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カテゴリー「リニア問題」の記事一覧

時代は大きく変化、リニア見直し必須

リニア新幹線沿線住民ネットワークが2023年8月に発行した「ストップ・リニア!訴訟ニュース」によると、2016年5月に提訴した「ストップ・リニア!訴訟」は、7年間にわたる25回の口頭弁論を経て、7月18日東京地裁で、結審となりました。

当日は、傍聴席満席の中、市原義孝裁判官ら3名の裁判官により、「原告の請求を全て棄却する」、「訴訟費用は原告負担」の判決が下されたということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すなわち、JR東海による環境影響評価や「全国新幹線鉄道整備法」に基づいてなされた2014年の太田昭宏国交大臣の計画認可に法違反はないという判決です。

 

川村晃生慶応義塾大学名誉教授を団長とする訴訟団は、東京高裁への控訴を決められたそうです。

 

 

熊森から

 

学校では、日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めていると教わります。

 

しかし、残念ながら、我が国では、裁判所というのは事業者のしていることが国会で成立した法律に違反していないかどうかをチェックするだけの政府の機関になってしまっています。

 

一般国民と違って、裁判を通してリニアの大量のデメリットを知る立場にあったはずの裁判官なのに、国策に逆らっての判断はできなかったのでしょう。

 

本の紹介1

 

2023年7月に、リニアに関する新しい本が発刊されました。川村晃生編の「リニアはなぜ失敗したか」です。

この本は、10名の執筆者がその専門の立場から、リニアは失敗だったと結論付けておられます。

たとえリニアがいつか開通することがあっても、かけがえのない豊かな水源の森だった南アルプスに穴を開けてしまったり、国土の地下に延々と巨大な穴を開けて100年しか持たないコンクリートで固めてしまったりしたことを考えると、失敗事業であることに変わりはないそうです。(100年後の日本の国土に対する責任は、だれが取るのでしょうか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川村晃生編「リニアはなぜ失敗したか」1000円

 

リニア中央新幹線は1973年に基本計画線に決定されたものですが、あれから50年。

2011年の福島原発事故以降は、東海道新幹線の3倍の電気をくうと言われるリニアを動かすために、原発をいくつか作ればいいと言える時代ではなくなりました。

しかも、今後、少子化の傾向が続くと予測されることや、コロナでリモートワークが大きく伸びたことなど考えると、リニアが出来ても乗る人がどれぐらいいるのか。ペイできるのか。国から借りた3兆円のお金は返せるのかということです。

JR東海の破綻を避けるためにも、これまでの計画に固執している場合ではなく、JR東海は見直しが必須でしょう。

 

本の紹介2

 

2023年4月に信濃毎日新聞社編集局がまとめ出版した「土の声を」~リニアは誰を幸せにするのか~(岩波書店)を読みました。

「土の声」というのは、現地の人々の声ということで、これはリニア反対本ではなく、とにかく、現地の人々の声を取材してみようという姿勢でまとめられた本です。長野県大鹿村での取材が中心になっています。すでに工事が始まった地域で何が起きているかの現在進行形的検証も大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023年4月に信濃毎日新聞社編集 2400円

 

熊森協会は2015年5月、職員研修旅行で「日本一美しい村」大鹿村を訪れ、地元の何人かの皆さんと親しくなりました。当時お会いした方々は、いろいろとリニアの勉強を深くされていて、南アルプスに穴をあけるなど絶対にしてはならぬと大鹿村を守る強い意志を固めておられました。

 

翌2016年、政府がリニア建設に3兆円規模の財政投融資(財投)を打ち出したことで、民間事業だったリニアが一転して、“国策事業”のようになり、用地交渉がまとまらない場合、国や自治体が予定地を強制的に取得して使用する土地収用法の適用対象になってしまいました。

土地の強制収容は召集令状と一緒だと地元の方も言っておられましたが、その通りで、こうなると相手は業者ではなく国ですから、住民はもう、いくら反対しても国には勝てません。こうなってくると、もう物が言いにくくなってしまいます。本には、あの時お会いした懐かしい方々のお名前が次々と出て来ます。彼らの苦悩を思うと胸が痛みます。

SDGsの理念である「誰一人取り残さない」の言葉が、むなしく頭をよぎりました。

現実は、多くの方々の泣き寝入りの上に成り立っているリニア事業なのです。

 

