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カテゴリー「_野生動物保全」の記事一覧

今夏、旧奈良市管理地区で天然記念物のシカの初捕殺が開始されることに疑問 

以下の新聞報道を読んで、衝撃を受けるとともに、大いなる疑問を抱きました。

昔、物がなかった時代の奈良の人達が、深い思いを持って守ってきたシカを、これだけ物質的に豊かになった経済大国・科学技術大国の日本で、なぜこれまで通りの旧奈良市全域で守り続けられないのでしょうか。

(以下、毎日新聞より)

奈良市で保護対象となっている国の天然記念物「奈良のシカ」について、農作物被害対策として初めての捕獲が今夏にも始まる。奈良県が文化庁に捕獲のための現状変更許可を先月申請し、認められる見通しとなった。県は、市中心部では従来通り保護を続ける一方、郊外では頭数管理を進め、人とシカの共生を図る。

県の計画では今年7月から始める意向で、11月まで数十頭程度を捕獲する見通し。21年度まで毎年捕獲する。捕えたシカは調査などに充てる。県は「農作物への被害にきちんと対処する体制を整えたい」としている。

 

 

奈良市のどこでシカの初捕獲(=捕殺)が始まろうとしているのか調べてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤枠内が旧奈良市 赤色部分が今回シカ管理地区とされた部分(奈良市シカ管理計画より)

 

春日大社境内など3平方キロを生息地として重点的に保護する「重点保護地区」に、その東側の春日山原始林など7平方キロを「準重点保護地区」に指定。これらを囲む形で、市郊外との間に保護管理地区(18平方キロ)を設け、それら以外の地域(上図赤色部分)で鳥獣管理計画に基づき捕獲する。

 

奈良県に確認したところ、捕獲されたシカは、100%殺処分するそうです。管理という行政言葉は、殺すことを意味します。

 

先日訪れた奈良市郊外は、屋敷も田畑も徹底したシカよけ柵でシカ防除がなされていました。

ある意味、異様な田園風景でした。

農業をされている方に尋ねると、これでシカ被害は確実に防げているということでした。

 

昔と比べたら、柵の素材は各段によくなっています。

シカによる農業被害を受けている地域があるのは想像できますが、シカよけ柵の設置や強化で解決できないのでしょうか。

 

これまで旧奈良市内のシカは天然記念物として戦後1頭も殺さずにきたのに、世界に一つしかないこのすばらしい伝統、文化をここで途絶えさせることは余りにも惜しい。

 

第一、今年数十頭殺したところで、シカは大移動しますから、別の地域や県外から新たなシカがまた入ってきて、元の木阿弥になるはずです。

農業被害はいつまでもなくならず、毎年、無用の殺生をしているだけになりませんか。

それより、捕殺にかける費用をシカ柵の強化に使った方が、確実に農作物被害が減り、費用対効果の面からもいいと思うのですが、みなさんはどう思われますか。

 

シカを害獣視し、西洋文明を真似て、残虐なだけのレジャー狩猟、頭数調整という名の大量捕殺、ジビエ料理という名の食文化を旗を振って進めている今の我が国にとっては、旧奈良市のように1頭もシカを殺さないという町の存在は、この上もなく目障りだったはずです。

 

国は例外は認めませんから、奈良市もシカ数の頭数管理をやれという、中央からの圧力があったのかもしれません。

生き物たちを工業製品と勘違いしているのか、科学的・計画的に頭数管理できると誤解している野生動物管理派の研究者たちの高笑いが聞こえてきそうです。私たち保護派、生命尊重派がもっともっとまとまって、反対の声を上げていかなければならないと思います。

 

奈良に、平成の丸尾萬次郎よ、出でよ!

