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カテゴリー「兵庫県」の記事一覧

12月4日 本部 奥山の生き物調査 (兵庫県)

 

登り口となった標高650m付近は、まだ雪がありません。

頂上に近づくにつれて数センチ程度の積雪が現れてきました。

この日は地下足袋ではなく長靴で来ていたので、雪対策はバッチリでした。

 

ブナにつけられた新しい爪痕を発見しました。

爪痕が深いので、幹が柔らかい春につけられたものだと思われます。

花か若葉を食べに来たのでしょう。

 

山中でのクマの痕跡は、以前と比べると激減です。

そんな中、まだ山にクマが居るかどうか、各地で奥山の生き物たちをチェックし続けている熊森のなかまたちの存在は貴重です。

昆虫も、いなくなったと言っていいほど、激減しています。

 

以下、一般社団法人「ハニーファーム」代表理事 船橋康貴氏の言葉(みやざき中央新聞12月11日号より )

私たちが食べている作物の70%が、蜜蜂の受粉に基づくものです。

ネオニコチノイド系農薬が近くで撒かれた時、私の育てていたミツバチ40万匹が、一夜で全滅しました。

地球温暖化もミツバチが少なくなった原因の一つではないかと言われています。

よく、クマやイノシシが人里に下りて来て畑を荒らしたり、人間を脅かしたりしていると言いますが、あれは、ミツバチが少なくなって森の中の植物が受粉できなくなって、木の実が実らなくなっているからです。お腹がすいて里へ下りてくるのです。

 

 

15時、自動撮影カメラには、イノシシが雪の中を寂しそうに歩く姿が写っていました。

見たところ、餌らしきものは、ありません。

 

午前7時、オスジカが座り込んでいました。ここで寝ていたのでしょうか。

 

この辺りは、これまでも何度かヤマドリが写りました。メスですね。

 

今回、ツキノワグマは映っていませんでした。

この辺りの積雪は3m~4mにもなるそうです。

雪の間も生き物たちが撮影できるように、木に登って高い位置に自動撮影カメラを設置し直してきました。

 

この国で、共に生きるなかまたち。

熊森のブログを通して、多くのみなさんに野生動物たちを身近に感じてもらえればうれしいです。

今後も奥山での生態調査を続けていきます。

 

 

阪神間でもクマの目撃 人身事故が起きないか心配 熊森本部はその度に現地に急行

今年は、都市近郊でもクマの目撃が相次ぎました。こんなところにクマが?というほど住宅地の中であったこともあります。熊森本部は現地へ何度も足を運び、クマによる人身事故が起きないよう地域にお住まいの方に注意喚起して歩きました。

2017年5月3日くまもりNEWS「なんと姫路市にクマ、熊森本部が急行」

 

◎クマではなく、イノシシだった猪名川町のクマ目撃地点

今年の7月~9月にかけて、兵庫県の西宮市、宝塚市、猪名川町、隣接する大阪府の能勢町、豊能町などでクマの目撃が相次ぎ、本部のクマ保全担当が現場へ駆けつけました。いずれも、早朝や夕方にクマが目撃されており、目撃場所はどこも雑木林や竹林などが近くにありました。

 

9月、猪名川町の住宅地で、夜にクマらしき黒い動物の目撃情報が寄せられているという情報を得ました。人身事故が起きると大変なので、すぐに現地へ足を運びました。

住宅地の周囲は300~400m程の小高い山々に囲われており、クマらしき動物が出たのは山裾に近い家の裏であるとのことです。近くの方にお話を伺いに行きました。

【山裾に近い家にお住まいの方のお話】

・9月3日の夜に、家の裏にある山の繁みから大きな動物が枝葉を踏むような足音が聞こえてきた。家の窓からのぞいてみると、繁みの中に黒くて大きな生き物がいるように見えてクマだと思った。これまでにも何度か大きな動物が茂みの中を歩くような音が夜に聞こえてきたことがあったので心配。

クマらしき動物が現れた繁み。住宅地は堀をはさんで右側にある

熊森本部は、付近の山の中でクマの痕跡がないか探し回りましたが、見当たりませんでした。そこで、家主に許可をもらい、家の裏の繁みの中に自動撮影カメラを設置して観察することにしました。

1か月後の10月上旬、クマらしき動物がまた現れたので、カメラの確認に来てくださいと家主さんから連絡が入りました。現地へ行き、家主さんがクマらしき動物を見たという日時の写真を確認してみると、そこには大きなイノシシが写っていました。

クマではなくイノシシだったことを、家主にお電話でお伝えしたところ、安心されていました。クマの目撃情報は、必ずしもクマが現れたとは限らないのだと改めて思いました。

 

◎11月20日、21日、早朝の住宅地をクマが横切った

11月に入って、兵庫県の川西市でクマの目撃が相次ぎ、熊森本部は現場へ駆けつけ、地元の方に詳しい状況についてお話を伺いました。

【地元の方のお話】

・11月20日、朝の6時半ごろに、近くに住む方が出勤途中に目撃したときいている。黒くて大きく、間違いなくクマだった。交差点になっており、クマが東の角から出てきたという(地図参照)。クマとの距離は10mほどで、大きさは立ち上がったら170cmくらいありそうだったという。クマは男性に気づくと、交差点を西の方へ横切り、一目散に走って山の竹林へ逃げていったという。

クマが走って逃げた竹林を指さす熊森スタッフ

・この地域でクマが出たのは初めて。他の地区では、時々クマが出たと聞くので全くいないとは思わない。4日ほど前にクマが出てから、一人で外を出歩くときはクマ鈴をもって歩くようにしている。