今、リニアの用地収用業務を行っているのは県庁や市の職員である公務員です。移転したくない住民に立ち退きを迫る辛い仕事ですから、誰も行きたがらない部署だそうです。当然でしょう。

 

この本によると、リニアの大工事を始めてみて、水涸れが各地で起きるなど、デメリットがいろいろ見えてきたようです。

また、ほとんどが大深度地下の工事現場から出る残土は膨大な量です。残土を盛っておく場所などありません。

盛り土を行うと、たとえ木々が生え表面的には山林に戻ったように見える場所でも崩れやすくなります。西宮市の百合台や最近では熱海の土石流がいい例です。

 

リニア建設を進めてきた方々が、このまま突っ走ってやってしまいたい気持ちはわかりますが、無視できない新しい大デメリットが次々と見えてきた今、やはり、リニアは立ち止まるべきでしょう。

 

信濃毎日新聞社の現場に密着した住民の声の連載報道を讃えるとともに、他のマスコミの皆さんにも、現実問題から目をそらさないリニア報道を願います。

 

最後に、熊森協会として、信濃毎日新聞社リニア取材陣への要望があります。

人間以外にも、リニア工事で苦しむ者たちがいます。

それは、生息地を破壊されてねぐら、水、食料を失う、クマをはじめとする野生鳥獣たちです。

彼らの悲鳴や苦しみが抜けています。彼らの視点からのリニア工事のデメリットにも触れていただきたいです。

 

ー人間至上主義は人類を滅ぼすー

 

人間は、人間だけでは生きていけない。全生物と共存しなければ、人間は滅びる。これが自然界の仕組みなのです。

(完) 文責:森山まり子

 

取り返しのつかないリニア 過去のトンネル工事による水涸れ情報続々掲載 静岡新聞に大拍手 

山にトンネルを掘ると、高い圧力下に封じ込められていた水が噴き出すのは、多くの人が知っていると思います。

その結果、トンネル工事によって取り返しのつかない国土環境破壊が引き起こされるのですが、これまでは、経済や便利さが優先され、ほとんど無視されてきました。

 

以下、静岡新聞9月1日が取り上げた、過去のトンネル工事による様々な水枯れ例から、2つを紹介します。

 

(1)100年前の東海道線丹那トンネル工事に伴う水涸れ

 

トンネル工事を巡る補償問題は全国各地で発生し、被害を受けた住民が対応に苦慮した事例は多い。県内では約100年前の東海道線丹那トンネル工事に伴う水枯れが有名だ。

 

函南町誌や鉄道省(現在の国土交通省やJR)の資料によると、トンネル真上の丹那盆地(函南町)はワサビを栽培できるほど水が豊富だったが、工事の進行とともに地下水脈が変化し、盆地内に水枯れが広がった。

 

飲料水に支障が生じるほどで、住民は鉄道省にたびたび救済を訴えたが、同省は当初、関東大震災の地下変動や降雨量減少のせいだとして本格調査に応じなかった。約10年で多額の補償を得たが、配分を巡って集落間で対立し、住民の襲撃事件にも発展した。同町の資料には「覆水盆に返らず」と記されている。

 

 

(2)20年前の新東名高速道粟ケ岳トンネル工事に伴う水涸れ

 

新東名高速道建設中の1999年、掛川市の粟ケ岳トンネル工事中に出水が発生した。間もなく周辺の倉真地区で農業用水を採る沢が枯れ、東山地区では地下水を源とする簡易水道が断水した。

「切れたことのない沢が突然、2キロくらいの範囲で干上がった。驚いたし困ったよ」

粟ケ岳北麓で沢の水を使って茶園を営んでいた60代の男性は、当時のショックを振り返る。

 

着工前、日本道路公団(現中日本高速道路)の説明会が開かれたが「水枯れの可能性の話はなかった」と男性。断水後、地区の要望を受けた公団は、トンネル内の止水工事に加えて別の川から茶園へ約2キロの引水管路と中継ポンプを設ける補償的措置で応じた。

 

ただ、完成した管路は水が出ず、男性は不具合を訴えたが結局1度も使えなかったという。止水の効果も限定的で、男性は水を確保する負担と茶価安から生産を断念。金銭補償を求めて5年ほどたった昨年、中日本高速道路とようやく補償が成立した。

 

熊森から

 

