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カテゴリー「兵庫県」の記事一覧

クヌギが花盛り 雌花と雄花がわかりますか

4月17日、庭のクヌギが花盛りなのに気づきました。

あまりにもきれいなので、見に来ませんかと熊森スタッフに声をかけた次第です。

ところが、2日後の19日に見ると、もう花期が終わってしまったようです。

自然界の移ろいのあまりのはやさに驚きつつ、あわてて写真に撮りました。

クヌギは風媒花だからいいものの、虫媒花だったら、こんな花期の短い花は困りますね。

ちょっと昆虫の訪花の日がずれたら、もう受粉できなくなってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月19日のクヌギの雄花

 

無数に垂れ下がっている紐のようなものに雄花がびっしりついています。

クヌギは、花と言っても、めしべとおしべがあるだけで花びらはありません。

手前の茶色っぽい雄花はもう花粉を出し終わった感じです。

2日前には写真奥の雄花のようにきれいな黄緑色でした。

雄花をアップで撮影しました。

一つの雄花に、おしべが4本付いています。

 

 

 

 

 

 

 

びっしり咲いた?雄花

 

雌花は小さすぎて撮れないので、ネットから写真を探し出しました。

新枝の葉の根元についている2ミリのものが雌花です。

雌花と言っても3つに裂けた柱頭があるだけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の雌花

 

クヌギは2年成のドングリなので、今春受粉した雌花がドングリになるのは、来年の秋です。

去年受粉した雌花は、この時期3ミリぐらいになっています。

下の写真が去年受粉した雌花です。

今年の秋には大きなドングリに成長していますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

去年の雌花

 

このクヌギは、熊森協会ができる前の年の秋、山に行った時、あまりにも大きなドングリを見つけて一つ持ち帰り、庭に植えたものです。

数年後には実をつけ始めました。

17年後、胸高直径18センチにまで育ちました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2013年撮影17年目のクヌギ

 

この年、このクヌギの木から落ちたドングリの2分の一量の重さを図ってみました。

スーパーのビニール袋がいっぱいになりました。

重さは5キログラムありました。

1本のクヌギから合計10キログラムのドングリが落ちたことになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

クヌギのドングリ

 

現在保護飼育中のツキノワグマ「とよ」も、クヌギのドングリは大好きです。

秋の食い込み期には、「とよ」は1日に10キロのドングリを平らげますから、このクヌギの木1本で1日分の食料を得ることができます。

冬ごもりに備えてのツキノワグマの食い込みは、7月末から始まります。

もし、この大きさのクヌギのドングリだけで、1頭のクマが冬ごもりしようと思ったら、このような木が山の中に150本点在していることが必要です。

クマが生息するために、どれだけ広い山が必要か想像すると、気が遠くなりそうです。

クマが生息する自然が残されているということは本当はすごいことで、自慢すべきものなのですが・・・

クヌギの樹液はカブトムシやクワガタ、オオスズメバチなど、葉はウラナミアカシジミ(チョウの一種)の幼虫など、ドングリにはゾウムシなど、もう数えきれないほどのいろいろな動物が、クヌギの木で命をつないでいます。

 

狭い庭に、クヌギの大木は無理なので、2015年に植木屋さんに伐ってもらいました。

しかし、10日後には切り株から青々とした新芽が出てきて、今また元の大きな木に戻ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

切り株から新芽(伐採後50日目に撮影)

 

クヌギは、青森を除く本州と九州、四国に分布しています。

クヌギは昔から、炭やシイタケのほだ木などに広く利用されています。

古文書を読まれた先生によると、祖先が摂津などから苗木を取り寄せて各地にクヌギを植えて回ったことがわかるそうです。

よって、分布は全国に連続しており、クヌギに地域固有の遺伝子はありません。

 

 

皆さんの所では、ドングリの花は終わりましたか?

それともこれからですか?

日本にドングリの種類は21種あります。

クヌギ以外のドングリも春に花が付きます。

ドングリの雌花や雄花をまだ見たことがない人は、ルーペでいつか見てください。

命の不思議さを感じますよ。(完)

 

 

 

丸尾県議が「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」の公開を求め質問してみた結果

兵庫県当局の答弁は誠実なものではありませんでした

 

新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴い、兵庫県にある熊森本部もテレワークに切り替えています。

これまで忙し過ぎて書けていなかったことを徐々にアップしていこうと思います。

 

まず初めは、兵庫県鳥獣対策課と兵庫県森林動物研究センターが主導して開催している「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」を、当局が開催場所・日時・内容に至るまで、全て徹底的に非公開としている問題です。

 

3月11日の兵庫県予算特別委員会農政環境部会で、丸尾牧兵庫県議(尼崎市選出)が質問してくださいました。

 

<質問の大意>一昨年、兵庫県が主導して近隣府県に呼びかけて発足した「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」に関して、協議会・科学部会の委員名と会議・議事録・プログラミングデータなど根拠の資料を公開すべきだ。

兵庫県のツキノワグマ推定生息数の算出法は問題だらけで過大推定になっていると日本福祉大学の山上俊彦教授(統計学)が指摘されている。参考人として科学部会などにお呼びして、ご意見をうかがってはどうか。