・普段から集落の中にイノシシが出てくるので、生ごみを外に置くということはこの地区ではほとんどない。ゴミ捨て場も、かなり頑丈に作っている。

・3.4日前にクマが近くで出たというのは、回覧板を見て知った。集落の中にある雑木林や竹林に大きなけもの道が1本通っていて普段はイノシシがよく見られるが、クマもその獣道を通って移動してきたんじゃないかと皆言ってる。

・11月21日にもクマが川沿いの堀を山の方へ歩いて行ったと聞いている

11月20日、21日に川西市で目撃されたクマの動き

 

熊森から

クマは、朝と夕方の薄暗い時間帯に出ているので、その時間に一人で出歩く際はクマ鈴を携帯するなど、早めにクマに人間が来たことを伝えてくださいということと、狭い路地や見通しの悪い場所を歩くのはなるべく避けてくださいと、聞き取りに応じてくださった方々にお伝えして歩きました。

 

目撃されているクマは、人間を見たら確実に逃げており、人間を避けて行動していることがわかります。目撃しても、えさを与えたり、人間のほうから攻撃をしたりしないで、そっと後ずさりして離れてください。

 

大型野生動物が都市近郊を徘徊する状況は、まずいです。熊森も悩んでいます。都市近郊には昔里山薪炭林だったころのクヌギ林などが結構残されており、大量のドングリが落ちています。クマにとっては人工林で埋まる山奥よりも、えさが豊富かもしれません。12月15 日にクマ狩猟が終了したら、すぐ山に帰って冬ごもりしてほしいです。

 

中山間地を抜けて都市周辺までクマが出て来るようになった問題は、国が乗り出さねばならない大きな問題だと思います。奥山に大型野生動物たちのえさ場を早急に復元すべきです。多くの国会議員にも訴えていきたいと思っています。

 

今の所、地元のみなさんは冷静にイノシシやクマを見守ってくださっているようです。これが日本文化だと思いますが有り難いことです。

 

 

10月7日 兵庫県クマ狩猟問題を考える 講師 金井塚 務 氏(広島フィールドミュージアム代表) 於:芦屋市民会館 参加者63名

この日、西中国山地のクマ生息地を長年調査されてきた金井塚務先生(西中国山地ツキノワグマ保護対策協議会科学部会委員)を広島からお招きして、現場第一で研究されてきた研究者として、中国山地の西で起きていることを話していただき、その後、参加者全員で改めて、中国山地の東端にある兵庫県のクマ狩猟を考えてみる会を持ちました。

 

(1)子供たちの未来のために

まず初めに、森山まり子会長が、

「子供たちに豊かな自然が残せるのかどうか、今、大人たちの子供たちに対する愛が問われています。

クマとの共存をめざすならば、クマの生態観察や、生息地である奥山の現地調査が欠かせないはずなのに、クマ狩猟再開に至るまでの兵庫県行政のプロセスではこの部分が抜け落ちており、狩猟実施の根拠となった数字の科学性にも大きな疑問があります。

兵庫県はクマ生息数の低減に躍起で、今年9月末までに32頭ものクマを有害獣として捕殺していますが、本来、有害な動物などいません。人間が有害にしたのです。

クマたちにも、喜びや悲しみなど、人間と同じ感情があります。兵庫県行政を動かしている捕殺推進派の研究者たちは、このことがわかっていないのではないでしょうか。

利権のある有識者たちの判断に任せるのではなく、利権のない一般国民の澄んだ目で、環境省や地方行政が物言えぬ自然や生き物たちにしていることの善悪を判断し、声を挙げて改善していく必要があります」

と、あいさつしました。

森山会長

 

(2)「生息域分布にドーナツ化現象が確かめられたため、西中国3県のクマは今期も保護計画の対象であり、狩猟は導入しません」

 

次に、金井塚先生が、「フィールド調査から見た西中国山地のツキノワグマの現況」という題で、1時間の講演をしてくださいました。

以下、要旨を平易にまとめました。多くの図表やグラフは、ここでは割愛させていただきました。すばらしい内容だったので、いずれきちんとまとめてみたいです。

会場風景

西中国山地でも、1979念の1.5倍にまでクマの生息域が年々拡大しています。

ツキノワグマの分布の経年的変化1998年~2015年(ダブルクリックで拡大します)

 

考えられる原因は3つです。

①個体数増加

②個体数は同じだが、生息地の生活資源量が減ったため、分散して生息密度が低下

③個体数が増えたのではなく、本来の生息地の環境が悪化したため、新天地を求めて周辺地域に分散するドーナツ化現象が起きている

金井塚先生

 

東中国山地行政と違って、西中国山地行政のいいところは、3県の科学部会に属する研究者たちが集まって、喧々諤々と議論しているところです。

上地図の赤塗りしている部分が、西中国山地のクマの中核的生息域で、5年おきにクマを捕獲し、再捕獲法でこの25年間、生息個体数を推定してきました。(再捕獲法がどこまで科学的かというと、多くの仮定の上に成り立っているため、科学ではありません。正確な数値など出ません。しかし、何回かやっているうち、ある程度のトレンドは出ると考えられます。他にクマの生息数を推定する良い方法がない現在、再捕獲法を使うしかありません。)

