くまもりHOMEへ

くまもりNews

徹底したシシ垣で防除 シカやイノシシを殺すことなく共存していた祖先を、誇りに思う

滋賀県ご出身の奈良大学高橋春成教授の本「人と生き物の地理」を読みました。滋賀県の人達をはじめ、祖先がどうやって大型野生動物たちとこの国で共存してきたのかがわかります。

s-1102883530_main_l

祖先は、万里の長城顔負けの徹底したシシ垣を、集落の至る所に張りめぐらせていました。野生動物を殺すのではなく、野生動物と棲み分けて共存するための人間の工夫や知恵でいっぱいでした。昔、機械もない時に、これだけのシシ垣を造るのにどれだけの労力を要したか、想像しただけで頭が下がります。農村地帯に、それだけの人力もあったのでしょう。

 

「蚊やり」を、思い出しました。蚊でさえも、祖先は殺さずに、向こうに追いやって、それで良しとしたのです。何とやさしい文化でしょうか。私たちが誇るべき、日本文化です。祖先と言っても、戦争に負けて、日本が人間至上主義の自然破壊型西洋文明に染まる前、高々数十年前の事です。

 

しかし残念ながら、戦後の宅地開発や国土総合開発などで、現在、多くのシシ垣は取り壊されてしまいました。最近は、金網型の平成のシシ垣がどんどんと農村地帯に張り巡らされています。景観上悪いかもしれませんが、大型野生動物たちと共存するには、この様な徹底した防除柵が必要であることを、今も残る数々のシシ垣の遺構から、祖先が教えてくれています。

 

高橋先生は、以下のような本も書かれています。

s-guruguru_9784772210584

高橋先生の本を読んで、生き物たちの生命を尊重するやさしい心に触れ、うれしくなりました。

フィード

Return to page top