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「秋田県で、鈴を携帯していてもクマに襲われるケースが相次ぐ」という報道の真偽を考察する

「相次ぐ」という言葉から、みなさんはどれくらいの数字を思い浮かべられますか。

 

上記報道の根拠を確かめてみました。

2016年度秋田県でのクマとの人身事故19件発生…うち、鈴を携帯していたのは2例のみ。

2017年度秋田県でのクマとの人身事故1件発生…うち、鈴を携帯していたのは1例のみ。

20件中3例あれば、相次ぐと報道しても日本語としては許されるのでしょうか。

 

しかも、この3件は、いずれもネマガリダケのタケノコ(鉛筆サイズ)を採集中の事故です。

ネマガリダケのタケノコは小さいため、しゃがんで採集している時、鈴が鳴っていなかったことは考えられませんか。

秋田県当局に問い合わせると、「考えられますね」という返答でした。

 

ではでは、「クマは、鈴を携帯していても人を襲ってくる」と思わせる報道は、完全に国民をミスリードしたことになります。

鈴の音が鳴っていなかったのなら、鈴を携帯していたことになりません。

「相次ぐ」報道が、実はゼロ事例だったのかもしれないのです。

 

近年世間を見ていると、クマに口がないのをいいことに、マスコミ報道が国民に間違ったクマ狂暴像を一方的にセンセーショナルに伝え、何も知らない国民が、クマなどこの国からいないほうがいいのだと判断ミスするようになってきていると感じます。

 

昨年の米田一彦氏による「殺人グマ誕生!」などのマスコミ報道が、面白おかしく過激にクマを報道した結果、秋田県民がクマに過剰反応するようになり、昨年度、生息推定数の約50%にあたる476頭が有害獣として捕殺されました。マスコミの無責任報道の罪は、クマという種を絶滅させるかもしれないまでに本当に大きいのです。

 

豊かな水源の森を造ってくれるクマを凶悪犯に仕立て上げて大量捕殺の流れを作り、この国からクマを滅ぼして日本をダメにしてやろうとしている者たちがいるのかもしれないと、わたしたちは疑ってしまいます。

 

<入山時、クマとの人身事故を避ける方法>

秋田県を代表する以下のお二人のコメントに、熊森は賛同します。(以下、NHK TVニュースより)

 

①秋田県立大学星崎和彦准教授

同様の被害はどこでも起きる可能性がある。どうしても山に入る必要がある場合は、複数で常に声を出しながら行動すべきだ。
本来、クマは人を恐れる動物なので、人の声が聞こえれば逃げていく。鈴よりも人間の声の方が効果的だと考えられるので、山では常に複数で会話しながら行動してほしい。

 

②秋田県佐竹敬久知事

国有林や私有林の所有者と協力して一定期間、入山を規制することは可能だが、タケノコ採りで収入を得ている方もいるし、県の名産品にもなっている。クマがいそうな山については立ち入りを自粛してほしい。

 

(熊森から)

◎朝日新聞デジタルニュース5月22日23時「クマと倉庫で鉢合わせ 64才女性 足かまれる」の表現を高く評価します。

理由 クマ、人を襲うと書いていないから。クマに人を襲う習性はありません。印象操作をせず、事実だけを報道してくださっているのがすばらしいです。他のマスコミのみなさん続いてください。

 

◎5月27日東京朝日テレビに感謝

理由 午後6時半のクマ関連ニュースのコメンテーターとして、くまもり森山会長を電話出演させてくださいました。

マタギについての熊森見解

「マタギについてどう思いますか」と、ある新聞記者から突然、電話で取材を受けました。

 

A:秋田の経営破たんした八幡平クマ牧場に残されたクマたちの命を救おうと、2012年から八幡平に通うようになって、奥地に住んでクマを獲らなければ生きていけなかったマタギの人たちを初めて理解できるようになりました。

4メートルの雪が積もる2月の厳寒の秋田の奥地を訪れた時、どこを探しても食べ物が本当に何もないことを実感しました。

真冬でも畑に行けば豊かに作物が収穫できる所で育ってきた者にとっては、想像を絶する風景でした。

ここで生きていかなければならなかった人々が、手を合わせて祈り、許可を得て必要最少限のクマを獲っていたことは、やむ終えなかったと思うようになりました。

 

Q:現代のマタギについてどう思いますか?