私たちの出した結論は、上記③です。

西中国山地のクマは山奥に棲めなくなり、人間の生活圏内に近い所まで降りてきており、生息域分布のドーナツ化現象がどんどん進んでいます。

実際、私の調査している広島県のクマの中核的生息地である細見谷でも、5・6年前までは一つの沢に少なくとも10頭のクマが出入りをしていたのですが、今年はどうも4頭ぐらいしかいません。このままいけば、クマは生きるために人間の生活圏に入り込んで来て軋轢を引き起こし、駆除され続けて滅びていきます。なぜ、クマたちの本来の生息地が、クマたちが棲めないまでに劣化したか。原因はみんな人間です。原生林の徹底的な伐採、人工造林、林道、ダムや砂防堰堤・・・人間活動によって、山も川も海も循環を絶たれてしまい、悲惨なことになっています。

以上のことから、西中国3県のクマは今期も保護計画の対象で、狩猟は導入しません。

 

(3)兵庫県はクマ狩猟を中止すべき

1、「推定数字だけにとらわれず、生息地の実態調査を」(要旨) 

日本熊森協会本部 クマ保全担当 水見竜哉

 

兵庫県のクマ狩猟は、環境省の中央審議会が決めた成獣の推定生息数800頭が安定個体群という根拠不明の全国一律基準に基づいて実施されます。

しかし、日本のクマが生息する森は、東北地方のように山が深く豊かな広葉樹林が残っている県もあれば、兵庫県のように山が浅く人工林だらけで、わずかに残された自然林まで近年一気に大劣化してクマが山で生きられなくなっている県もあるのです。

計算した推定生息数の数字ばかりを見て生息地の実態を見ず、全国一律基準に基づいてクマ政策を決めるのはまちがっています。

兵庫県は山中でクマ狩猟を行うことによって人里近くにいるクマを山奥へ追い戻す効果があると言っていますが、かえって山中から人里にクマが出て来てしまう恐れがあります。このような取り組みでは、クマと人は共存できないし、地元の人たちの安全も守れません。山中で踏ん張っているクマは、そっとしておくべきです。

水見発表 兵庫県発表では、クマが爆発増加したことになっている

 

2、「被害防除の徹底と、森の再生を」(要旨)

日本熊森協会本部 森保全担当 家田俊平

 

私たち日本熊森協会は民間の自然保護団体として、実のなる木を奥山に植えてクマに餌場を提供したり、広大な人工林を伐採して水源の森となる広葉樹林を復元したりしてきました。被害防除の徹底と共に、このような森再生に税金を使って実行していただければ、クマが集落に現れることもなくなっていくはずです。被害防除と森の再生につきます。私たちは今後も「動物たちに帰れる森を、地元の人たちに安心を」という言葉をスローガンに、クマと人間の棲み分け共存ができる森造りを進めていきます。

家田発表 植樹クリに今年もクマ棚

 

質疑応答 左から、金井塚先生、家田、水見

 

◎参加された方の感想から

・西宮で暮らしているとクマという動物は身近かではありません。だから、人が襲われたというニュースで、日頃からクマはイメージの悪い動物になっていますが、クマのすむ山が人間活動によって荒廃してしまっているという現状があって人里に出てくるんだということを、みんなで世に伝えていく必要があると思いました。

 

 

◎熊森から

今夏、金井塚先生に兵庫県のクマ生息地を見ていただきました。山に液果の実りがほとんど見られず、谷川は両岸の土砂が崩れて浅くかつ狭くなり、水量も激減で魚影も見られず・・・、ここのクマたちは、夏食べるものが何もないと驚いておられました。せめて、魚がいれば、生き延びられるのだがということでした。先生が、「このまま、奥山にクマが棲めず、人里近くにしかクマの餌がない状態が続けば、最後の1頭が有害捕殺されるまで人間とクマの軋轢が起こり続けるでしょう。」と言われました。衝撃でした。

形だけの審議会で、議論することもなく安易にクマ捕殺が進む中で、西中国3県の科学部会は本当に大きな存在意義を持っていると思いました。

もし、東中国3県に、西中国3県の科学部会のような行政に物が言える存在があれば、兵庫県や岡山県のクマ狩猟再開はありえなかったでしょう。

 

 

 

10月8日 地元で兵庫県クマ狩猟問題を考える 於:豊岡市民プラザ 参加者12名

地元の人達にも、ぜひクマ狩猟問題を考えていただこうと、JR豊岡駅前に会場を取りました。しかし、前日までの参加申し込みがあまりにも少なかったため、予定していた金井塚先生の講演は取りやめにして、先生には広島に帰っていただき、参加者の皆さんには録画ビデオで先生の講演を見てもらうことにしました。

ところが、うれしいことに、会場には、12名の方が来てくださいました。予定通り、金井塚先生に来ていただいたら良かったと、後悔しました。

 

会場風景

昨日と同じように、会長挨拶、金井塚先生の講演ビデオ、熊森研究員からの発表を済ませ、後半はご出席くださったみなさんとの意見交換会としました。

 

 

<出された主な意見>

シカを何とかしてほしい

・クマを獲りたい猟師は、但馬にはおらん。いても一人くらいや。自分たちが困っているのはシカだ。シカは昔はおらんかった。南から来た。シカが増えたのは、戦後メスジカを保護して獲らないようにしたからだ。人間が獲らないと野生鳥獣は増えていく。

・十数年前までは、さっき見せてもらった東北の山の写真のように、但馬の山も豊かだった。それが今では、爆発増加したシカが下層植生を食べ尽くしてしまった。ゼンマイ、フキ、イタドリ・・・山菜も何もかも山から消えた。

