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【速報】天然林化をめざし、熊森が兵庫県養父市の人工林2haを購入 記者会見!

豊かな水源の森の復元をめざします

平成31年1月23日、当協会は、兵庫県養父市大屋町にあるスギ・ヒノキ人工林2㏊を購入し、29日、養父市八鹿市民会館にて記者発表を行いました。

4社(神戸、朝日、読売、毎日)の新聞社が取材

説明しているのは、当協会室谷悠子会長

 

(経緯)

熊森の奥山等放置人工林を天然林に戻す活動を知った山林所有者が、今後の山の管理を託したいとして譲渡を申し出てくださったことからトラスト(=購入保全)が実現しました。

購入地は、養父市域を西から東へ流れる大屋川の、中流域水源にあります。

今回トラストした山林付近を撮影

 

今回購入した山は、標高450mの山の頂上西側斜面に位置しており、全体が50~70年前に植林されたスギ・ヒノキに覆われています。ツキノワグマなど貴重な野生動物の生息する地域にあります。

面積はわずかですが、当協会は将来的にはこのようなトラスト地を増やしたり地権者に協力をお願いしたりして、この地域の奥山を保水力豊かな天然林に戻していきたいと考えています。

 

熊森が天然林化をめざしている場所:
①奥山全域、②尾根、③沢筋、④急斜面、⑤山の上3分の1

 

日本熊森協会は、設立以来22年間、地元の方の協力を得て、クマをはじめとする多種多様な生物が棲める保水力豊かな森の保全・再生に取り組んできました。

地域の水源を守り、人間と野生動物の棲み分けができる環境を取り戻すために、今後も山林を取得したり天然林化を希望される地権者と話し合ったりして、放置されたスギやヒノキ人工林を一定面積以上皆伐し、広葉樹林を中心とした天然林を再生させる取り組みを進めていきます。

 

当協会はこれまで市民の寄付金により271haの山林を取得してきました。

(滋賀県高島市215ha、兵庫県豊岡市10ha、高知県香美市46ha、他に、滋賀県にトチノキ巨木群を保有)

今回のトラストを契機に、水源の森再生の動きを兵庫県内外でさらに広げていきたいと考えています。

注:熊森から生まれた公益財団法人奥山保全トラストは、奥山原生林のトラストを続けており、現在約2100ヘクタールの山林を保有しています。

 

28日から始まった通常国会には、森林環境税法案が提出されます。

熊森は、森林環境税法にスギ・ヒノキの放置人工林を天然林に戻すことを明記してほしいという運動を大々的に進めており、森林環境税を使った天然林再生の取り組みを全国に広めていきたいと考えています。

人工林の放置により、全国各地で湧き水が激減してきています。人工林を造りすぎてしまったことは、私たちだけではなく、林野庁も認めています。

湧水が枯渇してしまわないうちに、放置人工林を天然林に戻して行かなければなりません。

まだの方は、ぜひ、下の署名にご協力願います。

 

森林環境税で天然林再生を求める署名はこちらから
◆署名用紙のダウンロード◆
◆ネット署名◆

無実の雌グマを撃ち殺した人間側の罪は? フジテレビ土曜プレミアム「人肉を食べるクマの謎」

番組を見て、熊森本部はあまりのくだらなさに論評する気も失せました。しかし、HPで取り上げてしまった以上、放映後放置というのも無責任なので、とりあえず論評させていただきます。(番組の内容はひどくて、許せないものでした)

 

先週、フジテレビがとんでもない番組の予告編を何度も何度も流しているという通報が、熊森本部に相次ぎました。

 

1月21日、熊森本部は大阪のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をして、米田(まいた)一彦氏の推測はテレビ受けするセンセーショナルでおもしろいものかもしれないが、熊森としては米田氏個人の根拠のない妄想的なものに過ぎないととらえている。放映することによって、クマはもちろん青少年をはじめとする国民が受ける害は大きい。その理由は・・・と説明させていただきましたら、東京に伝えるということでした。

 

その後、何の連絡もないので、放映を中止されたのか、内容を訂正されたのか、さっぱりわかりませんでした。

 

1月26日になって、関西テレビ(兵庫県のフジテレビ版)のテレビ欄に、「前代未聞、人肉を食べるクマの謎」と出ていたので、やはり放映されるのかと思い、今度は、東京のフジテレビ視聴者センターの責任者に電話をしました。大阪からの連絡は入っていました。このことは評価しますが、「まず、番組を見てください」の一点張りで、こちらの説明に耳を傾ける姿勢はありません。いったんまちがったことを報道してしまえば取り返しのつかないことになるのに、報道者としての責任感が全くないと感じました。

 

そういう訳で、放映が始まるのではないかと思われる夜10時過ぎぐらいからテレビをつけて、見たくもない番組を見る羽目になりました。

 

「ばったり出会ったクマと20分間にらみ合うことになり、最後、ナイフでとがらせた竹でクマの目をついたら、目の下の固い所にあたってしまって、クマがきびすを変えてゆっくり逃げて行った。口の周りにべっとり血がついていた」という、当時、タケノコ採りに入ってクマと遭遇して生還した人の証言がありました。これは事実だと思います。(こういうとき、人間の方がゆっくり後ずさりすべきということを、番組として告知してほしかったです)