 

兵庫県鳥獣対策課課長の答弁:委員ご質問の広域協議会の会員と議事録におきましては、すでに公開をしている所でございます。また、科学部会の委員と議事録におきましても、今後公開する予定としております。協議会及び科学部会の会議の公開につきましては、原則公開を行おうと考えておりますが、委員の率直な意見交換などを阻害する場合においては、非公開ということを考えております。(兵庫県議会インターネット中継録画からそのまま文章化)

 

この委員会の後、丸尾議員から熊森に「山上俊彦教授の招へいは拒否されましたけれど、広域協議会は今年から公開されますよ。まず一歩前進です」という喜びの連絡が入りました。

 

熊森は念のため、後日、兵庫県庁の鳥獣対策課に確認してみました。

 

熊森:広域協議会の科学部会の委員名や議事録は、どこに公開されているのですか?インターネットで探し回ったのですが、見当たりません。

 

鳥獣対策課:出していません。

 

熊森:先日の丸尾議員の質問に対して、課長さんは「すでに公開している」と答えられていますが。

 

鳥獣対策課:情報公開請求があれば、公開しようかなという意味です。

 

熊森:公開されないから、情報公開請求をするのでしょう。そういうことなら「すでに公開をしている所でございます」は、虚偽の答弁だったということになりますよ。

 

熊森:今年から広域協議会や協議会の科学部会が公開されることになったんですよね。傍聴もOKですよね。

 

鳥獣対策課:非公開です。傍聴も不可です。

 

熊森:科学部会の委員のお名前は教えてもらえるのですよね。

 

鳥獣対策課:部会の委員が教えてもいいと言った場合の話で、いいと言わなければ公開できません。

 

熊森:今後公開する予定としておりますと答弁されたら、誰だって公開されると思ってしまいますよ。

 

鳥獣対策課:もう一度、(議会の)課長の答弁を一言一句確かめてください。公開するとまでは言っておりません。公開は委員の率直な意見交換を阻害する恐れがありますので。

 

熊森が丸尾議員に「鳥獣対策課に確かめると今年もまた非公開だそうです」と伝えると、丸尾議員は絶句しておられました。

 

熊森から

兵庫県に問いただした結果、要するに県は、今年も広域協議会を非公開のまま続けるのだということがわかりました。

しかし、県議会をインターネット経由で傍聴し質疑のやりとりを聞いた一般の県民はみんな、丸尾議員と同様に「今年から公開されるのだ」と受け取ってしまったに違いありません。

 

兵庫県の行政担当者の対応は、まるで公開しているかのごとく受け取れる答弁を議会の場ではしておいて、疑問の声が上がったら、委員の率直な意見交換などを阻害する恐れがある場合は非公開であると最後に付け加えてある。よく聞けと、まるで私たち県民に非があるかのように持って行くやり方です。

 

このような県担当者の答弁は、世にまやかしと言われているものです。私たち県民をはじめ、県民の信託を受けて選ばれ質問権を行使してくださった丸尾議員に対しても失礼な答弁であり、県民全体の奉仕者であるはずの行政担当者としてあるまじき姿勢です。

 

広域協議会は、今年度も多額の私たちの税金を使って開かれる会議です。それなのに、兵庫県の行政担当者や、兵庫県の政策を決めている森林動物研究センターの研究員は、国家機密でもあるまいに、どうしてここまでツキノワグマに関する会議の内容を隠そうとするのでしょうか。

自信がない?

科学的と称してきた発表内容に、実は科学性がない?

県民に知られたらまずいことがある?

 

民主主義の社会は、十分な情報公開があってこそ初めて成り立つものです。みんなで情報を公開しあって他者の意見も聞く。この姿勢がない行政担当者や研究者は、失格だと思います。誰もお互い、神様のような完璧な人間ではないのですから。

 

この日の農林水産部会で、農林水産部長が「世界に誇る兵庫県森林動物研究センター」などと、兵庫県森林動物研究センターの研究者のことを絶賛していました。この発言にはさすがに熊森も、耳を疑いました。

 

3年ごとに部署替えがある行政担当者には専門知識がありませんから、難しい数式や難しい専門用語を並べたてる専門家のいうことを信じるしかないのだろうと思います。しかし、一つのものだけを絶対的に信じきってしまう姿勢はとても危険だと思います。

 

以下は、現在進行中の新型コロナウイルス対策について、インターネットから拾ったコメントです。

「専門家の方々は医師免許があっても普段は診療しませんから。こういう方が主導的に感染症対策を決めるのは、暴走するリスクすらあると思います。テクノクラート(科学者・技術者出身の政治家・高級官僚)が主導権を握ると、しばしば暴走して第2次世界大戦のようなことになる可能性もありますよね。専門家に対応を丸投げするのは非常に危険なことだと思います。医療現場の判断を優先すべきでしょう。」

 