 

A:現代に、マタギなんているんですか?今は、交通網も発達し、真冬であっても、秋田の山奥のお店にも食料があふれていました。今はもう、クマを獲らなければ生きていけない人などいないんじゃないですか。

 

Q:大学の先生で、マタギ文化を継承しなければならないとして、手を合わせて祈ってクマを獲っている人がいます。

 

A:それって、マタギの真似をしているだけで、マタギじゃないんじゃないですか。

当協会を長年指導してくださった長野県の宮沢正義先生のマタギの定義は、「貧しくて白米を1年中食べられない人たち」です。

先生は終戦の日から、マタギを訪ねて東北を歩かれました。みなさん、お正月しか白米を口にできない貧しさで、着る物もなく、カモシカの毛皮を体にまとっておられたそうです。

もっと住みやすい平地に出てきたらいいのですが、かれらには事情があって奥地に住んでいたということでした。

宮沢先生が、当時のマタギの古老たちから聞き取った<マタギとは何か>の研究は貴重です。

 

2006年、軽井沢で行われた「国際クマ会議」で、長野に残る最後のマタギという父子が講演されました。

お父さんは、「昔は本当に貧しくて、クマを獲らなければ生きていけなかった。しかし、今は、旅館業なども営み、クマなど獲らなくても生活できるようになった」と、余裕の笑顔で話されました。

講演後、会場から「ならば、なぜ今もクマを獲っておられるのか」という質問が出ました。

お父さんは、しばし答えに詰まって考えておられましたが、やがて、「みなさん、ゴルフに行かれるでしょう。どうしてですか。楽しいからでしょう。私たち父子にとって、クマを獲ることはみなさんのゴルフと同じ。それが楽しいことだからです」と、答えられました。

わたしの価値観から言えば、この人たちはもはやマタギではありません。

お釈迦様も言われたように、本来、人間にとって、殺生は許されることではありません。

まして、必要のない殺生をすることは、犯罪です。

日本人は長い間、この価値観を保ってうまくやってきました。

今、環境省が、スポーツやレジャーとしてハンティングを楽しむようにと国民を教育していますが、とんでもないことで、西洋かぶれもいいところ、日本人ここまで狂うかと感じています。

今の銃は、望遠鏡付きで昔と比べて各段に発達しており、人間が完全に100%優位です。

様々なハイテク技術で身を包んだ人間が、丸腰の野生動物を撃って遊ぶ。弱い者いじめの典型です。

こんなことを大人がしていて、子どもたちに「いじめをやめよ」など言えません。人間社会まで変になってしまいます。

 

Q:今の日本のハンターすべてを否定するのですか?

 

A:そうでもないです。これまで多くのハンターに会ってきましたが、実にいろいろで、すばらしい方にも何人かお会いしました。日本熊森協会を設立した時、副会長の一人になってくださった方も、ハンターでしたが、すばらしい方でした。この人たちの共通点は、山や生き物の生態に実に詳しくて、目的があってハンティングしておられました。

 

Q:マタギ文化を継承することについてはどうなんですか?

 

A:かつて雪深い東北に、マタギ文化があった。過去形で認めます。今の時代に形だけそのまねごとをしても、かってのマタギ文化を継承したことにはならないでしょう。

人間が狩猟をしてやらないと、野生動物が増え過ぎて大変なことになるという人たちがいます。傲慢にもほどがあります。証拠はあるのでしょうか。自然界は絶妙のバランスをとって動いており、人間による頭数管理など必要ありません。かつての北方領土やアフリカの奥地など、未開の場所はどこも生物数のバランスがとれており最高に豊かな自然が残されていました。

今、シカが増え過ぎているじゃないかと反論をされる人があるでしょうが、研究者の中には、以前のシカ数に戻っただけという人もいるし、今のようにシカ害が大変なことになったのは、戦後の森林政策や国土利用の失敗の結果であり、原因は全て人間側にあるという人もいます。

 

自然界のことは永久に人間にはわかりません。

ほっておいたらどんどん数が増えて爆発的に増加していく生物は、地球上で唯一自然生態系からはみ出して生きるようになった現代人という動物だけです。

そんななかで今、日本の人口爆発が止まり、自ら適正人口に減じ始めたということは、人類が地球上でこの後も生き残るための快挙であると思います。

 

(取材を受けて)

人間2人おれば、必ずどこかに意見の食い違いがあります。お互いに神様ではないのですから、思い違いもあるでしょうし、判断の違いもあります。

熊森会員の中でも、少しずつみんな違っていることでしょう。

生きていく上で、多様な意見を遠慮なく出し、多様な意見に耳を傾ける生き方が、よりよい社会を作っていく上で大切です。

今回、マタギ文化の継承を、熊森はどう考えるのかと聞いてくださった記者さんに、発言の機会を与えてくださったことについて感謝します。

私はこう思うと言っただけで、国の方針と違うから許せないと逮捕されてしまう戦前のような社会はまっぴらごめんです。

ひとりひとりの国民が自分の良心と正義感に基づいて責任をもって自由に発言し、自分と違う意見の人にもレッテルを貼ってしまわず真摯に耳を傾ける、いつまでもそんな国であり続けますように。

