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カテゴリー「_八幡平クマ牧場」の記事一覧

本部 東北クマと森調査(3)岩手県・秋田県

8月23日

この日は秋田県入りです。ドライブウェイを通って、岩手県と秋田県にまたがる雄大な八幡平(はちまんたい。約4万ヘクタール。ほとんどが国有林)を抜けました。

八幡平は火山で奥羽山脈北部の山塊です。頂上部分が平らなため、平の名がついています。

ドライブウェイから見下ろした八幡平のシラビソ原生林
この世のものとは思えない美しさ

 

頂上まで道路がついているから、この雄大な景色を見ることができたのです。

しかし、景色を見れなくてもいいから、ここは人間が入れない聖域にすべきだと思いました。

 

9千~5千年前に発生した水蒸気爆発によりできた多くの火口に水が溜まり、いくつもの沼ができています。

地形的に人が近づくことができない熊沼もそのうちの一つ

 

山の中で工事用大型車両とすれ違いびっくりしました。何をしているのか見に行ったら、地熱発電工事でした。

2012年、環境省が国立公園内の地熱発電工事を許可したのです。ここではやめてほしいです。

景観台無し

 

熊森は、経営破たんした八幡平熊牧場に残されたクマたちを救うために、何度も八幡平を訪れました。

親しくなった地元ホテルの女将さんを訪ねて、毎年夏に現れるクマの情報などを聞き取りました。

今年は、夏らしい日が2日しかなかったと言われていました。

その後、ビジターセンターを訪ね、いろいろと教わりました。

ビジターセンター(建物は環境省だが、職員は民間)

 

驚いたことに、八幡平のクマの夏の主食は、ミズバショウの花の真ん中の黄色い部分なのだそうです。

 

八幡平を抜けてから、秋田県仙北市の今年のクマによる人身事故(死亡)現場に行きました。

この奥で、タケノコ採りの女性が、クマによる事故で死亡した

クマに人間が来たことを知らせるため、大声を出しました

 

死亡事故の後、山中に仕掛けられた2つの捕獲罠に2頭のクマがかかり、殺処分されました。

しかし、DNA鑑定の結果、この2頭のクマは事故とは無関係でした。

生息地内に罠を仕掛け、事故とは無関係のクマまで殺すなど、許されるものではありません。

仙北市を訴えたい思いで市役所を訪れ、担当者から詳しい話を聞き取りました。

 

この後、キュウリ、スイカ、モモ、リンゴなどを買い込んで、久し振りの出会いが大変楽しみな、北秋田市のくまくま園の救命グマたちに会いに行きました。

まず会ったのは、愛知県豊田市で捕獲されたツキノワグマの愛知と豊子です。どちらも元気でした。

今年、2頭の子を産んでいた豊子

 

当時、有害駆除されるところを助けた愛知県豊田市の行政の人達が、去年、愛知と豊子を見に来られたそうです。

なんだか心が温まりました。元気にしているかどうか、心配して見に来られたのでしょう。私たちと同じです。

 

飼育係の方は、40数頭いるツキノワグマの顔を全部覚えておられるということでびっくりしました。

どのクマとどのクマが気が合わないか等ずっと見て、クマに対応していると言われていました。

 

次はヒグマ園です。

ヒグマたちの救命に協力してくださったみなさんに代わって、安否を確認し、餌の差し入れをしてきました。

昨年1頭が亡くなりましたが、あとはみんな元気です。

オスとメスは1日おきに運動場に出してもらっているということです。

この日はメスの日で、9頭全部のメスが、運動場に出ていたようです。

 

どのヒグマものんびりと幸せそうにしていました。

顔の表情や動きを見て、みんな大事にしてもらっているのがわかりました。

ちょうど夕食の時間で、全員が個室に入りました。

檻の外からスイカをあげるには、小さく切らねばならないことがわかって、汗だくで切りました。

おいしそうに食べてもらって良かったです。

スイカの差し入れ

 

