くまもりNews
クマの有害捕獲は、3年前から、原則殺処分に変更されました(兵庫県)・・・誘因物を山に運び、クマを捕獲しないことが、今、保護に必要
- 2013-12-15 (日)
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12月13日夜、兵庫県の丹波県民局(0795-73-3795)管内で、クマの捕獲わなが設置されたという情報を得ました。
かつて兵庫県は、クマ保護日本一の先進県でしたが、残念ながら、3年前から、クマ保護体制は、かなり弱まってしまいました。十分に生息数が回復したから、もう、そこまで保護しなくても良いという考えの人たちが、今は県行政を動かしているように見えます。
そのため、兵庫県版レッドリスト(絶滅危惧種)のAランクに指定されていた兵庫県ツキノワグマですが、平成23年度には、Bランク指定に落とされてしまいました。絶滅危惧種であることには、現在も変わりがありませんが。
そして、有害捕獲に関しても、これまでのように、山奥に学習放獣して命を助けたりせず、残念ながら、原則、捕獲=殺処分すると変更されてしまったのです。
クマが増えたか減ったかは、一般に思う以上に判定は難しく、人間にはわからないことだらけなのです。ただし、動物たちの棲めない人工林を奥山に造り過ぎて放置し、荒廃させたままであることを思うと、クマが安定して生息できるような県になったとは、私たちには到底思えません。
どちらにしても、絶滅危惧種なのですから、奥山生息地を復元し続けると同時に、人間側の努力で、クマを捕獲しないですむようにしていかなければ、豊かな森づくりの名人であるクマを、この国に残すことはできません。
このような努力を、地元の方たちだけに押し付けるのではなく、豊かな自然から得られる、水・酸素・農作物などをいただいている都市市民も、お金や力を提供すべきであるというのが、私たちの考えです。
冒頭のクマ捕獲わなが設置された集落では、夜、民家の庭に残されたカキの実を狙って、クマが出て来ており、困り果てた末に、行政に、クマを捕獲してもらうことにしたということです。しかし、兵庫県のクマ対応基準が、3年前から変更されたことはご存じではなく、捕獲されたクマさんは、山奥に放してやってもらえるのだという認識でした。
丹波県民局に捕獲中止をお願いしようと思ったのですが、運悪く土日で、連絡が取れません。とりあえずクマが出てこないように、集落の柿の実を取って、山へ持って行けないか。地元自治会でも、柿の実取りを呼びかけているが、なかなか思うように進んでいないということのようだったので、私たちが手伝えばいいのではないか。夜の急な呼びかけにもかかわらず、地元町の人たちも含め、13人が現地に駆け付けてくださいました。
当日現地に急遽集合。本部は、柿もぎ用道具を用意。
集落に残された柿の実取りを、手伝おうと思ったのですが、これまでつながりがあった町でもないので(これまでクマなど出たことがない集落だそうです)、みんなで行ってみたものの、残念ながら、柿もぎはできませんでした。
今でも熊森本部は連日フル回転で活動していますが、もっともっと会を大きくして、ふだんからもっと多くの地元とつながっておくようにしないと、こんな時うまくいかないとつくづく思いました。
遠く、滋賀県や姫路からも駆けつけてくださった方がいました。みなさん、ありがとうございました。
本部は、12月16日(月)になったら、県民局に電話して、交渉してみます。人間にとって命が一番大切なように、動物にとっても、命が一番大切なのです。