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カテゴリー「アーカイブ」の記事一覧

国民は、リニア中央新幹線と南アルプスの森と動植物の生存、どっちを取るのか 第15回口頭弁論

熊森は、毎回上京して、ストップ・リニア訴訟の口頭弁論を傍聴し続けています。

 

<7月19日第15回口頭弁論>

 

(1)原告適格についての陳述(関島弁護士)

ストップ・リニア訴訟では、800名ほどが原告として登録しているが、行政訴訟で、原告として認められるためには、リニア建設によって直接的な不利益を被ること示す必要がある。

 

しかし、被告である国交省とと参考人であるJR東海は、詳細の工事計画(ルートや建造物、残土置き場の地図)を提出しないため、いまだ原告適格を定めることができない。リニアがどこを走るのか、2500分の1の縮尺の地図を次回、提出するよう求める。

 

(2)環境影響評価アセスメントについての陳述(横山弁護士)

いまだにJR東海が、どこにどのような建造物を造るのか、残土はどこにどう置くのか、確定できていないものが多々ある。国は一体JR東海が行ったリニア環境アセスのどこを見て妥当と認可したのか。

 

東京地裁前第15回集会

 

(3)口頭弁論後、衆議院第2議員会館でシンポジウム

 

県民の水源である南アルプスを守るため、JR東海との議論を重ねている静岡県から

リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク共同代表の林克氏

南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク共同代表の松谷清氏が報告

 

静岡県は、JR東海の無謀で不誠実な計画に対抗し、2014年より中央新幹線環境保全連絡会議を設置。

難波静岡県副知事が国土交通省出身ということもあり、JR東海が行っている環境影響評価の問題点を指摘し、徹底した評価と対策を求めている。

大井川の流量減少問題で、静岡県と流域の8市2町11の利水団体が2018年に「大井川利水関係協議会」を発足させ、川勝平太静岡県知事に大井川の流量確保と水質保全対策の徹底をJR東海に働きかけるよう要望書を提出。

これが、静岡県がリニア問題に力を入れるきっかけになった。

 

ストップ・リニア訴訟の橋本事務局長のことば

リニア工事により各地で水枯れが起きている。JR東海は、南アルプスに生息する希少生物は“移植する”から大丈夫といっている。

リニア問題は、南アルプスを守ることを目的として活動を進めていくことが重要である。

 

シンポジウム会場

 

熊森から

 

南アルプスは、太平洋側で唯一まとまって残された最後の原生林であるため、クマをはじめ多種多様な生物たちが生息しており、わたしたち人類の生存と全産業を支える水源の森です。

 

リニア大深度トンネル工事による谷川の水涸れ状況の報告を聞いて、私たちは子供たちに南アルプスとリニアのどちらを残すのか、もう決断しなければならない時だと思いました。

 

日本熊森協会としては、南アルプスの貴重な野生動物であるクマが、森の乾燥化によって南アルプスで生きられなくなった場合、JR東海はどこに移住させてくれるのか、公開質問状を出して、言質をしっかりととっておきたいと思います。

日本に、野生動植物を移住させられる生物空白地帯など、どこにもないのは明らかですが。

 

今回のシンポジウムに韓国からの留学生が出席。リニア問題のドキュメンタリーを制作するとのこと。「私は日本の自然が大好きです。それがリニアによって失われるのがとても悲しい。」と言っていました。

札幌南区の住宅地に出没を繰り返していたヒグマの射殺に思う ヒグマに街・人間恐怖体験が必要

8月に入って札幌南区の住宅街に入り込み、家庭菜園のトウモロコシなどを食べ歩いていたヒグマが、14日早朝、山林に戻ったところを、行政から射殺依頼を受けていた猟友会員たちによって射殺されました。

 

研究者の鑑定によると、体長1・4メートル、体重128キロで、推定年齢8歳程度のメスのヒグマだったそうです。

 

・・・住宅街でパトカーの前を悠然と歩くヒグマ=10日午後10時5分ごろ、
・・・札幌市南区藤野(野沢俊介撮影)写真は、北海道新聞から
  • 住宅街でパトカーの前を悠然と歩くヒグマ=10日午後10時5分ごろ、札幌市南区藤野5の6(野沢俊介撮影)
  • 藤野の山中で銃声が響き、規制をかけ始める警察官(14日、午前6時6分、札幌市南区藤野)
  • 札幌住宅街出没のクマ駆除 雌1頭射殺

 

熊森から

 