 

 

実際には使えない太陽光発電?サルシカイノシシが住む四日市の里山116haにメガソーラー計画

四日市の里山とメガソーラー計画に関するシンポジウム(2016年12月三重県四日石市で開催)の報告書である「四日市学講座12」を読ませていただきました。

 

この本には、現在の日本国民が知っておくべき、実に貴重な情報が掲載されています。発行してくださった四日市大学のみなさまに感謝するとともに、ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思います。

 

<内容紹介>

今、太陽光発電・風力発電の建設によって、各地で新たな森林破壊、自然破壊が広がっています。

 

ソーラーパネルが設置される場所は、なぜか耕作放棄地、森林、ため池など、自然が残された場所がほとんどです。そのような場所は、サルシカイノシシなどの大型野生動物から小さな生き物に至るまで、現在どこもびっしりと動植物で埋め尽くされています。

ソーラーパネルが設置されることによって、そこで生きてきた全ての生き物たちの生存が絶たれてしまうことになります。

 

わたしたち人間に、

・このような生き物たちの絶滅の悲鳴が聞こえないのなら、

・そして、このような生き物たちの絶滅が、やがて自分たち人間を滅ぼすことにつながることが読めないのなら、

・また、知ったとしても、自分に関係ないとして見て見ぬふりをする人間たちばかりしかいないのなら、

戦後の家庭教育・学校教育に、大欠陥があったのではないかと思えてきました。

 

 

四日市市の場合、森林面積はすでに市の13.9%しか残っていません。ほとんどが民有地で里山です。今回、再生可能エネルギー事業を手掛けるジーヴァエナジー(東京都港区)の出資・設立した合同会社・四日市足見川メガソーラー合同会社・四日市ソーラー (㈱)レノバ(東京)が予定されているメガソーラー建設によって、なんと、市の森林面積の4%がさらに失われてしまうのです。そこはサルシカイノシシたちの生息地であり、貴重な湿地生態系も残されています。

日本野鳥の会三重県支部は、知事や市長に、再生エネルギーの名のもと自然を破壊してはならない。ソーラー事業を中止するよう申し入れをされたそうです。

熊森としては大拍手です。しかし、事業は止まりそうにないそうです。

 

自然エネルギーは、太陽光発電も風力発電も、すでに自然が破壊されてしまった住宅街やビル街にこそ発電装置を設置すべきではないでしょうか。

 

 

ここまで思って、最後に、歯科医武田恵世氏の発表を読み、愕然としてしまいました。

 

太陽光発電や風力発電が増えると、発電装置を維持するために化石燃料をこれまで以上に燃やさなければならなくなる上、これらの発電から得られる電気は不安定でコントロール不能であり、実際には使えないのだそうです。電力会社は、これらの自然エネルギーによる電気を買い取ることになっていますが、実際は、解列して、これらの電気が流れ込まないようにしていることも多いようです。

なぜそのような意味のないどころかマイナスの再生可能エネルギー事業が国中に広まっていくのか、電気を得るのが目的ではなく、投入される私たちの税金を狙って企業や富裕層が投機で儲けるためだけ(高利回り11.4%)のようです。

 

また、まぶしすぎる反射光、洗剤を使ってのパネル洗浄の必要、電磁波、発火、すぐに壊れる計器類など、様々な問題があって、住宅街やビル街にソーラーパネルを設置することは不適のようです。

 

自分で確認したわけではありませんが、このようなことが本当なのか、もっともっとマスコミは情報を流してほしいです。

 

太陽光発電、風力発電による自然破壊の問題は、これからますます全国に広がっていくことでしょう。熊森もしっかりと声を上げていかねばならなくなってくると思います。

 

追伸:武田氏によると、自然エネルギーの中で、地熱と小水力発電はどうにか使えるそうです。

 

 

人間狂った!「ミドリガメ、のんびり駆除」とは   

今度は、5月9日朝日新聞デジタル記事です。

 

ミドリガメ、のんびり駆除「日光浴わな」広がる

人間ここまで狂ってしまったか。

 

駆除というのは、殺すことですよ。

カメが甲羅干しをする習性を利用して、「日光浴わな」をしかけ、手軽に捕獲して殺処分できることを、一方的に耳寄りなニュースとして記事にしたものです。

このような記事がデスクで指導されずに世に出て来てしまう新聞社のチェック体制は、一体どうなっているのだろうかと思います。

以前の日本では、考えられないことです。

 

