は0.006℃しか低下せず、(地球温暖化抑制になんら)意味がない
と言われています。
再エネ事業は電気の安定供給や地球環境のために進められているのではなく、
経済界や国内外の投資家たちが莫大な利益を得るためにだけ進められている経済活動事業
青山議員は非常によく現実を見ておられます。
スクープ!指定管理鳥獣化主導の北海道でヒグマ個体数が過大に推定操作されていたことが判明
(はじめに、熊森から)
現在のクマの生息数推定計算は非常に複雑になっており、専門家でないとチェックは不可能です。
統計学の専門家である元日本福祉大学経済学部教授の山上俊彦先生は、この度、北海道のヒグマ生息数の推定過程を精査され、過大推定となるようにように操作されていることを見つけられました。
(本文)
以下は、山上俊彦先生のお話をまとめたものです。
北海道庁はこれまでクマの個体数推定方法を、全国で唯一非開示としてきましたが、2024年3月末の北海道ヒグマ保護管理検討会にて、やっと、道総研(地方独立行政法人北海道立総合研究機構産業技術環境研究本部エネルギー・環境・地質研究所)の研究者に依頼してきた1990年~2022年度末におけるヒグマの個体数推定方法の概略を提出しました。
概略なので大まかな輪郭が示されただけです。詳細まではわかりませんが、それでも今回の発表で、なぜヒグマの駆除数がこれだけ増加しているにも関わらず(2021年度のヒグマ捕殺数1030頭、放獣ゼロ)個体数推定値が増加し続けているのかがはっきりしました。
北海道ではヒグマの個体数を推定するにあたって、まず、北海道を7つの地域に分け、高密度地域は33頭、中低密度地域は20頭程度のヒグマから得たヘア・トラップ調査に基づいて、メスの生息密度を求めています。
例えば、渡島半島地域では2012年に渡島西部地で実施したヘア・トラップ調査の結果から、メスの生息密度推定値の95%信用区間は、下限値0.141頭/k㎡~上限値0.327頭/k㎡で、中央値は0.215頭/k㎡でした。
これに森林面積をかけて、メスの上限個体数を推定するのですが、当然のことながら、中央値である0.215頭/k㎡に森林面積をかけなければなりません。空間明示型標識再捕獲法(ベイズ統計学)を用いてクマの個体数を推定するにあたって、他府県では皆そうしています。ところが、北海道はなんと、上限値に森林面積をかけているのです。
しかもその森林面積はクマが生息できる自然林でなければならないのに、多くの人工林を含めた森林面積をかけているのです。
このように北海道庁が、生息密度の中央値ではなく上限値を用いたり、針葉樹の人工林を生息地にカウントしたりするなど、個体数が過大に推定されるように意図的な操作をしていたことがわかりました。
生息密度の上限値を用いた上限個体数を設定して計算機実験を行うと、個体数は非現実的な値に接近するまで増加し続けることになります。
しかも1990~2012年の間は個体数が増加し続けるように事前にプログラミングしていたこともわかりました。
その結果、全道の 2022 年時点のヒグマ個体数推定の下限値、中央値、上限値は、それぞれ 6,264頭、12,175頭、21,347 頭となっています。このとき、生息密度の「上限値」を用いて求めたのが個体数公表値の「中央値」となっているのです。
もし、このような操作がなされていなければ、北海道のヒグマ生息数は7000頭程度になります。実際の頭数は人間にはわかりません。
ヒグマを指定管理鳥獣に指定した環境省令は、このような北海道の個体数過大推定操作を精査せずに決定したものであり、この際、環境省は管理指定鳥獣にヒグマを指定したことを無効とすべきです。環境省のチエック機能はどうなっていたのでしょうか。このような操作によって国からクマ捕殺交付金を得ようとした北海道の要求は、誠に不当であると言わざるを得ません。
以下グラフは、道総研による、ヒグマ推定個体数の変化です。
熊森から
ヒグマの生息数が増えたか減ったかは、いつと比べるのかで答えが変わってきます。1990年という年はヒグマの生息数減少が危惧され、絶滅するのではないかと心配されて、道庁が春グマ狩りを廃止した年です。その年と比べるなら、ヒグマは増えたという答えしか出てきません。北海道開拓のころは間違いなくもっともっといたはずです。
