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7月6日 札幌市長に、人とヒグマが共存するための提言を提出後、札幌市役所で記者会見

札幌市でのヒグマ駆除は、例年、0頭~1頭程度でしたが、昨年度は7頭という、大量駆除となりました。(北海道全体では、714頭の大量駆除が行われました。生息推定数2000頭~3000頭)

また、今年4月20に、札幌市南区で山菜を食んでいただけの、何の危険性もない若グマが射殺される様子が、映像として全国に流されました。札幌市のクマ対応に危機感を感じた森山会長とヒグマ研究歴43年の顧問、門崎允昭農学博士は、札幌市市長に、「ヒグマ対応は、非捕殺で行うべきである」などの申し入れを行うことにしました。

この日は残念ながら札幌市長さんにはお会いできませんでしたが、環境局みどりの推進部クマ対策調整係などの担当部署係官の方々に、1時間とっていただき、

①ヒグマの駆除をやめること。

②住宅地と林の境に柵を設置すること。

③ヒグマに対する正しい知識を啓蒙することの3つを、申し入れることができました。

担当者の方々は、ヒグマが何頭いるのか、増えているのか減っているのかなどに関心を持たれていましたが、当協会としては、「何頭いたっていいではないか。人間がいくらがんばっても正確な生息数の把握など不可能だ。絶妙のバランスの上に成り立っている野生に、人は手を入れるべきではない。他生物の生命も尊重されるべきだ」という考えを示しました。

 

この後、札幌市役所記者クラブで、記者会見を行いました。多くの記者さんが来てくださいました。無理もないことですが、ヒグマがどのような動物であるか、ご存知でない方がほとんどでした。

 

ヒグマの食性は植物中心・・・ヒグマの食性はふつう98%が植物で、残り2%はアリやザリガニなどです。ほぼ、ベジタリアンといえます。サケなどの魚は好きですが、人間がダムを多く造ったため、今や、北海道でサケが上がって来る川は2本しか残されていません。冬ごもり前にサケを食べられるヒグマは、特別の幸せなヒグマだけです。近年、エゾシカの駆除や狩猟が多くなり、放置された死体をヒグマが食べている光景が見られるようになってきました。人間がヒグマの食性を変えていっているのです。

 

ヒグマは人を襲わない・・・マスコミ報道によって、「ヒグマは人を襲う」と誤解している方が多くいます。もし、ヒグマが人を襲う動物であるなら、毎年、全道で大量の死者が出るでしょう。その気になれば、ヒグマはいくらでも人を殺せます。しかし、ヒグマには、人を襲う習性はありません。自分や子供たちを守ろうとして、人間に向かうことがほとんどですから、人間側が正しい対応策をとれば、人身事故は限りなく減るでしょう。

 

記者さんには、事象だけ報道するのではなく、原因や対策まで書いていただくことをお願いしました。札幌では今も、山林開発が続いており、宅地が造成されていっています。ヒグマは移動するしかありません。この現実を伝えずに、ヒグマの目撃数が増えたということだけを報道すれば、国民は、ヒグマに対して悪感情を持つだけです。

 

人と動物の両方の言い分が分かるような公平な記事を書いてくださるよう、お願いしてきました。今後に、期待したいです。

貴重な時間をとってくださったみなさんに、心から感謝申し上げます。

 

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