日本には、来世、人間以外の生き物に生まれてくるかもしれないという輪廻の思想があり、日本人は、次、何に生まれて来てもいいように、いろいろな生き物に人と同じようにやさしく接してきました。

これは自然との共生を可能にするすばらし文化でした。この文化が、環境省の指導によって、今、猛スピードで失われていっています。国が狂ったと、わたしたちは今、危機感でいっぱいになっています。

 

生き物の命を軽視し、生き物が殺されることを「のんびり駆除」などと茶化して記事に書く記者が誕生していることを、空恐ろしく感じます。

 

 

日本熊森協会は、何の罪もない外来生物の命を物扱いしてもてあそぶ平成の大悪法「特定外来生物法」に、強く反対しています。「特定外来生物法」によるアライグマやマングースの根絶殺害が、私たちの税金によって執り行われていますが、残酷なだけです。毎年大量に捕殺しても、環境収容力に合わせて、すぐにまた元の数に増え戻ってしまうため、問題は全く解決していません。無用の殺生をしているだけなのです。

 

外来生物問題で、まず人間がしなければならないのは、殺し方を考える事ではなく、輸入という蛇口を止めることです。

ミドリガメは業者の利権を守るために、現在も輸入され続けています。

「日光浴わな」が広がっているかもしれませんが、人間が考えねばならないミドリガメを取り巻く様々な問題を一切無視して、捕殺効率の良い罠があることだけを紹介するなど、とんでもないことです。自分が来世、ミドリガメに生まれたらと考えれば、今何をしなければならないか、おのずとわかってくるのではないでしょうか。

 

報道関係者のみなさんは、外来種の記事を書かれるなら、日本熊森協会のコメントも同時に掲載していただきたいです。一方的な報道だけでは、国民が思考力を失ってしまいます。

 

ミドリガメ問題について、意見を述べている人はいないのだろうかと思い、ネットで調べて見ましたら、なんと

 

ミドリガメを助ける署名

 

を集めている有志一同さんがおられました。

この人たちの主張を読んでみました。人間の心、日本人の心を失っておらず、まっとうです。

熊森会員の皆さん、ぜひネット署名をしてあげてください。

 

 

朝日新聞本社に電話をして、読者係の方に、厳重抗議をさせていただきました。

担当者の方は、まじめに聞いてくださいました。

 

自然豊かでやさしい社会を取り戻すために、報道には良きにつけ悪しきにつけ、重なってもいいので、熊森会員のみなさんはどんどん声を上げてください。

自分たちの言動が、全ての生き物と人類の未来を形づくっていくのだという気概を持って!

 

ぜひご一読ください。

外来種問題に対する日本熊森協会の見解

2016年 ツキノワグマが大量に殺処分されていた

今年は、山の実りが悪いと言っても、近年に過去3回あったような、ありえないまでの異常凶作年ではありません。であるのに、熊森本部の全国都道府県への電話聞き取りでは、現時点でわかっただけでも、秋田県の470頭を筆頭に、全国で有害捕殺数されたツキノワグマの数は、合計2924頭にものぼっています。この時期、秋の有害捕殺数集計がまだ出ていない県がいくつかありますから、捕殺総数は、まだまだ増えるものと思われます。

 

今年の春、秋田県のネマガリダケ採取現場で起きたクマによる死者4名の事故が、「クマは凶暴、殺すべし」という流れを全国に作ってしまったのでしょうか。

 

<西日本での2016年クマ有害捕殺数>単位:頭

滋賀県0、京都府54、兵庫県29、鳥取県69、岡山県10、

広島県46、島根県94、山口県21

 

今春の秋田の事件の時、クマ研究者を名乗るコメンテーターの人食い熊、殺人熊、凶暴グマなどという言葉を、裏付けも取らずにセンセーショナルに全国に流したマスコミの責任は大きいと思います。これらの報道が、本来の臆病で平和的なクマ像を、すっかりゆがめてしまいました。