では、何頭だったら適正頭数なのかということですが、クマという動物は、葉が繁る森の中を単独行動で大きく移動し、木々が葉を落とす冬には冬ごもりにはいってしまうという生態上の特性があるため、何頭いるのか生息数のカウントが不可能な動物です。まして適正頭数など、人間が決められるようなものではなく、生態学において「適正頭数」の判断基準などありません。
グラフの2022年推定個体数をみると、上限値と下限値の差が15000頭と幅があり過ぎです。もし、下限値が実態を反映していた場合、ヒグマが増えているとは到底言えません。
これからのヒグマ対策は、ヒグマの推定個体数に右往左往するのではなく、人身事故や農作物などの被害をどう減らすかに重点が置かれるべきだと熊森は考えます。多くいても人間のいない所にヒグマがいるのであれば問題はないし、少ししかいなくても人間の近くに出てくるようであれば問題です。現在、行政は、クマの個体数推定に膨大な予算を使っていますが、無意味です。こんな簡単なことに、専門家と言われる人たちがなぜ気づかれないのか不思議でなりません。
私たちの税金は、ヒグマを殺すことではなく、生息地再生や被害防除対策など、人とヒグマが棲み分けられるようにすることに使っていただきたい。その方が、道民の皆さんのためにもなると思うのですが、道民の皆さん、いかがでしょうか。(完)
マスコミはクマを悪者にしたてるのはやめて 軽トラに突進した根室母グマ報道の問題点
昨年から、なぜかマスコミのクマ報道が、「クマは悪者で捕殺の対象」というもの一辺倒に変わりました。目に余るひどいクマ報道の連続です。アルメディアの方は、クマを悪者にすると視聴率が取れると言っていました。
クマは本来とても平和的な動物で、人間に遠慮してかわいそうなくらいそっとこの国で生きています。
こんな報道が続くと、クマという動物を全く知らない多くの国民が、人を襲う恐ろしい動物という間違った固定観念をもってしまいます。
今回の根室の軽トラに突進した母グマの報道でも、子グマを守ろうとした母グマの行為であったことがほとんど取り上げられておらず、ヒグマ凶暴、軽トラの被害ばかりが強調されています。以下は報道の見出しです。
・【クマ】軽トラックに襲いかかる 北海道・根室市
・北海道根室軽トラックにヒグマが衝突乗っていた2人けがなし
・【衝撃】ヒグマが軽トラックに体当たり フロントガラス破損
ニュース映像に使われたドライブレコーダーを注意深く見ると、一番初めに一瞬子グマが画面左に歩いていく姿が映っています。
(子グマと母グマの文字は、熊森による挿入)
この子グマのことに触れないと、なぜ母グマが軽トラにとびかかったのかが視聴者に伝わりません。
地元の方に聞くと、この軽トラックを運転していたのはギョウジャニンニクを採りに、国道からそれた山道に入り込んで行った地元の方だそうです。母グマにクラクションを鳴らし、パニックに陥らせています。ヒグマの生息地に入るのですから、最初に子グマを見つけた時点で一旦停止してそっと引き帰るという最低限のマナーを守るべきです。
突進してきた母グマの後ろにも、もう1頭の子グマが現れますが、この軽トラは無視してこの林道をぶっ飛ばしていきました。
また、根室市がこの母グマに捕獲罠を仕掛けるとの続編ニュースも、人間側の視点ばかりです。以下は報道の見出しです。
・ヒグマによる「軽トラック襲撃」を受けて「箱わな」緊急設置へ 今月中にも周辺2か所に車体は大きく損傷、、、北海道・根室市
・軽トラを襲ったクマ箱罠を設置し捕獲へ「人身事故につながる危険」北海道根室市
行政は、罠を掛ける前に、この軽トラを運転していた方を指導したのでしょうか。
物言えぬ生き物たちに全責任を負わせるという最近のマスコミ界の倫理感も問題です。
根室市は、道の駅の横に罠を掛けることを考えているそうです。しかし、罠の中にはハチミツなどクマの大好物が入っていますから、遠くのクマまで誘引してしまいます。北海道ではクマ放獣体制がありませんから、罠に掛ったクマは100%銃で殺処分されます。
この辺りは元々ヒグマの生息地で、何かを狙ってクマがやって来たのではなく、元々の通り道だということです。
根室市担当者によると、地元ではクマを捕獲してほしいという声も出ていないということですから、根室市は罠を掛けないようにお願いします。
根室の道の駅(鈴木支部長撮影)
道の駅横の熊注意や立ち入り禁止看板(鈴木支部長撮影)
注意看板は必要です。
根室市さん、今後ともヒグマとの共存をよろしくお願いします。
リニアから南アルプスの自然と大井川の水を守ろうとした静岡県川勝平太知事の偉大さ
川勝知事が知事最後にあたって非常に大事なことを言われていますので、長文ですが熊森の記録に残したいと思います。