静岡新聞さま、リニアのどうしようもない負の面を伝えて下さってありがとうございます。大拍手です。こんな新聞なら購読したいです。

 

南アルプスの貴重な生態系を守るため、静岡新聞だけではなく、全国のメディアが、リニア工事の不都合な真実を伝えてください!マスコミが真実を伝えさえすれば、多くの国民は、リニアなんていらないと言い出すと思います。

 

トンネルを掘れば、水脈が失われたり変わったりするのは当たり前です。人間は声を挙げられますが、自然界は声を挙げられません。全国各地で道路や新幹線のトンネル工事が続く今、地元の人たちや自然界、他生物が泣いていることを、全国民が知らねばならないと思います。

 

水源の森を干からびさせてまで、また、多くの野生生物を死に追いやってまで、今以上、便利になる必要はあるのでしょうか。もう十分便利です。これ以上の便利さを追い求め、国土を開発し続けるなら、自らを生かしてくれている大地を失うことになります。あまりにも愚かです。

 

今からでも遅くない。南アルプスにトンネルを貫通させるなど、クレージーの一言です。

リニアに賛成の方は、クマをはじめとする南アルプスの動植物をどこに移住させるのか、教えてください。移住先などどこにもないはずです。

 

リニア大井川問題、全量回復を事実上撤回 JR「約束ではない」

以下、静岡新聞2019.8.30より

 

リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川流量減少問題で、JR東海の新美憲一中央新幹線推進本部副本部長は29日、昨年10月に同社が表明したトンネル湧水の全量を大井川に戻す方針に関し「約束ではない」との認識を示した。全量回復とした当初の方針は「工事完了後との認識だった」と釈明し、工事中を含むトンネル湧水の全てを大井川に戻すとする方針を事実上撤回した。

 

静岡県庁で開かれた利水関係者との意見交換会後に記者団の取材に答えた。新美副本部長は「その時点(昨年10月)で工事中、工事完了後など、細かいところまで詰めて話をしていなかった」と説明。全量回復の具体策について「私の頭には浮かんでいない。これ以上はノーアイデアだ」と述べた。一方でトンネル湧水の県外への流出量を減らす努力は、引き続き検討する考えを示した。

 

流域市町や利水団体は「全量」には、工事中に発生する湧水も含まれるという認識で「約束が守られていない」(大井川土地改良区の内田幸男理事長)と不信感を募らせている。利水関係者とJRとの今後の協議に影響する可能性もある。

 

JRは昨年10月、利水団体との基本協定案で「原則として静岡県内に湧出するトンネル湧水の全量を大井川に流す措置を実施する」と明記。金子慎社長は昨年11月の記者会見で協定案の「原則として」の削除も可能との認識を示したが、29日の都内の記者会見では「(意見交換会で)技術者が丁寧に説明しているので(私の)説明は控えたい」とした。

 

全量回復の方針に関しては、愛知県の大村秀章知事が「JRは全量返すから影響ないと言っている。次に何があるのか」と発言し、本県の対応を批判する根拠にもなっていた。

 

 

熊森から

 

工事中を含むトンネル湧水の全てを大井川に戻すことなどできないとJRが正直に言ったのですから、南アルプスにトンネルを掘る計画はこれでもうおしまいです。

 

リニア工事は取り返しのつかない国土大破壊です。何度考えてみても、この工事は日本国が滅びることを願っている人たちの策略としか思えません。

 

南アルプスに穴をあけて新しく人工水脈をつくってはならないのは、健康なじぶんのお腹に穴をあけて人工血管を取り付けてはいけないのと同じです。

 

とんでもないことをしてしまったと後で気づいても、もう元の体には2度と戻せません。

6月11日  川勝平太静岡県知事「県民はあきらかにリニアより南アルプスの生態系保護を選ぶ リニアルートを変更せよ!」と発言

静岡県知事「無礼千万」とJRを突き放す リニアルートを変更せよ

以下、6月12日、静岡新聞より

リニア工事幹線静岡工巡り、川勝平太知事は11日の定例記者会見で、リニア沿線の他都府県で作る建設促進期成同盟会に静岡県の加盟が認められない場合について「道(ルート)を外してほしい。急がば回れという言葉がある」と述べ、県内の南アルプスを横切るルートの変更をJR 東海に求める考えを示した。

 