熊森は、これからもずっと救命グマたちを見守り続けたいと思います。

みなさんも是非、くまくま園を訪れてください。

 

8月24日は、東北森林管理署、秋田県庁自然保護課、岩手県庁自然保護課を順次訪れて話し込みました。

この4日間で学んだことを、今後の熊森活動に大いに生かしていきたいと思います。(完)

北秋田市の「熊森」と「くまくま園」ツアーの下見(1日目)

経営破たんした元秋田県八幡平クマ牧場に残されたクマたちは、熊森の運動もあって、秋田県に全頭救命していただき、現在、北秋田市立阿仁クマ牧場「くまくま園」で終生保護飼育されています。

2014年7月19日にオープンした「くまくま園」はこの度、無事1周年を迎えることができました。1年目は黒字経営だったそうで、よかったです。

 

熊森本部は、動物愛護の精神を日本人が思い起こすためのシンボルとしての「くまくま園」と、秋田のクマたちが棲む豊かな「熊森」をセットにしたツアーを企画していきたいと思っています。

この度、本部から会長をはじめとする10名、東京都支部・神奈川県支部から各1名、計12名でツアーの下見に出かけました。

 

7月18日(1日目)

関西組は、7:05大阪伊丹空港発。関東組は、8:55羽田空港発。10時半に秋田県大館能代空港にそろって到着。

マイクロバスに乗車し、現地の自然保護団体「冒険の鍵クーン」さんのガイドで、まず森吉山山麓高原に向かいました。

昼食後、青少年野外活動センターで、この辺りの森で自動撮影カメラで撮影されたクマたちの写真をいろいろ見せていただきました。

その後、実際にクマが撮影された自然豊かなブナ林を案内していただきました。

ガイドさんのお話によると、この時期は親離れをした若グマたちがいろんな場所を試しに歩く時期なので、一年で最もクマをよく見かけるそうです。

今にもそのあたりからクマが出てきそうで、どきどきしました。

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ガイドしてくださった方の説明がとてもすばらしかったです。ツアーの時もこの方にお願いしたいと、一同思いました。

 

 

午後4時に、この日の宿舎である打当温泉に着き、荷物を置いてから「くまくま園」に行きました。

この日は4頭のメスのヒグマが運動場に出してもらっていました。

このあと、全頭のヒグマが個室に入り、食事時間となりました。

どのヒグマも、ガツガツとうれしそうに食べていました。

飼育員さんによくなついて、甘えていました。

みんな元気そうで、いい表情をしていました。

 

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近くで見ると、やはりとても大きいです。

飼育員さんがヒグマたちに深い愛情を持って接してくださっているのが、よく伝わってきました。

日々のお世話、ほんとうにありがとうございます。

 

宿舎に帰って夕食後、入浴、マタギ資料館見学、交流会などを持ちました。

 

 

1月15日 元気で全頭冬ごもり中、元八幡平熊牧場のヒグマたち 秋田県阿仁「くまくま園」視察

秋田県北秋田市阿仁熊牧場は雪の中でした。

毎日、飼育担当者の方々が冬ごもり中のクマたちを見回ってくださっています。ヒグマ棟に行くまでは、毎日の雪掻きが大変です。

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冬ごもり棟の中は、暗かったです。

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私たちが飼育員の方達と入っていくと、ほとんどのヒグマはのっそりとうれしそうに起きてきました。そして、飼育員の方々の手の指をペチャペチャなめたりしてみんな心から甘えていました。ここで、どんなに愛情を持って大事に飼育してもらっているのか、ヒグマたちの行動でわかります。

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一瞬廊下の電気をつけてもらいました。

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入れてもらった藁を細かくして、みんな上手に寝床を作っていました。(少し下手なのもいる)

この写真ではわかりませんが、冬ごもり中も、いつでも水が飲めるようになっていました。

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18頭のヒグマたちを、ひとつの運動場に出すことの苦労を、係りの方々からいろいろ聞きました。聞けば聞くほど大変だなあと思いました。