しかし彼が会ったクマが、米田氏の言う殺人グマスーパーK(米田氏命名)かどうか、誰にもわかりません。4名はいずれも亡くなられているので、当時の状況の証言を得ることは不可能です。

 

よって、生還者以外の話は、

再現ビデオも含め、全て米田氏の推測に基づくやらせと思われます。

牙をむいて登場したクマも、もちろん本物ではありません。
猟友会の皆さんは、このテレビを見て、自分たちが利用されたと怒っておられるのではないでしょうか。

 

写真家の宮崎学氏は、クマをスカベンジャー(=腐肉食動物)だと言われています。腐肉ばかり食べているわけではないので、私たちはスカベンジャーだとは思いませんが、クマは雑食性ですから、もし、地面に動物の死体があれば食べることはあります。草食動物以外は、みんなスカベンジャー的な要素をもっており、動物の死体があればすぐに食べて片付けてしまいます。これは自然なことです。

 

2016年に秋田県鹿角市の熊取平でタケノコ採りに入った4名がクマと遭遇して死亡した事件は、確かに前代未聞の痛ましい事件でした。どうしてこんなことが起きたのか知りたくなる人間の心理はわかります。

 

科学の歴史を振り返ると、たったひとりの人が唱えた異論が、後の世で正しいと認められることの繰り返しですから、米田氏ひとりが唱えているだけだとして否定する気はありません。しかし、スーパーKというクマが、人肉の味をしめて人喰いグマとなり、次々と人肉を求めて人を襲ったという米田氏の推測には、やはり無理があると思いました。

 

もし、そんなクマが誕生していて今も4頭いるのなら、その後も、熊取平でクマによる死亡事故が相次いでいるはずです。しかし、この3年間、皆無です。(第一、米田さん、人肉は、一度食べると病みつきになるほどおいしいものなのでしょうか?海外のニュースによると、最近は、鳥葬しても、添加物などの化学物質で人間の体が汚染されているためか、鳥が食べなくなったそうですが)

 

熊取平の事件はあくまで事故であり、クマの一撃で死亡した人間を、当時タケノコを食べるためにササ原に集まっていた多くのクマたちが、スカベンジャーとして食べただけのことだろうと、熊森は推察します。

 

それにしても、ササ原からひょっこり顔を出して人間がいるのに気づき、再度ササ原に戻った雌グマが、4人を死亡させたクマだと間違われ、ハンターたちに撃ち殺されました。胃の中はほとんどタケノコで、一部人肉が入っていたそうですから、スカベンジャーをしたのでしょう。人を殺した犯人かどうか確かめもせず撃ち殺し、犯人ではなかったようですなんて終わり方に、大変疑問を感じました。

 

もう、今回を最後に、熊取平で人喰いグマ誕生の米田報道は終わりにしてほしいです。これまでクマと共存してきた秋田県の人たちが、人喰いグマ誕生の報道を真に受けて、クマを大量に捕殺したのです。

事実かどうかわからないことをまるで事実のように、劇にまでして再現報道するテレビ局の責任は、誠に大きいと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 

 

1月26日21時~ フジテレビが、検証不可能な米田一彦氏の人食いグマ誕生推測を放映予定 フジテレビ視聴者センター03-5531-1111に電話を!

1月26日(土)、21:00~23:10にフジテレビの土曜プレミアム・報道スクープSPという番組内にて、

「男女4人惨殺…人食いグマの謎に迫る」

というタイトルで、2016年に秋田県で起きたクマによる人身事故の話題が蒸し返し放送されるようです。

 

 

1月25日、東洋経済オンラインが配信した、フジテレビ「報道スクープSP 激動!世紀の大事件Ⅵ~平成衝撃事件簿の真相~」取材班による

「男女4人食った「凶暴グマ」のおぞましい実態」

という、記事を読むと、大体の中身が予測されます。

 

 

2016年に鹿角市で起きたクマによる4件の死亡事故後、米田一彦氏の「人喰いグマ誕生」や、「スーパーK」などのセンセーショナルな推測が、マスコミをにぎわせました。

 

しかし、日本熊森協会は、米田氏の推測に重大な疑義をいだいています。

「秋田に人喰いグマがまだ3頭生き残っている」は、米田一彦氏の毎度のお騒がせネタです(2017.5.12くまもりHPブログ)

 

米田氏は2018年初め、「まだ、人喰いグマが4頭残っている」として、またしてもセンセーショナルな推測を発表し、マスコミに大きく取り上げてもらっていました。

しかし、これらはあくまで米田氏の推測に過ぎず、私たちは米田氏以外に同様のことを主張している人を知りません。

(そんなクマが本当にいるのなら、昨年度も秋田県で、クマによる死亡事故が続発したはずですが・・・)

 

フジテレビとしては視聴率を上げることを狙っておられるのでしょうが、たったひとりの者の推測を報道するのは、大変危険です。

クマに知識のない国民が聞いたら、ほんとうかと信じてしまうかもしれません。

クマのためにならないだけでなく、国民のためにもなりません。

物事の正誤は多数決で決まるものではありませんが、もし、このような強い批判のある内容を報道するのであるなら、米田氏の推測を否定している日本熊森協会などの主張も同時に報道して国民の判断を仰ぐべきでしょう。