同社の金子慎社長が静岡工区の未着工を理由に2027年のリニア開業時期が遅れる可能性を示唆したことには「(リニア)事業計画の年次を金科玉条のごとく相手に押しつけるのは無礼千万だ」と強く反発。「私は県民の安全、南アルプスの生態系保護という観点でのタイムスパン(期間)で考えている。事業計画に何ら影響されるところはない」と突き放した。

 

リニア開業の移動時間短縮効果と南アル プスの自然環境を比較し「県民は明らかに南アルプスを選ぶ」と強調した。 同盟会は6日の総会で入会を保留。川勝知事は会見で加盟申請の理由を、沿線自治体に本県の立場を理解してもらうためだと説明し「議論が平行線になってはいけない。事実を知ってもらう必要がある」とした。政府には「どうなるのが最善の解決策か公平無私の観点で考えられる立場」と調整役を期 待した。 また、南アルプストンネル準備工事の現場を13日に視察する際、水資源や生態系への影響と、建設される施設が将来的に観光に役立つかを重視して追加の準備工事を認めるか判断する姿勢を示し た。

 

熊森から

よくぞ言ってくださった!

お忙しい方は一行でもいいので、全国から支持お礼のメール電話FAXが大量に届くように、みなさんよろしくお願いします!

熊森本部からも、さっそくメールを入れさせていただきました。

南アルプスを貫通するリニアトンネルを掘ってしまえば、南アルプスの乾燥化が始まり、多くの動植物が息絶えて消えてしまいます。

私たち人間も水源の森を失います。もう取り返しのつかないことになります。

自然保護団体がいくら反対しても、JR東海は横暴きわまり、耳を貸そうともしません。

かくなる上は、天変地異が起きて、天の怒りでリニア工事がストップするよう祈るしかもうないのかと思っていましたが、このような知事さんが現れたこと、大拍手で応援したいと思います。

 

川勝平太静岡県知事に対する声の届け方

固定電話の方(無料)TEL  :0120-464-119
携帯電話の方(有料)TEL  :0570-041-001
(いずれも平日 9:00~17:00 年末年始除く)
FAX  :06-6455-3268
電子メール: help-shinsei-shizuoka@s-kantan.com

〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9番6号

 

 

「ストップ・リニア!訴訟」では、ただいま、サポーターを募集中です。

南アルプスにリニアトンネルを貫通させ、水脈を切断、生態系を破壊することに反対の方は、「ストップ・リニア!訴訟」サポーターになってください。

<個人会員>初年度会費一口2,000円 次年度以降一口1,000円

<団体会員>年間会費一口5,000円

00270-3-55439 (ゆう貯銀行)
「ストップ・リニア訴訟」原告団・山梨

リニアよ、南アに穴を開けるな

以下は、朝日新聞の投書欄からです。拡散希望!

 

リニアよ、南アに穴を開けるな

無職 服部隆(静岡県 66)

 

山を愛すること48年。私を育ててくれた南アルプスにリニア中央新幹線のトンネル工事が迫っている。「自分の腹に穴を開けられる思いだ」と山を愛する知人が語ったが、これは南アルプスに登ってきた者に共通する思いだ。

大問題なのは、トンネル残土を無謀にも大井川上流部に投棄するログイン前の続き計画と、掘削による枝谷の流量減少だ。とりわけ、JR東海の試算で「毎秒2トン」の減水は、南アルプス南部の生態系に深刻なダメージを与えるだろう。

かつて谷でばったり出会ったツキノワグマは、清流をおいしそうに飲んでいた。荒川岳直下の谷でも2年前、ツキノワグマのふんを見つけた。生きものにとって水辺がいかに大切な場所かと思うと、心が痛む。JR東海の回復措置への言及も不十分だ。このままでは豊かな生態系が失われかねない。

「速さ」のために、過酷な自然の中で生きる命を奪う権利があるのか。傲慢(ごうまん)のツケは必ず私たちに返ってくる。南アルプスに穴を開けてはならない。

 

熊森から

南アルプスに穴を開けてまでもうけようとする人達は、もはや正気ではない。狂ってしまっている。

この様な取り返しのつかない大環境破壊問題の真相を報道しないマスコミや関心を持たない国民に、なんとか、目を覚ませてもらいたい。

祈る思いです。


			

リニアに関するマンガ冊子の訴訟、県は争う姿勢

以下、テレビ山梨より

山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子

 