・シカが林道を通って、妙見山から香住、浜坂と移動していく。移動原因の一つは林道だ。今、香住でシカがすごく増えている。クマもかわいそうや。山の中に食べるものがない。トチノミが落ちても、クマが来る前にシカが全部食べてしまう。クマを守りたいのなら、なぜシカを獲る話を出さないのか!山をシカから守る話が先だろう。

 

広葉樹林の再生運動に疑問

・広葉樹林を再生すると言っても、シカが苗木を食べてしまう。シカよけチューブをかぶしても、雪解け時に倒れてしまう。植樹などしても無理だ。シカがいる限り、豊かな森など戻らん。植樹地を網で囲っても、1か所破ってみんな入ってくる。集落は網だらけ柵だらけ。こんなところに若い人は帰って来てくれない。

・広葉樹林に戻して問題が解決するのか。クマやシカが増えるだけだ。クマよりまず人間を守って欲しい。

 

一方向からの話はダメ

・一方的にクマの側からの偏った物言いをされるのは、がまんならん。いろいろな動物や虫、植物、総合的に話すべき。

・山の専門家、シカの専門家、農家、林業家、猟友会…みんなが集まって討議してみてほしい。

 

納得した

・この前、近くの町中で、早朝、クマの親子が歩いていた。集落の柿にも出て来るようになった。どうしてクマが山から出て来るようになったのか、金井塚先生の話を聞いて納得した。クマの目撃は増えているが、県が言っている爆発増加というのは信じられない。

今日、三重県や静岡県では、山主の持ち出しゼロで、県が人工林を自然林に戻してくれるという話を聞いた。兵庫県も早く奥山を補助金で自然林に戻してほしいと思った。県民みどり税で花作りをするようにと言われたが、山の方を先にすべきだ。

 

 

(くまもりから)

・シカ駆除のために罠猟師になられた方も数名参加されていたようで、私たちに厳しい発言も出ました。

・貴重な声を聞かせていただいたと感謝しています。ご参加くださったみなさまに、心よりお礼申し上げます。

・戦後の諸政策や文明の発展方向が、どれもこれも結果的には人々が郡部に住みづらくなるものとなったようです。

・シカ問題は大変難しくて、今のところ私たちの手に負えませんが、ネットで読んだブータンの集落犬のように、シカを殺さずに解決できればと思います。

・専門家が一堂に会してシカ問題のシンポジウムをというご提案をいただきましたが、被害防除の専門家と、いかに効率よくシカを大量捕殺するかという専門家は誕生していますが、それ以外の事はわからないことだらけで、専門家など育っていないと思われます。

・人間が役割を知らないだけで、シカも日本の国土にとって欠かすことのできない貴重な生き物のはずです。

・シカに、草原や湿地という本来の生息地をある程度は返してやり、人とシカが共存できる道を探っていきたいです。

・クマの狩猟問題について考えていただこうと思って企画した会でしたが、地元はそれどころではなく、関心のない問題であることがわかりました。

 

兵庫県環境審議会が、審議らしい審議もなく、今年もクマ狩猟を原案通り承認 茶番100%

9月4日、今年の兵庫県クマ狩猟をどうするかを決める兵庫県環境審議会鳥獣部会が、兵庫県庁北、のじぎく会館で持たれました。

直前の8月30日の兵庫県のホームページに審議会開催の予告が出ましたが、気づいた県民はまずいないでしょう。

傍聴者は熊森本部からの3名のみでした。

 

前の7名は審議会委員のみなさん、後方の大勢の方は行政担当者

 

会の冒頭、兵庫県秋山環境部長から、本審議会で、「ツキノワグマの狩猟による捕獲等の制限について」ご審議願いますという挨拶がありました。

 

この後、部会長の兵庫県立大学江崎保男教授の進行で、まず、兵庫県鳥獣対策課の藤本副課長が配布資料に基づき諮問内容(=意見を求める内容)を説明されました。

 

(主な諮問内容)

平成28年度兵庫県ツキノワグマの推定生息数がMCMC法によるベイズ推定で中央値が897頭であり、環境省狩猟基準の成獣800頭を超えているに相当するため狩猟対象とする。

クマは冬眠するため、狩猟期間は11月15日~12月14日とする。

狩猟者一人当たり原則1頭。安全講習会を受講すること。

依頼事項として、親子グマは捕獲しないこと。

捕殺上限設定は、(環境省規定では、通常、推定生息数の12%以下だが、)兵庫県の場合は分布域拡大により人間との軋轢が増加しているので、人身被害、精神被害、農林業被害防止のための有害捕殺と合わせて(環境省規定最大の)15%を捕殺上限とする。

897頭×0.15134頭が捕殺上限

()内は熊森捕捉

 

この後、兵庫県森林動物研究センターの廣瀬専門員から、ツキノワグマの目撃数や捕獲数が増加していること、生息域が阪神間北部にまで拡大していること、今年からゾーニングを取り入れて、個体数低減のために集落内だけではなく集落から200メートルまでのクマを有害捕殺していること(8月末までの有害捕殺は28頭)、昨年度人身事故が4件発生したこと、昨年度のツキノワグマ狩猟数は4頭だったことなどについて報告がありました。

また、昨年度のクマ狩猟講習会参加者140名に狩猟後アンケートを取ったところ、122名から回答があり、クマを狙って獲ろうと思った人は23名、後の8割は、狩猟中にクマに出くわしたら撃てるようにしておこうと思った人で、実際に山でクマに出会った人は16名だったそうです。

 

熊森は、行政のクマ対応を聞いてずっこけました。

●人間活動によって大荒廃している餌のない山の話に全く触れられていない!