 

 

クマの生息推定数1000頭の秋田県で、2016年に476頭、2017年には793頭という絶滅も危ぶまれるような前代未聞のクマの大量捕殺が行われました。

 

現在、熊森本部は、2017年になぜこのようなクマの大量捕殺がなされたのか、情報公開で秋田県から取り寄せた793頭もの膨大なクマの駆除データを分析中です。

 

分析作業はまだ中途ですが、この大量捕殺は、クマによる被害が発生したのが原因ではなく、秋田県民がクマに恐怖を抱くようになって実施されたものであることがわかってきました。

 

米田氏の推測や、それを検証もせずに大々的に報道したマスコミの責任は、誠に大きいと思います。

クマの生命を奪うことになるかもしれない問題については、報道はもっと慎重であるべきです。

 

熊森本部は、1月21日、大阪のフジテレビ視聴者センタに電話して、クマに口がないのをいいことに、このような一方的な内容を報道しないよう、責任者に厳重に申し入れました。

責任者は名前を教えてくれませんでしたが、担当者に伝えますということでした。

フジテレビは私たちの厳重抗議にもかかわらず、予定通り報道するのでしょうか。

 

この報道に問題を感じられる方は、フジテレビが今後も高視聴率を保つテレビであり続けられるためにも、ぜひ、フジテレビ視聴者センター03-5531-1111まで電話をしてあげて下さい。

 

 

直径12㎝規制を守っている兵庫県でクマがくくり罠に多く掛るわけ

くくり罠は、ハンターひとりにつき30個までの設置が認められています。

四つ足動物の足がくくり罠の踏み板を踏んでしまうと、一瞬にして足にワイヤが掛り、押しバネのものすごい力で足がワイヤで締め上げられます。

逃げようともがいているうちに、動物の足がちぎれ、4つ足動物の足が3本になってしまうこともあります。

くくり罠

 

2007年にわが国では、残酷極まりないトラバサミの狩猟使用が禁止されました。

今、残酷罠の筆頭はくくり罠です。

しかも、くくり罠には、獲ろうとしているシカ・イノシシだけではなく、猟犬やクマ、キツネ、タヌキなど、捕獲許可が出ていない動物の足も当然、無差別に掛ります。

最近は、3本足になった元4つ足動物が結構目撃されているそうです。

再びくくり罠にかかって2本足になると、もう歩くことはできません。

そのようになった動物の姿を想像しただけで、私たちは胸がつぶれそうになります。

人間にこんなことをする権利があるとは思えません。

人間が悪魔になってしまっています。

人間は悪魔になってしまってはならないのです。

 

2007年当時、環境省は私たちの「くくり罠も使用禁止に」の訴えがあまりにも強かったため、困っていました。

結果、環境省は、「シカ・イノシシを大量に獲らなければならないので、くくり罠を禁止にすることはできないが、くくり罠の直径を12㎝以下にするように規制をかけます。12㎝だとクマが誤捕獲されることはまずなくなるので、とりあえず今のところはこれでこらえてください」と、言われました。

もちろん、私たちは、くくり罠の残酷性、誤捕獲の多発性を指摘して、一歩も引きませんでした。

しかし、日本の自然保護団体は会員数が少なくて力が弱いので、残念ながら、くくり罠を使用禁止にすることができませんでした。

 

ところが最近、くくり罠12㎝規制が守られている兵庫県で、2016年に19頭ものツキノワグマがくくり罠に誤捕獲されていたことが判明しました。

なぜ?

調べてみてわかりました。

縦の長さは確かに12㎝ですが、横は20㎝ある弁当箱型くくり罠が使用されていたのです。

 

弁当箱型くくり罠

 

違法ではないかと、すぐに環境省鳥獣保護管理係に電話をしました。

縦さえ12㎝であれば、横は何センチでも違法ではありませんとのこと。

これではクマがかかって当たり前です。

いつそんな風に変わったのか、私たち自然保護団体には全く知らされていませんでした。

ショックです。

 

ネット販売されているくくり罠のカタログをひさしぶりに見てみると、2007年の時と違って、土穴など掘らなくても設置できるタイプのものができていたり、安価になっていたり、とにかく少し見ない間に、くくり罠がすごく進化しているのがわかりました。

 

人間は、どんどん技術を発展させ、工夫していきます。

野生動物は自然と共に生きているだけなので、技術を発展させることなどできません。

このまま無制限にくくり罠の使用を進めていけば、どちらがどちらを滅ぼすか、もう結果は見えています。

 

環境省がせっかくくくり罠12㎝規制を出してくれたのに、日本で一番クマが多い長野県がまず一番に直径の無制限緩和許可を発表し、いくつかの県がこれに続きました。

その結果、長野県はくくり罠に誤捕獲されるクマが後を絶たないというハンターからの内部告発が、熊森に入っています。

誤捕獲グマは法に従って放獣すべきなのですが、面倒だからと闇から闇にかなりの数のクマが違法に殺処分されているということです。

しかし、想像はできても、残念ながら、私達には確認する力がまだありません。

 