以下は、SBS静岡放送5月10日発信ニュースからです。
静岡県の川勝平太知事は2024年5月9日、退任会見を行いました。
知事は「4期目の最大の公約は南アルプスの自然環境の保全と水資源の確保であり、それとリニア工事を両立させること」だったとして「一つの区切りがついた」と改めて辞職の理由を語りました。
<川勝平太知事>(2017年10月) 「工事によってメリットもない。すべてデメリットしかない。この工事を静岡県下ですることに対し、断固猛省を求めたい。考え直せということです」 これまで川勝知事は強い言葉でJR東海と対峙してきました。
2027年に開業を計画していたリニア中央新幹線は、東京と名古屋をわずか40分で結ぶ国家プロジェクトです。南アルプスをトンネルで貫く静岡工区をめぐっては、大井川の水の減少などを懸念して川勝知事は工事に同意せず、手付かずのまま。
2020年には、JR東海のトップ・金子慎社長(当時)が川勝知事に直談判しましたが、議論は進展しませんでした。国の有識者会議も報告書をまとめましたが川勝知事は態度を崩さず、JR東海の丹羽俊介社長はー。
<JR東海 丹羽俊介社長>(2024年3月) 「残念ながら品川~名古屋間の2027年の開業は実現しない」 2027年開業の断念。リニアの開業は早くとも2034年以降になります。
この発表の数日後に川勝知事は辞意を表明。そして、5月9日の最後の会見で「トンネル工事によって南アルプスの自然環境はマイナスの悪影響を受ける。黄色信号がつく」という認識を示し、「強引に進むのか、あるいは留まるのか、まさに岐路に立った」と強調しました。
また、リニア工事が静岡工区以外でも遅れていることをJR東海が発表したことにも触れ「不都合な事実の公表は、くさいものに蓋をする従来のJR東海の姿勢が一新された」と皮肉にも聞こえる表現で評価しました。 一方、JR東海は「開業時期に直結するのは静岡工区」との考えに変化はありません。
<川勝平太知事> 「4期目の公約にかかわる仕事に一つの区切りがついたと判断いたしました。水資源を保全するためにも、南アルプスの自然環境は保全しなければなりません。そこに住む私たちもそれは使命ではないかと思います。県民の皆様を信頼申し上げております」
<川勝平太知事> 「4期目の最大の公約は、南アルプスの自然環境の保全と水資源の確保であり、それとリニア工事を両立させることでございました。辞職の理由と重なりますので、お別れの挨拶の最後にこの件について申し述べておきます。
南アルプスは国立公園であります。昭和39年に国立公園に認定されました。それ故、その自然環境の保全は日本政府の国策でなければなりません。また、南アルプスはユネスコのエコパークに認定されております。従いまして、南アルプスの生態系を保全することは日本政府の国際的責務であります。
国の生態系に関する、いわゆる有識者会議が昨年暮れに最終報告書をおまとめになりました。それによりますと、南アルプス山中のトンネルの上を流れる沢・渓流は、工事によって例外なく水位が下がると報告されています。水位が下がりますと、水際に生きる生物などはそこに水が来ませんので、生死に関わる厳しいマイナスの悪影響を受けます。
また、工事で出る濁った水を透明にするためには、凝固剤の使用を報告書は提案されております。凝固剤を使いますと、水質は確実に悪化いたします。 この報告書の内容を一読いたしまして、一言で言いますれば、トンネル工事によって南アルプスの自然環境はマイナスの悪影響を受けると。言いかえますと、工事によって南アルプスの自然環境には黄色の信号がつくという認識を私は持ちました。
それでもなお、工事を敢行するということであれば、工事による南アルプスの自然環境への悪影響をいかに小さくするかが課題であります。沢の水位が下がることで死滅しかねない生物の保全などのために、有識者会議はモニタリング会議を提案なさいました。モニタリング会議は政府主導で今年2月に発足いたしました。モニタリング会議、その第1回会合、2月29日、2カ月前のことでございますが、基本方針がそこで確認されました。
そして、第2回会合が3月29日のことでございまして、その会合で丹羽氏を新社長とするJR東海は、南アルプストンネル静岡工区の事業計画について、これまで知られていなかったデータを公表をされました。世間はあっと驚きました。私も同様であります。いわく、高速長尺先進ボーリングに3カ月から6カ月、工事ヤードの整備に3カ月、トンネル掘削に10年、ガイドウェイ設置に2年という事実の公表でございます。
