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どうすれば、人里の柿の木にクマが来ないようになるのか

今年の秋のクマの目撃数は、ありえないまでの山の実り大凶作年だった2004年、2006年、2010年と比べると桁違いにぐんと少ないものの、目撃報告はそれなりにあります。そのほとんどが、人里の柿の実を狙ってやってきたものです。

 

最近、人に聞いたのですが、クマが来ないように柿の木を伐ってしまようにと行政の方から指導されたある地元の方が、「柿の木は伐りたくない。クマの方を殺してくれ」と言ったのだそうです。昔、山にたくさん山柿の巨木があったと聞いています。この方は、それらを全部伐って、人間がスギやヒノキに植え替えたことをご存じないのではないかと思いました。知れば、そんなことは言えなくなると思います。

 

野生鳥獣に、人間が壊したかれらの餌場やねぐらを返してやることが、一番の解決策でしょう。しかし、残念ながら、今のところ、平成の日本で、このような活動に取り組んでいるところは、皆無に近いです。

 

野生鳥獣の棲める森を壊すのは一瞬ですが、復元するのは気が遠くなるほどの年月がかかります。それまでの間、クマが人里に来ないように防除対策をとるのが、2番目に必要なことでしょう。

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どうしたら、クマを防除できるのでしょうか。熊森協会は何度も地元に出向き、地元の人たちと共に考えています。

①電気柵、②金網柵、③柿の幹にクマが登れないよう、トタンをまく。④柿の木の枝を剪定して、実を除去し、クマがいてもいい奥地に、獲った柿の実を運ぶ。⑤クマを見かけたら犬などを使って、徹底的に追い払う。⑥犬のふんやニコチンのにおいなど、クマが嫌がるものを柿の木の周りに置く。・・・ケースバイケースですが、いろいろと実験していきたいと思います。

 

都会の人たちの中には、地元の人たちに任せておけばいいという人たちもいますが、実際、地元は、過疎化高齢化が進み、取り組みが困難になっています。地元の過疎化高齢化の上に、都市の繁栄があることを思うと、都市市民が知らんふりしていてはならないと、私たちは考えます。同じ国民同士、助け合うべきだろうと思うのです。行政に任せたらいいという人もいますが、一番簡単な解決法、「クマを殺害する」になってしまうのであれば、困ります。

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