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カテゴリー「_野生動物保全」の記事一覧

くまもり本部2017年9月度> 自然保護ボランティア募集(初参加、非会員も歓迎)

※拡散希望

熊森協会本部では、各分野のボランティアを募集しています。

会員・非会員に関わらず、多くの方々にご参加していただきたいです。

学生さんや若い方も、みなさん誘い合ってご参加ください。

ご参加いただける方は、活動日の3日前までに電話、FAX、メールにて熊森協会本部事務局までご連絡ください。

本部電話番号 0798-22-4190

本部FAX番号 0798-22-4196

メール contact@kumamori.org

 

2017年9月の活動予定

<いきものの森活動>森林整備

いきもり風景(皮むき間伐)

9月9日(土)柿の植樹地の草刈りと電気柵設置(兵庫県宍粟市波賀町原)

9月23日(土)高代寺の竹の伐採(大阪府豊能郡豊能町)

午前8:00に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。

  • いきものの森活動は人工林の間伐や実のなる木の植樹、クマの潜み場の草刈りや柿もぎなど、兵庫県北部を中心に実施しているフィールド活動です。参加者のペースに合わせて活動を進めていきますので、誰でもご参加いただけます。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

天候不順で中止になることがあります。

当日連絡先090-1073-0980(担当:家田)

 

<環境教育例会(於:本部事務所)>自然の大切さを伝える

環境教育例会

9月7日(木)10:15~ 見学も歓迎。

  • 小学校や保育施設などで、森や動物の大切さを伝える環境教育を実施しています。環境教育例会では、授業に向けての練習や打ち合わせ、プログラムの作製を行います。絵本の読み聞かせや紙芝居にご興味のある方、子どもがお好きな方、ぜひご参加ください。

 

<とよ君ファンクラブ(大阪府豊能町高代寺)>飼育グマのお世話

お世話の人にもらったリンゴを食べるとよ

9月7日、14日、21日、28日(毎週木曜日) 

  • 大阪府豊能町で保護飼育しているツキノワグマのとよ君のお世話です。

現地までの交通手段は本部にご相談ください。

 

<太郎と花子のファンクラブ(和歌山県生石町)>飼育グマのお世話

暑そうな太郎

9月24日(日)(毎月第4日曜)

参加費:1000円(交通費)

  • 和歌山県生石高原で保護飼育しているツキノワグマの太郎と花子のお世話です。

午前8:30に阪急夙川駅南口ロータリーに集合してください。

現地までは本部が用意した車にご乗車いただけます。

 

環境教育以外は兵庫県ボランティア保険(4/1~3/31の年間500円)への加入が必要です。

太郎と花子のファンクラブ以外は本部の車に乗車される場合、集合場所から現地までの交通費は不要です。

自車参加も可能です。

たくさんの方のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。

(環境省)自然保護の象徴・オオタカの「希少種」指定を解除

オオタカは、平地から山岳地帯にまで生息している猛禽類(留鳥・渡り鳥)で、水田や畑、森林が混在する里地里山を主な生息地としています。

食物連鎖の頂点に位置する鳥で、里地里山に豊かな自然が残されていないと生息できません。

「オオタカの画像...」の画像検索結果

オオタカ

 

日本国内では、生息地の大規模開発などによって数が激減し、1984年の調査で約400羽とされ、絶滅の恐れが指摘されました。

 

そのため、1993年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)が施行されると、「希少野生動植物」に指定され、保護対象となりました。

「希少種」に指定されたことで、捕獲や輸出入が禁止され、土地所有者は「保存に留意する」義務を負うこととなりました。その結果、これまでオオタカの生息が乱開発の歯止めとなり、オオタカが自然保護に果たしてきた役割には絶大なものがあります。

 

そのうち、東日本や里地でオオタカの数が回復してきて、2000年代の環境省調査では生息数が最大9千羽近くと推計されました。

 

 

●この度、「希少種」指定が解除されたことに対して、環境省希少種保全推進室担当者に熊森本部が電話で聞き取りました。

 

熊森:環境省ホームページを見ると、6/3~7/2のパブリックコメントの応募演数は、97件ですよね。(自然保護団体からの応募はゼロ)ほとんどの意見は、オオタカの希少種指定解除に反対していますが、それでも希少種指定を解除されるんですか。