その数日後に、いわく、岐阜県は恵那市のトンネル工事に40カ月、すなわち3年と6カ月、長野県は飯田市の高架橋の工事に70カ月、すなわち5年と10カ月、山梨県は駅の工事に80カ月、6年と8カ月がかかるという公表をなさいました。
昨年までのJR東海の前の社長の体制の下では、一貫して静岡県の工事の遅れだけが繰り返し強調されていました。そのことからいたしますと、隔世の感がございます。今回の2度にわたる事実の公表で、静岡県のみならず、岐阜県、長野県、山梨県でも工事が遅れていることがはっきりといたしました。これらはいわば不都合な事実というべきものであります。くさいものに蓋をするといった感のある従来のJR東海の姿勢が一新したというふうに思われます。
不都合な真実とはいえ、正直に事実を有り体に公表された現在のJR東海の丹羽社長の姿勢には、感じ入っております。正直に勝る徳目はありません。正直な丹羽社長に対しまして、敬意を表するものであります。
さて、南アルプストンネル工事について、工事に要する年数を単純に足しますと、12年から13年ということになります。重なるということになると、11年というふうになっているようでありますが、しかも、しかしながら、それをモニタリングをしながら、言いかえますと、順応的管理で工事を進めるということです。順応的管理、すなわち工事中に何か問題が生じますと、もう一回その工事がよかったかどうかフィードバックして考え直して計画を立て直すということでありますが、こういうやり方が順応的管理というものであります。したがって、こういうモニタリングをしながらの工事となるとすれば、ここで挙げられている工事年数を超えることが十分に予想されます。それは何を意味するんでしょうか。南アルプストンネル工事自体に黄色信号が灯ったことを意味すると思います。工事をすれば南アルプスの自然環境に黄色信号がつくというのが有識者会議の最終報告書の内容だというふうに私は認識しております。
そしてまた、今回、工事自体にも最低10年以上かかるということでございますので、これも青から黄色に信号の色が変わったというふうに捉えております。信号が黄色になれば、道路交通法に従いますれば進んではいけませんけれども、中には強引に突っ込む方もいらっしゃいます。強引に進むのか、あるいはとどまるのか、まさに岐路に立ったということでございます。それをどうするかについては、モニタリング委員会の御見識次第であります。
私は以上のことをもちまして、4期目の公約にかかわる仕事に一つの区切りがついたと判断いたしました。これまでJR東海さんに対しまして、かなり厳しいことも言ったことに対しましては、改めて申し訳なく存じますけれども、同時に丹羽社長の正直な姿勢に改めて敬意を表する次第でございます。ご立派でした。
なお、2018年6月、今から6年前ですが、JRさんと静岡市との間で締結なさいました、いわゆる用宗・落合線の5キロのトンネル工事は6年、丸6年経ちました。現在、掘削すら始まっておりません。丹羽社長はぜひこの約束は、約束通り実行してくださるようにお願いをいたします。
富士山と南アルプスは、いわば父と母のような存在であります。この霊峰と赤石山脈とは、命の水を供給することで、静岡県民を、またそこに息づく生きとし生けるもの全てを何世代にもわたって養ってまいりました。水資源を保全するためにも、南アルプスの自然環境は保全しなければなりません。そこに住む私たちもそれは使命ではないかと思います。
県民の皆様を信頼申し上げております。私はこれをもちまして、ふじのくに、愛するふじのくにを後にすることになります。ありがとうございました。皆様方の御多幸をお祈り申し上げます」
熊森から
コロナでリモートワークが広がり、リニアによる東京―大阪間の時間短縮の利便性を訴えておられた方々の主張が通らなくなりました。私たちはこれは南アルプスに穴を開けてはならぬという天の声だと感じました。
いったん走り出すと止められないというのは人間の悪いくせですが、南アルプスの自然や水を犠牲にしてまで造らねばならないものなど、この世にないはずです。いったん壊してしまった生態系は、もう二度と元に戻せませんから、リニア推進者の皆さんには、何とか目を覚ましていただきたいです。