●全国一律の環境省基準に、兵庫県の特質も考慮せず機械的に数字を合わせているだけ

●相手(クマ)の立場に立って考えることがさっぱりできていない

兵庫県と比べ物にならないほど森が深く豊かで人口密度の低い東北などのクマ狩猟県と同一基準で捕殺するのは無謀です。

人間が壊した生息地の復元も出来ていないのに、人前に出てきたクマを数が増えすぎているなどと安易に判断して捕殺するのは誤りです。

また、MCMC法によるベイズ推定を使用するとお好みの生息推定数にできると専門家によって指摘されているのに、耳を貸そうともしていません。

これでは、とてもクマの保護など任せられないと思いました。

クマがこの審議会を傍聴していたら、あまりの人間の身勝手さ残酷さに泣いたと思います。
山に食べ物がないから、人里に出て行っているのであり、ドーナツ化現象を起こしているだけです。

狩猟で人間の怖さをクマに教えると言いますが、今、銃の性能が飛躍的に向上しており、クマを追い掛けまわす必要はありません。

狩猟でクマを撃ち殺してしまうと、人間の怖さを知ったクマはいなくなります。

 

さあ、ここからが審議です。

しかし、委員の先生方の発言は誠に低調で、先程の兵庫県の説明に少し質問がある程度、兵庫県がそのたびに長々と答えていました。

諮問内容に対する意見は無きに等しかったです。

しいて意見らしきものと言えば、猟友会の方が発言された、「狩猟圧をかけて何度クマを追いやっても、奥山が豊かな森でなければまた出てきます。奥山生息ゾーンという名を、豊かな森ゾーンというようなインパクトのある名前にして、みんなで豊かな森について考えるべきではないでしょうか」だけでした。

しかし、この意見は流されました。

 

こうして、この審議会によって諮問内容は何一つ審議されないまま、原案通りの審議会答申となるのです。

これを茶番と言わずに何というのでしょうか。

 

熊森は25年間クマ問題に取り組んできた熊森の副会長を審議会委員に入れてほしいと、ずっと兵庫県にお願いし、面接まで受けましたが、はねられました。

熊森メンバーが審議会委員に入れば、現地を調べ続けているので、山のように意見が言えるのにです。

 

どこでも行政は、審議会をセレモニー的なものにしておきたがるようですが、そんなことではいい国が造れません。今のような体質を、とても残念に思います。

喧々諤々の議論があって初めて人々の思考は深まるのです。

 

 

帰宅後、審議とは何か、辞書で調べてみました。

ある物事について詳しく調査・検討し、 そのもののよしあしなどを決めることとありました。

 

かくして、今年も哀れ、山の中にひそんでいるクマまでが、「すごいアウトドア」として、ライフル銃で人間の楽しみのために撃たれるのです。

地元では、動物なんて殺してしまえという大きな声の人の陰に隠れてしまっていますが、生息地を破壊しておいて殺すことに胸を痛めておられる方は猟友会員も含め、何人もおられます。

みんなで、おかしいぞの声を挙げましょう。

でなければ、行政の方々は気づかれません。

肩書は立派だが野生動物を殺すことに何の心の痛みも感じない特殊な人の言いなりに動かれてしまいます。

 

 

以下、   NHK テレビ     関西 版 9月8日

兵庫 クマ狩猟ことしも解禁へ

 

ツキノワグマの住宅周辺への出没が増えていることなどから、兵庫県の環境審議会は、去年、20年ぶりに解禁したクマの狩猟をことしも認める方針を決めました。

動物の研究者や猟友会の代表などでつくる兵庫県の環境審議会は、県内のクマの生息数が去年4月の時点で897頭と推定され、狩猟が妥当とされる800頭を上回っているとしています。

またことし4月から7月までのクマの目撃などの出没件数が、去年の同じ時期を100件以上、上回る306件にのぼり、4月以降、2人が襲われけがをしているということです。

このため審議会は生息数の調整が必要だとして、去年、20年ぶりに解禁した狩猟をことしも解禁し、11月15日から1か月間、134頭を上限に狩猟を認める方針を決めました。

審議会の委員で、兵庫県森林動物研究センターの横山真弓部長は、「クマの出没が増え、人的被害も起きていて狩猟による捕獲が必要だ。また、クマを人里に寄せつけない取り組みも求められる」と話しています。

一方、(審議会を傍聴していた)西宮市の自然保護団体、「日本熊森協会」の森山まり子会長は、「森林(奥山)の環境が整備されていれば、里山からクマが下りてくることはない。狩猟ではなく、共存の方法を探るべきだ」としています。

兵庫・岡山:国が狩猟獣と定めているからと、頭数基準だけを見て山の違いを考慮せず、クマ狩猟

2017年度のクマ狩猟がどうなるのか、熊森本部は、東中国山地にある3県の各担当部署に問い合わせてみました。

 

8・31 兵庫県鳥獣対策課

今年もクマ狩猟を続行する。

狩猟と有害捕殺を合わせて、平成29年4月1日~平成30年3月31日までの1年間の上限殺数を134頭とする。

根拠・・・(県内推定生息数897頭×0.15=134頭)

 

(今年度のクマ狩猟の詳細は未定)

9月4日午後1時30分~兵庫県環境審議会鳥獣部会(於:のじぎく会館、傍聴可)で決める。

 