環境省:中央環境審議会の答申です。希少種指定を解除するための審議会です。

熊森:もう答えは決まっていたのですか。パブコメの結果は関係ないのですね。

環境省:指定を解除するかしないかは、多数決で決めるものではありませんので。

熊森:では、何のためにパブコメをとられたのですか。

環境省:希少種指定を解除した後のことなど、いろいろとご意見を参考にさせていただきます。

熊森:希少種指定を外されたオオタカは、これからどうなるのですか。

環境省:これまではオオタカの学術捕獲や飼養登録などは地方の環境事務所の許可が必要でした。これからは都道府県の許可となります。普通の野生鳥獣となるので、「鳥獣保護管理法」が適用されることになります。具体的には、有害捕獲の申請をしたら、駆除できます。

熊森:オオタカが有害駆除されるのはどういう時ですか。

環境省:ハトなどを食べるので、鳩小屋に入ってハトを食害する可能性があります。

熊森:これまでオオタカの存在がどれほど多くの乱開発を止めてきたかわかりません。環境収容力以上に増えることはできないのですから、全国に9千羽ぐらいいたっていいじゃないですか。

環境省:そういうことではなくて、希少種ではなくなったから希少種指定から外すということです。新たに希少種に指定しなければならない鳥が次々と誕生していますので。

 

(熊森から)

オオタカを希少種から外さないようにとパブコメに応募してくださったみなさん、ありがとうございました。全国に9千羽しかいないのなら、希少だと思います。

今回の措置に、開発業者は大喜びしていることでしょう。破壊された自然は回復していないし、餌のウサギは減少したままだし、オオタカにとっては厳しい状況が今後も続きます。引き続き、手厚く保護すべきだと思います。

これまでオオタカが果たしてきた<乱開発を止める>という役割を、新たに希少種となった鳥が果たせるのでしょうか。開発が止まらない日本には、ぜひそんな鳥獣が必要です。

(農林水産省) 鳥獣捕獲「尾」で証明…ハンターによる補助金不正が相次ぎ、ルール統一へ

以下、読売新聞/ 2017年8月31日記事コピー

 

有害鳥獣の捕獲頭数を水増しして報告し、補助金をだまし取る不正が各地で相次いでいることを受け、農林水産省は、各自治体がそれぞれ定めている補助金申請時のルールを統一する方針を固めた。

捕獲個体の証拠写真を撮影する際、体の向きを統一し、提出する部位は「尾」に限定することで、同じ1頭を複数頭に見せかける手口などを防ぐ。来年4月から適用する。

鳥獣による農作物被害は年間200億円近くに達し、同省は2012年度から、シカやイノシシなど1頭あたり8000円の捕獲補助金を自治体を通じて支給している。補助金申請時には、証拠写真や鳥獣から切り取った牙や耳などを提出する必要があるが、細かなルールは自治体の判断に任されている。

兵庫県や鹿児島県で昨年度、同じイノシシを異なる方向から撮影して複数頭に見せかけたり、補助金が出ない冬季に捕獲したシカの耳を冷凍保存して、後に提出したりするケースが発覚していた。

 

(熊森から)

お金が絡んでくるとどうしても、不正をたくらんでもうけようとする人が出て来ます。

以前、ある県の猟友会長さんが、補助金制度は猟友会内に犯罪者を誕生させるものだとして、有害駆除費をゼロにしてほしいと言われていました。

それにしても、各地でハンターの不正が相次ぐというのは、困ったものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エゾナキウサギの写真集

エゾナキウサギの写真集を見ました。

2010年7月にまだ残雪が残る大雪山にヒグマ調査に行った時のことを思い出しました。

あちこちに穴があいている岩場がありました。

氷河期の生き残りであるエゾナキウサギの巣穴だということでした。

巣穴に手をかざすと、ひんやりとした風が巣穴から出ていました。

エゾナキウサギはこの冷涼な環境がなければ生き残れないということで、何ともはかなくデリケートな生き物であることよと思いました。

写真を撮りたいと思いましたが、警戒をして登山者の前になど出てこないので不可能だと思いました。

 

ところが、写真集を見て、このエゾナキウサギの写真を撮っている人がいることがわかりました。

どの写真のエゾナキウサギも全ての生態が愛らしく、見終わってすぐに、鳴き声と動きを知りたいという衝動に駆られ、ネットに走りました。

解説を読むと、まだ天然記念物になっていないのだそうです。

なぜこんな貴重な生き物がまだ天然記念物になっていないのかと憤りを感じ、文化庁にすぐに電話をしました。

 

<文化庁希少種保全推進室担当者の答え>

 

天然記念物は、文化財保護法に基づき、動物、植物及び地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもののうち重要なものを指定して、その保存と活用を図る制度です。

 

天然記念物の指定については、通常は事前に地元の教育委員会から指定に向けた相談があり、その後、調査結果などに基づく学術的価値の評価や生息・生育状況、利害関係者の同意など指定の検討に必要な情報を含む意見具申書を提出していただき、その意見具申書に基づいて、文化審議会への諮問などによる、指定に係る検討が行われます。ナキウサギについては、これまでそうした動きには至っていません。