川勝知事はいろいろと言われてきましたが、南アルプスと水を守ろうとして誰に何と言われようと頑張ってこられたことに関しては、誠に偉大な知事であり、後の世で必ず最大限に評価されるだろうと思います。
川勝知事に、心からお礼申し上げます。
パブコメで大多数が反対でも原案通り進める 環境省がクマを指定管理鳥獣に指定(省令発表未)
検討委員たちの発言は、クマは数も少なく繁殖力も弱いのでシカ・イノシシと同列にはできない。東北や北海道と他の地域では生息状況がかなり違うので、全国一律にクマを指定管理鳥獣に指定することには無理があるなど、まっとうな意見が全体を占めていた。
検討委員たちの意見が無視されている。
ヒグマ、ツキノワグマ(四国の個体群を除く)を指定管理鳥獣にすることに( )します。
野生鳥獣との軋轢を、野生鳥獣の生息数を人間が大幅に低減させて一定数にコントロールすることによって解決しようとする考え方を導入して25年が経過しましたが、罠だらけの山となり残酷なだけです。しかも、大量捕殺によって被害がなくならないことはシカやイノシシの対応で、すでに結論が出ています。
どうする環境省 クマ指定管理鳥獣化パブコメ結果 賛成9 反対440
環境省はクマを指定管理鳥獣にすることをどう思うかの1行だけを提示して、国民の意見を聞きたいとしてパブリックコメントを募集しました。締め切りは3月13日でした。
環境省は3月28日、パブリックコメントの結果とそれに対する回答を発表しました。
以下が、その発表です。
忙しい中、パブリックコメントに応募されたすべての皆さんに敬意を表します。
膨大な数のコメントをまとめてくださった環境省職員の皆さんに感謝申し上げます。
熊森としては、パブコメ結果と環境省回答を見て今後どうしていけばいいのか、多くの国民の皆さんと大いに議論したいです。
自分の考えをしっかり述べることのできる国民が増えることが、いま日本に本当に必要です。
みなさん、ご意見をお寄せください。
3月15日 杉本和巳議員が、衆議院第3回環境委員会で再エネ事業について質問
3月15 日、令和6年衆議院第3回環境委員会で杉本和巳議員(比例東海ブロック、維新・教育無償化を実現する会)が、再生可能エネルギー事業について質問されました。
質問中の杉本和巳議員
(要旨)文責熊森
杉本和巳議員 次に再生可能エネルギーについてです。
陸上風車:北海道で留萌から稚内にずっと日本海側を車で走っていくとですね、28基の風車が幌延のあたりにずらーっと並んでるんですね。極めて壮観ですね。素晴らしいなと思って、私はずっと風力風力と思っていたんですけれども、熊森協会さんに聞くとですね、風車は生態系上、そのヒグマはもうあるかもしれないし、キタキツネもそうかもしれないですし、あるいは水源としての水の流れ方とか、そういったものに非常にマイナスになるということです。
洋上風車:先日、再生可能エネルギー海域利用法というEEZまで洋上風力発電を中心としてその範囲を広げるということが閣議決定されたというふうに伺っていますが、こういったものが生態系並びにその他自然環境に与えるマイナス面、バードストライクだけに限らず、ほかの動物にもそれから自然全体についてどんなマイナス面があるか総論として伺っておきたいというふうに思います。
メガソーラー:太陽光発電についても伊豆半島の伊東の(メガソーラー)を視察しましたけれども、山の頂上とか中腹に太陽光パネルが設置されて、それによって木材が伐採されて、その木材が台風みたいなのが来たときに流れて、川を縦に伝って海に流れて海洋というか、漁場を赤潮の発生原因になったりして影響が出ているみたいなことを地元の陳情で伺ったことがあります。
この3つについて、環境影響評価として、生態系並びに自然環境にどんな影響があるのか、御担当の政府参考人から御答弁いただければと思います。
環境省鑓水総合環境政策統括官
お答えいたします。
陸上風力につきましては、近年の導入拡大に伴いまして、森林開発に伴う動植物の生息地の喪失やバードストライクの発生による鳥類への影響等、動植物や生態系への影響に対する懸念が大きくなっている状況だと認識してございます。
洋上風力につきましては、バードストライクに加えまして、海生生物や藻場への影響等が懸念されるところでございます。
太陽光発電事業につきましては、森林伐採に伴う土砂の流出やのり面の崩壊が発生する事例があると認識してございます。
このため、事業者が環境への適正で配慮がなされた事業を進めるように、環境省といたしまして、①環境影響評価評価制度に基づきまして、必要な確認を行っているところでございます。