3月4日 平成27年度京都府のクマ捕殺数・誤捕獲数が西日本で突出最多となった問題で、府庁に本部・支部が要望書を提出 記者会見・NHKニュース

上記の問題を、生態系保全上看過できない大問題であると考えるくまもりは、本部と京都府支部で、府庁記者クラブに出向き、記者会見を行いました。

 

当協会の現地調査からわかってきたことですが、京都府は京都府絶滅寸前種であるクマに対して、クマ保護計画では、すばらしい保護体制を書き連ねておきながら、実際の現場は捕殺一辺倒で、クマ保護計画は言葉だけのものになっていました。

 

現場担当者のみなさんに会い、せめて他県並みの保護体制をとっていただけるように要望しましたが、担当者のみなさんはみなさんなりにご自分のお考えがあり、当然のことながら、今の体制に問題はないと一蹴されてしまいました。

 

大量捕殺されてしまったクマたちは、いまさらもうどうしようもありませんが、今後もこのような体制が続くことは絶対に認められません。熊森は、クマの保護体制に関して京都府を世に訴えることにしました。

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記者会見の様子。奥がくまもり本部・京都府支部のメンバー

 

うれしいことに、6社のメディアが出席してくださり、熊森が25分間説明した後、35分間、記者さんたちの活発な質疑応答がありました。

 

(以下は数日間で消えます。今のうちにご覧になってください)

 

●NHKニュース京都地方

www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2013381511.htmlキャッシュ

●京都新聞

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20160304000149

 

 

記者会見後、京都府に要望書を提出しました。

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森山まり子会長(左)が府庁森林保全課の課長へ山田知事あての要望書を渡す。

 

<要望書の内容は、4つ>

①クマが誤捕獲されないよう、環境省の、「クマ生息地でのイノシシ、シカ捕獲用くくりわなの直径12cm規定」を守ってほしい。(京都府は20cm以上に規制緩和していた)

②山から出てきたクマを有害捕殺する前に、追い払いや誘因物の除去など、必ず、被害防除対策を行い、可能な限り捕殺を避ける努力をしてほしい。

③人間が破壊したクマ生息地の自然環境を復元・再生することを最優先してほしい。

④生物の多様性を保全することや他生物の命の尊厳を守ることの大切さがわかる職員を担当部署につけてほしい。

 

今回の要望書を作成するにあたって、京都府担当部署は、くまもりがお願いしたデータを快く全て送ってくださいました。お手数をおかけしました。心からお礼申し上げます。

 

熊森から

山が荒れ、第一次被害者である野生動物たちが生きられなくなって、食料を求め、次々と里に出てくるようになりました。第2次被害者である地元は悲鳴を上げており、大変な問題です。

山を荒らしたのは、全国民の責任です。野生動物の人里多数出現問題を過疎化高齢化した地元だけに任せるのではなく、都市市民も問題解決に向けて、お金持も力も出すべきです。

 

(感謝) 日本経済新聞社が、JR東海リニア工事による被害問題の記事を掲載 2月8日 

以下、日経新聞 2016年2月8日(月)記事より抜粋

『リニア着工、環境問題も』=山梨、日照被害など110件=

JR東海はこの度初めて、山梨県実験線での延伸区間24.4㎞工事において発生した計110件のトラブルの詳細を明らかにした。高架の日陰になる日照被害が76件、工事で農業用水などが確保できなくなる水枯れが34件だった。

補償などの経費はJR東海が全額負担したが、日照被害は4件、水枯れは1件が未解決。対策費の総額は明らかにしていないが、全体の工事費に比べるとわずかな額という。

南アルプストンネルでも工事に伴い、河川の流量の減少が予想されている。

トンネルを掘った残土処理や工事用車両による交通環境の悪化といった課題もある。

例えば、東京都内では600万立方メートルの残土発生が見込まれる。

都によると、埋め立てが減っていることもあり処理策は未定といい、課題も山積している。

(甲府支局長)

 

くまもりより

経済、経済と、いまだに経済第一で、リニア推進記事ばかりが氾濫しているメディアの中で、リニアによる環境被害記事を書いてくださった日経記者さんの勇気と正義感に感謝します。

これで、リニア問題に思考停止させられてきた多くの国民も、少しは問題視し始めてくれるかもしれません。

JR東海は、補償費は全額負担したと言われていますが、それは、今生きているもの言える人間に対してだけです

 

JR東海は、もの言えぬ生き物たち・母なる大地・次世代の人々にも補償すべきです。(というか、母なる大地の大破壊をやめよ)