ここのヒグマたちは、避妊や去勢を一切していませんから、まず、運動場にはオスとメスを分けて出さねばなりません。ここはヒグマを動物福祉に配慮して終生保護飼育するところで、繁殖は一切させないことになっています。

 

ヒグマには、オス同士メス同士であっても、相性の悪い者たちがいるそうです。ケンカして傷つけあうことがないように、慎重に観察してグループ分けし、運動場に出しているということでした。メスなら1回に6頭を運動場に出せるグループ作りができたと、係りの方が自慢されていました。

何と言っても、クマは元々、森の奥で一人ひっそりと暮らしている動物なので、そういう動物を集団で飼うこと自体が、クマにとってストレスなのではないかと、係りの方が心配されていました。

 

250キロもあるコディアックグマの太郎くんは、1頭だけで運動場に出すそうです。初めて出した日、運動場の真ん中に造られた木造のあずまやを、さっそくポカンやって壊したそうです。全部壊す気かと思われたのですが、それ以降はなぜか、運動場に出してもらっても、もう壊さないのだそうです。太郎は反省したのかもしれないということでした。

室谷タロー④

八幡平にいた時の太郎 

ビッグとその兄弟のサチコだけは、他のクマが怖いらしく、1年前に八幡平からここへ引っ越してきて以来、何回運動場に出そうとしても、自分の部屋から出ようとしないのだそうです。

大変慎重なビッグは、八幡平から引っ越すときも、どんなにおいしいえさを置いても最後まで移送檻に移ろうとせず、何日間も引っ越しを長引かせて担当者を泣かせました。

運動場に出るためには、他のクマたちの部屋の前を通らねばならないので、それが怖いらしいということでした。今年は何とか、運動場に順次出れるようにならしていくと、飼育員の方が言われていました。

 

今は冬で、ヒグマの個室は暗くしてありますが、春になると太陽がそれぞれの部屋に差し込んできます。個室でも結構快適に暮らせるように設計されています。

 

私たちは18頭全頭にあいさつして回りました。本当にみんな幸せそうでおだやかないい顔をしていました。

 

このクマたちの救命、終生保護飼育をめざして、当時寄付して下さった多くのみなさんをはじめ、応援して下さった多くの国内外の皆さんに、ここのクマさんに会いに来てやっていただきたいと思います。見ていると人間の方も幸せな気持ちになってきます。クマたちも落ち着いたようなので、見学ツアー企画も考えていこうと思いました。すぐ前の森吉山は、野生のクマたちに会える山です。自然の森とクマの両方を見てもらえればいいなと思います。

 

ツキノワグマたちの方は、集団冬ごもり中のため、今回は見に行きませんでした。

 

 

報道関係者に公開:北秋田市阿仁の新設ヒグマ舎「くまくま園」

 経営破綻した秋田県八幡平熊牧場に残されたツキノワグマとヒグマの終生保護飼育を受け入れてくださった阿仁熊牧場(北秋田市)は、新設のヒグマ舎を7月14日に報道関係者に公開しました。

 

施設設計にあたっては、熊森の提案もいれていただき、動物福祉に配慮したこれまでにない良い施設になっています。

 

以下の写真は、熊森スタッフのSさんが、先月の6月26日、急ピッチで工事が進む「くまくま園」を訪れた時の模様です。ヒグマ全頭が元気であることを確認してきてくれました。

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プールと運動場

 

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ヒグマ全頭の個室が並ぶ、明るく清潔な獣舎と、クマたちの運動の場にもなる廊下

 

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どのヒグマも、とてもおだやかないい表情で、飼育者に甘えていた。

 

7月19日にはオープニング記念式典が予定されており、熊森も招待されています。熊本県のPRキャラクター「くまモン」も午後1時にお目見えです。

 