それらの影響について事業者が適切に調査予測評価を行うこと。またそれらの影響を回避低減する措置を求めているところでございます。
そうした中で②環境大臣意見におきまして、例えば事業実施区域の見直しを求める場合もございます。
杉本和巳議員
再生可能エネルギーというのは全て善みたいに思ってしまいますが、光と影の部分がやはりあって、その影の部分も我々はしっかりチェックしていかないと環境立国として向かっていけないし、ネットゼロ(=正味ゼロ)に向かわないと思いますので、ちょっと御感想で結構なんですが、風力並びに太陽光についてのマイナス面についての御意見を伺えればと思います。
伊藤環境大臣
委員御指摘のように再生エネルギーのみならず、全てのエネルギー発生においては必ず光と影がございます。それで③環境省としてはこの2050年、カーボンニュートラルを目指して再生可能エネルギーの最大限の導入が不可欠と考えております。
他方、今参考人からも答弁がありましたように、大規模な森林開発を伴う再生可能エネルギーの事業計画が増加し、動植物への影響や生態系の損失に対する懸念は大きくなってきていると思います。
このため、環境への適正な配慮がなされた事業を推進することが大変重要であり、環境省としては環境影響評価制度において、環境影響や環境保全措置を確認していくことがより重要になってきていると考えております。引き続き④環境配慮が確保された再生可能エネルギーの導入が図られるよう、環境影響評価制度の運用等にしっかり取り組んでまいりたい、そのように考えています。
熊森から
①日本の環境影響評価評価制度は、業者の費用負担で業者が行うものですから、どうしても影響は軽微などとして業者に甘くなりがちの結論となります。
②環境大臣意見は、自然環境を守るために真摯にご意見を書かれていると感じますが、問題は事業を変更したり中止したりする権限がないことです。
③自然の中で巨大再生可能エネルギー開発を行えば、どうしても著しい自然破壊が生じます。環境配慮が確保された再生可能エネルギーなどあり得ません。再エネ事業は、都市部やビルの屋上などすでに自然が破壊されてしまっている場所で行われるべきです。
3月15日 林佑美議員が参議院予算委員会でクマの生息地である奥山の生活環境について質問
3月15 日、令和6年衆議院第3回環境委員会で林佑美衆議院議員(和歌山県、維新・教育無償化を実現する会)が、クマ生息地の生活環境の改善について質問されました。
この原因は、拡大造林政策によるスギ・ヒノキの植林、奥山の大規模開発による生息地の自然林の減少です。九州、四国、紀伊半島では、人工林率が6割を超えております。大臣もよく発言されておられますように、クマはシカやイノシシと比較して、生息数も少なく、繁殖力も弱く、環境変化にも弱い動物です。
クマは春夏秋の山の植物を食べており、食べる植物の種類は200種類を超えると言われております。秋はドングリ類を大量に食べ脂肪をつけ、冬眠に入ります。奥山に豊かな自然林があることがクマの生存条件です。昨年は東北や北海道で大量出没が起こりました。
山の実りの凶作が原因とされておりますが、異常な熱波による記録的猛暑となったためか、山に食料が何もないという例を見ない状況が発生した模様です。気候変動などの環境破壊により、豊かな森が残っていた東北や北海道でも森がクマを養えるだけの豊かさを失ってきていると感じております。
秋田県は近年、クマの捕殺の強化を進めてきましたが、昨年生息推定数の半数を優に超える2400頭超のクマを捕捉しております。捕殺をいくら繰り返してもクマが出てくる根本原因を解決しなければ被害は減りません。また、大量捕殺を繰り返していくと、地域的にクマが絶滅するところも出てくるでしょう。
そこで質問なのですが、被害を減らしていくにはクマが人里に出なくてもいい環境をつくるという根本的な対策が一番大切であり、林業不振により放置された人工林を自然林に戻す取り組みや、去年のような温暖化の影響が考えられる山の実りの大凶作の年であっても、クマが山の中に餌を確保できることを考えた、実のなる樹種の植樹などが必要となってくると考えますが、クマの生息地である奥山の生息環境について、環境省はどのように考えられておられますでしょうか。
朝日健太郎 環境大臣政務官