 

昔、作家の森村桂さんが、「ゼネコンはお金が欲しいから、かけがえのない環境を破壊してまで工事をするのでしょう。お金は私たちの税金から取ってもらってもいいから、何もしないでください」と魂を振り絞って訴えられたことがあります。

 

くまもりも、同じ気持ちです。南アルプス山脈にトンネルを貫通させ、無数の水脈をぶち切るなど、正気の沙汰ではありません。そのようなことをした後に、何が起きるか考えてみたことはあるのでしょうか。誰が認めても、日本の国土を誰よりも愛する私たちは、絶対に認めません。

 

くまもりに賛同してくださる方は、2月21日(日)、大阪市弁天町ORC生涯学習センターでのリニア市民ネット代表川村先生の講演会に、万難を排して来ていただきたいです。14:00~16:30

アメリカで広がるダム撤去 映画「ダムネーション」(パタゴニア制作)公開のお知らせ 

「川に情熱を傾ける者たちが社会の流れを変えた。」

アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。

<中略>

だが、「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレージー」と言われながらも川の自由を求め続けた人々の挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起きるドキュメンタリー。

制作責任者はパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。共同プロデューサーは生態学者で水中写真家のマット・シュテッカー。

http://damnationfilm.net/より引用)

東京 渋谷アップリンク 2014年11月22日(土)~
横浜 シネマ・ジャック&ベティ 2014年12月6日(土)〜
大阪 シネ・リーブル梅田 2015年1月10日(土)〜
名古屋 名古屋シネマテーク 2015年 年明け予定
神戸 神戸アートビレッジセンター 2015年1月24日(土)〜
福岡 中洲大洋映画劇場 2015年1月17日(土)〜

また、市民上映会の申し込みも上記ウェブサイトよりできます。

 

熊森から

年末年始、映画は「DAMNATION」を見てみましょう。熊森は、日本でも、クマたちの生息地にサケが遡上する川をとりもどしてやりたいと願っています。

 

「狩りガール」を持ち上げるテレビ番組に苦言

いつの世でも、どこの国でも、国民の洗脳や国民の意識改革の宣伝に、効果的に利用されるのは、若くてきれいな女性です。

危険なものや間違ったことでも、「若い女性もやっています!」とプロパガンダされると、多くの国民は、警戒心を失い、同化されやすくなります。

若い女性は、間違ったことに利用されないように、本当に、何が正しくて何が善なのか、よく勉強して、慎重に行動して欲しいと思います。

4月3日、毎日テレビ夕方6時過ぎからの放送「VOICE」で、「狩りガール」が、取り上げられました。

「VOICE」への意見は

→voice@mbs.jpまたは、FAX06-6359-3622

この番組は、近畿2府4県と徳島県の一部に報道されています。

「狩りガール」報道は、今や国策プロパガンダ放送局に成り下がってしまったかのように見えるNHKテレビが、昨年10月に、「狩りガール」を持ち上げるニュースを流していましたから、別に、目新しいものではありません。しかし、本当にこんな方向に日本文化を進めていってもいいのか、全国民がしっかり考えねばならないと、今回のテレビ報道で改めて強く思いました。

近年、環境省は、日本人は狩猟民族であるとして、「すごいアウトドア」というキャッチコピーで、若者たちにハンターになることを呼びかけています。そのポスターの真ん中には、猟銃を持った若い女性の絵が描かれています。縄文時代ならともかく、日本人は誰が見ても農耕民族です。たとえシカが増えすぎて困ったとしても、レジャーや遊びとして国民にシカを殺させるのは、間違っています。環境省の政策に大きな問題があることは、報道関係者ならば、ちょっと調べていただければ、すぐにわかることだと思うのですが。

今回のテレビ報道では、銃という武器を持った圧倒的強者である人間(=若い女性)が、無抵抗の野生動物たちを、笑いながら撃ち殺していました。「野生動物たちが山から出てきて、農作物などに被害を与えたから、退治してやる」という、英雄気取りなのでしょうが、自分が被害を受けたわけでもないのに、ファッション感覚やゲーム感覚で、厳しい自然界の中で、人間の援助も受けず、一生懸命に生きている野生動物たちの命を奪うなら、人として許されるものではありません。冷静になり、慎重に考えなおしてほしいと思います。(この狩りガールと個人的に話し合ったわけではありませんから、彼女を深いところまで知って書いているわけではありません。ただ、報道の仕方に問題を感じたのです)

「狩猟者を増やしたい。そのために、若い女性を使おう」

環境省の政策の後ろには、戦後の森林政策の失敗を覆い隠そうと躍起になっている人達の黒い企てと、研究という名で無数の元気な動物たちを解剖し続け、命の尊厳がわからなくなってしまい、一般人の感覚からはるかにかけ離れてしまった研究者の存在があると、私たちは感じます。