兵庫県は12㎝規制を守ってくれているだけまだましかと思っていたら、私たちの知らない間に弁当箱型くくり罠の使用が許可されてしまっていました。

欧米の大自然保護団体と比べると、まだまだ小さな私たち完全民間の自然保護団体のできることなど知れています。

しかし、山の中でどんなに残酷なことが行われているのか、想像すれば黙っている訳にはいきません。

とにかく今年もがんばりますが、会員数も、職員数も、もっともっとほしいです。

現在、新たな職員を募集中です。

熊森活動に人生をかけてみようという方のご応募をお待ちしています。

 

 

 

 

研究者の研究都合と行政の弱腰が引き起こした和歌山県台湾ザル根絶殺害の誤り

2019年1月2日京都新聞で、和歌山県の台湾ザルが根絶されたことを知り、空恐ろしくなりました。それにしても、おかしいなあ。当時、すでに、台湾ザルは三重県でも目撃されていたので、和歌山県だけで根絶できるはずがないと思い、ネットで調べてみました。

 

和歌山県庁記者発表 平成29年12月21日(木)

なんだ、和歌山県の大池地域から根絶したというだけの話か。それならわかります。しかし、離れザルが戻って来ることもあるのではないでしょうか。また、交雑ザルの中には、外見はまるでニホンザルだが、DNA鑑定すると台湾ザルとの交雑種だったというのも多かったと聞いています。(全て殺処分) これらは、見た目にはわからないということです。

 

京都新聞記事:「交雑種サル 不妊手術か安楽死か 問われる人間の功罪」

 

 

日本霊長類学会は、国の特定外来生物である台湾ザルをよくぞ根絶したと、和歌山県に学会功労賞まで授与したそうです。しかし、熊森としては、人間としてやってはならない残酷なことをしただけで、和歌山県にとってこの事業に何の意味があるのだろうかと思います。自然生態系にも地域住民にも、何の益もありません。

 

 

 

熊森と和歌山県台湾ザル根絶殺害問題

2000年に和歌山県の台湾ザル・混血ザル根絶殺害問題が起きた当初から、熊森は、これはナチスのわがままで思いあがったホロコースト思想と同一だとして、まだ小さな会だったにもかかわらず、祖先の全生命尊厳思想を守れと根絶殺害反対の大運動を展開しました。

 

まず元動物園があった現地へとんで行ってみました。廃園の際、台湾ザルを殺すに忍びないとして、当時の飼育者が横の山に放したであろうことが想像されました。そこにサルがいても困る人は誰もいないような場所だったからです。

 

地元の人たちにインタビューしてみました。サルによる被害は困るけど、それがニホンザルであるか台湾ザルであるか、そんなことに関心はないということで、地元住民としては当然だろうと思いました。

 

次に、和歌山県庁の担当部署に行くと、台湾ザルだけを根絶殺害するなんて、そんなかわいそうなことはできないという反応でした。日本人なら当然だろうと、私たちは安心しました。

 

しかし、権威に傘を来た日本霊長類学会の学者たちの根絶殺害願望はものすごく強くて、様々な理由を付けては行政に予算化を迫りました。しかし、どうも聞いていると、要するに混血することで自分たちのニホンザル遺伝子研究がやりにくくなるというのが台湾ザルを根絶させたい唯一の理由のようでした。

捕獲会社(WMO)の職員は仕事がほしいので、行政に根絶殺害すべきだ、うちが請け負うと通い始めます。

 

私たちはそれなりに生態学の知識がありますから、研究者たちにいくらでも反論できますが、3年ごとに部署替えされる日本の行政は皆素人状態から勉強し始めるので、肩書きのある研究者と熱心な業者にどんどん押されて行きます。当時の行政担当者は、ノイローゼ状態になったのではないかと同情します。

 

熊森は当時、形勢が危うくなってきたのを察知し、台湾ザル根絶殺害反対の署名活動を開始しました。夏の暑い日、兵庫県からJRの和歌山駅まで行って、駅前で声をからしてみんなで署名集めしたのを思い出します。(当時、まだ和歌山県支部はなかった)

 

そもそも台湾ザルが野生化したのは昭和34年(1956年)のことです。台湾ザルとニホンザルが自然交雑したのは、同種だからで、今後どんどん血は薄まっていくだろうし、仕方がないと私たちは思いました。研究者の皆さんの迷惑はわかりますが、そんなに混血ザルの存在が困るのなら、当時無制限に輸入されていた(現在も、ほんの一部にしか輸入制限はかけられていない)外来種の輸入を止めるべきだっただろうと思いました。

 

学術権威の力はすごいです。そのうちついに和歌山県行政は学者たちに押し切られて、台湾ザル・混血ザルの根絶事業開始に向かいます。しかし、当然ですが、県には反対意見が殺到。困った県は、当時無人島を探し始めました。避妊・去勢した台湾ザルに和歌山県がえさを与えて終生保護飼育する案です。和歌山県は賛同してくれる地権者を募ったのですが、現れなかったようです。今の熊森なら、島を買うこともできるかもしれませんが、残念ながら当時の熊森にはその資金がありませんでした。