7月15日のネットには、ヒグマたちが広々としたプールで水浴びをする動画をアップしているメディアもありますので、是非ごらんになってください。何回見ても、楽しい気分になります。https://www.youtube.com/watch?v=ab8LudGeHC8

 

阿仁熊牧場は、ツキノワグマ6頭も2012年に引き取ってくださっており、既存の施設で飼育、公開してくださっています。

 

 八幡平熊牧場での事故後、残されたクマたちは安楽死させるしかないだろうという声が渦巻く中、熊森が一大決意をして、残されたクマたちの全頭救命・終生保護飼育運動に立ち上がり、街頭に立ったり会員に呼びかけたりして、わずかの期間に1200万円を集めた時のことが、思い出されて感無量です。

 

 わたしたちをはじめ、生き物たちの命を大切に思う多くの人達たちの夢が実現できてうれしいです。それと共に、いきものたちに優しい対応をとってくださった秋田県に、感謝の気持ちでいっぱいです。


 
入場料は大人700円、中学生以下300円。連絡先は熊牧場を管理する同市の第三セクター、マタギの里観光開発0186(84)2612です。

八幡平クマ基金決算報告と阿仁クマ牧場ヒグマ舎オープニング

八幡平熊牧場で飼われていたヒグマたちは、北秋田市阿仁に新しく建設された動物福祉型施設に今年1月全頭移送され、終生保護飼育されることになりました。

 

4月12日に、阿仁熊牧場のツキノワグマが冬眠明けに大量に死亡するという悲しいニュースがありましたが、新施設に収容されているヒグマたちは全頭元気です。

ヒ グマ舎の運動場造成工事は、作業員が思うように確保できなかったということで、かなり遅れておりました。除雪車で雪を除去しながら、運動場造成工事を 進めていただいたようです。ヒグマたちが運動場に出られるのは7月のはじめとなるそうですが、それまでは、ヒグマたちの運動不足を少しでも解消でき るように、獣舎の廊下に順次出すなどの工夫がなされるということです。

ヒグマ舎と19頭のヒグマたちは、2014年7月19日より一般公開されます。7月19日~21日の3日間がオープニング期間です。セレモニーと記念イベントが19日午前10時から予定されています。秋田大陸縦貫鉄道は、この日に合わせてイベント列車を走らせるということです。多くのみなさんに、救命 された熊たちに会いに、阿仁を訪れていただき たいと願っています。

 

 

オープニングセレモニーなどについては、阿仁クマ牧場公式ホームページ

http://mataginosato.web.fc2.com/index.htmlを参照ください。

 

 

 

なお、八幡平クマ救命委員会のウェブサイト

http://lifesaving.hatimanbears.org/

は役割を終えましたので、本年7月19日でサイトを閉じさせていただきます。これまでのご支援ありがとうございました。

経 営破綻した熊牧場に残された熊たちを、全頭救命し、動物福祉型新施設を建設して全頭終生保護飼育をするという秋田県の試みは、世界の動物保護史上に残る快 挙です。人類が、人間中心主義という間違った思想から脱するためにも、メディアの皆さんはぜひ、秋田県のやさしい取り組みを、世界に発信してください。

 

 

4月27日くまもり全国大会には八幡平クマ牧場元経営者の長崎氏が来られ、募金してくださった皆さまと募金の発起人になった熊森協会にお礼の言葉を述べられました。

挨拶感謝の意を述べる長崎氏

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下に、基金の収支をご報告致します。

<収入の部>

寄付             12,699,691円(2014年4月2日現在)
預金利息                1,667円
収入計:                    12,701,358円

 

 

 

<支出の部>

八幡平熊牧場獣舎設備補修および重機修理等  3,995,821円
八幡平熊牧場運営管理費                      3,615,179円
阿仁熊牧場支援金                            1,650,000円
調査記録費                                   840,000円
エサ代                                     476,083円
渉外費                                     271,601円
その他                                        52,766円
支出計:                                              10,901,450円

 

残金:(2014年4月2日現在)            1,799,908円

 