このことは、あらゆる分野に言えることではないかと熊森は思います。どんな問題に対しても、幅広い人の知見を集める、衆知を集めることが必要なのです。

熊森は設立以来23年間、徹底した現場主義で兵庫県のクマ問題に誠心誠意取り組んできました。審議会にしろ、広域協議会にしろ、兵庫県が熊森を排除しようとし続けている理由が全くわかりません。(以上)

 

くまもりの4月、本日よりスタートです

新しく2名の職員も加わりました

事務所の前で記念撮影。中央の2人が新入のスタッフです。活動は制限されていますが、感染に気をつけながらできることをしています。

 

新型コロナウィルスが猛威を振るう不安の中で新生活を迎えられた方がたくさんおられると思います。

水曜日が定休日のくまもりは、本日、4月2日木曜日より、新入社員2名が加わりました。

 

山が芽吹き始める春は野外での活動も本格化する季節です。

新しい仲間や支えてくださる全国のみなさんと、豊かな森再生や野生動物との共存のために飛び回れないのがとても残念です。

少し落ち着いたときに、フル回転できるように、今は種をまき、芽を出す準備をするときと考え、感染拡大に気をつけながら、今、できること、しなければならないことにスタッフ一同取り組んでいます。

 

新型コロナウィルスの影響で苦しい状況にある方もたくさんおられることと心配をしています。非常事態だからこそ、危機を乗り越えられるようお互いに助けあいましょう。

新入社員よりひとことご挨拶

◇今年度から環境教育を担当することになりました!右も左もわからない社会人一年目、手探りいっぱい不安いっぱいですが安全第一で頑張りたいと思います!(K.M)

 

◇クマたちと共生できる奥山の環境回復を目指すと説くと関心を持ってくれる友は少なくありません。1人でも多くの人に熊森協会を知ってもらい、輪を広げたいです(S.N)。

 

3月12日 室谷会長らが兵庫県宍粟市の福元晶三市長と白谷敏明元市長をそれぞれ訪問

赤松正雄顧問(元衆議院議員)のお力添えで、熊森の室谷悠子会長、水見職員、地元の熊森会員計3名は、赤松顧問と共に、宍粟市の福元晶三現市長と白谷 敏明元市長(現:播州山崎花菖蒲園理事長)にお会いすることができました。

 

宍粟市(しそうし)の森林率は、9割です。

人工林率は73%にも達しており、その9割が放置されているそうです。

市としては、放置人工林対策に市を挙げて取り組もうとしているということでした。

令和元年の森林環境譲与税で、森林所有者の意向調査を行ったそうです。

すでに6割の森林所有者の意向調査を完了したと言われていました。

 

2017年に宍粟市一宮町で開校した林業大学校の第一期生が今春卒業です。

宍粟市は卒業生を職員に採用するなど、若い力に期待されていました。

 

宍粟市の紅葉祭りは今年4年目となります。

福元市長は、森林共生モデル都市としての自覚を強く意識されているようでした。

 

広葉樹林が水源の森づくりに欠かせないことや、広葉樹林を人工林に変えてしまったことで、瀬戸内海の栄養不足が起きていることなど、山に関して熊森と共通する思いが多々ありました。

 

福元市長や森林担当職員との語らい

 

福元市長に要望書を提出した室谷熊森会長

 

 

 

白谷元市長は、菖蒲園でのシカ害にとても頭を悩まされていました。

柵を張っても、人が見ていないとすぐにシカが入ってしまうのだそうです。

柵の高さを3mにまで上げると、さすがにシカも入って来ないようになったということでした。

白谷元市長との語らい

 

奥山生態系保全活動に取り組む熊森は、これまで宍粟市波賀町原地区と15年間にわたり、人工林の広葉樹林化やクマたちのえさ場づくりに取り組んできました。

 

今後は、宍粟市とも協力して活動を広げていけるのではないかと期待します。

赤松顧問、このような機会を作っていただき、本当にありがとうございました!

3月6日 豊岡市のくまもり植樹地、今年初めての手入れ

今年、初めて、豊岡市の植樹地の手入れに出かけました。

雪が極端に少なかった今年の冬、

苗木がなだれ落ちる雪で倒れることは少なかったのですが、

シカには食われやすくなりました。

 

 

一番広い鹿防除柵の入り口の杭が倒れていました。

あーあ、もちろん、シカが侵入していました…。

苗木がシカに食べられてしまった形跡がちらりほらり。

シカが空腹を満たせたのだから、よかったじゃないか。

これが自然なのだと言う声も。

 

柵が倒れていた                  

 

狭い鹿防除柵の中には、意外とシカが入っていませんでした。

 

クワや桜の大苗は、しっかりと根付いているようでした。

鹿よけ網の張り直し

 

帰路、道路脇の樹上にクマだなを発見しました!