全てケースバイケースなので、一概に言えませんが、このケースでは、もっと早めに、勇気ある人たちが防護マスクを着けて、車でこのヒグマに近づき、窓からトウガラシスプレーをヒグマにめがけて噴射し、車で逃げ去ることを繰り返せばよかったのではないでしょうか。噴射実験に立ち会ったことのある者としては、あれは強烈です。二度と味わいたくありません。ヒグマも、そう思うのではないでしょうか。

 

街に出て行ったら人間にとても嫌なことをされる殺されるかもしれないという人間忌避感人間恐怖感を、ヒグマに抱かせるしか、このヒグマの命を救う方法はなかったのではないかというのが、熊森の感想です。(山奥の集落では、仲良く共存もありでしょうが)

 

くまもり顧問の門崎允昭博士に伝えると、同じことを感じたねと言われました。捕獲して奥地放獣では、クマは賢いので、すぐまたおいしいものがある住宅地に戻ってくると思われます。

 

遠軽で、オオカミ犬を使って、ヒグマが山から出て来ないように追い戻しておられる岩井氏も、ヒグマが出てきたら、心を鬼にして、殺されるのではないかと恐怖を感じるほど目をむいてオオカミ犬と一緒にヒグマを追いかけまわすと言われていました。岩井氏は、これによって、ヒグマは教育できると言われています。

 

今回、連日のテレビ報道を見ていて、熊森が感じたのは、最初はおっかなびっくりで出てきたヒグマでしたが、パトカーやマスコミ、市民や猟友会員、多くの人間に会ううち、このヒグマは、人間に認められていると誤解し始めたのではないかということです。

 

現場で見ていたある方が、このヒグマは人間と友達になりたいと思っているのではないかと感じたと言われていました。勇気を出して人間の所に出てきたら、みんなが見に来て、怖くもなんともない大きな音を立てて見物に集まってくる。人間は脅したつもりでも、このヒグマにとっては人間の脅威を感じなかったのだと思います。まして、命を奪われることになるなど、想像もできなかったのだと思われます。

 

ヒグマのような大型動物が街に出ていると、ヒグマにはその気はないでしょうが、やはり突発的に人身事故が起きる可能性があります。次回、このようなことが起きた場合は、街全体住民全体マスコミも含めてみんなで心を鬼にして、町に出ていったら人間に殺されるかもしれないと感じるような恐怖感を、ヒグマに与えてみてほしいです。それが、ヒグマへの教育になります。

 

それにしても、札幌市内で銃によるクマの駆除は2013年以来6年ぶりとのことで、以前の札幌市なら、また、他の町なら今でも、すぐに射殺してしまっていたケースです。。

 

札幌市担当者は随分と長く見守ってくださったと思います。担当課は、その名も、札幌市環境局環境都市推進部環境共生担当課 で、共生をめざそうという心意気が見てとれます。

電話番号:011-211-2879 ファクス番号:011-218-5108

 

日本の行政担当者は、普通3年ごとに部署替えがあり、なぜか行政内に専門家が育たないようなしくみになっています。よって、判断は外部の専門家と呼ばれる学者にゆだねられます。

今回も、このヒグマの殺処分を決定したのは、研究者ではないでしょうか。新聞報道によると、ーーークマの生態に詳しい道立総合研究機構環境科学研究センター(札幌)の間野勉自然環境部長は「市の基本計画に基づき、駆除という適切な選択肢を取ったと考えている」とコメントした。---と、ありますから。

 

クマも他の野生動物もみんな、畏敬の念をもって私たち人間が接するべき相手であり、愛すべき生き物同士です。私たちは研究者の皆さんに何度かお願いしているのですが、クマの研究者を名乗るには、駆除や解剖や遺伝子研究だけではなく、私たちのようにクマを飼って触れ合ってほしいということです。人間と深く心が通じ合うやさしい動物ですから、飼えば、何とか殺処分せずに生かそうという気持ちが起こってくるはずです。

 

今回札幌市役所には、このヒグマを殺さないようにという声と、早く殺してほしいという声が、数にして半々で届いたということです。

 

北海道新聞によると、12日朝に自宅前でクマを目撃した無職鈴森仁さん(70)は「(クマが)かわいそうという気持ちもある。こうなる前に山に帰ってほしかった。行政はクマと共生するいい方法を打ち出してほしい」と訴えた。とあります。

 

また一方では、「駆除されてほっとした」という声もありました。実感かもしれませんが、これには、ちょっと残念です。短絡的というか、あなたはほっとしたかもしれませんが、相手は一つしかない命を失ったのです。全生物との共生を、学校でももっと教えていくべきでしょう。

 