 

なお、北海道中央部では大雪山が天然保護区域として昭和52年に特別天然記念物に指定されており、その指定範囲内では、ナキウサギを含む動物や植物、地質鉱物が特別天然記念物として保護されています。指定範囲に係る現状変更等の行為は規制されていますので、当該指定地において、ナキウサギが絶滅する程にその生息環境が人為的に大きく物理的改変を受ける可能性は極めて低いと考えられます。 

 

(熊森から)

エゾナキウサギもヒグマも北海道の先住民です。私たち人間は、彼らの生息地をこれ以上壊さないように注意し、畏敬の念を持って共存しなければなりません。

 

 

 

奈良市D地区のシカ1頭捕殺して解体 一線を越えた奈良県 神鹿文化への冒涜 防鹿柵補助予算0円、シカ捕殺予算2000万円

8月17日、奈良市の東里地区で、見回りをしていた猟友会のメンバーが、罠にかかったおとなのオス鹿、1頭を発見しました。

奈良県は、捕殺されたシカの胃の内容物などを調べ、生態の調査に生かすとして、猟友会に即解体を依頼しました。(調査業者は未定で、今後入札を掛けるそうです。それまで解体部位は冷凍保存されます)

猟期が始まる11月中旬まで、120頭をめざしてシカ捕殺が続けられます。

これまで奈良市一円のシカは国の天然記念物に指定され、「神の使い・神鹿(しんろく)」として保護されてきました。

いわゆる「奈良のシカ」が捕獲されたのは、60年前に、天然記念物に指定されて以降、初めてです。

 

 

(熊森から)

このような捕殺の流れを全国に広めてきたのは、野生動物の科学的・計画的管理を標榜する西洋思考のワイルドライフ・マネジメント派の研究者や彼らと繫がっている業者です。(他の分野での西洋文明の良さはもちろんありますが、こと野生動物との共存に関しては、大量絶滅させてきた西洋の自然対応をまねてはなりません。自然は人間の頭で考えた科学の力でコントロールできるような簡単なものではありません。)

彼らは大学教授などの立派な肩書を使って行政に取り入り、賛同してくれそうな人達ばかりを集めてもらって検討委員会を立ち上げ、その答申として捕殺を行政に進言して実行させるのです。

そういうわけで、今回も、「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」で、シカ捕殺に反対した委員はゼロでした。

こういうのを、世間では「出来レース」と言います。

 

一般に、首長や行政担当者は最初は捕殺に抵抗を示しますが、専門知識がないので、偉い先生方から、早く殺さないとシカが無限に増えると脅されると簡単に洗脳されていきます。(実際は、野生動物は環境収容力以上に増えられません。現在のシカ問題は人間が引き起こしたもので、昔のように棲み分けを復活させることが必要です)

こうやって、多くの心優しい日本人の思いとは違う残酷な方向に、物事がどんどん進んでいきます。

奈良県は、天然記念物のシカを殺すという一線をついに超えてしまいました。

戦争と同じです。一線を超えるともう止められなくなり、市民は、何かおかしいと思いながらも、声を挙げられなくなっていくのです。

そのうち、C地区のシカも個体数調整しようとなって行くでしょう。B地区、A地区・・・

しかも、死体をねんごろに葬るのではなく、データをとるためとして、即バラバラに解体しました。

祖先が1300年間守り通してきた奈良の神鹿文化への冒涜です。

 

研究者は論文が書けるし、業者は毎年仕事が入っていいことばかり、きっと喜んでいる事でしょう。

まるで、利権構造です。

シカ被害を減らす目的と言いながら、いつの間にか目的がすり替えられています。

全国どこでもこうです。

120頭のシカを殺しても、胃内容のデータをとっても、農作物被害軽減になどには全く結びつきません。

新たなシカが移動して来るだけです。

 

 

今年度のシカ柵補助金を調べてみました。

何と、奈良県から奈良市農家へのシカ柵補助金はゼロです。(奈良市からの補助金は970万円)

ちなみに、シカ120頭捕殺のために、奈良県から猟友会や大阪に本社のあるコンサル会社に、計2000万円が予算計上されています。

この2000万円をシカを殺すことではなく、D地区のシカ柵を強固にすることに使った方が、シカ害は確実に減ります。

 

こんなおかしなことが許されていくのは、国民が声を挙げないからです。

 

ネットで調べてみたら、2012年度にも、奈良県がシカ捕殺に乗り出そうとしたことがあることがわかりました。

 

(以下、当時のj-castニュースより)