車を飛び出して確認すると、登るときについた爪痕、降りるときについた爪痕、両方の痕跡がはっきりと残っていました。

枝には、クマが枝を折るときにかんだ歯形がくっきりと残っていました

スタッフが爪痕にあわせて出来るところまで登ってみました。

クマが辿り着いた先の半分にも及びません…

 

クリの木にできた熊だな

 

クマをまねて、木に登ろうとしてみたのですが・・・

 

クマが上るときについた爪痕

 

クマの身体能力のすごさには驚きます。

 

去年度、兵庫県は推定生息数830頭のクマに対して、春から611頭のクマ捕殺許可を出し、

2376基ものクマ捕獲罠をかけ、罠にかかったクマ117頭すべてを有害として問答無用で殺処分しました。

 

ほとんどの行政は、クマ、シカ、、サル、イノシシ等の数を減らすことに躍起です。

野生動物を、害獣としてしか見ていないからだと思います。

数さえ減らせば被害も減るだろうと、安易に考えているのです。

一定数残しておけば共存なのではないと、何回説明しても彼らにはわからないようです。

 

ある猟師が、2019年の兵庫県クマ大量捕殺で、ほとんど豊岡市でクマを見かけなくなってしまったと言っていました。

 

このクマだなを作ったクマが、罠にかかることなく無事に生き延びていてくれたらいいのになあと、思わず願ってしまいました。

気づこう!個体数推定に毎年無駄な予算 近畿北部・東中国ツキノワグマ広域協議会の公開を求む

兵庫県森林動物研究センターと兵庫県は、隣接する京都府・大阪府・鳥取県・岡山県の行政担当者に呼び掛けて、2018年秋に「近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理協議会」(以下、広域協議会)を立ち上げました。

 

しかし、兵庫県森林動物研究センターや兵庫県に問い合わせてみたところ、この広域協議会は、開催日時、開催場所、当日配布資料等を全て非公開、傍聴もできないというまるで県民の知る権利をことごとく否定した会です。情報公開を命とする民主主義の否定でもあります。

会議予算として400万円が計上されています。県民には当然何をしようとしているのか知る権利があるはずです。

 

兵庫県森林動物研究センターや兵庫県はこれまで、兵庫県森林動物研究センターの研究部長で兵庫県立大学教授でもある横山真弓博士の知的財産を守るため等、様々な理由を付けて、公費で調べているにもかかわらずクマ情報を非公開ときました。しかし、熊森が知りたいのは、捕殺されたクマの胃内容などの基礎データであり、知的財産にあたるようなことがらなどでは全くありません。今回の広域協議会にしても、非公開など許されていいはずがありません。

 

熊森はこの度、兵庫県を通さず2019年7月16日開催「広域協議会」の資料の一部を入手することができました。

 

<2019年7月16日開催「広域協議会」について>

 

参加者は、兵庫県森林動物研究センター研究員らと兵庫県行政9名、京都府行政3名、鳥取県行政2名、岡山県行政1名、オブザーバーとして、近畿環境省、大阪府、福井県、滋賀県から各1名が参加です。兵庫県森林動物研究センターと兵庫県が中心となって招集したことは、出席者数からも推測できます。

 

以下は、入手した資料の一部です。

 

(1)式次第

 

(2)協議会の事業目的

①近畿北部・東中国ツキノワグマ広域保護管理指針(仮称)に関する業務。

②会員が行うツキノワグマのモニタリング項目の統一と地域個体群単位の個体数推定の実施

 

(3)規約改正部分 下線部分が、今回新たに入った規約

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(4)報告文

 

 

 

 

 

 

 

要するに、「広域協議会」がやろうとしていることは、毎年のツキノワグマの個体数推定事業であり、この事業を兵庫県立大学の先生が独占することのようです。

 

ツキノワグマの生息数の推定計算など何回やってみたところで、クマにとっても、獣害に悲鳴を上げる地元の人たちにとっても、実は何のメリットもないと私たちは考えます。それにしても、どうしてここまで隠す必要があるのでしょうか。

 

兵庫県森林動物研究センターの元研究員にツキノワグマの個体数推定計算をしてもらったある県によると、元研究員は、山に入って生息地の調査をすることもなく、県が提出した目撃数や殺処分数などの数字資料をもとに、コンピューターで計算してクマの生息数を推定したとのことです。委託料金として何百万円かが支払われました。

 

これまでツキノワグマの個体数推定をWMOなどの民間会社に頼んでいた他府県は、今後は民間会社と兵庫県立大学の二か所に予算を組み、同じ事業をお願いすることになるということでした。個体数推定のために二重払いをすることになり、税金の無駄遣いです。

 

先に発足した「西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会(広島県・島根県・山口県)」をまねてか、この日の「広域協議会」でも科学部会を立ち上げ、3名の委員が科学部会委員に任命されたということです。

兵庫県庁に3名の委員名を尋ねたところ、これまた非公開とされました。

 

広域協議会立ち上げの話が出て以来、熊森は、兵庫県のツキノワグマについて23年間も生息現場の調査をし続けてきた私たちをぜひ科学部会の委員に入れてほしいと申し出ていました。しかし、兵庫県森林動物研究センターや兵庫県から、完全に無視されました。市民団体の締め出しです。

 

はっきり言って、ツキノワグマと私たち人間が共存したり、地元の獣害を軽減したりするためには、毎年の個体数推定計算など不要なのです。

 