お答えいたします。環境省では、クマ類の保護や管理に関しまして都道府県の対策の指針となるような①ガイドラインを策定しております。また、昨年秋の、委員からありましたとおり、深刻な被害状況を受けまして、②専門家による検討会を設置をいたしまして、本年2月8日に被害防止に向けた総合的な対策の方針を取りまとめていただきました。
この内容ですけれども、クマ類の地域個体群の保全、そして人間との軋轢の軽減の両立を図るため、人間とクマ類の③棲み分けを図ることとしております。こうした考えに基づきまして、奥山などにおいてクマ類の保護を図るための保護優先地域や人身被害の防止を図るための人の生活圏、それらの間の緩衝地帯を設置設定し、それぞれの地域に応じて適切に管理を行うゾーニング管理を進めているところであります。
環境省では、奥山地域を含めまして、④国立公園や鳥獣保護区などの保護区域の指定などによりまして、生息環境の保全を図ってまいります。引き続き、農林水産省などの関係省庁と連携をいたしまして、クマ類の生息環境の保全を図って参りたいと考えております。
林議員
ありがとうございました。日本最大の大型野生動物であるクマの棲める森は、多種多様な生き物が絡み合う生態系の営みの中でつくられた水源の森でもあります。人工林が多く占める森林環境を少しでも改善して、クマの生息できる環境を奥山につくっていくことが、人や動物のみならず、地球の環境にも資すると考えております。
ぜひ環境省が先頭に豊かな森林環境をつくっていただきたいと思います。
熊森から
林議員、ご質問ありがとうございました。戦後の拡大造林政策による奥山人工林化が行き過ぎ、クマなど奥山の動物たちが生きられなくなっているという指摘を私たちが開始してから32年目です。人工林は行き過ぎていないとして、私たちはずいぶん批判されてきました。やっと国会でこの問題が出るようになったことに感無量です。
今の日本の行政は、経済第一で、野生動物たちの食料を思いやるような優しさは皆無に近い状態です。一般国民は胸を痛めているので、環境省や農水省が市町村など地方行政を指導して、野生動物たちの餌場となる森再生事業を進めていただきたいです。
熊森から環境省と国民のみなさんへ
①環境省のガイドラインが守られていないという現実があります。
熊森はこれまで各地の奥地集落を訪れ、地元の方や猟師の皆さんと話し込んだり、自分たちで調べたりして得た見聞を元に、何度も環境省に、「錯誤捕獲された野生動物は放獣すること」などのガイドラインを多くの都道府県が守っていないという現実を訴えてきました。
しかし、1999年の地方分権法によって野生動物の捕獲に関しては、国は都道府県に権限を委譲しているからとして、これまでこの件に対して環境省は都道府県を指導してくださっていません。権限を委譲したと言っても、国の定めた範囲内での権限移譲のはずですから、環境省は都道府県を支援するとともに、国のガイドラインを守るように強力に指導すべきだと思います。
第一、くくり罠のような残虐罠を山の中に無数に設置してシカやイノシシの問題を解決しようという発想自体が、人間の倫理観からも生態系保全上からも間違っていると思います。
②検討会委員に自然保護団体や動物たちの心がわかる動物愛護団体を加えるべきです。
研究者ばかり集めて検討しても、斬新な発想が生まれにくいと思います。クマ関係の検討会には、ツキノワグマ研究の第一人者である宮沢正義先生(今年97才)や、ヒグマ研究の第一人者である門崎允昭先生(今年86才)らに長年指導していただき、自らも徹底した現地調査やクマの生息地保全、被害対策の実践を行ってきた日本熊森協会も検討委員会に入れていただきたいです。国の今後を決めるにあたって正しい歴史を学ぶことが大切なのと同様、自然保護にとってもわが国の野生動物たちとの共存の正しい歴史を知る識者から学ぶことが大切です。
③祖先がしていたように、原則、奥山をクマの生息地として棲み分けるべきです。
現在、スキー場やキャンプ場など、奥山にも人間活動の場が多く広がっており、そのような場所を人間ゾーンとしてゾーニングしている現状では、クマたちはどこにおればいいのか居場所がないという現実があります。
④国立公園内での風力発電など再エネ事業を禁止してください。
巨大風力発電計画が奥山尾根筋で目白押しです。環境省が国立公園を守ってくださるのはありがたいことです。ならば、山の命ともいえる山の最も大切な場所である尾根筋を平らに削ってしまい、尾根筋に至る道路建設のためにと森林を大伐採して国立公園を破壊してしまう再エネ事業を環境省は禁止すべきです。
環境省には、本当にがんばってもらいたい。
環境省がんばれ!