担当部署である奈良公園室などに100件以上、「シカを駆除するな」「撃つな」といった抗議電話が殺到し、業務に支障を来した。電話は日本全国からかけられ、「地元はシカを害獣として殺してしまうが、奈良だけは守ってくれると思っていた」といった内容もあり、凍結にいたった。担当者は、「奈良公園内のシカが殺されることはない」と断言。そして、公園周辺の「人とシカとの共生」について、外国人観光客らから「人と自然との共生が残っている素晴らしいもの」と評価されていると強調し、「これまで1000年続いてきた。これから1000年も続けていきたい」と話した。

 

熊森は、当時の担当者は、 普通の人間の感覚で 、専門家と言われる人達よりもすごくまっとうで正しい判断をされたと思います。

 

p.s 8月25日現在のシカ捕殺数3頭。

8/3記者会見 奈良市D地区シカ捕殺計画は無用の殺生  農家のためシカのため防鹿柵強化で対応を

8月1日、熊森本部は奈良県荒井正吾知事に、

奈良市D地区のシカ捕殺計画を中止し、予算は防除強化に

という要望書を提出しました。

知事への奈良シカ要望書

 

そして、8月3日、森山会長、本部スタッフ、奈良市会員らは奈良県庁記者クラブを訪れ、1時間の記者会見を行いました。

熊森の考えを説明する森山会長(奈良県庁)

 

記者会見には多くの記者さんたちがご出席くださり、みなさん熱心に聞いてくださいました。

 

奈良では、テレビニュースやいくつもの新聞記事にしていただけました。

 

1時間話を聞いてくださった記者さんたちが、20年間自然保護を研究し実践してきた熊森の主張に一理あると思われたから、報道してくださったのだと思います。思い付きだけの浅はかな意見であれば、バカにして誰も記事にしないでしょう。

 

しかし、報道内容は結論だけの簡潔なものであったため、よくぞ言ってくれたという声と共に、シカ被害に苦しむ農家のことも考えず、無責任な発言をするな、シカ柵代金は熊森が全部出せなどという非難の電話、メール、FAXも計数件本部事務所に入りました。

 

結論だけ聞いてすぐに反発するのではなく、根拠も知ってから意見を言う習慣が、お互い必要だなとつくづく思いました。自分の全く知らない事実に基づいて相手が発言しているのかもしれないのですから。

 

<熊森発言の根拠概略>

●無用の殺生は良くない

D地区のシカ120頭を殺しても(箱罠に捕獲後、高圧電流を流してシカを殺すそうです。猟友会に予算付け済)、農作物被害は減りません。

なぜなら、隣接する京都府など、周りからすぐに他のシカが移動してくるので、やがて元の木阿弥になります。

そうなれば、来年は、もっと多く殺そうということになるでしょう。

こうしてシカ捕殺の泥沼にはまっていくのです。

C地区の鹿も殺すことにしようと、エスカレートしていくでしょう。

そのうち、B地区のシカも、A地区のシカもと、殺しがどんどんエスカレートしていくかもしれません。

そうなれば、世界中からやってきて奈良にお金を落としてくれている観光客が激減するかもしれません。

そんなことになったら、その時には反対すると言っても、戦争と一緒で、いったんエスカレートし始めると止めることが難しくなります。

せっかくこれまで1頭も殺さずに来たのですから、何とか当面、奈良だけでもこの伝統を守ってほしいです。

大量捕殺を終えて、やれやれと思って手を緩めたら、シカはまたすぐに元の数に戻ってしまいます。

「シカ殺せ」と言われている人たちは、無用の殺生になってもいいから殺したいのでしょうか。

そんな人はいないはずです。

 

 

・もういい加減に、人間にはワイルドライフ・マネジメントなど不可能なことに気づこう

今、西洋思考の一つである「人間による野生動物の※頭数調整」が、国策として全国で展開されています。

(※1999年当時の環境庁が、日本中の自然保護団体の反対を押し切って、西洋の自然観を良しとする研究者たちの提案を受け入れ、導入したもの。それまであった有害駆除と違って、農作物被害を出していない個体でも、頭数調整名目で殺すことができるようになった。人間一体何様なんだ)

 

この手法では、絶滅させない限りは、激減するまでシカを殺しても、捕殺の手をゆるめるとやがて元の数に戻ってしまいます。

本当に、残酷なだけでばかげています。人間には野生動物の頭数調整など、自然界のコントロールは不可能なのです。

 

日本の山をスギだけの単一造林にしたつもりが、自然に反していたため、大雨のたびに山がどんどん崩れて自然林に戻ろうとしています。これと同じです。植物も動物も、人間が手を入れるのをやめたら、自然に戻ってしまうのです。