個体数推定→大量殺害ではなく、奥山の広葉樹林化による生息地の復元・再生や、獣害に悲鳴を上げる地元の被害対策、クマを寄せ付けない集落づくりにこそ予算を付けるべきなのです。

 

クマだけに限ったことではなく他の野生動物たちにも言えることですが、毎年個体数推定を業者に委託し、その推定計算費用を払い(現実問題としてクマの頭数を数えることは不可能なため、一部のサンプルを取って計算する)、どこまで本当か誰にもわからない推定数に基づいて、個体数調整と称して、過剰分の捕殺を業者に委託、そして、また、業者に費用を支払う。これはまさに毎年毎年得られる個体数調整利権ではないでしょうか。

 

さらに言えば、兵庫県と兵庫県森林動物研究センターは、ツキノワグマの個体数推定の過程についても、全てを公開してはおらず、これも問題です。

これまで統計学の専門家が、兵庫県森林動物研究センターの個体数推定結果はどうも腑に落ちないので、先輩研究者としてどのようにして計算したのか意見交換をしてみたいと何度も申し入れられました。しかし、兵庫県森林動物研究センターの若い研究者たちは、これを拒否し続けています。科学者としてはおかしな姿勢だと思います。

 

第3者が検証できないものは、科学ではありません。

 

そもそも、野生動物の個体数推定が必要になったのは、1999年に日本の全自然保護団体が反対する中、「鳥獣保護法改正案」が国会を通ってしまった時からです。この法案は、それまでの狩猟や有害駆除名目の殺処分の他に、新たに個体数調整名目の殺処分を日本の野生動物に導入しようとしたものです。人間が勝手に考えた適正頭数を超えているとみなされると、何の被害も出していない個体であっても、殺して良いことになります。

 

この法案成立を強力に推し進めたのは、教え子たちに毎年の仕事を作ってやりたいと願う大学の動物学の教授たちでした。その目論見は達成されたようですが、教え子たちが本当に取り組まなければならないのは、毎年の個体数推定などではないはずです。

 

野生動物の生息数を人間が思う数に低減(=殺害)する個体数調整(=ワイルドライフマネジメント)など、所詮、神様ではない人間にできるものではありません。自然界への無知と傲慢、冒涜です。

 

「鳥獣保護法改正案」が成立して以来、我が国の野生動物対応は倫理性を失い、捕殺一辺倒の残虐な道をたどり始めました。

ワイルドライフマネジメントの一番の犠牲者は、ゲームのようにして毎年大量に殺されていく野生動物たちです。

シカやイノシシは、大量に殺してもまたすぐ元の数に戻るようですが、野生動物社会は秩序を失い大混乱に陥っていくと考えられます。数字ばかり見ているようでは野生動物対応を誤ります。

 

我が国は、このまま永遠に野生動物の大量殺害国家であり続けるのでしょうか。

この20年間に殺処分された野生動物たちの数はまさに膨大です。

 

今こそ、野生鳥獣対策は、祖先の知恵にならって、個体数調整ではなく、棲み分け共存に方向転換すべきです。殺さない解決法が一番優れているのです。

 

私たち国民は、何よりも大切な生息地復元や被害防除に使われるべき多額の税金が、「個体数の推定」と「個体数調整のための大量捕殺」である個体数調整利権に使われてしまっていることに気づき、憤りを表明しなければなりません。

 

残念ながら、これまで兵庫県庁の記者クラブは、熊森の記者会見を認めないばかりか、形式的に認めても一行の記事にもせず、兵庫県森林動物研究センターや兵庫県の非公開姿勢を支えてきました。対案や異論を抹殺してきた兵庫県庁記者クラブの姿勢にも大きな問題を感じます。

 

自然界のことは、私たち熊森が優秀な研究者たちと長年現場で調べに調べてきたにもかかわらず、わからないことでいっぱいです。自然とはそういうものです。お互いに謙虚になり、全てオープンにして議論ができるようにしないと、本当に必要な政策など生まれません。

熊森は広域協議会の全面公開を求めます。(完)

 

 

兵庫県戸倉トラスト地 植生調査の結果

こんにちは。インターンシップ学生のTです。9月2日に、広葉樹植樹地の植生調査を行うため、奥山保全トラストさんが保有している戸倉トラスト地を訪れました。今回はそのことについて、書かせていただきます。専門知識がないので、あまり専門的なことは書けませんでしたが、どうか、あたたかい目で閲覧していただけたら幸いです。

 

戸倉トラスト地は、兵庫県宍粟市にあります。2006年に購入され、その広さは、120ha(363,000坪)になります。今回、トラスト地の入り口部分に入らせていただきました。

 

また、今回の植生調査に主原憲司先生も来てくださいました。

 

車から降りて、少し歩き始めたとき、シカにかじられたオタカラコウとシダを発見。これらは、シカが本来食べるものではありません。主原先生いわく、これは森の中のシカの食料が減ったことが原因だそう。それによって、シカが本来食べようとしない植物を食べ始めたということです。今後、さらにシカの食料がなくなると、毒性のある植物まで食べるようになるそうです。とてもかわいそうです。

 

シカにかじられたオタカラコウ

 