今回のことで、本部からも札幌市役所担当者に電話してみました。バカにせずに丁寧に聞いていただけたと感じました。次回は、何とか殺さず、生命尊重第一で問題解決していただきますよう、お願いしておきました。

 

札幌の町にヒグマが近寄ってきたという報道は誤りで、札幌は、元々、ヒグマの生息地に、後から人間が入って行って住まわせてもらっている街です。(完)

 

政治も司法も不在の長崎県石木ダム 反対派住民「強制執行で古里奪わないで」と県庁に乗り込む

以下、長崎新聞7月18日より

川棚町に石木ダム建設を計画する県と佐世保市に、反対住民らが工事差し止めを求めた訴訟の第12回口頭弁論が7月17日、長崎地裁佐世保支部(平井健一郎裁判長)であり、水没予定地の住民ら原告7人が当事者尋問に出廷し「力づくで古里を奪わないでほしい」と訴えた。

 

長崎県収用委員会は今年5月、反対地権者13世帯の宅地を含む未買収地の明け渡しを求める裁決をし、家屋の撤去や住民の排除などの行政代執行が現実味を帯びる重大局面に入った。明け渡し期限は、家屋などの物件がない土地が9月19日、物件がある土地が11月18日。

住民の岩本宏之さんは「崖っぷちに立たされ、眠れない夜もある」、

石丸勇さんは「大変な人権侵害だ」と怒りをあらわにした。

岩下すみ子さんは「地域の人たちとのつながりを長い年月をかけて築き上げてきた。失いたくない」と声を詰まらせた。
石丸穂澄さんと松本好央さんは、イベントや会員制交流サイト(SNS)などを通じて、事業への疑問や反対の声に対する共感が全国で広がっていると主張した。

水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表と市民団体「石木川まもり隊」の松本美智恵代表も出廷。

嶋津共同代表は、石木ダムの治水効果は川棚川下流域にしか及ばず、上流域には氾濫のリスクが残っているとし「費用対効果が小さい」と強調。松本代表は人口減少による水需要の低下などを指摘し「誰のための公共事業か。県と佐世保市は現実を直視してほしい」とダム以外の利水対策を検討するよう求めた。

 

以下、長崎新聞7月31日記事より

石木ダム建設事業に反対する地権者や市民団体などの約200人が7月30日、約6時間にわたり長崎県庁内で抗議活動を実施し、庁内は一時騒然となった。家屋を含む土地の明け渡しを地権者に求める県収用委員会の裁決が出た中で、地権者らの不満が爆発した形となった。

 

県庁の担当者らに詰め寄る地権者ら(長崎新聞より)

 

熊森から

ダムは百害あって一利なし。

川は流れていてこそ価値があるのです。ダムでせき止めると、水は腐り、ダム湖にはヘドロがたまり、大自然破壊となります。

多くの生き物が死に絶えます。

このようなムダなダムを、なぜ我が国は造り続けるのか。

日本熊森協会顧問の京都大学今本博健先生が書かれた「ダムが国を滅ぼす」を読まれたら、答えは一目瞭然です。

ただただ、建設利権だけなのです。

 

建設会社と口利き政治家(報酬相場は、ダム建設事業費の5%)を潤すことだけのために、愛する故郷を失わねばならない。

50年間ダム建設に反対し続けてきた地元住民のみなさんの無念ぶりはいかばかりかと思いやると、胸が苦しくなります。

土建業の公共事業で経済を発展させようという戦後の経済政策から、もういい加減に脱却しないと、国が破滅してしまいます。

 

建設会社のみなさんは、これからはダム建設ではなく、放置人工林の広葉樹林化・天然林化を公共事業にする時代です。

乗り遅れないようにして下さい。これだと、誰も泣かすことなくもうけられます。精神衛生にもいいですよ。

 

7月30日、反対し続けてきた地元住民のみなさんは長崎県庁を訪れ、強制収用の取り下げを求める中村法道知事宛ての要請書を提出しようとしたようですが、知事は出張中で不在。副知事は「公務中」を理由に姿を見せなかったそうです。

長崎県側のコメントは、「大騒ぎになってしまい非常に残念」というものだったそうです。

 

なんだこれ???ふるさとを奪わないでほしいと全身全霊、体を震わせて訴えている地元住民に対する県側の思いやりのなさ、まるで他人事には、唖然とします。完全に、政治も司法も人権も不在です。私たち国民はこのような状況を認めてはならないと思います。やがて我身にも、この生きづらさが襲ってきます。

 