 

熊森は、奈良のシカだけを殺すなと言っているのではなく、野生動物の頭数調整など人間には不可能だからやめようと言っているのです。野生動物は環境収容力に生息数を合わせます。しかし、それ以上は増えません。

 

奈良公園の野生ジカ(A地区に相当)は、奈良の鹿愛護会によって、毎年、生息数が数えられています。

奈良公園のシカ生息数

これは貴重なデータです。若草山の上など、シカに入られては困るところには、シカ柵が設けられており、シカは入れません。

 

 

・全ての大型野生動物と共存してきた祖先に学ぶ

私たちは歴史のある国に生まれたのですから、野生種を大量に絶滅させてきた西洋の人間中心文明ではなく、見事、野生動物たちと共存してきた祖先から、棲み分けや被害防除対策を学ぶべきです。

 

先祖は土や石を積み上げ、徹底したシシ垣で対応してきました。

参考文献「日本のシシ垣」(イノシシ・シカの被害から田畑を守ってきた文化遺産)

著者:高橋春成(奈良大学教授)

 

奈良では、田畑の周りをロの字型人家でびっしり囲う等、とにかくシカを殺さないでシカと共存するための知恵をたくさんひねり出してきました。民族の素晴らしい知恵です。誇りです。

私たち子孫も、平成のシシ垣造りで対応すべきです。

 

祖先の、明治になるまで1200年間出続けていた殺生禁止令や、輪廻の思想などもすばらしいと思います。

今度、生まれ変わってきた時、自分がシカだったらと考えてみたら、むやみな殺生などできなくなるはずです。

 

・金網の防鹿柵でシカ被害は防げる

もちろんこの結論に至るまでは、私たちは兵庫県を中心に長年現地調査を行い、シカ被害に苦しむ農家とも随分話し込んできました。そして、私たちの提案は、しかるべき農家のみなさんから賛同を得ています。

 

以下のグラフ「防鹿柵の効果」は、兵庫県のシカ管理計画(兵庫県庁作成)から転載したものです。

 

 

この農会アンケートによると金網柵を張ることで、8割前後の農家がシカ害を防ぐ効果があると答えています。ある集落で金網柵の負担額を聞いたところ、集落負担は1割で、補助金が9割出たということです。(兵庫県では、何キロも金網を張って、集落を田畑ごと囲んでいるところがいくつかある。)

奈良の農家の方も、ノリ網はだめだが、きちんとした金網柵なら、シカから田畑を完全に守れると証言されていました。

 

2007年に「鳥獣被害防止特措法」が国会を通って、被害防止に多額の国家予算がつくようになりました。

 

奈良D地区のある農家の方は、奈良県も他府県並みに、防鹿柵に補助金が付くようにしてほしいと言われていました。そうであるなら、奈良県も兵庫県並みに防鹿柵に補助金が付くようにしてあげればどうでしょうか。

 

・他生物の生命を尊重する文明しか生き残れない

私たちが、環境省が進める頭数調整という国策に反対するのは、このような人間中心主義、経済第一、科学盲信の上に成り立つ近代文明が、人間を生かしてきた地球環境を破壊し、人類を破滅に導くものであることを感じているからです。

 

平成になってから、奈良県庁には奈良市D地区の農家から、シカに対する要望書が3回出ました。

シカ被害に悩みながらも、いずれにの要望書にも、シカ捕獲やシカ捕殺の言葉はないそうです。

これが、奈良の心だと思います。日本文化だと思います。

 

今回、シカ捕殺を決定したのは行政が集めた専門家による審議会の答申によるものということで、国策推進派の学者たちが出した結論ではないかと思われます。

 

日本は肩書社会なので、大学教授たちの出した結論が正論にされてしまいますが、原発問題を振り返ってみてもわかるように、専門家とよばれる先生方が出した結論が必ずしも正しいとは限りません。子どもや一般庶民の生物としての本能的な感覚の方が正しいことも多々あるのです。多くの日本国民は、殺生を嫌い、殺さない解決法があればそちらを選ぼうとします。これまで会ってきた多くの動物学者たちは、この反対でした。

 

最近は地球温暖化で、シカのえさとなる草が青々としている時期が、以前より1年に付き2か月長くなっています。これによって、以前よりシカが多く生きられるようになったという研究者もいます。

戦後の拡大造林のための皆伐による一時的な奥山大草原の出現や、山奥まで張り巡らされた林道、農地化宅地化による草原・湿原の9割消滅、地球温暖化、郡部の過疎化高齢化など、シカを害獣に仕立てたのは、全て人間ではないでしょうか。

 