8・31 岡山県自然保護課

生息数増加により、17年ぶりに今年からクマ狩猟を再開する。

狩猟と有害捕殺を合わせて、平成29年4月1日~平成30年3月31日までの1年間の上限殺数を30頭とする。

根拠・・・(県内推定生息数205頭×0.15=30頭)

 

(今年度のクマ狩猟の詳細)兵庫県を参考にした。

ツキノワグマの狩猟期間は11月15日から12月14日までの30日間。銃猟のみ。

10月6日にクマ狩猟講習会を開くが、講習会に参加しなくても、銃猟狩猟者のクマ狩猟OK。他府県狩猟者もOK。

狩猟後狩猟者は最寄りの県民局森林企画課又は地域森林課に報告する。

専門員が駆けつけて、体重、体長、年齢(クマを見ればおよそ何歳かわかる)を測定する。クマの遺体は狩猟者が全てもらえる。

 

熊森:何故、上限が30頭なんですか?

岡山県:国のガイドラインに基づき、県内の生息数に捕獲上限割合(15%)を乗じて算出しました。
205頭は、平成28年末時点の県内の推定生息数(中央値)です。

熊森:数えたわけではなく、計算で出しただけの推定生息数の信憑性がまず問題です。次に、山の状態です。私たちは東北地方のクマの生息地を調査してきたばかりです。北海道よりは劣るでしょうが、それでも森の深さ、餌供給量は西日本の山とケタ違いに大きく、別の国の山かと思うほど豊かでした。一方、西日本の山は浅く、奥まで人間が入り込んでおり、開発もすさまじく、山が荒廃。餌供給量は非常に乏しい。いくら日本が中央集権国家だからといって、中央で決めた15%の値を全国一律に使用するのは間違っています。元々、環境省の指導が問題なのですが。全国一律に、スギ・ヒノキを植えよと言われて、スギ・ヒノキに向かない山にまでスギ・ヒノキを植えて失敗した拡大造林の過ちの繰り返しじゃありませんか。
兵庫県も岡山県も、ハンターにクマ狩猟を楽しんでもらうような場合ではありませんよ。地元の皆さんのためにも、クマが山に帰れるように森を復元することが、今一番にすべきことです。岡山県の検討会委員の中で、クマ狩猟再開に反対する委員はいなかったんですか?

岡山県:ひとりだけでした。

熊森:それは、岡山県が環境省指導に賛成する人ばかりを委員に集めているからですよ。もっと多様な意見の人を入れないと議論が深まらないし、政策決定を誤りますよ。1時間程度の講習会を受けたからと言ってどうということはないでしょうが、クマ狩猟の経験がない人でも自由に狩猟して良いなど、クマという動物を舐めすぎです。事故の元ですよ。

 

ちなみに、鳥取県はクマ狩猟を再開しないそうです。

理由は、山中にいるクマまで撃つのはおかしいと思うからだそうです。

一番まっとうだと、熊森は思いました。

 

☆東中国山地のクマ狩猟について、みなさんはどう思われますか。

この奥山のブナ・ミズナラ林(120ha)にクマは棲めるか?熊森本部が専門家に山の調査を依頼

8月9日、熊森本部調査研究部は、専門家に来ていただき、兵庫県宍粟市にある氷ノ山山系の奥山ブナ・ミズナラ林を調査していただきました。

まず、標高600メートル地点から沢沿いを伝って登っていきました。

(1)魚影が見られない

水量の少ない谷川

 

小さな川魚は少しはいると思うのですが、周りの山が人工林で埋まっているせいか、谷川の水量も少なく、おそらく水温も高く、確認できるような魚影はありませんでした。(イワナの適正水温は16.8℃まで)

 

昔のように渓流の水が冷たく水量が多いと、川魚も豊富でクマは年中ここに棲めるそうですが、これでは無理とのことでした。

 

(2)酸性降下物の影響はない

夏なのに、枯れた葉が少しありました。酸性降下物の影響でしょうか?

 

先生のお答えは、「酸性降下物による影響であれば、下層植生のみならず同時に多くの樹木も枯れます。しかし樹木はしっかり育っていますから、違うだろう」ということでした。

 

(3)液果植物がほとんどない山

この山にはなぜか、液果植物であるヤマザクラやウワミズザクラが全くありません。

ミズキやヤブデマリが1本ぽつんと生えているのが見つかりましたが、クマは何本も液果植物が生えている山に来るのであって、こんな1本しかないような効率の悪い所には来ないそうです。

案の定、ヤブデマリには実がついていましたが、クマが食べに来た形跡はありませんでした。

この山には、熊の餌となるような昆虫もいないし(地球温暖化の影響か?)、クマの春夏の食料はありません。

実のついたヤブデマリは1本あったが・・・

 

(4)秋の食料

①ヤマブドウ

クマはトチの実を食べませんが、幹の苔のはがれ方で、トチノキにクマが登ったことがわかると教えてもらいました。

トチノキには、葉のない太いツルが巻きついていましたが、上を見上げるとヤマブドウが高い所で葉を広げていました。枯れ木のように見えたツルは、ヤマブドウの生きたツルでした。ヤマブドウは日光のあたる場所にしか葉を付けないようです。

 

②ブナ・ミズナラ

この山を登って行くと堅果植物であるブナ・ミズナラ林です。凶作でなければ、秋にクマが利用しにくるだろうということです。数年前、ナラ枯れが入って、ミズナラが壊滅するのではないかと心配しましたが、一部枯れただけで今のところ終息した感じです。

 