「狩りガール」のみなさんは、かつて、野生動物たちが棲んでいた山が、今どうなっているか、奥まで入って一度検証してみてほしいと思います。

国策により、戦後、青森から福島まで、東北6県分の面積に等しい広大な原生林が伐採されました。その跡地などに、1000万ヘクタールの針葉樹一辺倒の人工林が奥山を中心に造られました。

しかし、林業の低迷で、今や多くの人工林は放置され、内部は砂漠化しています。広大な奥山人工林内には、動物たちの餌は何もありません。動物たちは本来の生息地では、生きられなくなっているのです。動物たちは、被害者です。

人間は、各地で、動物たちの欠席裁判を行い、死刑判決を下していますが、これは弱い者いじめです。こんなことをしていては、この国で、人と野生鳥獣との共存などできないでしょう。

●●

自然界のことは、人間の頭ではわからないことが多過ぎるのですが、戦後の拡大造林や東京オリンピック時に行ったヤマイヌ全頭殺害、地球温暖化など、様々な人間活動の結果、シカは生息数のバランスを崩して増えているのではないかと思われます。

すべて、人間の失敗です。人間が問題の原因を作ったのです。目の前の現象だけを見て、被害者である野生動物たちを加害者扱いし、山奥にまで入り込んで命を奪うという、相手の存在を全面否定する行為を、若い女性が、笑いながら軽々しくやってほしくはありません。まず、彼らがどこにいたらいいのか、生息地を保証してやるところから始めるべきでしょう。

狩猟行為は、山奥にはりめぐらされた林道、車や銃、犬があれば、女でもできるかもしれませんが、狩猟の後始末は、女性には一般的にむずかしいと思います。殺したシカやイノシシは、山に埋めるか、焼却場へ持って行くかしなければなりません。山中に放置すれば、クマを初めとする多くの野生鳥獣の餌となり、ますます山の生態系が狂ってしまいます。しかし、若い女性に、重いシカやイノシシを運ぶことなど、普通は無理です。

「狩りガール」を推奨している人たちに、なぜ若い女性を狩猟に巻き込むのかたずねてみました。

答えは、「若い男の狩猟者を増やしたいのだが、呼びかけてもなかなか増えない。罠猟免許を取る人は増えたが、銃猟免許者は減る一方だ。若い女性に目を付けたのは、若い女性が銃を持つと、彼氏が影響を受けて銃を持つようになる。そこを狙っている」と、いうことでした。

私たち人間にとって命はたった一つしかない最高に貴重なものですが、野生動物たちにとっても同じです。なぜか、優秀な官僚のみなさんには、現在起きている野生動物問題を、野生動物を殺さないで解決しようという努力がまったく見られません。初めから、殺害ありきです。これは、恐るべき倫理観の欠如です。

動物用防除柵を作ったり、奥山の針葉樹一辺倒の人工林を広葉樹林に戻して生息地を復元したり、シカに関しては、人間が彼らから奪った草原や湿原を返してやったり、シカが増え過ぎないようにシカ用避妊薬を開発したり、シカの天敵であるヤマイヌやキツネなどを放して、人間が壊した生態系のバランスを自然の力で取り戻したりして、人間は、あくまで生命尊重思想の上に立って、非補殺対応をめざすべきです。

若くてきれいな女性には、生き物の命を大切にする、人にも生き物にも優しい人間であってほしいと願います。

メディアのみなさんは、生き物の為にも、人間の為にも、慎重な報道を心掛けてほしいです。身の回りに、軽い気持ちで銃を持つ人が増えれば、銃を持たないわたしたちは、不安でたまらなくなります。

神道や仏教の影響も大きかったのでしょうが、日本人は殺生を嫌い、物言えぬ弱者である野生鳥獣を大切にしてきました。このような文化を大切にしていかないと、自然破壊にいっそう歯止めがかけられなくなり、やがて日本文明は水源を失って滅びてしまうでしょう。

メディアの皆さんは、番組制作にあたって、必ず、反対者、疑問者の声も同時に拾っていただきたいと思います。でないと、国民は、何が正しくて何が善なのか、考える力を失ってしまいます。

クマ駆除隊が捕殺したクマ遺体の利用禁止を求めて くまもり本部・支部が金沢市・石川県の行政回り

(1)金沢市役所 森林再生課

 

<金沢市猟友会クマ駆除隊が、捕殺したクマの遺体を長年利用していたことが判明>

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中日新聞に、「県猟友会金沢支部 熊の胆無許可販売、県が調査 理事会で中止決定」の記事が出た5月20日当日、金沢市役所の熊駆除担当課である森林再生課では、金沢猟友会支部長らを呼んで、