この大地は人間だけのものではありません。殺さなくてもいい命までは殺さない。

これは、人間の倫理観として当然の考えだと思いますが、いかがでしょうか。

そして、何よりも、他生物の生命を尊重する文明だけが持続可能な文明なのです。

 

熊森が、せっかくこれまで殺さずに来た天然記念物奈良のシカを殺さないようにしようという理由は他にもまだまだありますが、長くなったので、今回はとりあえず、ここで終えます。

 

●奈良のシカを市民が守ってきたことを知り感動 6月4日ブログ

 

●今夏、旧奈良市管理地区で天然記念物のシカの初捕殺が開始されることに疑問 6月4日ブログ

 

●殺しても鹿害は減らない 予算は防除柵強化に!奈良市D地区訪問 7月13日ブログ

今夏、旧奈良市管理地区で天然記念物のシカの初捕殺が開始されることに疑問 

以下の新聞報道を読んで、衝撃を受けるとともに、大いなる疑問を抱きました。

昔、物がなかった時代の奈良の人達が、深い思いを持って守ってきたシカを、これだけ物質的に豊かになった経済大国・科学技術大国の日本で、なぜこれまで通りの旧奈良市全域で守り続けられないのでしょうか。

(以下、毎日新聞より)

奈良市で保護対象となっている国の天然記念物「奈良のシカ」について、農作物被害対策として初めての捕獲が今夏にも始まる。奈良県が文化庁に捕獲のための現状変更許可を先月申請し、認められる見通しとなった。県は、市中心部では従来通り保護を続ける一方、郊外では頭数管理を進め、人とシカの共生を図る。

県の計画では今年7月から始める意向で、11月まで数十頭程度を捕獲する見通し。21年度まで毎年捕獲する。捕えたシカは調査などに充てる。県は「農作物への被害にきちんと対処する体制を整えたい」としている。

 

 

奈良市のどこでシカの初捕獲(=捕殺)が始まろうとしているのか調べてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤枠内が旧奈良市 赤色部分が今回シカ管理地区とされた部分(奈良市シカ管理計画より)

 

春日大社境内など3平方キロを生息地として重点的に保護する「重点保護地区」に、その東側の春日山原始林など7平方キロを「準重点保護地区」に指定。これらを囲む形で、市郊外との間に保護管理地区(18平方キロ)を設け、それら以外の地域(上図赤色部分)で鳥獣管理計画に基づき捕獲する。

 

奈良県に確認したところ、捕獲されたシカは、100%殺処分するそうです。管理という行政言葉は、殺すことを意味します。

 

先日訪れた奈良市郊外は、屋敷も田畑も徹底したシカよけ柵でシカ防除がなされていました。

ある意味、異様な田園風景でした。

農業をされている方に尋ねると、これでシカ被害は確実に防げているということでした。

 

昔と比べたら、柵の素材は各段によくなっています。

シカによる農業被害を受けている地域があるのは想像できますが、シカよけ柵の設置や強化で解決できないのでしょうか。

 

これまで旧奈良市内のシカは天然記念物として戦後1頭も殺さずにきたのに、世界に一つしかないこのすばらしい伝統、文化をここで途絶えさせることは余りにも惜しい。

 

第一、今年数十頭殺したところで、シカは大移動しますから、別の地域や県外から新たなシカがまた入ってきて、元の木阿弥になるはずです。

農業被害はいつまでもなくならず、毎年、無用の殺生をしているだけになりませんか。

それより、捕殺にかける費用をシカ柵の強化に使った方が、確実に農作物被害が減り、費用対効果の面からもいいと思うのですが、みなさんはどう思われますか。

 

シカを害獣視し、西洋文明を真似て、残虐なだけのレジャー狩猟、頭数調整という名の大量捕殺、ジビエ料理という名の食文化を旗を振って進めている今の我が国にとっては、旧奈良市のように1頭もシカを殺さないという町の存在は、この上もなく目障りだったはずです。

 

国は例外は認めませんから、奈良市もシカ数の頭数管理をやれという、中央からの圧力があったのかもしれません。

生き物たちを工業製品と勘違いしているのか、科学的・計画的に頭数管理できると誤解している野生動物管理派の研究者たちの高笑いが聞こえてきそうです。私たち保護派、生命尊重派がもっともっとまとまって、反対の声を上げていかなければならないと思います。

 

奈良に、平成の丸尾萬次郎よ、出でよ!