残金は阿仁の新施設展示場等の充実などに使わせていただきます。

八幡平クマ牧場クマ基金にご寄付いただいたみなさん、これまでのご支援本当にありがとうございました。
口座は閉めましたので、今後は振り込みはできませんのでお気を付けください。

ツキノワグマ26頭、秋田県阿仁牧場でナゾの大量死 繁殖中止の改善策があったばかり 

秋田県北秋田市の阿仁熊牧場で3月19日から4月3日にかけ、飼育していたツキノワグマ26頭(メス19頭、オス7頭)が相次いで死んだというニュースには、熊森も大きなショックを受けました。

 大半の死因は不明で、管理する北秋田市は北海道大学の専門獣医などにも来てもらい、調査を進めているところだということです。解剖して内臓などを調べたり細菌検査をしてみたりしたが、今のところ異常は見られず、わけがわからないそうです。

 担当者に聞くと、毎日見回りして下さっているので、すぐに異常を発見できたようですが、原因がわからずうまく手当てができなかったということです。自然界では、1頭ずつひっそりと離れて暮らしているクマという動物を、狭い所で多頭飼育することには、無理があるのかもしれません。

 

 

熊森としては、それでなくともツキノワグマの多頭飼育を行っている阿仁熊牧場が、客寄せのために毎年何頭かの子熊を産ませていることを知って、これ以上増やさないようにとお願いしてきました。熊森がお世話している24歳と25歳のクマたちは、子熊でなくても十分人を引き付けるというお話をさせていただいたことによって、阿仁熊牧場は今春の子グマ出産をゼロにされました。

 

八幡平熊牧場から去年の年末と年始に阿仁の新しくできた終生保護施設に移送したヒグマたちは、全員が元気だということです。現在、除雪をしながら、運動場造成の工事が始まっており、7月19日20日21日と、開園行事が予定されています。

 

阿仁熊牧場としても、お祝いムード一色で開園したかったでしょうが、こんなことになってしまって苦しいところでしょう。しかし、隠さずに正直に死亡事実を発表されたことはよかったと思います。これによって、長い目で見れば、国民の信頼を得られると思います。

1日も早く原因が究明され、二度とこのようなことが起きないようになることを願います。

尚2010年に愛知県豊田市で有害捕獲され八幡平熊牧場にもらわれ、1昨年阿仁に移送されたアイチとトヨコのメス2頭は、生き残れたそうです。熊森としては、今回、原因不明でなくなった多くのクマさんたちの冥福を祈りたいと思います。

 

 

 

 

 

秋田県阿仁クマ牧場、新名称案

第3回阿仁クマ牧場利活用推進協議会が秋田市で開かれました。

 

八幡平クマ牧場に残されたクマたちをずっとお世話してきてくださった秋田県庁担当者のみなさんと北秋田市担当者のみなさんが、会議の準備をしてくださいました。協議会委員は今回も全委員が出席です。関係者の皆さんの思いの強さが伝わってきます。

 

秋田県阿仁は不便な場所ではありますが、その代わり、森吉山を初め周囲には、豊かな自然、野生のクマたちが棲む深い森がたっぷりと残っています。マタギのみなさんに森を案内していただくことも可能です。

 

絵葉書のように美しい森吉山 2012年5月撮影

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日本中から世界中から、多くのみなさんに新施設を訪れてもらうにはどうしたらいいか。新施設のコンセプトを何にするかなど、みんなで意見を出し合いました。司会は秋田市大森山動物園の園長さんです。毎度のことながら、時間内に、見事にみんなの意見をまとめていかれます。きっと、熟慮に熟慮を重ねた上、出席されているからでしょう。

 

この会議の席上、阿仁クマ牧場は、新しくできたヒグマ園共々、クマの終生保護施設であるので、この際、阿仁クマ牧場という名前を、ここはクマの保護施設であることが誰にでも伝わるような名前に変えようという話になりました。熊森も委員として新名称を考えたのですが、なかなかいい名前が浮かびません。