山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子は違法な支出だったとして、市民団体がおよそ1200万円の費用返還を県に求めた裁判が16日始まり、県側は争う姿勢を示しました。

 

市民団体は山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子について、リニアの良い面しか書かれていない偏った内容のもので、これを県内の各学校へ配布したことは違法な支出として、県を相手におよそ1200万円の費用返還を求めています。

 

16日、甲府地方裁判所で始まった裁判の意見陳述で、原告団の川村晃生代表は「冊子はリニアのPR誌で、よいことづくめで宣伝している」と述べ、負の側面がない冊子配布は行政の自由裁量権を越え違法と訴えました。

 

一方県側は、県の整備方針に基づき作成されたもので違法とは言えないとし、請求の棄却を求めました。

 

 

熊森から

子ども洗脳以外の何物でもないこのような冊子配布に応じた教職員がいたとしたら、教師として全員アウトです。

実際に配布した教師はいたのでしょうか。

 

もしこのような冊子が配られてしまった学校があるのなら、リニアの負の面をPRする冊子を今からでも配布していただき、双方の意見を子供に伝えて下さい。それでなければ、教育になりません。

 

日本国内で、しかも教育現場で、こんな子どもロボット化事業が展開されていたなんて、戦慄を覚えました。

これって、本当に、日本国内であった話なのでしょうか。信じられません。

山梨県教育委員会に問い合わせてみます。

 

 

 

同じ国民として、リニア工事に泣く沿線住民を見捨てられない 熊森岐阜がリニアルートを視察

5月20日、日本熊森協会岐阜県支部員23名と本部リニア担当者1名は、岐阜県におけるリニアルートの3か所を視察しました。

地元の「リニアを考える会」のメンバーのみなさんが説明をしてくださいました。

 

①瑞浪市日吉町:残土置き場が崩れたら下の集落に危険が!

 

まず、初めに訪れたのは、リニアのトンネルが掘られようとしており、すでに残土置き場が造られている瑞浪市日吉町です。

ここでは、リニアによって地元住民が得るものは何もありません。

リニアに賛成している人は誰もいないということでした。

リニアのトンネルを掘った時に出て来る残土を運ぶための、ベルトコンベアーがすでに設置されていました。

棚田が広がっていた広大な谷が、残土置き場になっていました。

この谷を、残土が埋め尽くすことになるのです。

すぐ下には、集落があります。豪雨などで残土置き場が崩れたら、集落のみなさんの生命に危険が及びます。

工事開始が差し迫っており、騒音、排気ガス、電磁波など自分たちの身に降りかかってくる危険をどう回避するかで地元は必死でした。

 

 

残土が運ばれる場所。この下には集落が。

 

②中津川市:駅舎の日陰で、米作りが不可能に

 

中津川市では、岐阜県駅と非常口予定地を視察しました。

道の両側に田畑が広がり、交通量も人通りもそれほどない、静かな場所でした。

田植えを終えたばかりの田んぼが広がっていました。

ここに30メートルほどの高さの駅ができます。

田畑は駅舎で日陰になってしまいます。

もう米作りはできません。

市が買い取って田畑を駐車場などにするそうです。

中津川市の山口非常口建設予定地では、すぐ上に、人家がありました。

ここにトンネルを掘ることによって、この人家はどうなるのか不安を感じました。

中津川市の山口非常口周辺

 

③恵那市:電磁波と騒音が不安な住民たち

 

最後に恵那市岡瀬沢地区を訪れました。

この地域では、JR東海に対して地上部リニア走行部分にフードを取り付けてくれるように要望していますが、JR東海は首を縦に振ってくれないということでした。

理由はわかりませんが、地上部全てにフードを付けるとなると、建設コストが莫大になるからだろうと住民の人達が言っていました。

家の数メートル上を、大量の電磁波を放出し、かなり大きな騒音を出してリニアが走るのです。

住民たちは、フードをつける約束をしてくれるまでは、断固として中心線測量をさせないとがんばっておられました。

 

熊森から

岐阜県リニアルート視察に参加して、大企業であるJR東海の利益の為に、何の罪もない住民たちの生活が奪われようとしている現実を目の当たりにしました。

すでにリニアのトンネル掘りが始まっている長野県の大鹿村では、発破のために家にひびが入ったり、裏山が崩れてきたりしているそうです。

2001年に施行された「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」によって、地下40メートルより深い土地は、無許可で使用できることになりました。リニア中央新幹線はこれを利用して、地下水脈を次々とぶっちぎってトンネル工事を進めているのです。取り返しのつかない国土大破壊工事です。