「これまでクマ駆除隊が捕殺したクマの遺体は利用していないと言われていたのに、どういうことなのですか」

と尋ねられたそうです。支部長らは、実は長年、熊の胆を乾燥させて猟友会内で班長達に売っていましたと話されたそうです。

注:金沢猟友会員は180名で、そのうち熊駆除隊員は113名。

 

金沢市行政は、これまで、外部に対して、

「金沢市は、クマ駆除隊が捕殺したクマの遺体が利用されないように、行政が責任を持って焼却場にまで立ち会って確認しています」と公言されてきたのですから、

●①「実は、利用されていたことが判明しました」

と、県民や国民に謝罪されると同時に、②どうしてこのようなことになったのか、行政内部で調査をされて、真相を発表されるべきだと思いました。

 

 

(2)石川県庁薬事衛生課

<薬事衛生法に違反するようなことはしていないと猟友会金沢支部長が言ったから違反なしと、結論していた>

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クマ駆除隊は、数名から10名までで組まれるそうですが、駆除に参加しなかった多くの猟友会員たちにまで熊の胆が売られていた事実は、すでに自家消費の範囲を超えており、薬事法に違反していると、私たちは思います。しかも、猟友会内の班長に売られた熊の胆が、その後、外部に一部流通しているという情報を、私たちは得ています。事実なら、明らかな薬事法違反です。

第3者への聞き取りや、猟友会内の会計帳簿提出など、証拠となるものを集めて、調査と呼べるような本格的な調査をしてほしいと、わたしたちは要望しました。

これを受けて、現在、薬事衛生課は本格的な調査を展開中だそうで、全容が出たらご報告いただけるということです。

 

ちなみに、金沢市の薬局では、熊の胆が1グラム12000円で売られていました。熊の胆は、成分が解明され、すでに合成薬品が作られています。クマを殺して、熊の胆を得ようとしないで、使いたい人は、安い合成薬品を買っていただきたいです。

 

(3)自然環境課

<石川県は、クマ駆除隊が捕殺したクマの遺体は、法に反しないように処理するように指導→今回違反?>

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石川県では、平成14年以来、クマが殺されるのは、狩猟と個体数調整の2種のみになりました。個体数調整というのは、クマが増えすぎないように、年間上限数を決めて、クマの生息地に入って行って、猟友会員たちが銃や罠でクマを殺すことです。個体数調整名目でクマが殺されるのは、主に3月や4月です。これは、この時期が、熊の胆が一番大きいため高く売れることと、雪解け直後の落葉広葉樹の木々がまだ芽吹いていない時期は、一番クマを獲りやすい時期だからです。いわゆる「春熊狩りの復活」になっていると、わたしたちは感じました。

 

自然界の生き物たちは、本当に人間が殺し続けないと数が増えすぎてしまうのでしょうか。そのような論文やデータがあるのか尋ねると、そういうものはないが、これまでいなかった能登とかでクマが目撃されるようになってきたなど、熊は増えすぎていると考えられるので、毎年一定数は殺していかないとダメだという、担当者のお考えでした。ちなみに平成25年度の捕殺上限数は、96頭だそうです。(石川県のクマ生息推定数は、600頭~800頭とされているそうです)

 

また、個体数調整したクマの遺体は、法に反しないように処理することと指導しているということでした。(利用を禁止する法律は、日本にはありませんから、利用してよいということになります)それでは、1年中狩猟してよいのと同じことで乱獲されるのではないかと、疑問を投げかけたところ、捕獲上限数を決めているから大丈夫ということでした。(野生動物が何頭いるかなど、人間には絶対にわからない上、猟友会金沢支部の事例からもわかるように、人間が正確に報告しないこともあることを、考慮すべきだと思いました)他県は、有害捕殺したクマの遺体は、埋葬または焼却処分し、利用しないように指導しているところが多いので、石川県のクマ行政は、かなり他県と違うと感じました。

 

私たちは、山の中で静かに暮らしているクマまで殺しに行かなくてもよい。そのような考えでは共存できないと考えます。自然界のことは、人間にはわからないことでいっぱいです。どちらの対応が正しいのか、これからも意見交換を続けていきたいと思いました。

 

☆各行政のみなさん、お忙しい中お時間を取っていただき、どうもありがとうございました。

汐文社 新刊書 「クマに森を返そうよ」 沢田俊子著が大好評

うれしいニュースです。今年3月に「クマに森を返そうよ」 という児童書(小学校高学年以上)が出版されました。

s-クマに森を返そうよ

 