(5)若木・稚樹・下草がない

私たちは、この山に若木・稚樹・下草がないことを、非常に気にしていましたが、先生は、林冠が鬱閉(うっぺい)していることを考えると、それほど異常な状況ではないだろうと言われました。

鬱閉(うっぺい)した林冠

木が1本倒れてギャップが出来たら、そこにはさまざまな芽生えが生じるのでしょうか。シカが食べつくしてしまわないでしょうか。

 

(6)ササが消えたのは、シカではなく一斉開花

沢沿いを3時間ほど登り続け、標高1000メートルあたりで北側の尾根へ上がろうということになり、急斜面を登りました。

 

 

斜面には、背丈の低いチシマザサがぽつぽつと広がっていました。

シカがササを枯らしたのか、たずねてみました。日本中でシカが犯人にされています。

先生の判定は、一斉開花によるササ枯れであり、自然現象ではないかということでした。

その証拠に、枯死したササは背が高く、緑色のササはどれも枯れたササの根元の地下茎から出た芽でした。

徐々に下層植生が回復していくのではないかと言われていました。

 

 

ササの青い葉は地面近くだけで、先端部はどれも枯死している

 

下層植生がササばかりになると、他の植物が入ってこれなくなるので、これまたよくないそうです。

下層環境も多様性が必要です。

 

<先生のこの山の評価>

「ドングリなどの堅果類等、秋の食糧になるものはあるが、全体的に、クマの夏の食糧となる液果類の樹木が少なすぎる。たとえば、ヤマザクラやウワミズザクラの実はよくクマが食べるが、この山にはそういった液果類の樹木がほとんどない。川魚もほとんどいない。兵庫県ではクマの数が爆発的に増加していると聞くが、奥山にクマが生きていくための充分な食糧がないのに、増えられないだろう。クマがこの山に棲みつくことはできない。秋に利用するだけだろう」

 

(熊森から)

ブログでは主な事しか書けませんでしたが、専門家の先生に来ていただいて多くのことを学びました。内部資料には、もっと多くのことを残しておきたいです。

 

この山のふもとの集落のおばあさんたちが、「むかしは谷川に30センチくらいのヤマメがたくさんいて、女でも手づかみできたよ」と以前、教えてくださったことが思い出されました。そんな川があれば、クマは年中この山に棲めたのかもしれません。戦後の拡大造林政策によって、どこの谷川も水量が激減です。スギやヒノキばかり植えられたことによって、クマたちは直接、食糧を失っただけでなく、川魚という貴重な食料も失うことになったのです。

 

この自然の山に液果植物がほとんどない理由は、よくわかりません。理由を思いつかれた方は教えてください。自然界の事は、人間には永久にわからないことでいっぱいですが。

 

東中国山地にある兵庫県では、兵庫県森林動物研究センターの研究者(当時、兵庫県立大学准教授、現在、株式会社 野生鳥獣対策連携センター代表取締役)が2011年春、ベイズ推定法を用いてクマが爆発増加したと発表しました。私たちには、推定過程がよくわかりません。集落でのクマの目撃が増加したこともあって、兵庫県はクマ狩猟を再開しただけではなく、現在、積極的にどんどんクマを有害捕殺しています。

 

山すそに、クマが大好きな糠入りの罠をシカ・イノシシ用として大量に設置したことも、クマの目撃数や錯誤捕獲が激増した原因の一つではないかと私たちは思うのですが、兵庫県は情報公開を請求してもほとんど非公開回答なので、県民としては訳が分からなくなります。

 

一方、西中国山地では、生息推定数は微減とされ、奥山のクマの生息密度が低下していることが分かった(ドーナツ化現象)として、狩猟も禁止されたままです。熊森の自動撮影カメラから、兵庫県もドーナツ化現象を引き起こしていることはまちがいありません。

中国山地の東と西、なぜこれほどまでに結論が違うのでしょうか。

 

熊森本部 環境教育を手伝う小学5年生のキッズボランティア2名、今年もがんばっています!

くまもり環境教育部では、昨年、2人のキッズボランティアが誕生しました。

授業に参加してくれた子どもたちが、今度は自分が伝える側に!と、

紙芝居や授業のアシスタントとして、活躍してくれています。

 

小学生なので、夏休みの参加がメインです。

今年初の授業は、8月9日、西宮市の育成センターにて。

1~3年生 70名程に、森と動物のお話をさせていただきました。

キッズたちは、夏休みの忙しい合間を縫って、

打合せからがんばってくれました。

元気いっぱいのくまもりキッズボランティア

 

育成センターの先生より、「年の近い子がボランティアで環境教育をしている姿が、

うちの子どもたちにとっても、すごく良い刺激になりました」

と、うれしいお言葉をいただきました。

 

2名のキッズは5年生なので、今回の子どもたちにとっては先輩です。

先輩のがんばる姿に、憧れを持った子もいたのではないでしょうか。

「クマさんはハチミツを食べるかな?」「はーい!」

 

くまもり環境教育の目標は、森や動物の悲惨な現状を知った上で、

この国で共存するために子供たちに何ができるか、子どもたち自身が考え、行動しようとする心を育むこと。

2人が熊森環境教育のお手伝いをしたいと言ってくれた時は、

本当に嬉しかったです。

キッズボランティアの存在が、授業を受ける子どもたちにとっても、

キッズたち本人にとっても、良いものとなることを願っています。

(SY)

 

くまもり本部:第3回自然保護カフェ実施!