熊森は自然保護団体としてはもちろんですが、人間としても、おかしいことにおかしいと勇気をもって声を上げ続けてきた地元住民のみなさんに、心から連帯の拍手を送ります。

ダムは100%、自然破壊以外の何物でもありません。

わたしたち国民は、建設会社と口利き政治家の嘘にだまされないように、もっと勉強しなければなりません。

権力の暴力である強制収用は、今も昔も、絶対にあってはならぬものです。

 

<石木ダム問題について書いた2019年3月30日のブログを、もう一度以下に再掲させてください。>

 

たとえ、どんなに意味のあるダム工事計画であったとしても、50年間も住民が立ち退きたくないと断り続けているのですから、完全に行政の負けです。

行政が最後まで残っている13家族を説得できなかったのです。

そんなところにダムを造る権利は国にも県にも市にも誰人にもありません。

もはや基本的人権を認めるかどうかの問題です。

いくら自分がいいと思っても、相手が絶対嫌だということは、してはならないのです。

これは、人間社会に於ける最低限のルールだと思います。

 

私たちも長崎県知事に、石木ダム建設地を強制収用しないようお願いしましょう。

 中村法道長崎県知事への提案ぺージ 

 

 

 

食べもの通信7月号!

食べもの通信社が発行している「食べもの通信2019年7月号」2ページ~4ページに、日本熊森協会の森山まり子名誉会長インタビュー記事が掲載されました。

どのようなものをどのようにして食べればいいのかというオーソドックスな内容を、1970年から追求し続けてきた「食べもの通信」。

ネット情報が氾濫している今、年間購読料8000円を出してこのような雑誌を購読されている方はどれくらいおられるのだろうか。

疑問に思い読者数をたずねてみると、意外に多い。

なぜだろうと、思わず中身を読んでしまいました。

 

単なる料理本ではなく、生産者や消費者の話、医学情報や環境問題と内容はバラエティに富んでいます。

「クマに奥山の森を返す活動を続けて26年」なんて内容が、トップの特集記事になるぐらいですから、編集者の興味関心はかなり柔軟で幅広いと言わざるを得ません。

 

日本という歴史のある国で、祖先が長年かかって作り上げてきた食文化は貴重です。

しかし、何をどう食べるかは個人的な問題ですから、少しでも強制力が働くと、相手を傷つけてしまう恐れがあります。

 

編集部の方に、どんな方がこの雑誌を購読されているのですかとたずねると、お姑さんが購読されて、そっとこの雑誌をお嫁さんに見せたりされていますという一例を教えてくださいました。なるほど、こうすれば角が立ちにくいですね。

 

いろいろな方がいろいろな目的で購読し続け、50年間にわたり愛されてきた「食べ物通信」。

日本熊森協会の「くまもり通信」も、かくありたいと思いました。

 

森山名誉会長の2019年5月時のインタビュー、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。

これはおもしろい、読み応え十分、一気に読破 林将之著「葉っぱはなぜこんな形なのか?」

図鑑分野でベストセラーとなった「葉で見分ける樹木」など、樹木図鑑を次々と世に出される一方、今や講演など各方面で大活躍されている日本熊森協会顧問でもある林将之先生(1976年山口県生まれ)が、上記名の初エッセイ集を5月に講談社から出されました。

 

「葉で見分ける樹木」図鑑は大変優れもので、熊森本部スタッフたちも山行き時に必携となっていますが、今回の、「葉っぱはなぜこんな形なのか?」の内容に関しては、中身が予測できず、日本熊森協会本部に送られてきたものを、とりあえず読んでみることにしました。

葉っぱはなぜこんな形なのか? 植物の生きる戦略と森の生態系を考える

表紙の葉っぱの絵の中に、クマとシカの小さな絵が入っています。なぜかな?読んでみてのお楽しみ。

 

感想の前に、まずこの本で、林将之先生が24歳の2000年に「このきなんのき」という樹木鑑定サイトを主管して立ち上げておられることを知りましたのでご紹介しておきたいと思います。樹木の写真を送って名前を尋ねると、先生をはじめ、いろいろな市民ボランティアがかかわって、無料ですぐに名前を教えてもらえるのです。すばらしい市民サービスですね。

さっそくサイト内をのぞいてみました。大変利用しやすくなっています。こんなサイトを作ってくださっていたのか。林先生らしいなあと思いました。みなさんも大いに利用してください。

 

さて、この本の感想ですが、私たち熊森はこれまで最高の研究者についてもらって、ずいぶんいろんな樹木について勉強してきましたが、この樹木の葉っぱが、なぜ不分裂葉、なぜ分裂葉、なぜ全縁、なぜ鋸歯縁、なぜ単葉、なぜ羽状複葉など1回も考えてみたことがありませんでしたので、大変新鮮でおもしろかったです。