 

和歌山県が、パブコメを募ったところ、根絶殺害反対がほとんどでした。この後は、賢い研究者の先生方の入れ知恵だと思うのですが、和歌山県民に限定して、1000人を無作為に抽出し、アンケートをとったところ、650人から返答があり、過半数の賛同が得られたということで、台湾ザル・混血ザル根絶殺害が一気に決定してしまったのです。

 

熊森は、負けました。今、思い出しても、悲しくなります。私たちの力が足りなかったばっかりに、何の罪もない台湾ザル・混血ザル全頭の命を奪うことになってしまったのです。申し訳なくて胸が痛みます。何回合掌しても、しきれるものではありません。

 

社会というのは、ほとんどの人が、そんなえげつないこと、そんな人の道に外れたことできないと思っていても、ほんの例外的な賢く強い一部の利権がある人たちの策略だけで行政の政策が決定され、訳のわからないままみんながその恐ろしい流れに流されていくことになるものなんだと、私たちはこの件から学びました。私たち利権のない自然保護勢力がもっともっと大きくなっておかなければなりません。

 

それにしても、あの時、650人が回答して、台湾ザル・混血ザルの根絶殺害を決めたアンケートとはどういうものだったのか、当時非公開で教えてもらえなかったような気がします。

 

この度、調べてみると、アンケートは2択になっていて、

1、捕獲して安楽死

2、避妊去勢後、施設で飼育

だったそうです。

なにい!3、このまま放置がない。

 

本当に研究者たちは頭がいいですね。狭い施設で何百頭ものサルを飼うのはかわいそうと思う一般県民の心を利用して、自分たちが望む方向に、アンケート結果を誘導したのでしょう。

 

ちなみに、大池地区の、台湾ザル・混血ザル根絶事業によって殺されたサルの数は、366頭。和歌山県が使った予算は5000万円だったそうです。1頭あたり13万円。捕殺業者にとっては、ぼろい仕事だったかもしれません。

 

霊長類学会の先生方は、一面、確かに優秀で偉い方たちであり、敬意を表します。しかし、台湾ザル・混血ザル根絶問題では、とんでもない間違いを犯されました。人間以外の生き物たちの命を人間が自由に操作して良いという前例を作ったことは、今後、自然に対する尊厳を国民が失って自然破壊を進める文化を作ることになる(実際なっている)と私たちは思います。

 

研究者のわがままだけからスタートしたナチスのホロコースト思想が、ついに行政や専門知識のない人たちを脅してここまでやったのかと思うと、改めて今の日本社会が空恐ろしくなりました。

 

 

2019年、無関心層にも訴えよう

あけまして おめでとうございます。

 

昨年末、出張で地方ホテルに宿泊した際、久しぶりにテレビニュースを見てみようと思い、チャンネルをいくつか回してみました。(家には、テレビがない)

夜だというのにどこの局も、みんなでギャハハと馬鹿笑いをしていました。

 

この国はいったいどうなってしまったんだろう。

見事にみんな、「今だけ、金だけ、自分だけ」
軽薄さに気味が悪くなってきて、テレビのスイッチを切ってしまいました。

 

殺されていく生き物たちの悲しい悲鳴、理不尽に苦しんでいる人間たちの苦悩、そして、何よりも、私たちの一番大切な母なる地球が、人類という一種の動物たちのあくなき欲望によって修復不可能なまでに大破壊され続けている。無理な馬鹿笑いに付き合っている暇などありません。

 

悲惨な現実を知らない日本人が多過ぎるのではないでしょうか。

いや、「見ザル、聞かザル、言わザル」を決め込んで、現実逃避しているかわいい意気地なしが多いのかもしれません。

 

このような人たちは、理不尽な悲しみ苦しみがついに自分に回ってきた時、見て聞いて声を上げる力が残っていた元気な時に、もっと動いて倫理感あふれる社会を作っておけばよかったと後悔するのでしょうか。その時は、もはや、時遅しです。

 

くまもりは、このような社会の無関心層にも訴えていこうと、ブログ、フェイスブック、ツイッターに加えて、インスタグラムも開始しました。現在、くまもりフェイスブックのフォロワーは、1723人ですが、くまもり室谷会長は、当面この数字を5000人に広げたいと、新年の方針会議で抱負を述べられました。みなさん、フォロワーを増やしていってください。マスコミが真実を伝えようとする熊森を取り上げてくれないのなら、熊森がマスコミになって真実を国民に伝えようという発想です。

(兵庫県庁記者クラブ代表者は、昨年、熊森からの兵庫県鳥獣行政の問題性を指摘する新事実発覚の記者会見要望に対し、「熊森の記者会見は拒否します」という民主主義社会にあってはならない県知事県庁忖度?回答をよこしました。今年も、記者会見要望を、お願いし続けていきます。)

 

熊森は今年も現実から目をそさらさず、発達した巨大な科学技術の前に今や弱者となってしまった他生物や自然の側に立ち、奥山保全・再生を中心に、自然農、国土大破壊のリニア新幹線や奥山風力発電問題など、自らの正義感と良心に基づいて勇気いっぱいに声を上げ、楽しく行動し続けます。