 

神のみぞ知るですが、わたしたちは、秋田で今年、人食い熊や殺人熊、凶暴グマが誕生したとはとても思えません。

 

人間が至近距離にいるのに気づき、クマが恐怖のあまり逃げようとして一撃をくらわしたら、人が亡くなったということも考えられるのではないでしょうか。その後に、現れた別グマが、死体を見つけ、森の掟に従って、片付けようとして食べた。こんな推理も成り立つのではないでしょうか。(現地近くで射殺されたメスグマの胃内容はほとんどがタケノコで、少し人肉が入ってたという報道から想像)

 

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シカの死体を食べるクマ

山に放置されたシカの駆除死体のそばに自動撮影カメラを掛けると、クマを初め、イノシシ、キツネ、タヌキ、テンなどいろいろな森の獣、猛禽類、ハチなどの虫たちが次々とやってきて食べ、片付けてしまいました。大昔から連綿と続いてきた森の掟です。

クマは現在、草食動物に近い食性となっていますが、シカなどのように完全な草食動物ではなく、本来は人間と同様、雑食動物です。他の動物の死体はもちろん、川魚などが豊かであった昔は、魚も採って食べていたと思われます。

岡山県、鳥取県、京都府へ 現時点でのクマ狩猟再開検討は余りにも短絡的 

日本に狩猟文化を広めたいと考えている国立大学の研究者グループがあります。自身もハンターなのでしょう。

 

かれらは環境省を動かして、ここ数年来、「すごいアウトドア」という、狩猟推進キャンペーンを全国で繰り広げてきました。しかし、生き物をスポーツやレジャーで殺して楽しもうという文化は、日本人にはなじみません。明治になるまでの1200年間、殺生禁止令だ出続けていた国の国民ですから、無理ないでしょう。

よって、思うようにハンターが増えませんでした。つまり、大多数の民意に反しているのです。

 

数年前、兵庫県庁の出先に行くと、まだ30代と思われる若い男性の鳥獣担当者が出て来て、「私は狩猟学の権威です」と言うので、兵庫県はこのような人を採用し始めたのかと驚きました。

 

熊森本部のある兵庫県の兵庫県立大学には、どういうわけか狩猟派の研究者が次々と送り込まれてきて、県行政と一体となり、マスコミを大動員して、狩猟文化やジビエ料理がどんないいことかのように大々的に宣伝し続けています。(国民洗脳)

 

また、彼らは、野生動物を狩り、その肉で犬や猫のペットフードをつくろうという海外の大きなペットフード会社とつながる動物愛護団体?とも大々的につながっています。(原料がただなので、儲かるかもしれないナ。利権構造が見える?)

 

かれらは、野生動物を論じる時に一番大切な、生息地の自然環境がどうであるかにはあまり関心がないようにみえます。兵庫県のクマ推定生息数をコンピューターで計算して940頭に爆発増加したとはじき出した元兵庫県森林動物研究センターの研究者に、「集落周辺の目撃数や捕獲数だけではなく、奥山を調べましたか」と尋ねると、「調べていません」という答えでした。

 

かれらは、兵庫県のクマたちの本来の生息環境である奥山の自然は大変豊かで、山の中にはクマがいっぱいおり、問題なしとし、今年、兵庫県行政をクマ狩猟再開に導くことに成功しました。そして、かれらは1か月間で140頭のクマを兵庫県で狩猟するというシナリオを描きました。

 

一方、熊森は、クマは大荒廃した奥山から出て来て里に集まっており、山にはほとんどいないと主張しています。何人もの猟師や地元の人達が、同じことを言われています。

 

確かに今、クマは山から出て来て、地元を困らせています。しかし、その現象だけを見て対策を論じるのではなく、なぜ出て来るのか、原因を見極めることが大切です。爆発増加したからなのか、そうだとしたらその原因は?山が荒廃する一方だからか、そうだとしたらその対策は?