 

みなさんも阿仁クマ牧場の新名称を考えてみていただけませんか。

元八幡平クマ牧場のクマたち、全頭元気  阿仁でゆったりと冬籠り中

秋田県が主催する会議に出席するため秋田を訪れるついでに、年末から新年にかけて、元八幡平クマ牧場から阿仁に移送され、只今冬籠り中というヒグマたちに、会いにいってきました。

 

飛行場の除雪が間に合わず、飛行機は秋田空港の上空で約1時間旋回。地上の気温はマイナス5度。

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阿仁クマ牧場に到着。天候は雪。(写真は、阿仁クマ牧場の入り口付近)

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この雪では、春になるまで、獣舎の外壁塗りはできそうもありません。よって、新獣舎の足場は、今もまだ外せないでいます。

 

獣舎の中に入り、クマたちの冬籠り個室が並ぶ廊下に立ちました。中は暗くて、静かです。

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クマの冬籠りというのは、完全に寝ているわけではないので、懐中電灯で照らすと、ほとんどのクマたちが起きてきて、「なあに?」と、うれしそうな顔をして飼育員に寄ってきます。どのクマも、本当に穏やかで人懐っこく、いい顔をしていました。毎日、飼育員が健康チェックをして、クマたちを見守ってくださっています。

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どのヒグマも、入れてもらった藁を細かく砕いて、自分で上手にベッドを作っていました。誰も教えないのに、どうしてこんなことができるのか、本当に不思議です。

 

よく取っ組み合いをしていた2頭のメスの姉妹子熊を、隣り合わせの部屋に分けて入れたところ、さびしがって1日中、仕切りの鉄格子に 2頭がしがみついていたということです。仕切りの鉄格子を外してやると、2頭は1つの部屋に入って1日中くっついて離れなかったということです。初めての冬籠りも、2頭仲良くくっついて一緒にしていました。

 

案の定、せっかく木をくりぬいて作ってもらった自然派水入れは、クマにかじられて、用をなさなくなっていました。(そのため、水入れは金属製に取り変えられていました)

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クマたちは、清潔な獣舎で、愛情深い飼育員さんに見守られて、全頭元気にしていることを確認してきました。

 

八幡平クマ牧場に残されたクマたち全頭が終生保護飼育してもらえるよう支援してくださったみなさん、毎日お世話してくださっているみなさん、ほんとうにありがとうございます。

 

今年7月には、土の運動場も完成して、全頭初公開される予定です。その時は、どうぞ、会いにきてやってください。事件当時と比べると、どのクマも、今ではすっかり表情もおだやかになっており、本当に愛らしいですよ。

 

祝  最後のヒグマ、ビッグ無事、阿仁クマ牧場新施設へ 八幡平ヒグマ全頭無事故で移送完了 1月8日

●<秋田県八幡平クマ牧場ヒグマの、阿仁移送に関する報告>

 

最後まで移送用檻に入ってくれず、八幡平クマ牧場の関係者の皆さんをてこずらせていたビッグですが、おかげさまで1月8日、無事、移送できたということです。

 

昨年12月下旬、食べ物を入れた檻を獣舎にドッキングさせて、八幡平クマ牧場最後の1頭となったビッグが檻の中に入ってくれるよう、スタッフの皆さんは何度も試みてくださいました。

しかし、賢いビッグは用心して、後ろ足を獣舎の餌箱固定金棒に引っかけて、全身と腕を思い切り伸ばして檻内の食べ物を取って食べ、全身が檻に入らないようにします。

そこで、年末の12月30日に、ビッグが足を引っかけられないように、県庁職員さんが獣舎の横金棒を切り取ったところ、ビッグは、檻にすっぽり入ってくれました。フーッ。

 