 

国民のみなさんの活動ご参加、ご寄付のほどを、よろしくお願いします。

 

破滅型の物質科学文明を持続可能な自然尊重文明に方向転換させるために、熊森は今年もがんばります。

リニアに関するマンガ冊子の訴訟、県は争う姿勢

以下、テレビ山梨より

山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子

 

山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子は違法な支出だったとして、市民団体がおよそ1200万円の費用返還を県に求めた裁判が16日始まり、県側は争う姿勢を示しました。

 

市民団体は山梨県が作成したリニアに関するマンガ冊子について、リニアの良い面しか書かれていない偏った内容のもので、これを県内の各学校へ配布したことは違法な支出として、県を相手におよそ1200万円の費用返還を求めています。

 

16日、甲府地方裁判所で始まった裁判の意見陳述で、原告団の川村晃生代表は「冊子はリニアのPR誌で、よいことづくめで宣伝している」と述べ、負の側面がない冊子配布は行政の自由裁量権を越え違法と訴えました。

 

一方県側は、県の整備方針に基づき作成されたもので違法とは言えないとし、請求の棄却を求めました。

 

 

熊森から

子ども洗脳以外の何物でもないこのような冊子配布に応じた教職員がいたとしたら、教師として全員アウトです。

実際に配布した教師はいたのでしょうか。

 

もしこのような冊子が配られてしまった学校があるのなら、リニアの負の面をPRする冊子を今からでも配布していただき、双方の意見を子供に伝えて下さい。それでなければ、教育になりません。

 

日本国内で、しかも教育現場で、こんな子どもロボット化事業が展開されていたなんて、戦慄を覚えました。

これって、本当に、日本国内であった話なのでしょうか。信じられません。

山梨県教育委員会に問い合わせてみます。

 

 

 

テレビ東京「池の水ぜんぶ抜く」に、熊森が番組改善提案

<熊森は、以下の感想をテレビ東京に送らせていただきました。みなさんも、テレビ東京に声を届けてください。>

〒106-8007

東京都港区六本木3-2-1

六本木グランドタワー㈱テレビ東京ホールディング

「池の水ぜんぶ抜く」制作責任者様

TEL:03-6635-1771(代表)

 

番組は90分間もあり、たくさんの芸能人や子供たちがワイワイきゃあーきゃあー言って動き回り笑い合っていました。このような番組を集中して終わりまで見るのは相当疲れましたが、とにかく2018年7月22日放映分を、初めから終わりまで、ネットで一度、初視聴してみました。

 

この番組には、功罪2つの側面があると思いました。

 

功の面は、魚獲りをしたこともない芸能人や子供たちに、池の水を抜いて魚を獲りやすくしてやり、魚やカメを獲らせてやっていることです。人間も動物ですから、逃げ惑う生き物を追いかけて知恵比べをしながら獲ることを楽しいと感じる本能を有しています。

また、獲った獲物について、専門家が一つ一つ解説をしてくれます。これは、知的好奇心をそそるもので、私たちが見ていても楽しい部分です。

 

しかも、泥沼に沈み込んで危険と隣り合わせの上で獲らせたりもしています。ヒヤヒヤはらはらさせて冒険心をあおって楽しませています。あー楽しかったと参加者たちも最後に言っていました。確かに安全の中でしか生きて来なかった若い人たちにとっては、スリルもあって楽しかったんだと思います。

 

生き物に触れ合える場を番組が作ってあげたのは、いいことでしょう。(ただし、若い女性タレントに胸まで泥沼にめり込ませて獲らせていたのは、危険極まりないです。その部分の沼底が背丈を超えて深かった場合、全身が沈んでいく恐れがあり、そうなったら、もう誰も助けられなかったと思います。事故が起きなかったのは幸いでしたが、あの泥の深さまで行かせるのは、今後、絶対にダメです)

 

 

 

もう一つの罪の面は、やはり、<外来種=殺すべき対象>という、カルトと言っていいまでの誤った思想を、科学的検証もせず垂れ流しにしていることです。若い男性タレントが、獲った魚を観察した後、「(水に)もどしてあげていい?」とスタッフに尋ねていました。他生物に対する人間の共感本能からは、これまた当然の発言です。しかし、そこに、「外来種だからだめ。生態系に悪い影響を与える。在来種を守るために駆除しなければならない」という答えが何の解説も検証もなく提示されるのです。そして、最後のまとめは、心無い誰かがペットの外来種を自然界に放したために、日本の生態系が破壊されたのですと、個人を悪者にしています。

 

しかし、こんなことになった責任は、外来種が自然に逃げ出すこともあるし、飼い主が家庭内の狭い飼育環境をかわいそうに思ったり、飼いきれなくなったりして自然界に逃がす恐れがあることなども十分知りながら、儲けるために輸入し続ける無責任な輸入業者や、それを許している無責任な環境省にあります。本当に責任を問われなければならない悪は、後者の方であるのに、個人の責任までに止めてしまっているのはダメでしょう。

 