 

知識偏重の世の中ですが、先生が言われるように、自然界はわからないことだらけだけれど、まず、固定観念なしに自分で考えてみるという姿勢が、とても大切だと思うようになりました。先生は、本書に書いたことは筆者の知識を基にした主観であり、科学的な根拠をしっかり確かめた訳ではないと断られています。もちろん集めた葉っぱの枚数は10万枚に上るということで、膨大なデータがバックにあってのこと。単なる無責任な思い付きではありません。

 

どうしてこの本が楽しいのかというと、指導教官の顔色や所属学会の評判、他人の指摘やバッシングなど気にしてカチカチにならざるを得ない学問の世界の中で、林先生がそのようなことを一切気にせずに全く自由に考え自由に発言されているからだと思います。先生の中に強さや自信があってのことでしょうが、本来学問はこのように自由に意見交換されるべきものだろうと改めて思いました。論文ではなくエッセイなら思い付きでいいのだと思いました。一読者として、先生と一緒になって考えながら読み進められました。もちろん、読み終わってから、樹木の葉っぱを見る目が変わってきたのは言うまでもありません。世界がまた新しく大きくなりました。

 

林先生ありがとうございましたと終わりたいところですが、実はこの本、題名からはわかりませんが、約5分の2のページが、クマ、シカ、オオカミの問題や自然と人間の関係について述べられているのです。先生の知見がどんどん広く大きくなっていっておられるのを感じます。ここでも先生は、この本は、論文でもなければ知識を紹介する本でもなく、僕の考えを紹介するエッセイと断って、これまた林先生の自由闊達な所見が述べられているのです。ふーん、そのような考え方もあるのかと、妙に感心したり影響を受けたりしてしまいます。自然界のことは、神のみぞ知るの世界なので、神でない私たち人間としては、全く普通の一市民として、正直に思うまま自由な議論を気楽に出し合えばいいのだと林先生の初エッセイ集から教わりました。林先生のさわやかで正直な人間性が伝わってくるエッセイ集でもありました。今回の出版を心からお祝い申し上げます。

 

今後、日本熊森協会としては、林先生の講演会を企画していきたいですし、その時には、この楽しくしかも考えさせられる本をたくさん仕入れて、おすすめ本として販売しようと思いました。

 

 

 

 

【速報】赤松顧問の投稿が毎日新聞全国版に!!

森林環境税で「放置人工林の天然林化を」

日本熊森協会の発足間もない頃から支援し続けてくださっている赤松正雄顧問(元衆議院議員)の森林環境税についての投書が、本日、毎日新聞の「オピニオン」欄に大きく掲載されました!

令和元年5月2日毎日新聞の朝刊

「私が顧問を務める一般財団法人「 日本熊森協会 」はクマなどの大型 野生動物がすむ奥山の再生に全国規模で取り組んできた自然保護団体である。森林環境税法の制定に当たっ ては、放堕人工林の天然林化を盛り込むよう強く主張した。
残念ながら法律に明記はされなかったが、衆参両院総務委貴会での可決に際する付帯決議に「 地域の自然条件等に応じて放置人工林の広葉樹林化を進めること」が盛り込まれた。決議は政府に対し、自治体に具体的な指針を示し、必要な支援を行うよう求めている。これが有名無実にならないことを切に望む」(記事より抜粋、全文はこちらでお読みください

と、熊森の国会でロビー活動とその成果として、広葉樹林化の付帯決議がついたことも書いてくださっています。

 

ここからがスタートです。付帯決議を有名無実化させず、天然林化を進めるため、熊森は既に動き出しています。赤松顧問の投書がたくさんの方に読まれ、天然林化へ向けた共感の輪が広がるよう、この記事をみなさんに広めていただきたいです。

 

 

 

 

 

人間は、海に何ということをしてしまったのか 黒い津波 知られざる実像 NHKスペシャル

東北大震災当時、津波の映像も被害の大きさも、衝撃でした。

と同時に、もう一つの衝撃が当時ありました。

どうしてきれいなはずの東北の海の水があんなに真っ黒なのか。

まさかヘドロでは?