くまもり本部では今年から、自然に興味のある方同士が

情報を共有したり、保護活動に繋げていく、

「自然保護カフェ」を3回開催しました。

 

3回目となる7月15日(土)のカフェには、ご近所の方や

他団体で活動されている方、新入会員さんなど、

様々な方がご参加くださいました。

この日は、自然エネルギーについての話で盛り上がり、

独自で勉強したことや疑問、体験談などを皆で語り合いました。

第3回自然保護カフェの様子

会場:本部事務所近くのカフェ・ブルー ブルージュ

 

くまもりにいると、様々な立場や境遇の方と出会います。

そうした中で感じるのは、

どんなところで育っても、どんな仕事をしていても、

全て私たち人間は、自然と繋がっているんだということ。

 

本部周辺は、マンションや一戸建て住宅、お店などで埋まっています。

もちろん、そこに住む人たちは、自然からの恵みなしでは生きていけません。

しかし、日常生活に追われていると、意外とそのことに気づくのは難しいです。

 

カフェが、自然を守ることの大切さを地域に発信する場となれば嬉しいです。

 

くまもり自然保護カフェ、今後も計画していきますので、

自然についてもっと知りたい方、自然保護活動を始めたい方、

是非ご参加ください。

おいしいコーヒーと、自然を愛する仲間が待っています!(SY)

5月23日 本部、人身事故報道を受け、お見舞いと事故調査に現地へ急行(兵庫県香美町)

朝日新聞デジタルニュース5月22日23時

「クマと倉庫で鉢合わせ 64才女性 足かまれる」

 

熊森本部職員は、翌朝ただちに西宮市を出発し、負傷された方へのお見舞いと事故調査のために現地に駆け付けました。

 

現地は、兵庫県北部のクマ生息地の山あいにある集落で、高速を使って片道3時間の距離です。

本当は、もっと会を大きくして、全国でこのような体制を組みたいと願っています。

なぜなら、わが国では負傷された方へのお見舞いは皆無、クマ保険なるものも存在しません。

たとえお見舞いの言葉を掛けるだけでも、させていただけたらと願っています。

事故が起きた、スギの人工林と田畑の境にある農機具小屋

 

負傷された方に現場を案内していただき、事故当時の様子をお聞きすることが出来ました。

『5月22日の午後2時ごろ、農機具小屋にホースを取りに入ったところ、暗い小屋の奥からの視線を感じて見上げると、クマがこっちを見ていた。

クマとの距離は3mくらいしかなかったと思う。その瞬間、クマが飛び出してきて、私を突き飛ばした。

1m~2mくらい飛ばされた後、クマは私に飛び乗ってきた。

クマの大きな顔が目の前にあった。クマは、私の太ももにかみついた。

その時、クマが小屋から飛び出した衝撃で、足踏み脱穀機が飛び出し、斜面をものすごい音を立ててゴロゴロと転がってきた。

この音にびっくりしたのか、クマはとんで逃げていった。』

 

軽傷でしたが、本当に怖かったと思います。心からお見舞い申し上げます。

 

この後、この場所及び周辺にクマを誘引するものがないか探し回りましたが、全く見当たりませんでした。

糞も探し回りましたが見つけられませんでした。クマはこの小屋で、単に休憩していただけなのかもしれません。

 

この地区で人身事故が再発しないように、お会いできた方々に、クマがいるかもしれない場所に行くときは必ず音のするものを携帯するか大声を出していただくこと、生ごみなどの誘引物を外に置かないようになどお伝えして歩きました。警察官もパトカーで巡回し、住民に注意を呼びかけてくださっているようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事故現場の周囲

 

 

この後、現地には、兵庫県行政によって、クマ捕獲罠が設置されました。もしかかれば、100%の殺処分が待っています。

 

 

人間を負傷させたクマだから生かしておけないということなのでしょうが、同じ状況が起きたら、他のクマも同じことをする可能性があります。

 

宮澤正義先生によると、クマはその臆病さゆえに、人間を察知すると自分からさっと逃げる。

しかし、12メートル以内の距離で出会ってしまうと、人間から逃れられないと判断し、人間を前足ではたいたり人間に噛みついたりして攻撃し、人間がひるんだすきに逃げようとする習性を持っているということです。クマに人を襲う習性はありません。

共存するには棲み分けが必要です。

 

20年前、この地域で熊森の森山会長は当時の町長さんといろいろ話し合いました。

町長さんが、「クマもサルも、うちの町民だ。いて困ったことなど1回もない。ただ奥の国有林がスギの人工林にされてから、動物たちが山から出て来るようになった。これは困る。もう一度、あの山を自然林に戻して、動物たちが山に帰れるようにしてもらえたらありがたいな」と言われたそうです。(注:人工林は今も当時のままです。)

 

当時、NHKテレビが取材に来て、「クマって怖いでしょう」と、町長さんに何度か声をかけておられたそうです。しかし、町長さんは、何回聞かれても、「クマなんか何にも怖くない。やさしい生き物じゃ。ずっと共存してきた」とばかり言われるので、取材していた人は、「怖いと言ってくれないと、番組にならないよ」と言って、取材をやめてしまわれたということです。

 

そんな町での人身事故。胸が痛みます。

 

クマ生息地に住む狩猟歴40年の兵庫県の猟友会副会長さんによると、元々、兵庫県の猟師でクマを獲りたい猟師など一人もおらんということです。

なのに、兵庫県は、山の中にいるクマを狩猟をするように、狩猟者に呼びかけています。こんなことは、絶対にやめてほしいです。

クマはいっそう人間を恐れるようになり、人身事故が多発するようになると熊森は思います。みなさんはどう思われますか。

 

 

 

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