原因の特定を間違えれば、打つ手は全部外れてしまいます。原因究明が大切なのです。

 

岡山県、鳥取県、京都府の知事や行政は、今しばらく狩猟再開を検討することをお待ちください。兵庫県クマ狩猟再開結果が12月14日に出ますから、それから検討されても、遅くはありません。

 

自然界はそれ自体が、本来バランスのとれた完結社会です。唯一、自然界からはみだして生きる現代人という動物が、明治期に西洋からもたらされた、スポーツやレジャーで野生動物を殺して楽しむ「狩猟」を今後も認めるのかどうか、国民的議論を大いに高めるべき時だと思います。

 

 

進めます!ヒノキの放置人工林を皮むき間伐して、動物が棲める森づくり 第2回は6月19日(日)

熊森本部は、5月22日(日)、兵庫県三田市における第1回皮むき間伐フェスタを開催しました。参加人数は大人33名、子供9名の総勢42名の参加者で、とても盛り上がりました!

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まずはラジオ体操からスタート!

 

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現地到着。中は、本当に暗いなあ。

 

皮むき間伐開始!

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子どもたちもがんばってくれました。

この時期、ヒノキやスギの皮をむくのは、竹の子の皮をむくように簡単ですが、むいた皮を引きちぎるのは大人でもすごく大変です。

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必死で皮を引きちぎります。

 

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一生懸命♪

 

今回、共催してくださったのは、NPO法人里野山家代表の佐藤ご夫妻です。

奥様が地元の奥様方とお昼ご飯を作ってくださいました。

お昼はロケットストーブで炊いた三田米とおでんなどです。とてもおいしくて疲れも吹っ飛びます。

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佐藤様ご夫妻

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おいしいね。

 

午後からは熊森活動を参加者のみなさんに知ってもらうために、くまもりの紙芝居を実施しました。みなさん真剣に聞いてくださり、涙が出ましたと語る男性もいらっしゃいました。

 

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今回は子供たちも多かったので、森の工作教室も実施。みんな個性的な作品を作ってくれました。

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この日の間伐は、7割間伐に相当します。

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みなさん、ごくろうさまでした。3年後をお楽しみに。

 

次回も参加してくださる方がいます。とてもうれしいです。

次回の皮むき間伐は、6月19日(日)。

今回と同じく、三田市酒井の酒井公民館に9時半集合です。

 

ご参加いただける方は、是非ご連絡ください。

お問い合わせ、お申し込みはくまもり本部まで。

電話番号 0798-22-4190

FAX 0798-22-4196

E-mail contact@kumamori.org

 

皮むき間伐は小学生以上なら誰でもできる森づくり。山にやさしい間伐方法です。

どんどん進めて、国民の力で、日本の山を、下草や広葉樹が生える明るく元気な森に変えていきましょう!

 

 

 

 

3月17日 兵庫県野生動物保護管理運営協議会 クマ爆発増加説に基づき、西日本で先陣を切ってなんと「クマ狩猟再開案」

この日の協議会で、兵庫県行政から「平成28年度兵庫県ツキノワグマ保護計画案」が発表されました。

内容は、予想された通り、「クマが爆発増加し続けており、県内推定生息数が940頭を超えた。環境省は800頭を超えたら狩猟再開としているので、今秋11月15日から1か月間、狩猟者一人当たり1頭までという条件で、クマの狩猟を20年ぶりに再開する」というものでした。

 

ちなみに、兵庫県猟友会は、今回、クマ狩猟再開の申し入れなどしていないばかりか、反対に、捕獲上限総数などもっと規制を強めなければ、クマを捕獲し過ぎてしまうのではないかと心配されていました。

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協議会風景

 

協議会の委員メンバーが推移していく中で、今や最古参となった委員歴15年の熊森会長森山まり子が、直ちに原案反対の意見を述べました。

意見は2分間以内と決まっています。いつものことながら、2分間ではとても反論しきれません。時間が超過して委員長から注意を受けました。

検討会とか協議会とかいっても、結局は資料は行政が用意した原案だけであり、行政の会議は時間厳守ですから、深い検討や協議にはなりません。

まして、野生動物問題を、野生動物を殺さない方法で解決しようと主張している熊森の意見など、この場では異端であり、人間が野生動物を殺すことによって野生動物の生息数を管理していくという時代の流れの中で採用されることなどありません。