人間はここまで海を汚染してしまったのだろうかと、ぞっとしたことを覚えています。

 

黒いヘドロの津波

 

震災から8年、やっと、2019年3月3日NHKスペシャルで、黒い津波~知られざる実像~が報道されました。

 

最新の研究で、黒い津波の正体が次第に明らかになってきたのだそうです。(見逃した方は、ネットで見れます)

陸地に到達した津波は当初、透明でしたが、そのわずか5分後には真っ黒な色に変わっていたということです。

やはり、この黒い津波の正体は、人間活動によって海底にたまったヘドロでした。

これでは、海底に住む貝やヒラメや海藻は生きられません。

 

沿岸漁業が廃れた原因は、かつて大陸棚の白化現象と聞いていましたが、今や海底は真っ黒の汚いヘドロの堆積場になってしまっていたのです。(どちらも、人間活動が原因です)

魚が消えるのは当然でしょう。育てる漁業がこのような海洋汚染の原因という指摘もあります。

 

戦後だと思いますが、母なる海に、わたしたち人間は、何ということをしてしまったのでしょうか!

呆然とさせられました。

 

しかし、すぐに気を取り直して、海底のヘドロをチューブで吸い上げて陸に運び、乾かして、燃やすなりして処理しなければならないと思いました。

今、生きている大人は、みんな責任をとらねばなりません。

 

 

ところが、NHK番組が言及したのは、黒い津波によって、より津波被害が大きくなった事実と、今後、黒い津波の被害から人はどう生き残るかでした。

 

その前に、海底に堆積されたヘドロを回収して、母なる海をもう一度生き物たちが棲めるようにきれいにすることを考えるべきではないでしょうか。

 

みなさんはどう思いますか?

 

もちろんプラスチックも回収しなければなりません。

クリックすると新しいウィンドウで開きます

海を埋めるプラスチック ネットから

 

この片づけをしないのなら、人間は地球上で暮らす資格はもうありません。

マイクロプラスチックのことまで考えると絶望的になりますが・・・

 

 

熊森を早くもっと大きくして、海問題にも取り組める実践自然保護団体になりたいです。

国民の皆さん、どうぞご入会下さい。

熊森は会員の会費と寄付だけで活動している団体なので、どんな問題に対しても、遠慮なく発言し、遠慮なく行動できるのです。

年会費1000円から会員になれます。

市民の力で地球を守りましょう!

【速報】天然林化をめざし、熊森が兵庫県養父市の人工林2haを購入 記者会見!

豊かな水源の森の復元をめざします

平成31年1月23日、当協会は、兵庫県養父市大屋町にあるスギ・ヒノキ人工林2㏊を購入し、29日、養父市八鹿市民会館にて記者発表を行いました。

4社(神戸、朝日、読売、毎日)の新聞社が取材

説明しているのは、当協会室谷悠子会長

 

(経緯)

熊森の奥山等放置人工林を天然林に戻す活動を知った山林所有者が、今後の山の管理を託したいとして譲渡を申し出てくださったことからトラスト(=購入保全)が実現しました。

購入地は、養父市域を西から東へ流れる大屋川の、中流域水源にあります。

今回トラストした山林付近を撮影

 

今回購入した山は、標高450mの山の頂上西側斜面に位置しており、全体が50~70年前に植林されたスギ・ヒノキに覆われています。ツキノワグマなど貴重な野生動物の生息する地域にあります。

面積はわずかですが、当協会は将来的にはこのようなトラスト地を増やしたり地権者に協力をお願いしたりして、この地域の奥山を保水力豊かな天然林に戻していきたいと考えています。

 

熊森が天然林化をめざしている場所:
①奥山全域、②尾根、③沢筋、④急斜面、⑤山の上3分の1

 

日本熊森協会は、設立以来22年間、地元の方の協力を得て、クマをはじめとする多種多様な生物が棲める保水力豊かな森の保全・再生に取り組んできました。

地域の水源を守り、人間と野生動物の棲み分けができる環境を取り戻すために、今後も山林を取得したり天然林化を希望される地権者と話し合ったりして、放置されたスギやヒノキ人工林を一定面積以上皆伐し、広葉樹林を中心とした天然林を再生させる取り組みを進めていきます。

 

当協会はこれまで市民の寄付金により271haの山林を取得してきました。

(滋賀県高島市215ha、兵庫県豊岡市10ha、高知県香美市46ha、他に、滋賀県にトチノキ巨木群を保有)

今回のトラストを契機に、水源の森再生の動きを兵庫県内外でさらに広げていきたいと考えています。

注:熊森から生まれた公益財団法人奥山保全トラストは、奥山原生林のトラストを続けており、現在約2100ヘクタールの山林を保有しています。

 

28日から始まった通常国会には、森林環境税法案が提出されます。

熊森は、森林環境税法にスギ・ヒノキの放置人工林を天然林に戻すことを明記してほしいという運動を大々的に進めており、森林環境税を使った天然林再生の取り組みを全国に広めていきたいと考えています。