シカにかじられたシダ

 

丁寧に植生について教えてくださる主原先生

 

また、トラスト地でヤマビルを初確認しました。職員さんによると、去年は全くいなかったそうです。不幸なことに、ボランティア学生が一人、ヤマビルに血を吸われてしまいました。痛みがないので、昼休憩まで気付かなかったそうです。ヤマビルのいる時期には、十分な対策が必要ですね。

 

ポイズンリムーバーで毒を抜いている様子

 

戸倉トラスト地では、クマのエサを確保するために、クマの好きな実をつける木(クリ、サルナシ、ウワミズザクラetc…)が植えられています。中には枯れているものもあり、全ての木々が順調に成長しているとは言えないようです。

 

また、主原先生の指示で、大切な苗木を守るため、自然に生えてきたコシアブラの木(約3メートル)を数本、初めて除伐しました。これから苗木がすくすくと成長して、美味しい果実を実らせてくれることを願うばかりです。

 

シカよけ網で囲まれた植樹地

推定918頭のクマに春~秋、誘引物入り捕殺罠2311基常設の異常性 和田副会長 兵庫県議会で質問

去る6月20日、くまもり副会長の和田有一朗兵庫県議会議員(神戸市垂水区選出)が、兵庫県本議会でいくつかの質問をしました。

その中から、兵庫県のツキノワグマが3年前から一大捕殺強化されている問題について質問した部分について、以下に紹介させていただきます。

 

【質問2:ツキノワグマの保護管理について】

和田 有一朗議員:

次に適正な野生鳥獣の保護・管理についてお伺いいたします。

近年、人と野生動物との軋轢がメディアを賑わせることが多くなってきています。シカやイノシシは人身事故はあるものの、農業被害が中心である一方で、クマの場合は人身事故の問題が中心となっているところであります。

 

兵庫県においても本県に生息するツキノワグマは平成8年度から狩猟禁止、追い払い活動や学習放獣などの保護対策を進めた結果、推定生息数が絶滅することが当面ないレベル800頭まで回復し、直近の推定生息数の中央値が830頭となっていると推定した県(注:推定したのは兵庫県森林動物研究センターの研究員)は、ツキノワグマ管理計画に基づき狩猟を含め野生鳥獣の被害対策の強化を進めてきたところであります。

 

しかし、注意をしておかなければならないのは、推定生息数はあくまでも統計に基づく推定であって、実際の生息数は推定より多い可能性もはるかに少ない可能性もあるということであります。

日本ではクマをはじめ野生動物は(今や)害獣として扱われ、個体数調整という名のもとに、本来の生息地である山の中まで人が入り捕殺をしており、本県でも出没を確認しない段階で推定生息数をはるかに超える罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せず、害獣駆除しているという声を私は聞いております。

 

乱獲は野生動物の絶滅の大きな原因であり、兵庫県でもツキノワグマが絶滅の危機に陥った過去からしても、捕獲が過剰となっていないか、十分な検証が必要であると思います。

 

そもそもクマは基本的には人を避け、森の奥深くに生息する動物であります。しかし、突発的に出会うと防御的な攻撃を招き危険な場合があります。また、クマによる人身被害、農業被害の発生は必ずしも、実はクマの個体数の多さに比例しているわけではありません。

 

クマの本来の生息地である森を開発、利用してきた人間が、季節や年によって食べ物を柔軟に変化させるといったクマの生態を知り、例えば奥地の放置人工林を天然林に戻すなど、本来のクマの生息地である奥山のクマの生息環境を整え、棲み分けを実施していくこと、藪の刈り払いをすること、庭の果実を除去すること、事故が起こった場所には立ち入らないようにすること、クマの餌場となる場所にはできるだけ近づかないようにすること、また、近づく必要がある場合は十分に注意すること等、地道な取り組みを続けていけば、当然クマ生息地の住民の不安を解消することは重要でありますが、私はクマを殺さずとも共存していくことはできると考えます。

 

そこで、誘因物、それは放置果樹であったり廃棄農作物であったり、生ごみなどがありますが、こういったものを除去、農耕地等への電気柵等の設置と管理、クマの集落周辺への侵入や一時的な定着を防止するための耕作放棄地等の整備や藪の苅りはらい等によって、出没を確認しない段階で罠を必要以上に仕掛け、捕獲されたクマを放獣せずに害獣駆除するといった方法によることなく、適正なクマの保護・管理ができると考えますが、当局の誤所見をお伺いいたします。

 

【答弁:ツキノワグマの保護管理について】

田中基康 環境部長

本県では森林動物研究センターの知見に基づき、生息数推定の精度を向上させながら、個体数管理、生息地管理、被害管理を総合的に推進するワイルドライフマネジメントを行っております。

 

近年ツキノワグマの推定生息数が狩猟解禁基準の800頭を超えたため、平成28年度から1か月の制限付きで狩猟解禁しております。

また自然増加数を上限に、集落やその周辺地域に出没する個体に限定して必要な有害捕獲を従来から行っておりますが、これに加えまして、シカ罠等に誤って入り込む、これは当然放獣するわけですけれども、個体までを含めた捕獲総数は3年連続で100頭を超えております。これは過去にはございませんでした。