また、今さら日本の生態系から外来種だけを全部取り除くことなど不可能なのに、この番組は、みんなで毎年外来種を捕獲して殺し続ければ何とかなるという一部の研究者たちが考えた誤った思想を広めることに無批判に加担しています。池を2か月間干して、獲り切れなかった外来種を駆逐すると番組のリーダーのような方が叫んでおられましたが、同時におびただしい在来種も昇天させられていますから、この部分には嘘があります。

 

外来種を日本の生態系に放り込むということは、もう人間がその後何をしても取り返しのつかない事態を生む大変なことのです。番組内でも、図らずも、去年もたくさん獲ったのにまだ外来種が減っていないことを示す箇所が何か所かありました。人間が獲っても獲っても、生きものは環境収容力までは増え続けて減りません。ならば、外来種根絶作戦は、無用の殺生をしてるだけなのです。(まだ野外繁殖していないなど、生態系から取り除ける時期の外来種であれば、取り除いて人間が責任を取って終生保護飼育すべきです。)

 

外来種根絶殺害に夢中になっている学者には、していることの滑稽さがもう見えなくなってしまっていると思われます。研究者とはそういう者です。しかし、多くの人が第3者としてこの番組を見ているということですから、外来種根絶殺害のおかしさ、残酷さ、無意味さに気づいて、指摘する人がこれまで出て来なかったのだろうかと、残念に思いました。

 

この番組から、外来種根絶殺害論者に利用されている部分を、取り去るべきです。第一、今の私たちの生活は、外来種と在来種が織りなした新しい生態系によって成り立っており、今さら外来種だけ外すことはできないし、そのようなことをしたら生物学者池田清彦氏(早稲田大学名誉教授)も言われているように、人間は生きていけなくなります。

 

大事なことは、外来種の輸入を止めることなのです。ミシシッピーアカミミガメはかつての10分の一に減ったというものの、今も年間10万匹も輸入されています。熊森は当初からこの問題については、外来種の輸入を止めることが一番であると、環境省にずっと訴え続けてきました。遅きに失しましたが、現在、何種類かは輸入が止められました。しかし、未だに多くの外来種が我が国では合法的に輸入されています。

 

最後に、この番組で絶対にやめてほしいのは、面白いから、視聴率が取れるからということでしょうが、子どもを外来種捕獲隊長にしていることです。子どもには、外来種根絶殺害論の正邪などわかりません。大人に言われて深く考えることもできないまま、間違った極端な研究者に洗脳されて誤った行動に参加してしまいます。

いずれ、外来種根絶論の間違いや残酷性が問題になる時代が必ず来ると私たちは確信しています。そのとき、大人たちに踊らされて、外来種根絶という誤った残虐行為に隊長という責任ある立場で参加してしまったことを悔いて、彼が苦しむ時が来るでしょう。まさに、オウムの事件と重なります。

 

 

 

「外来生物」は本当に「悪者」なのか 実はイネもレタスもキャベツも外来種!?

以下、2018年8月16日掲載デイリー新潮より

 

ブルーギル

「外来種」とは、もともとその地域に生息していなかったのに、人為的要因によって他の地域から入ってきた生物のことを指す。テレビ東京の人気番組「緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦」では、外来種を駆除するシーンがたびたび登場したり、最近だと、サクラの木などを食い荒らす外来種「クビアカツヤカミキリ」や、強い毒を持ち“殺人アリ”とも呼ばれる外来種「ヒアリ」のニュースなどが世間を騒がせており、外来種=悪という印象を持っている方も多いのではないだろうか。

 

しかし、「ホンマでっか!?TV」でおなじみの生物学者・池田清彦氏の著書『ナマケモノはなぜ「怠け者」なのか』に収録されているコラム〈外来生物は悪者なのか〉によると、「外来種が病原菌をまきちらしたり、産業に甚大(じんだい)な影響を与えたりすれば、駆除せざるを得ない。だが、さしたる影響を及ぼさない場合や、駆除費用がかかりすぎて、費用対効果がマイナスの場合は、何もしない方が賢い」という。

 

それでもいずれ生態系を脅かすかもしれない外来種は駆逐すべきなのだ!と勇むかたもおられるだろう。しかし、同書によれば「外来種排斥原理主義者たちは何であれ外来種が存在することが許せないようであるが、外来種を全部排除すると、われわれの生活は成り立たない」のだという。いったいどういうことなのか。

さてここで、旅館の朝食なんかを思い出して欲しい。白米に味噌汁に梅干しにキャベツの漬物……そんな典型的な日本の食卓風景に、実は外来種が潜んでいるのである。

「レタスもキャベツもイチョウもウメも外来種だ。たかだか2500年前に日本列島に入ってきたイネは、日本の低地の自然生態系を完膚なきまでに破壊した、史上最悪の侵略的外来種である。そうかといって、イネを排除しようとする人は私の知る限りいない。外来種の排斥よりもわれわれの生活の方が大事だからだ」(同書コラムより引用)

 

つまり、外来種排斥原理主義者たちの主義に則れば、哀しいかな、もう日本でお米は食べられないということになってしまうのだ。これは我々日本人にとって大きなダメージだろう。

 