 

 

実際には使えない太陽光発電?サルシカイノシシが住む四日市の里山116haにメガソーラー計画

四日市の里山とメガソーラー計画に関するシンポジウム(2016年12月三重県四日石市で開催)の報告書である「四日市学講座12」を読ませていただきました。

 

この本には、現在の日本国民が知っておくべき、実に貴重な情報が掲載されています。発行してくださった四日市大学のみなさまに感謝するとともに、ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思います。

 

<内容紹介>

今、太陽光発電・風力発電の建設によって、各地で新たな森林破壊、自然破壊が広がっています。

 

ソーラーパネルが設置される場所は、なぜか耕作放棄地、森林、ため池など、自然が残された場所がほとんどです。そのような場所は、サルシカイノシシなどの大型野生動物から小さな生き物に至るまで、現在どこもびっしりと動植物で埋め尽くされています。

ソーラーパネルが設置されることによって、そこで生きてきた全ての生き物たちの生存が絶たれてしまうことになります。

 

わたしたち人間に、

・このような生き物たちの絶滅の悲鳴が聞こえないのなら、

・そして、このような生き物たちの絶滅が、やがて自分たち人間を滅ぼすことにつながることが読めないのなら、

・また、知ったとしても、自分に関係ないとして見て見ぬふりをする人間たちばかりしかいないのなら、

戦後の家庭教育・学校教育に、大欠陥があったのではないかと思えてきました。

 

 

四日市市の場合、森林面積はすでに市の13.9%しか残っていません。ほとんどが民有地で里山です。今回、再生可能エネルギー事業を手掛けるジーヴァエナジー(東京都港区)の出資・設立した合同会社・四日市足見川メガソーラー合同会社・四日市ソーラー (㈱)レノバ(東京)が予定されているメガソーラー建設によって、なんと、市の森林面積の4%がさらに失われてしまうのです。そこはサルシカイノシシたちの生息地であり、貴重な湿地生態系も残されています。

日本野鳥の会三重県支部は、知事や市長に、再生エネルギーの名のもと自然を破壊してはならない。ソーラー事業を中止するよう申し入れをされたそうです。

熊森としては大拍手です。しかし、事業は止まりそうにないそうです。

 

自然エネルギーは、太陽光発電も風力発電も、すでに自然が破壊されてしまった住宅街やビル街にこそ発電装置を設置すべきではないでしょうか。

 

 

ここまで思って、最後に、歯科医武田恵世氏の発表を読み、愕然としてしまいました。

 

太陽光発電や風力発電が増えると、発電装置を維持するために化石燃料をこれまで以上に燃やさなければならなくなる上、これらの発電から得られる電気は不安定でコントロール不能であり、実際には使えないのだそうです。電力会社は、これらの自然エネルギーによる電気を買い取ることになっていますが、実際は、解列して、これらの電気が流れ込まないようにしていることも多いようです。

なぜそのような意味のないどころかマイナスの再生可能エネルギー事業が国中に広まっていくのか、電気を得るのが目的ではなく、投入される私たちの税金を狙って企業や富裕層が投機で儲けるためだけ(高利回り11.4%)のようです。

 

また、まぶしすぎる反射光、洗剤を使ってのパネル洗浄の必要、電磁波、発火、すぐに壊れる計器類など、様々な問題があって、住宅街やビル街にソーラーパネルを設置することは不適のようです。

 

自分で確認したわけではありませんが、このようなことが本当なのか、もっともっとマスコミは情報を流してほしいです。

 

太陽光発電、風力発電による自然破壊の問題は、これからますます全国に広がっていくことでしょう。熊森もしっかりと声を上げていかねばならなくなってくると思います。

 

追伸:武田氏によると、自然エネルギーの中で、地熱と小水力発電はどうにか使えるそうです。

 

 

人間狂った!「ミドリガメ、のんびり駆除」とは   

今度は、5月9日朝日新聞デジタル記事です。

 

ミドリガメ、のんびり駆除「日光浴わな」広がる

人間ここまで狂ってしまったか。

 

駆除というのは、殺すことですよ。

カメが甲羅干しをする習性を利用して、「日光浴わな」をしかけ、手軽に捕獲して殺処分できることを、一方的に耳寄りなニュースとして記事にしたものです。

このような記事がデスクで指導されずに世に出て来てしまう新聞社のチェック体制は、一体どうなっているのだろうかと思います。

以前の日本では、考えられないことです。

 

日本には、来世、人間以外の生き物に生まれてくるかもしれないという輪廻の思想があり、日本人は、次、何に生まれて来てもいいように、いろいろな生き物に人と同じようにやさしく接してきました。

これは自然との共生を可能にするすばらし文化でした。この文化が、環境省の指導によって、今、猛スピードで失われていっています。国が狂ったと、わたしたちは今、危機感でいっぱいになっています。

 