 

人身被害が発生する中で、残念ながら危険度がより身近になっている有害罠の設置など確実な対策が必要な状況にあると考えておりますので、どうぞご理解を賜わりたいと思います。

もとより、先ほどより答弁にありましたように中長期的な生息地管理として広葉樹の植栽を行っております。

何より、集落にクマを誘引しないよう被害管理として放置果樹、生ごみなどの誘因物の除去を進めておりますけれども、啓発呼びかけにとどまらないよう、本年度からは民間専門家(株式会社野生動物保護管理事務所や 元兵庫県森林動物研究センター研究員坂田宏志氏が設立した株式会社野生鳥獣対策連携センターなどを想定)による集落ごとのきめ細やかな実地指導も展開してまいります。

GPS行動追跡等も進めて引き続き進めてまいります。

今後とも市町はもとより近隣府県とも十分に連携しながら人身被害の防止を最優先にしつつ、クマと共生できる科学的・計画的な保護管理を着実に進めてまいりますのでどうぞよろしくお願い致します。

 

熊森から

和田副会長の質問、完璧です。ありがとうございました。

 

2018年を例にとると、兵庫県では、県内推定生息数918頭のツキノワグマに対して、まだクマが出てきていない春の時点で、609頭のクマ捕殺許可書が県から発行され、シカ・イノシシ捕獲檻のうちの2311基にクマ札が付けられてクマ捕獲共有罠とされ、春から10月末まで、集落200メートルゾーン内に罠を常設。入ったクマは狩猟と合わせて137頭までという上限数があるものの、全頭殺処分。

兵庫県がこのようなクマ捕殺体制をこっそり敷いていたことが、昨年の熊森の調査で発覚しました。

 

その結果、人里に出て行きたかったわけではない多くのクマが、誘引物の匂いに誘引されて罠に向かったのです。

2019.7.23現在までの、兵庫県庁資料より

 

地元で聞くと、このようなクマの捕殺方法は、平成29年(2017年)の7月から始まり、平成30年(2018年)と今年の2019年は、春から開始されたとのこと。

 

上記グラフから、大量の常設クマ捕獲罠によって、集落200メートルゾーンになど出ていく気がなかったクマを、山から呼び出して罠にかけ、殺処分していることがはっきりとわかります。

初めに殺したいありきであり、これはもはや有害捕獲ではなく、完全に、クマの個体数調整捕殺なのです。クマの個体数調整はしませんと協議会で宣言された兵庫県の言葉が嘘になっています。

 

熊森は26年間兵庫県の奥地を見て参りましたが、熊森がささやかながらも奥山に餌場を復元してきたことと比べて、兵庫県のクマの餌場復元事業は掛け声ばかりで復元実態はゼロだと思います。それどころか、奥山観光地化や奥山道路建設、シカの食害など、クマの生息環境は劣化の一途です。生きるために、過疎化した集落周辺に移動したクマたちを、人は責められないと思います。

 

奥山をクマたちが棲めないようにしたあげく、人間の所に出て行かないように踏ん張っているクマまで誘引剤で里に誘引して、有害駆除名目で個体数調整捕殺をする。もう、人間をやめたくなります。人間の残酷さや嘘に、クマたちは泣いていることでしょう。

 

なぜか、新聞社は、兵庫県の実態を県民に全く伝えようとしません。

 

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のしていることを知っているのでしょうか。

地元の皆さんの何人が一体、兵庫県のクマ捕殺法を支持しているのでしょうか。

 

くまもりは、集落周辺でクマの被害や人身事故が起きたら、山中にいるクマを集落周辺に呼び出した兵庫県が責任を取るべきだと思います。みなさんはどう思われますか。

 

みなさんの住んでおられる都府県でのツキノワグマ捕殺体制は、どうなっているでしょうか。みなさんも調べてみてください。

 

6月22日、兵庫県の山奥に、初の大苗植樹!

大苗を植えたらシカ除け柵が不要だったと、地元で植樹をされているグループに教えてもらいました。

今年6月22日、熊森も試験的に、2m~3m級の中苗~大苗4種4本を但馬地方に植えてみました。

クワ、ウワミズザクラ、ヤマボウシ、クリです。

クワとウワミズザクラは、初夏にクマの食糧となります。

大苗とまではいかないのもあるので、当分シカ防除も必要と判断し、シカ除け網も張りました。

 

左からクリ、ウワミズザクラ、ヤマグワ、ヤマボウシの苗木。

 

この日は、いろいろな場所で長年、植樹指導をされてこられた但馬の熊森会員が、指導して下さいました。

 

植える苗がいつもより大きいので、掘る穴もいつもより大きくなくてはなりません。

指導1、掘った穴の底を、つるはしでつついて柔らかくすると、根が張りやすい。

指導2、植樹後、苗木の周りに少し盛り土をする。

(地面にへこみがあると、雨水がたまって根腐りを起こす)

 

ヤマグワには、すでに実がびっしりついている

 

次は、支柱の立て方指導です。

 