さて、そこからがまた大変です。次回移送予定日は、お正月明けの1月8日なのです。それまで八幡平クマ牧場の移送檻内で元気に生きていてもらわねばなりません。

関係者の皆さんで、檻の周りに風が入らないようにべニア板を張り、ブルーシートもかけて、藁も入れました。

元八幡平クマ牧場経営者の長崎さんや県庁職員さんら関係者の皆さんは、大変な積雪の中、冬休み中も毎日、吹雪にもめげず、入れ代わり立ち代わり、遠くて不便な八幡平まで、ビッグのために水と餌やりに通ってくださいました。移送檻内に藁を入れてやったためか、檻の中はビッグの体温で温かくなっていたそうです。

 

1月8日当日、ビッグは、阿仁クマ牧場に着くと、今度は自らさっさと歩いて出て、あきれ返る人たちをしり目に、自分の新築冬籠り室にスポッと入ったということです。かくして、全頭移送、無事終了。

 

年末までに移動を終えていたヒグマ先発隊18頭は、みんな元気で、うとうとし始めているとのことです。初の冬ごもりとなるかどうか、今後の報告を待ちたいと思います。

 

それにしても、大変な積雪の中、19頭のヒグマ全頭を、阿仁クマ牧場新施設まで、完全無事故で移送し終えた、長崎さんや秋田県庁職員及び関係者の皆さんの技術の高さには感服させられました。

 

全員が心を一つにして、雪の中、無事故を決意し、真剣勝負の移送を遂行されたということです。

 

1年8か月の長きにわたって、壊れそうな老朽獣舎の中で27頭のクマたちの命を預かり、無事、新施設に送り届けるまでお世話してくださった皆さんのご苦労はどれほどのものだったろうかと思うと、頭が下がると同時に感謝でいっぱいです。

関係者の皆さん、本当にありがとうございました。

 

また、クマたちがこのような幸せな結末を迎えられたのは、「八幡平クマ牧場クマ基金」を始め、全国の団体や個人からの支援があったからで、これらがなければ、全頭の命を救うことなど不可能だったと、長崎さんの弁です。

ご協力くださった皆さん、本当にありがとうございました。やりましたね。

これで、「八幡平クマ牧場クマ基金」の会計報告は、近いうちに出せます。今、しばらくお待ちください。

 

<メディアの皆さんへ>

1年8か月前、死者2名射殺熊6頭の痛ましい事件と、残されたクマたちがどうなるのかという報道が当時、全国ネットで大々的になされました。

多くの人たちが胸を痛めたままになっていますから、ぜひ、秋田県知事をはじめ秋田のみなさんのやさしい対応によるハッピーエンドを、国民の皆さんに、報道してあげてください。

 

 

 

 

 

(速報8)12月27日阿仁熊牧場へ18頭目のヒグマを移送、残り1頭に

とりあえず、ウメコは阿仁へ

 

(以下、2013年12月28日  読売新聞より)

 

移送用のおりに入って、新しい飼育舎に到着した18頭目のヒグマ(27日、北秋田市の阿仁熊牧場で)

北秋田市の「阿仁熊牧場」に27日、廃業した鹿角市の「秋田八幡平クマ牧場」から雌のヒグマ1頭が移送され、これで計18頭が新しい飼育舎に収容された。

移送は16~25日の予定だったが、警戒心が強く、搬送用のおりに入らない雄が1頭まだ残っており、県などは引き続き移送を試みている。

秋田八幡平クマ牧場では昨年4月、ヒグマ6頭が脱走し、女性従業員2人が襲われて死亡した。ヒグマの処分が検討され、県が阿仁熊牧場に約3億3000万円を補助して運動場や飼育舎などを新設し、雌12頭、雄7頭の移送が決まった。

両牧場間は約120キロあり、トラックで片道約3時間。ヒグマのおりはクレーンで飼育舎に運ばれた。

県などによると、ヒグマは1頭ずつ、基本的に縦2・4メートル、横3・0メートルのコンクリートの部屋に入れて環境に慣れさせている。落ち着いた様子で、食欲なども大きな変化はないという。

フィード

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