昨年、ひょんなことから、売れっ子の児童文学者沢田俊子さんが、最新の日本熊森協会を取材して、本を書いてくださることになりました。出版社は、「はだしのゲン」出版などで有名な汐文社です。

 

今回の出版は、外部の方が熊森の活動を取材して本を書くという、初めてのケースです。当協会としては、100%ガラス張りで、何を見てもらっても何を聞いてもらってもいいという姿勢で、取材に対応させていただきました。

 

沢 田さんは、山奥でもどこでもわたしたちに付いてきて、ご自分の目や耳で熊森活動を確かめて歩かれました。私たちが話題に出した人物には、実際に会って直接話 を聴かれました。

当協会を指導して下さっている研究者のご自宅にも同行され、研究用に栽培されている各種ブナ科植物や、研究用に飼育されているブナ科植物 に付くいろいろな虫たちを見せていただき、その後は、いっしょに奥山原生林を歩いて、奥山生態系の現状も学ばれました。

驚いたのは、他の研究者や団体がどう言っているかまでいろいろ調べておられました。

見事なまでの科学的態度です。というか、人間としての誠実さでしょう。

 

 

ヒグマについては、ヒグマの会山本牧副会長が平成24年に東海大学札幌校舎のフォーラムで講演された記録「ヒグマはなぜ里に近づいてくるのか」も読まれました。その中に、

 

1970年~1980年までのヒグマの糞調査の結果、98%が植物質、残り2%は、アリ・ザリガニで、ほとんどベジタリアンだった。しかし、近年、人間が山でエゾシカを撃って放置するようになってから、シカの死体を食べるヒグマが出てきた

 

という記述があります。沢田さんは、人間が、クマの食性まで無茶苦茶に壊していっている現状に、胸を痛めておられました。

 

私たちは、沢田さんの取材ぶりを見ていて、沢田さんの本がどうして子どもたちに受けるのかが、わかってきたような気がしました。

徹底して現場を取材され、ご自分の目や耳で確認して、疑問点は徹底的に尋ね、中立の立場で子ども目線で書いていかれます。

その後ろには、少女のような好奇心と、どこにでも飛び出していく行動力、良く調べたことでないと書かないという、大人としての責任感があります。

 

<一般読者からの感想>

一気に拝読!泣きました。「これは子供だけでなく、大人も読む必要のある本だ!」と叫びそうになりました。

 

<熊森から>

まだの方は、是非、お買い求めください。最新の日本の森や野生動物の現状がわかる本です。

 

東京都水道局が、奥多摩町などのスギヒノキの人工林(民有)を購入し、環境林に整備予定

水がめ守れ 多摩川水源林 都が購入計画

2013年3月13日 東京新聞夕刊

東京都が買い取りを進めている水源林。手前は奥多摩湖=13日、東京都奥多摩町で、本社ヘリ「まなづる」から(伊藤遼撮影)

写真

 東京都民の水がめをうるおす山林を守れ-。都は、荒廃が進んでいる多摩川上流の水源林を保護するため、民有林の購入に乗り出した。都内から山梨県 にかけての、JR山手線内側の約二・五倍に相当する約一万六千ヘクタールの取得を目指す。都水道局は、水源保全のための民有林購入は神奈川県に例があるも のの「全国的にも珍しい」と話している。 (松村裕子)

 都が購入したのは都民の水がめ、小河内ダム(奥多摩町)の上流にある、奥多摩町と山梨県小菅村の民有林二件。スギやヒノキの人工林36ヘクタールで、費用は四千四百万円だった。

 多摩川は都内の水道水の二割を賄う。それを生み出す、都内から山梨県にかけての水源林のうち、上流の約二万千六百ヘクタールは都有林。明治時代に皇室から都が譲り受けるなどして所有、管理してきた。

 一方、ダムに近い山林は民有地が多い。林業が盛んだった時代は間伐や枝打ちなどの手入れが行き届いていたが、国産木材の価格低迷に伴い、荒廃している。森の中に日が差さず、低木や下草が育たない。地盤が弱くなり、土壌の保水量が乏しくなっている。

 この影響で二〇〇七年、台風でダムに多量の土砂が流入した。都は危機感を抱き、民有林を適正管理する手法を検討。購入可能な民有林を公募することにし、一〇年度から現地確認や境界線画定などを進めていた。

 今月七日に計約三十六ヘクタールを買い取ったのを手始めに、すでに山梨県甲州市、丹波山村などの八カ所、約千二百ヘクタールの応募があり、順次購入する。購入後は都が手入れし、ダムの水質保全や水量確保につなげる。

 神奈川県では一九九七~二〇一一年度に、相模川などの上流の民有林約六百ヘクタールを購入した例がある。賃借地なども含めて手入れを進めたところ、〇九年度には県内全体で手入れの行き届いた森が七割を超えた。