「無用の殺生」を忌み嫌うわたしたち大多数の一般国民の感覚からすると、聞くのも堪えがたいつらい内容の会議であり、出席に関しては、毎回誠に気が重くなります。しかし、出席しなければ、行政情報が何も得られないので、自然保護団体としては出席しなければならないのです。

 

<森山委員発言要旨>

「表題はツキノワグマ保護計画ですが、クマからみれば、保護の部分はゼロです。中味は完全に管理(=頭数調整殺害)計画になっています。狩猟再開には絶対反対です。まず、4点述べます。

①兵庫県のクマが爆発増加し続け、940頭を超えたと言われているのは、私たちが知る限りひとりの研究者のMCMCベイズ推定の結果だけであり、他に検証者がいない。熊森は、MCMCベイズ推定で野生動物の生息数を推定できるのか疑問を持っているので、他の研究者や他の方法で推定したクマの推定生息数も教えてほしい。

②原案は、集落周辺のクマ数しか見ておらず、彼らの本来の生息地であった奥山が人間にどのように破壊され放置されているのか全くふれていない。こここそ、行政が取り組まねばならない問題だ。

③どこで狩猟をするのか。集落裏か(集落から200メートル離れておればOKとのこと)。山中か。狩猟が再開されれば、山に潜んでいる残りわずかなクマまでもが、怖がって山から出て来てしまうのではないか。

④とにかく、狩猟再開という前に、クマに関する情報を公開してほしい。熊森が、有害駆除されたクマの雌雄や体重など、どこの県でも出してくださっている情報を、情報公開制度を用いて公開依頼したが、全面拒否された。協議会委員の私にすら、基礎データである情報を公開しないのなら、クマ問題について協議のしようがない。

 

熊森から

毎回の事だが、熊森が意見を言っても取り上げられないので、発言はほぼ無意味である。しかし、言わずにはいられない。

兵庫県で平成26年度に捕殺された大型野生動物数は、ツキノワグマ30頭、シカ45461頭、イノシシ17186 頭、 サル131頭であった。

サルに至っては、豊岡農林管轄の美方地域個体群のサルは平成26年度に7頭が捕殺されたため、もはや美方A群は9頭、美方B群は11頭しかいない。サルについては殺害し過ぎて、他の委員が指摘してくださったが、地域個体群消滅の危機である。サルからすれば、人間は悪魔だろう。人間は、悪魔になってはいけない。

「人間よ、お前、一体何様なんだよ。国土は、地球は、人間のためにだけあるのではないぞ」と、叫びそうになりました。サルを射殺するなんて、人間を殺すのと変わらないと思います。誰がそんなことをしてもいいと認めたのでしょうか。天はきっとお怒りになると思います。

研究者や行政は、野生動物たちの造ってくれる森の恩恵を湧き水という形で受けながら、野生動物たちを害獣扱いしています。本来、心優しい郡部の人達に、環境省方針に従って、野生動物を殺すこと、食べることばかり勧めています。

 

日本本来の、自然や野生生物と共存してきたすばらしい生命尊厳文化が、野生生物を物としか見ない、数字としてしか見ない、西洋の持続不可能な破滅型近代文明にとってかわられてしまおうとしています。ますます危機感が高まりました。

嘆いているだけではだめで、全生物の生命尊厳文明をこの国に取り戻すため、みんなで集まり一大勢力を作りあげ、一般国民が声を上げていかねばならないときです。

熊森は今後、クマ狩猟再開をやめて生息地復元と被害防除で野生動物問題に対応していくよう、多くの県民のみなさんに訴え続けていきます。

みんなに知らせよう!みんなで声を上げよう!    [第3回]街頭キャンペーン(1月22日)