「入ってきた当時は、日本の自然にそぐわないとして嫌われる外来種も、侵入して長い年月がたてばわれわれの生活になじんできて、違和感がなくなってくる。アメリカザリガニは侵入してきてまだ90年弱しかたっていないが、子どもの頃ザリガニ捕りをした人たちにとっては、なつかしい日本の風物詩であろう。コスモスも明治時代に導入された比較的新しい外来種だが、秋の田園を彩(いろど)る花として多くの人に親しまれている。外来種だと思っていない人もいるに違いない」(同書コラムより引用)

 

秋の季語にもなっているコスモスも外来種だったとは……。こうなってくると、外来種・在来種という呼び方すらも、なんだか意味をなさないような気さえしてくる。前掲書で池田氏も述べているが、ブラックバスもあと100年もすれば日本の自然に馴染んでしまい、排斥の声なども潰え、各々の生命の自由を謳歌しているのかもしれない。生命の深慮の前には人の浅知恵にどれほど意味があるのか、考えさせられる。

熊森から

熊森は、池田清彦先生の言われるとおりだと思います。
テレビ番組「池の水ぜんぶ抜く」で、池のコイが外来種であると判明したとのことで、外来種のレッテルを張られていました。そんなことを言い出したら、セイヨウミツバチやスズメをはじめ、私たちの身の回りは外来種だらけで、いずれもそれなりに生態系に大きな影響を与えています。我が国の犬、猫はもちろん、人間も外来が多くなっています。そもそも日本人自体が、外来です。

教育上いいの? テレビ東京「池の水ぜんぶ抜く」の“殺生正当化” 専門家が指摘

以下、「週刊新潮」2018年8月9日号 より

 

結果的に生き物を殺すにも拘わらず、嬉々として捕獲に励むチビッ子たち……。テレビ東京の人気番組「緊急SOS 池の水ぜんぶ抜く大作戦」では、“外来種=悪”と決めつけ、生き物をバケツに放り込むシーンが度々、登場。まるで地獄絵図のような光景には、専門家も首を傾げるのである。

 

 

番組は、住民や自治体からの応募に応じて、手つかずの池をかい掘りし、迷惑外来生物の駆除やゴミの撤去を行うというドキュメントバラエティだ。司会のお笑い芸人の他に毎回、様々なゲストも参加。日比谷公園を取り上げた際には、小池百合子都知事も胴長姿を披露している。

 

TV情報誌記者によると、

「2017年の放送開始当初はスペシャル番組でしたが、シリーズ化されると10%を超す高視聴率を記録。視聴者は、池の中から何が出てくるのかといったワクワク感を持つようで、今春からは月イチのレギュラー番組に昇格したのです」

 

その一方で、番組の問題点が取り沙汰されたことも。

「今年2月、ヤゴを捕食する外来魚を駆除する様子を収録した際、一般参加者1千人が池の中を踏み荒らし、在来種を含む多数の小魚が死んでしまいました。現場で専門家が足りていなかったことや杜撰な進行が物議を醸したのです」(同)

“極端すぎる”

 この時は、テレ東の社長が定例会見で弁明する事態にまでなったのだが、のど元過ぎれば何とやら。千葉県のお寺の池を舞台に、50人の地元小学生が参加した7月22日の放送では、

「この池に巣くう影の支配者が出たー」「ヤング隊、総動員でブルーギル(外来魚)の駆除に掛かる」

といった大仰なナレーションを合図に、ブルーギルを捕獲。殺生を禁ずる仏教の寺での大量駆除は、ブラックジョークと言うほかないが、子どもたちに命を奪うという実感はないようで、まるでお祭りイベントに興じるかのよう。仕舞には、水も張っていないバケツに、山のように入った魚の映像が流れたのである。

 

「外来種だからすべて駆除という考えは極端すぎる。いかがなものかと思います」

とは、生態学の専門家で、『「自然」という幻想』の訳書がある慶應大学の岸由二名誉教授。

「番組では、それぞれの生態系をどうしたいのか目標を立てずに、外来種の駆除だけが目的のような印象が強い。私も外来植物の駆除を行っていますが、場所によっては在来種を除去することもある。目標によってケースバイケースで必要な駆除が異なるのです」

在来種か外来種かのみを基準とするのは、生態学的にも疑問だというのだ。さらに、大問題なのは、

「仮にその動物が悪だとしても、子どもたちに乱暴に動物を抹殺させるのは、教育上、いいとは思えない。自然を守るためでも、動物の駆除は大人が行えばいいこと。市民参加でイベントのようにするものではないし、ましてやテレビで面白おかしく放送することでもありません」(同)

殺生を正当化した番組のほうが、外来種よりも悪影響というのである。

 

熊森から

デイリー新潮さん、この問題を取り上げてくださって本当にありがとうございます。

岸由二先生、貴重なコメントをありがとうございます。

外来種根絶殺害は外来種根絶殺害原理主義者が環境省の官僚を動かして政策化したものと思われます。この機会に自然生態系とは何かがある程度分かっている多くの人達に様々な意見を出していただき、政策再検討がなされることを願います。今も、アライグマやヌートリアをはじめ、残酷なだけの外来種の無用の殺生が、私たちの税金を使って全国で展開されています。由々しきことです。

 

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