リニアルートの沿線では、多くの一般住民がどうやって声をあげればいいのかもわからず、不安を感じながら生活しています。

リニア建設は、弱い者いじめ以外の何ものでもないと思いました。

 

今、たまたま外部の安全圏にいる私たちこそが、不安におびえている住民の方たちを見捨てず、「リニア工事中止・JR東海は住民の声を聞け」の大声をあげることが必要だと感じました。

 

多くの国民は、リニア工事に泣く住民の実態を知りません。

マスコミの皆さん、なんとかがんばって報道してください!

 

リニア工事を止める運動を! 第9回ストップ・リニア!訴訟 (3月23日東京地裁の傍聴報告)

ストップ・リニア!訴訟の第9回口頭弁論が東京地裁で行われました。

傍聴定員98名に対し、140名が傍聴券を求め抽選に並びました。

 

2016年5月に提訴し、同年9月には第1回目の口頭弁論が行われました。第2回目からは、沿線各地の住民の方が次々と陳述を行ってきましたが、原告からの各地の報告は今回の町田、相模原で終了しました。

今後は、被告(国交省)側が3回にわたって反論し、それを受け、私たち原告側が追及していきます。

 

この日は、町田から地元のシイタケ農家の森和幸さんが、相模原からは桜井真理さん、浅賀きみ江さん2名の方が陳述されました。

 

シイタケ栽培に必要な井戸水が枯れてしまう

町田の陳述者は、シイタケ栽培にとても重要な井戸水が、リニアトンネルの掘削によって枯れてしまうことを危惧されていました。山梨実験線では果樹園や田畑に水を供給していた水路が枯れてしまったので、沿線各地で農家の方が危機感を募らせるのは当然のことです。

 

 

情報開示がないまま「影響は少ないと思われます」と言われても・・・

850人の地権者がいる相模原からは、桜井さんが、「大地が陥没する恐れはないのか」「JR東海は説明責任を果たしてほしい」「今まで全く説明がなく、盗人のごとく我が家の地下を勝手に掘り、リニアのトンネルを作ることが平然と行われてしまう。今のこの国を信じられない」などと、地権者たちの悲痛な声を代弁しました。

どの地域にも共通していることですが、ここも例に漏れずJR東海側からの説明は、情報開示などが無いまま「安全です」「影響は少ないと思われます」というだけです。このような状況では、住民の不安はぬぐわれることはありません。

 

 

相模原では、地元住民に愛され続けてきた神奈川県立相原高校がリニア工事によって移転を余儀なくされます。地元住民の浅賀さんは、そんな「心のオアシス」を奪われることが、地域住民の生活環境をも破壊すると訴えました。

 

 

被告側は、反論準備ができていないのか??時間稼ぎは認められない

原告側の陳述を終え、裁判長が、被告側に反論はいつごろ提出いただけるかといったことを質問しました。しかし、被告側代理人は、「すぐには反論できません」と回答しました。

今まで陳述してきた8か所を2か所ずつ(計4回で)反論していくことにしますと、被告側が述べたのに対し、裁判長、原告側からは、それでは時間がかかりすぎます。どうにかして3回までで終わらせるようにと伝えて、次回以降の期日が設定されました。

 

 

工事を止めるための運動をしなければ

このような裁判中をしている間にも工事は進んでいきます。訴訟だけでは、リニア工事を止めることはできません。

第3回の口頭弁論の際の報告集会で、原告団長の川村先生が、「裁判を進める一方で、この裁判を支える運動の裾野を各地にどんどん広げ、そのことが裁判に跳ね返るようにしていくことが大切」と、おっしゃったことを思い出します。

各地でストップリニアの運動を盛り上げていく以外に、リニアをストップさせる方法はないのです。

例えば、沿線各地で被害が出る度に小さな訴訟を行うなど、今後は、いかに「工事を進ませない運動」ができるかにかかっています。

 

次回以降の口頭弁論の日程は6/25(月)9/14(金)11/30(金)です。時間は14時半から東京地裁です。

第10回目以降も傍聴席をいっぱいにしていきましょう!ぜひご協力ください。

訴訟前集会にて
熊森本部が共に活動しているリニア市民ネット・大阪の春日代表も挨拶

訴訟後の院内集会 約100名が参加

大切な国土が、企業の利益のために取り返しのつかない破壊を受けているのに、指をくわえてみているだけの大人でいいわけない?!