1月22日も若いスタッフたちで、神戸の街の中を歩く多くの人々にくまもりの活動を広報してきました。

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街頭に立つ、本部スタッフ

 

 

<街ゆく人々の反応>

街頭キャンペーンは、14時から17時まで。街を歩く方々が「人里に出てきた野生動物が、殺されてゆく状況に自分も心を痛めている。人間の勝手な都合に振り回されている動物たちをかわいそうに思う」などと、声をかけてきてくださいました。

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街ゆく人に、くまもり活動について話すくまもりスタッフ

街頭キャンペーン活動はまだ3回目ですが、会員になって下さる方も現れました。街頭キャンペーンを通じて、くまもりの活動に共感していただける方が増えていくといいなと思います。

「くまもりは、山に棲む多くの生き物と人間との共存をめざして、奥山に野生動物たちのえさとなる実のなる木を植えるなど日々活動しております!」

街頭キャンペーンでのよびかけ(コール)のワンフレーズです。

多くの人々が声をあげていけば、きっと野生動物も人間も共に安心して暮らしていける社会に変わっていくはずです!!

今後の街頭キャンペーンの日程です。

日にち

2月12日(金)、2月26日(金)

3月25日(金)、3月27日(日)

場所

神戸元町駅南口

時間

14時から17時

街頭キャンペーンを手伝っていただける方は、くまもり本部までご連絡ください。途中参加でも大丈夫です。

みなさまのご参加をお待ちしております!!

くまもり本部連絡先  Tel:090-3288-4190 

Mail:field@kumamori.org

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兵庫県で開かれたシカ問題の地元フォーラムに参加して、熊森が発言

兵庫県は昨年度、45000頭のシカを捕殺したそうです。

それでも、シカが減らないということで、地元環境保全団体の主催でシカをどうやって減らせばいいのかを考える会が、10月25日豊岡市でもたれ、熊森本部から4名が参加しました。

 

記念講演をされた方は企業の社員として利潤追求にあけくれる人生に疑問を感じ、エコで持続可能な仕事をして暮らせないかと故郷に戻り、白炭を焼いて生計を立てようとされている40代後半の方で、共感を覚えました。山の中に動物たちの餌がなくなっていると言われるのを聞いて、いつものことながら、但馬のみなさんの生き物への優しさを感じました。

 

後半は、どうすればもっとシカが殺せるかということで、県や市町の行政、猟友会、市民団体の皆さんが、駆除の規制緩和や財政支援、捕獲事業専門会社の導入などについて発表されました。

 

全員の発表が終わってから質疑の時間があり、熊森スタッフ2人が質問しました。

くま森質問、豊岡市には、田畑ごと金網で囲ってシカ害をなくした集落もある。捕殺にばかり多大な予算をかけないで、防除にもっと予算をかけるべきではないか。

答え:金網の管理が大変。シカの害は田畑だけでなく、森にも及んでいる。

くまもり質問、くくり罠の規制緩和をめざすということだが、国が定めたくくりわな直径12センチ規定は、クマが誤捕獲されないためには必要な規定である。くくり罠の規制をどのように緩和するつもりか。

答え:地面に置くくくり罠は、雪が積もると使えなくなる。規制緩和してもらおうとしているのは、胴体くくり罠だ。餌を探してやってきたシカの首にワイヤーがかかると首がしまる。通り道に垂直にかけるくくり罠の規制緩和を要望している。

答えに対する地元市民の要望:くくり罠は大変危険な猟具だ。住民としては、簡単に規制緩和してもらったらこわい。慎重にやってもらいたい。

 

森山会長が最後に意見

議題がすべて終了してから、それまで議事進行の邪魔をしてはならないと遠慮して発言を控えていた森山会長が意見を述べました。

 

(要旨)地元でシカの被害に苦しんでおられるみなさんにとっては、対症療法として、どうしたらもっとシカを殺せるかが議題になるのだろうと思います。しかし、わたしたちは自然保護団体なので、ちょっと別の角度から意見を述べさせていただきたいと思います。