生き物の命を軽視し、生き物が殺されることを「のんびり駆除」などと茶化して記事に書く記者が誕生していることを、空恐ろしく感じます。

 

 

日本熊森協会は、何の罪もない外来生物の命を物扱いしてもてあそぶ平成の大悪法「特定外来生物法」に、強く反対しています。「特定外来生物法」によるアライグマやマングースの根絶殺害が、私たちの税金によって執り行われていますが、残酷なだけです。毎年大量に捕殺しても、環境収容力に合わせて、すぐにまた元の数に増え戻ってしまうため、問題は全く解決していません。無用の殺生をしているだけなのです。

 

外来生物問題で、まず人間がしなければならないのは、殺し方を考える事ではなく、輸入という蛇口を止めることです。

ミドリガメは業者の利権を守るために、現在も輸入され続けています。

「日光浴わな」が広がっているかもしれませんが、人間が考えねばならないミドリガメを取り巻く様々な問題を一切無視して、捕殺効率の良い罠があることだけを紹介するなど、とんでもないことです。自分が来世、ミドリガメに生まれたらと考えれば、今何をしなければならないか、おのずとわかってくるのではないでしょうか。

 

報道関係者のみなさんは、外来種の記事を書かれるなら、日本熊森協会のコメントも同時に掲載していただきたいです。一方的な報道だけでは、国民が思考力を失ってしまいます。

 

ミドリガメ問題について、意見を述べている人はいないのだろうかと思い、ネットで調べて見ましたら、なんと

 

ミドリガメを助ける署名

 

を集めている有志一同さんがおられました。

この人たちの主張を読んでみました。人間の心、日本人の心を失っておらず、まっとうです。

熊森会員の皆さん、ぜひネット署名をしてあげてください。

 

 

朝日新聞本社に電話をして、読者係の方に、厳重抗議をさせていただきました。

担当者の方は、まじめに聞いてくださいました。

 

自然豊かでやさしい社会を取り戻すために、報道には良きにつけ悪しきにつけ、重なってもいいので、熊森会員のみなさんはどんどん声を上げてください。

自分たちの言動が、全ての生き物と人類の未来を形づくっていくのだという気概を持って!

 

ぜひご一読ください。

外来種問題に対する日本熊森協会の見解

2016年 ツキノワグマが大量に殺処分されていた

今年は、山の実りが悪いと言っても、近年に過去3回あったような、ありえないまでの異常凶作年ではありません。であるのに、熊森本部の全国都道府県への電話聞き取りでは、現時点でわかっただけでも、秋田県の470頭を筆頭に、全国で有害捕殺数されたツキノワグマの数は、合計2924頭にものぼっています。この時期、秋の有害捕殺数集計がまだ出ていない県がいくつかありますから、捕殺総数は、まだまだ増えるものと思われます。

 

今年の春、秋田県のネマガリダケ採取現場で起きたクマによる死者4名の事故が、「クマは凶暴、殺すべし」という流れを全国に作ってしまったのでしょうか。

 

<西日本での2016年クマ有害捕殺数>単位:頭

滋賀県0、京都府54、兵庫県29、鳥取県69、岡山県10、

広島県46、島根県94、山口県21

 

今春の秋田の事件の時、クマ研究者を名乗るコメンテーターの人食い熊、殺人熊、凶暴グマなどという言葉を、裏付けも取らずにセンセーショナルに全国に流したマスコミの責任は大きいと思います。これらの報道が、本来の臆病で平和的なクマ像を、すっかりゆがめてしまいました。

 

神のみぞ知るですが、わたしたちは、秋田で今年、人食い熊や殺人熊、凶暴グマが誕生したとはとても思えません。

 

人間が至近距離にいるのに気づき、クマが恐怖のあまり逃げようとして一撃をくらわしたら、人が亡くなったということも考えられるのではないでしょうか。その後に、現れた別グマが、死体を見つけ、森の掟に従って、片付けようとして食べた。こんな推理も成り立つのではないでしょうか。(現地近くで射殺されたメスグマの胃内容はほとんどがタケノコで、少し人肉が入ってたという報道から想像)

 

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シカの死体を食べるクマ

山に放置されたシカの駆除死体のそばに自動撮影カメラを掛けると、クマを初め、イノシシ、キツネ、タヌキ、テンなどいろいろな森の獣、猛禽類、ハチなどの虫たちが次々とやってきて食べ、片付けてしまいました。大昔から連綿と続いてきた森の掟です。

クマは現在、草食動物に近い食性となっていますが、シカなどのように完全な草食動物ではなく、本来は人間と同様、雑食動物です。他の動物の死体はもちろん、川魚などが豊かであった昔は、魚も採って食べていたと思われます。

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