人工林の放置により、全国各地で湧き水が激減してきています。人工林を造りすぎてしまったことは、私たちだけではなく、林野庁も認めています。

湧水が枯渇してしまわないうちに、放置人工林を天然林に戻して行かなければなりません。

まだの方は、ぜひ、下の署名にご協力願います。

 

森林環境税で天然林再生を求める署名はこちらから
◆署名用紙のダウンロード◆
◆ネット署名◆

無実の雌グマを撃ち殺した人間側の罪は? フジテレビ土曜プレミアム「人肉を食べるクマの謎」

番組を見て、熊森本部はあまりのくだらなさに論評する気も失せました。しかし、HPで取り上げてしまった以上、放映後放置というのも無責任なので、とりあえず論評させていただきます。(番組の内容はひどくて、許せないものでした)

 

先週、フジテレビがとんでもない番組の予告編を何度も何度も流しているという通報が、熊森本部に相次ぎました。

 

1月21日、熊森本部は大阪のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をして、米田(まいた)一彦氏の推測はテレビ受けするセンセーショナルでおもしろいものかもしれないが、熊森としては米田氏個人の根拠のない妄想的なものに過ぎないととらえている。放映することによって、クマはもちろん青少年をはじめとする国民が受ける害は大きい。その理由は・・・と説明させていただきましたら、東京に伝えるということでした。

 

その後、何の連絡もないので、放映を中止されたのか、内容を訂正されたのか、さっぱりわかりませんでした。

 

1月26日になって、関西テレビ(兵庫県のフジテレビ版)のテレビ欄に、「前代未聞、人肉を食べるクマの謎」と出ていたので、やはり放映されるのかと思い、今度は、東京のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をしました。大阪からの連絡は入っていました。このことは評価しますが、「まず、番組を見てください」の一点張りで、こちらの説明に耳を傾ける姿勢はありません。いったんまちがったことを報道してしまえば取り返しのつかないことになるのに、報道者としての責任感が全くないと感じました。

 

そういう訳で、放映が始まるのではないかと思われる夜10時過ぎぐらいからテレビをつけて、見たくもない番組を見る羽目になりました。

 

「ばったり出会ったクマと20分間にらみ合うことになり、最後、ナイフでとがらせた竹でクマの目をついたら、目の下の固い所にあたってしまって、クマがきびすを変えてゆっくり逃げて行った。口の周りにべっとり血がついていた」という、当時、タケノコ採りに入ってクマと遭遇して生還した人の証言がありました。これは事実だと思います。(こういうとき、人間の方がゆっくり後ずさりすべきということを、番組として告知してほしかったです)

しかし彼が会ったクマが、米田氏の言う殺人グマスーパーK(米田氏命名)かどうか、誰にもわかりません。4名はいずれも亡くなられているので、当時の状況の証言を得ることは不可能です。

 

よって、生還者以外の話は、

再現ビデオも含め、全て米田氏の推測に基づくやらせと思われます。

牙をむいて登場したクマも、もちろん本物ではありません。
猟友会の皆さんは、このテレビを見て、自分たちが利用されたと怒っておられるのではないでしょうか。

 

写真家の宮崎学氏は、クマをスカベンジャー(=腐肉食動物)だと言われています。腐肉ばかり食べているわけではないので、私たちはスカベンジャーだとは思いませんが、クマは雑食性ですから、もし、地面に動物の死体があれば食べることはあります。草食動物以外は、みんなスカベンジャー的な要素をもっており、動物の死体があればすぐに食べて片付けてしまいます。これは自然なことです。

 

2016年に秋田県鹿角市の熊取平でタケノコ採りに入った4名がクマと遭遇して死亡した事件は、確かに前代未聞の痛ましい事件でした。どうしてこんなことが起きたのか知りたくなる人間の心理はわかります。

 

科学の歴史を振り返ると、たったひとりの人が唱えた異論が、後の世で正しいと認められることの繰り返しですから、米田氏ひとりが唱えているだけだとして否定する気はありません。しかし、スーパーKというクマが、人肉の味をしめて人喰いグマとなり、次々と人肉を求めて人を襲ったという米田氏の推測には、やはり無理があると思いました。

 

もし、そんなクマが誕生していて今も4頭いるのなら、その後も、熊取平でクマによる死亡事故が相次いでいるはずです。しかし、この3年間、皆無です。(第一、米田さん、人肉は、一度食べると病みつきになるほどおいしいものなのでしょうか?海外のニュースによると、最近は、鳥葬しても、添加物などの化学物質で人間の体が汚染されているためか、鳥が食べなくなったそうですが)

 