大きな苗の植樹は、成果がすぐ出そうで、これまで以上に楽しかったです。

植樹後、突然の雷雨となり、植えた苗木はたっぷりと雨水を浴びました。

「苗木がうまく根付いて、早く動物たちに食料を提供してくれるようになってほしいね」とみんなで話しました。

 

作業後、植えた苗木をバックに記念撮影

 

クマが人里に出てこないように、熊森本部はこれまで1万本以上の実のなる木を、兵庫県のクマ生息地の奥山に植樹してきました。苗木は全て、一番根付きやすいと言われている小さな3年苗でした。

 

中苗や大苗でも根付くことがわかったら、苗木代は高いのですが、これからどんどん中苗や大苗を植えていこうと思います。

 

 

兵庫県丹波篠山市「篠山市広葉樹林化促進のための人工林等皆伐モデル事業補助金」創設

兵庫県にこんな町があります。以下丹波新聞より。

 

人工林皆伐補助が”大ヒット”単価8倍増で申請件数9倍に

4/19(金) 11:00配信

丹波新聞

人工林皆伐補助が”大ヒット” 単価8倍増で申請件数9倍に/兵庫・篠山市

「篠山市広葉樹林化促進のための人工林等皆伐モデル事業補助金」を活用した山林=2019年4月8日兵庫県

所有者負担減、林業家も育成

 森林所有者が行う山すそなどの人工林(スギ、ヒノキ)、広葉樹林(コナラ、アベマキなど)の皆伐にかかる費用を補助する兵庫県篠山市のモデル事業が昨年度、補助単価を8倍に拡充したことが奏功し、前年度実績を大幅に上回る“大ヒット”となった。100平方メートルあたりの補助単価を2500円から2万円に拡充するなどしたところ、前年度は9件200万円だった補助実績が、79件3200万円まで増加した。

 

 この「市広葉樹林化促進のための人工林等皆伐モデル事業補助金」は2015年度から始まり、人工林などを皆伐し、広葉樹に転換していくのがねらい。伐採した木を市場に出せば売上は所有者に還元される。

山の手入れが行き届かず、特に人家裏などで木が生い茂るなど危険な個所は増える一方で、伐採しようと思っても、以前の補助を活用してもなお所有者の負担が大きく、見送るケースが目立っていたという。

そこで市は昨年度、補助金を8倍増にしたほか、大径木(およそ胸の高さで直径20センチ以上)を伐採する場合は15万円を上乗せするよう改正。2180万円を当初予算に盛り込んだところ、申請は件数で約9倍、補助額で16倍に。補正予算で対応した。

市森づくり課は、「申請は増えると思っていたが、予想以上」と驚き、「補助を使い、伐採した木を売れば“とんとん”か、ややプラスという単価。所有者にも有利で、林業家にもメリットがあり、育成につながる。材として売れない木はペレットにするなど、資源として循環していけば理想的」と話す。

川阪自治会は昨年度、同集落内を通る県道本郷藤坂線沿いの約1・2ヘクタールで、同補助事業を活用した。昨年度まで自治会長を務めた男性は、「台風で木が道路上に倒れそうになるなど危険な状態が続き、道路の視界の妨げにもなっていた。木を伐採し、村全体が明るく開けたような印象になった」と話している。

 

くま森から

100平方メートルあたりの補助単価2万円ということは、1ヘクタールに換算すると200万円。これだと伐採業者に支払う伐採費用は全額補助されたに等しい。兵庫県内にこんなことをしている町があることを、今まで知りませんでした。経緯や実施結果などについてもっと詳しく知りたいです。兵庫県民緑税との関連や森林環境税との関連も知りたいですね。何と言っても、地元から、「スギばかり植えて失敗した。天然林に戻そう」という声が高まり、市が条例を制定して後押しし始めたというのがすばらしいです。

全国を探せば、他にもこんな町があるのでしょうか。もしあれば、ぜひ、日本熊森協会までご連絡いただきたいです。

 

久し振りに、人工林の広葉樹林化や天然林化をキーワードにして、ネットで検索してみると、だいぶん項目が出てくるようになりました。

三菱総合研究所などは、日本の森林は大部分を占める人工林の荒廃が進み、有史以来第 4 の危機を迎えているとまで 記述しています。

まさにその通りなのですが、私たちが26年前、日本の山が大荒廃していることを絶滅寸前のクマから教えてもらい、「大変だ、拡大造林にストップをかけてほしい」と訴え出した頃は、理解者が皆無に近くて、どこでも怒鳴られ笑われ変人扱いされたものです。このことを思うと、隔世の感があります。

しかし、論文や記述が増えても、実際に人工林の天然林化が社会で進んでいるかどうかは別問題です。

もう手遅れの感もありますが、日本熊森協会は自然保護団体として、実際に人工林の天然林化が進むよう、これからも活動し続けていきます。

みなさんぜひ応援してください!どうしたら応援できるかとよく聞かれますが、一番簡単にすぐできる応援は、会員に登録していただくことです。

賛同者はまずご入会ください!世の中を変えていくには、数が必要なのです。

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