今、本当に、シカを殺しているだけでいいのでしょうか。

山では昆虫などの生物の大量絶滅が続き、それと同時に山の砂漠化が進行して湧水がどんどん減ってきています。

根治療法として、野生動物たちを本来の生息地に戻してやるべきなのです。

 

自然生態系は非常に複雑で、人間の頭でコントロールできるようなものではありません。みなさんに、シカを殺してシカ数をコントロールせよと指示を出している人たちは、自然界がどういうものなのか、ご存じないのだろうと思います。

 

シカは、そもそも草原の動物です。昭和の初めには草原や湿地など、シカの生息地が500万ヘクタールあったそうです。それを宅地や農地にと、人間がシカから取り上げたのです。シカは生息地を奪われ山奥へと追い込まれました。シカが草原で生活している時は、和芝などの草を食べて暮らしていました。このような草は、シカが食べてもすぐにまた生えてくる上、シカの食害にあっても枯れることがありません。しかし、森林生態系の下草は草の種類が全く別です。シカが食べると消えてしまうのです。

 

シカを絶滅させるつもりなら別ですが、シカも豊かな国土の自然形成に何らかの役割を持って存在しているはずだと考えるなら、シカが草原で暮らせるようにもう一度ある程度の草原を復元して、シカを山から出して本来の生息地である草原に帰してやるべきではないでしょうか。

 

一方、本来奥山が生息地だったクマは、奥山が戦後の国策によりスギやヒノキで埋め尽くされて棲めなくなっています。残された自然林はシカの食害で下草が消え、隠れ場所がありません。夏の食料である昆虫も消えて、クマたちはみんな里に下りてしまっています。奥山に広葉樹林を復元して、1%でも2%でも毎年人工林率を落としていき、本来の住民であるクマを奥山に返してやるべきです。

 

これは、第一に野生動物のためではありますが、コンコンと水の湧き出す水源の森を取り戻すことでもあり、結局は人間のためでもあるのです。

 

(感想)当日参加されておられた地元のみなさんは、環境保全にかかわってこられた方たちだからでしょうか。熊森の主張に同感してくださる方が何名もおられました。これを機会に、新たな地元とつながって行けたらいいなと思いました。

本来は、但馬のみなさんは殺生を嫌い、生き物に優しい心をもっておられるのに、そういう方々に、生き物を殺すことばかり勧めている国に、怒りを覚えました。

はっきり言って国策が失敗して、野生動物も国民もみんな生活できなくなり困っているのです。国を責める気はありませんが、国策の180度方向転換を強く望みます。

野生動物を本来の生息地に返してやりましょう。

 

熊森は、以下、千松氏の発言をうれしく思います。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151024-00065459-hbolz-bus_all

ワイルドライフ「栃木足尾山地 ツキノワグマ復活の森を生き延びろ」再放送

9月21日午前8時よりNHKBSで「栃木 足尾山地 ツキノワグマ 復活の森を生き延びろ」が再放送されます。

先日の放送を観て、よかったという会員からの声が本部に多数寄せられています。

あまりにも素晴らしかったので、DVDに録画をしたものを何度も見ているという声も届いています。

 

以下番組のウェブサイトより

本州最大の陸上動物、ツキノワグマ。険しい地形での追跡が難しいため、直接観察がほとんどできず、多くの謎に包まれている。その生態に迫ろうとする男がい る。動物カメラマン、横田博氏。およそ20年間、クマを見つめ続け、それを膨大な映像に記録してきた。フィールドは、栃木県足尾。かつて鉱毒事件が起き た、日本の公害の原点の地だ。一度破壊し尽くされた足尾の森。生態系の頂点に君臨するクマの存在は、森の復活の証なのだ。

ここまで

 

カメラマンの横田博氏は熊森会員で、栃木県支部の顧問をしてくださっています。

番組を視聴された方は感想を是非本部に寄せください。

NHKワイルドライフのウェブサイトはこちら

http://www.nhk.or.jp/wildlife/program/p207.html

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