もっともっと、大きなうねりを起こしていこう!

第7回ストップ・リニア!訴訟口頭弁論 訴訟が各地で起き、反対の声が増大していく必要あり 

11月24日、東京地裁傍聴100席の抽選に、143名が並びました。熊森会員も6名参加。

 

東京地裁前集会のようす

 

陳述1 川本正彦氏(愛知県の原告。「春日井リニアを問う会」事務局長。以前、リニア市民ネット・大阪の勉強会で講師として招聘。)

 

(要旨)主に家庭用燃料として使用していた亜炭の採掘は昭和40年ごろまで名古屋でも行われていた。その後、鉱山は閉鎖された。しかし、一部柱を残す形で地下の亜炭層を採掘したため、空洞になっている場所が多く、昭和50年代ごろから亜炭鉱跡地で陥没が起きるようになった。亜炭鉱跡地にトンネルを掘ることは危険。坑道の中に地下水が充満していることで安定を保っている場所もあり、リニアトンネルの掘削によってその地下水が抜けて陥没が発生することも予想される。

 

(くまもりから)公園に出来た直径5m、深さ2mほどの陥没写真を見ました。住民の不安は相当のものだと思います。

 

 

陳述2 大沼淳一氏(元愛知県職員 愛知県公害調査センターで、長年水質汚染について調査研究)

 

(要旨)飛騨外縁帯と領家帯との間に分布する美濃帯を掘り起こしたことで、過去に水質汚染が何度も起きている。

リニアの話を聞いた時に、「またか!」と思うとともに、「再び、水質汚染を起こしてなるものか!」と思った。

 

美濃帯を掘り起したことから発生した公害事件

①<愛知県犬山市でカドミウム汚染米が発生>採石された岩石中に存在する黄鉄鉱が、水と空気に反応して硫酸を生成し、採石場からの溶出水が強酸性をおび、カドミウムや鉛などの重金属類を溶かした。

 

②東海環状自動車道(愛知県豊田市-岐阜県-三重県四日市市をつなぐ幹線道路)建設残土ストックヤードで、2003年にその下流で放流されたマス、アマゴ1000匹が死んだ。

 

住民が知らない間に、安心して生活できる環境が壊されようとしている。このような水質汚染問題は、沿線各地で起こる可能性がある。

 

リニア中央新幹線建設事業の環境影響評価が大変ずさんであることは毎回、口頭弁論の傍聴に行くたびに感じてきた。ここまで沿線住民の生活を危険にさらし、日本の自然環境を大きく破壊してまで作らなければならないものなのか、国民のみなさんに考えてもらいたい。

 

(夢の超特急リニアは、土建国家日本の大手建設会社にとって、国土を壊滅破壊すれば巨額の利潤が得られる夢のプロジェクトです。

 

それ以外の人や生物にとっては、取り返しのつかない環境破壊を引き起こされるだけの悪夢のプロジェクトです。)

 

(くまもりから)

口頭弁論終了後、シンポジウム「リニア新幹線隠された真実」が衆議院第一議員会館で行われました。

リニアの採算性や経済効果の予測が過剰であることや、トンネルを掘るために本来しなくてはいけない調査がなされていないことなどそれぞれの専門家の方々よりお話を頂きました。

会場から、「実際に測量が始まり、工事が始まって、既成事実がつくられようとしている。どうすればいいのか」という質問がでました。

弁護団の山下弁護士は、「各地で起きる様々な現象に対して、各地の権利を侵害される人たちが各地で個別に訴えを起こしてくれるよう期待している」と答えられました。

 

ストップ・リニア!訴訟だけでは、リニアは止まりません。

リニア事業に対する訴訟が各地で起き、リニア反対の声が市民の間でどんどん大きくなっていかねばなりません。

 

訴訟集会&シンポジウム(衆議院議員会館にて)

 

次回以降の口頭弁論は、

2018年 1月19日 第8回口頭弁論 品川・川崎からの陳述

2018年 3月23日 第9回口頭弁論 町田・相模原からの陳述

です。どうぞご予定ください。

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