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2月15日くまもりが、京都府<クマ捕殺・誤捕獲>現場を調査、現地行政担当者に会い改善策を訴える

この日、わたしたちは早朝兵庫県を出発し、京都府の<クマ捕殺・誤捕獲>多発現場へ出かけた。例年なら2月は雪で埋まっている地域だが、異常暖冬の今年は積雪がない。寒波の襲来で雪がちらつく中、現地調査をして回った。

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柿に来たクマを捕殺した集落

山すそには、金網柵が張り巡らされていた。シカ・イノシシは金網で防げたかもしれないが、クマは柵を乗り越えて柿の木に来たのだろう。この地域の山はどこも低く、真冬でも緑の葉が付いた常緑広葉樹で覆われていた。こんなところにクマなどすんでいるのだろうかと思うが、集落外れの柿の木は、どれもクマが木に登った跡の爪痕でいっぱいだった。

 

 

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くくり罠によるクマ誤捕獲多発地

横の田んぼには、一面に電気柵が張られていた。どこが獣道かは、動物たちの足跡ですぐわかった。この日は狩猟期なので、許可されているくくり罠の直径は主に12センチのはずだが、罠が全く見あたらなかった。

 

 

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電気柵が張り巡らされた山の中の果樹園  

野生動物たちの生息地である自然の山中があちこち切り開かれ、小さな果樹園が点在していた。野生動物たちに、人間の作物と自然の実りが区別できるだろうか。蜂蜜の入ったクマ捕獲罠は、果樹園の外に置くそうだ。

 

まだまだ不完全と言われながらも、京都府では、金網柵や電気柵が防除に多用されていた。しかし、この程度では被害が防止できないのだろう。もっと抜本的に、人と動物が棲み分けられる山づくりをしなければならない。私たちが見たところでは、近隣県の野生動物被害に悩む集落と、どこも同じような状況だった。戦後の林野庁の森林政策の失敗で、動物被害が増大するようになり、地元はみんな困っているのだ。こんなことになったのは、野生動物たちの生息地破壊に声を上げなかった全国民の責任でもある。

 

現場の行政担当者らに会い訴える

午後からは、アポを取っておいたA市とX振興局の行政担当者に別々に会いに行った。彼らは、人間の方が大事であり、地元には「クマ殺せ」の声しかないとして、クマの殺処分と誤捕獲の多発に何の疑問も持っておられなかった。くまもりとしては、彼らに届いている情報があまりにも目の前の事だけ、人間の事だけで、情報不足を感じた。これからの時代は、行政も人間の事だけを考えるのではなく、全ての生き物との共存策を強力に推進していくべきだ。そうしないと、人間は、かけがえのない自然や水源を失ってしまうと、くまもりは訴えた。

 

行政がまず取り組むべきは防除と生息地の復元である。最近は自然林も劣化が激しく、人工林の中と同様、野生動物の餌場がないことをくまもりは伝えた。

 

京都府がくくり罠の12センチ規制を外したことによって、これだけのクマ大量誤捕獲が起きることが証明されたのであるから、京都府も、12センチ規制を守るべき。クマを同じところで何度も有害捕殺したり誤捕獲したりしているのは、保護対策をなおざりにしている結果であり、大いに反省と改善を望みたい。

 

野生動物たちの生息数が爆発増加しているので大量捕殺すればよいという保護管理派研究者たちの単純な理論を鵜呑みにしないでほしい。くまもりは、クマ・サル・シカ・イノシシ・・・野生動物の大量捕殺対応の誤りに気づいてもらいたくて、全く違う角度から鳥獣被害問題を見ている画期的な研究者の論文を最後に提示した。行政のみなさんは、殺しても殺してもシカが減らない。よけいに増えたような気がすると言われていたが、この論文を読んでくださったなら、どうしてそうなるのか、自然界の仕組みが目からうろこでわかるのではないか。

 

来春からは、関西広域連合でクマ対応にあたる話も出ているということだった。今後、京都府でまずクマから、保護対策が進むかどうか注目していきたい。

 

 

 

 

 

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