 

( 熊森から)都が購入した人工林は、青梅市の林業部門が間伐し、今後、林業は行わず、針広混交林にもどしていくということでした。行政が動き出してくれた!すばらしいニュースです。無花粉スギなど植えず、是非、クマをはじめとする動物の棲める広葉樹の森に戻していただき、動物たちに山を返してやってほしいと、熊森から東京都上水部管理課企画係に、本日、電話で申し入れておきました。

3月5日 兵庫県野生動物保護管理運営協議会に出席して

【森林被害】清浄な空気や水を生み、兵庫県民の生活を支えてきてくれてた広大な兵庫の森。その中で、今、下草や、昆虫、魚、鳥、シカ以外のけものなど、生きものたちの姿が忽然と消え、「沈黙の森」が、一気に広がっています。木々の弱りも目立ちます。

このままいくと天然更新ができなくなり森が消えるかもしれないという大変な事態が進行しているのに、この日も報道関係者の取材はゼロ、傍聴者は2名のみでした。

 

報道関係者を含め、一般国民に、現在、最重要国家問題であるこの深刻な事態が全く伝わっていないと強く感じました。

 

【農業被害】もちろん、農業関係者は何年か前から、山から出て来た野生鳥獣に田畑を荒らされて、悲鳴を上げ続けています。しかし、大部分の県民は都市に住んでおり、このような実態をほとんど知っておりません。

○第一次産業のこと、○森のこと、○野生動物のこと、県民のみなさんにもっともっと関心を持っていただけるように、私たち市民団体も、広報にがんばらねばならないと思いました。

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神戸市教育会館501号室で開かれた協議会のもよう

 

<野生鳥獣被害対策>

毎回、協議会のたびに思うことですが、そもそも、ワイルドライフを人間がマネジメントする(=野生鳥獣対策に保護管理を導入する)と決めた1999年当時の環境庁の発想(=「鳥獣保護法改正案」)自体に無理があります。当時、熊森は国会で、「保護管理というけれど、こんなものを導入したら、保護の話にはならず、何頭殺そうかという駆除の話ばかりになるに決まっている」と、反論したことを覚えています。実際、全国で、クマ・サル・シカ・イノシシや彼らの生息環境を保護するために人々が協議しているという話は、全く聞きません。被害防除と駆除話ばかりです。

 

特定鳥獣に指定されたクマ・サル・シカ・イノシシは、大・中・小・極微、いろいろな他生物と、生態系の中で複雑に絡み合って生活しています。生態系の他の生き物たちを無視してこの4種の動物の生息数だけを、人間が操ってやろうとしても、そもそも、初めから不可能な話なのです。

そんな中で、この4種の動物に対する、兵庫県の平成25年度事業実施計画が発表され、協議されました。

 

兵庫大学の研究者の研究結果では、兵庫県のクマの自然増加率は昨年度20%で、この1年で100頭も増え、約600頭になったのだそうです。

クマの生息数 を推定するために用いたデータは、1、目撃数、2、捕獲数、3、再捕獲数、4、初捕獲数、5、新規標識放獣個体数、6、人為的死亡個体数、7、標識有の人 為的死亡個体数、8、ブナ科堅果類の豊凶指数だそうです。

<クマの推定生息数と保護管理方針>

400頭未満      狩猟禁止   可能な限り、殺処分しない

400頭~800頭   狩猟禁止 有害捕獲個体は、原則殺処分 ・・・ 兵庫県は、現在、この範囲だそうです。

800頭以上       狩猟再開 有害捕獲個体は、原則殺処分

 

<熊森の見解>

配布された資料が膨大であり、担当者の御苦労は大変なものだったと思います。ただ、配布資料が、推定生息数など、人間にわかりっこないものをあえて数字に表しており、あいまいな数字が独り歩きして、人々に誤った印象を与えてしまうのではないかと、心配します。

 

野生鳥獣など何頭いようが、彼らの勝手で、絶えず変化していくものであり、それが自然です。昔のように、人間が一歩下がり、野生鳥獣と人間との棲み分けが復元できたら、それでいいだけのことではないでしょうか。

 

今は、クマ対応方針が、推定生息数という数字だけで決められていますが、数字だけではなく、どこに住んでいるかという場所や何を食べて生きているのかなども、対応方針を決めるにあたって重要となるはずです。800頭いたとしても、山奥にいるのなら問題ないのでほっておけばいいし、200頭しかいなかったとしても、民家の裏に集結していたら、人身事故や農作物被害が絶えず起こり、クマも絶えず駆除されることになるので大問題となります。

 

 

 

 

 

 

 

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