私たちは環境省の応援隊です。
追悼 保利耕輔議員
新聞報道によると、自民党政調会長や文相を歴任された保利耕輔元衆議院議員が11月4日、誤嚥性肺炎のため死去されました。89才でした。保利耕輔氏は政界を引退されるまで、熊森協会の顧問を務めてくださいました。まったく偉ぶらず国民に対しても謙虚で、まさに人格者でいらっしゃいました。
以下、新聞報道より
1979年の衆院選に佐賀全県区から自民公認で立候補し、初当選され90年に第2次海部内閣の文相として初入閣。党国対委員長、小渕再改造内閣の自治相・国家公安委員長も務めた。
2005年の「郵政政局」で自民を離党。06年に復党して政調会長を務めた。当選12回を重ね、14年の衆院選に出馬せず、政界を引退した。
<熊森からの追悼>
初めてお会いしたのは2002年でした。初対面の私たちに、大変丁寧に1時間も対応してくださり、感激しました。佐賀県の放置人工林の写真をたくさん見せてくださり、私もこの放置人工林の問題を何とかしなければならないと思って頑張ったけどうまくいきませんでしたと、肩を落として話されました。
話の後、突然林野庁に電話してくださり、「長官はいるか。熊森協会が来られているんだ。熊森の話をしっかり聞くんだ」と、長官を探し続けてくださいました。あいにく、長官は不在とわかり、N02の審議官ならおられることがわかると、秘書さんを付けてすぐ林野庁まで私たちを連れて行ってくださいました。
後で、受付の方に、「自民党の中には、見ず知らずの一国民にここまで丁寧に対応してくださる国会議員さんがおられるんですね。今日は感激しました」と、お礼を言いに行くと、「保利議員は特別です」とあっさり答えられました。私たちはラッキーだったんだと感謝しつつ、なんとか保利さんの後を継いで放置人工林の問題を解決しようと、固く決意しました。
この後、熊森も精いっぱい頑張り続けていますが、あれから22年、未だ何ら進展せずに今日に至っています。
保利さんがお元気なうちに、放置人工林問題解決のご報告ができなかったこと、熊森は無念です。
この問題を解決しないと、クマが奥山に帰れません。
しかし最近は、役場の若い担当者たちが、子供のころから見てきた放置人工林を自然林と勘違いし、これが自然だからと、何の疑問も持たなくなってきました。びっくりです。
熊森は、放置人工林問題に国が動き出すまで、どこまでもあきらめずに、今後も取り組んで参ります。
保利さん、今後もどうか、天から応援していてください。
最後になりましたが、当時、秘書さんにも大変お世話になりました。
心からお礼申し上げます。
2002年5月30日発行の保利議員とお会いした時のことをまとめた、当時の会報を添付します。
良かったらご覧になってください。
クマに餌やりで罰金30万円の「自然公園法改正案」と、くま森のドングリ運びは全く無関係です
2月10日(水)10:00ヤフーニュースを見て、ドングリ運びは罰金30万円の対象なのかと不安になった会員から、問い合わせが相次ぎましたが、全く関係ありません。
そもそもこの法改正は、知床でヒグマなどの野生動物たちと写真を撮りたい人たちが、エサ投げをすることを禁止するためのもので、国立・国定公園における利用ルールやマナーの向上をめざすために、30万円以下の罰金を課す案です。
この記事の途中、クリックするとどんぐり運びの写真が出て来ます。なぜこんな場所に全く無関係のドングリ運びの写真が入ってくるのか関係者に問い合わせたところ、直ちに削除されました。削除はされましたが、熊森のドングリ運びが、まるで30万円の罰金対象かと勘違いさせるような表示をしてしまった関係者の責任は大変重いと思います。
この法案は、近々閣議決定されて、その後、世に出てくる予定です。熊森も、しっかりと追っていきたいと思います。