熊取平の事件はあくまで事故であり、クマの一撃で死亡した人間を、当時タケノコを食べるためにササ原に集まっていた多くのクマたちが、スカベンジャーとして食べただけのことだろうと、熊森は推察します。

 

それにしても、ササ原からひょっこり顔を出して人間がいるのに気づき、再度ササ原に戻った雌グマが、4人を死亡させたクマだと間違われ、ハンターたちに撃ち殺されました。胃の中はほとんどタケノコで、一部人肉が入っていたそうですから、スカベンジャーをしたのでしょう。人を殺した犯人かどうか確かめもせず撃ち殺し、犯人ではなかったようですなんて終わり方に、大変疑問を感じました。

 

もう、今回を最後に、熊取平で人喰いグマ誕生の米田報道は終わりにしてほしいです。これまでクマと共存してきた秋田県の人たちが、人喰いグマ誕生の報道を真に受けて、クマを大量に捕殺したのです。

事実かどうかわからないことをまるで事実のように、劇にまでして再現報道するテレビ局の責任は、誠に大きいと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 

 

1月26日21時~ フジテレビが、検証不可能な米田一彦氏の人食いグマ誕生推測を放映予定 フジテレビ視聴者センター03-5531-1111に電話を!

1月26日(土)、21:00~23:10にフジテレビの土曜プレミアム・報道スクープSPという番組内にて、

「男女4人惨殺…人食いグマの謎に迫る」

というタイトルで、2016年に秋田県で起きたクマによる人身事故の話題が蒸し返し放送されるようです。

 

 

1月25日、東洋経済オンラインが配信した、フジテレビ「報道スクープSP 激動!世紀の大事件Ⅵ~平成衝撃事件簿の真相~」取材班による

「男女4人食った「凶暴グマ」のおぞましい実態」

という、記事を読むと、大体の中身が予測されます。

 

 

2016年に鹿角市で起きたクマによる4件の死亡事故後、米田一彦氏の「人喰いグマ誕生」や、「スーパーK」などのセンセーショナルな推測が、マスコミをにぎわせました。

 

しかし、日本熊森協会は、米田氏の推測に重大な疑義をいだいています。

「秋田に人喰いグマがまだ3頭生き残っている」は、米田一彦氏の毎度のお騒がせネタです(2017.5.12くまもりHPブログ)

 

米田氏は2018年初め、「まだ、人喰いグマが4頭残っている」として、またしてもセンセーショナルな推測を発表し、マスコミに大きく取り上げてもらっていました。

しかし、これらはあくまで米田氏の推測に過ぎず、私たちは米田氏以外に同様のことを主張している人を知りません。

(そんなクマが本当にいるのなら、昨年度も秋田県で、クマによる死亡事故が続発したはずですが・・・)

 

フジテレビとしては視聴率を上げることを狙っておられるのでしょうが、たったひとりの者の推測を報道するのは、大変危険です。

クマに知識のない国民が聞いたら、ほんとうかと信じてしまうかもしれません。

クマのためにならないだけでなく、国民のためにもなりません。

物事の正誤は多数決で決まるものではありませんが、もし、このような強い批判のある内容を報道するのであるなら、米田氏の推測を否定している日本熊森協会などの主張も同時に報道して国民の判断を仰ぐべきでしょう。

 

 

クマの生息推定数1000頭の秋田県で、2016年に476頭、2017年には793頭という絶滅も危ぶまれるような前代未聞のクマの大量捕殺が行われました。

 

現在、熊森本部は、2017年になぜこのようなクマの大量捕殺がなされたのか、情報公開で秋田県から取り寄せた793頭もの膨大なクマの駆除データを分析中です。

 

分析作業はまだ中途ですが、この大量捕殺は、クマによる被害が発生したのが原因ではなく、秋田県民がクマに恐怖を抱くようになって実施されたものであることがわかってきました。

 

米田氏の推測や、それを検証もせずに大々的に報道したマスコミの責任は、誠に大きいと思います。

クマの生命を奪うことになるかもしれない問題については、報道はもっと慎重であるべきです。

 

熊森本部は、1月21日、大阪のフジテレビ視聴者センタに電話して、クマに口がないのをいいことに、このような一方的な内容を報道しないよう、責任者に厳重に申し入れました。

責任者は名前を教えてくれませんでしたが、担当者に伝えますということでした。

フジテレビは私たちの厳重抗議にもかかわらず、予定通り報道するのでしょうか。

 

この報道に問題を感じられる方は、フジテレビが今後も高視聴率を保つテレビであり続けられるためにも、ぜひ、フジテレビ視聴者センター03-5531-1111まで電話をしてあげて下さい。

 

 

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