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新本紹介 「リニア中央新幹線に未来はあるか」西川榮一著 

 

JR東海主張<リニアによって二酸化炭素排出量は増えない>のからくりを知りずっこける

先日の大阪でのリニア学習会場で、今年2月に出版されたばかりの本を買いました。神戸商船大学名誉教授西川榮一氏(交通機関工学)が、大阪のある市民団体から依頼を受けて執筆されたものです。

「リニア中央新幹...」の画像検索結果

 

さっそく読ませていただきました。西川先生は、機械工学や交通機関工学がご専門なので、その角度からリニアを論じておられ、これまで読んできた本とはまた別の視点でおもしろかったです。

【西川先生の結論】

スピードアップするとエネルギー使用量は増加し、輸送コストも増え、システムは巨大化し、安全リスクは大きくなる。リニアは、JR東海や国交省など、推進側の一方的な審議しか受けていない。(今からでも遅くない)リニアは、環境や安全を主務とした社会全体の立場に立つ独立した第三機関による審査を受ける必要がある。今や、交通輸送、産業活動、人間活動の最上位にある地球環境の評価基準が最優先されねばならない時代である。

 

(くまもりから)大阪の市民団体がお願いしただけで、リニアのことを調べて本にしてあげようと思ってくださる研究者がこの国におられたなんて、感激です。

 

この本によって、JR東海の主張の問題点がさらにわかってきました。以下は、その一例です。

2045年、リニア全線開通しても東京ー大阪間の旅客輸送によって排出される二酸化炭素総量は増えない <JR東海>

(Q リニアは、新幹線の5倍のエネルギーを消費すると言われているのに、なぜ二酸化炭素総量が増えないのか)

 <JR東海側の言い分>

リニアを導入しなかった場合の排出される二酸化炭素総量(飛行機、新幹線、車、バス)・・・合計43万トン

リニアを導入した場合の排出される二酸化炭素総量(リニア、新幹線、車、バス)・・・合計43万トン

 <西川氏の反論>

飛行機の燃料使用量は多くて、現東海道新幹線の5倍です。JR東海の試算では、2045年、リニアを導入した場合の飛行機の使用量がよく見るとゼロになっています。東京ー大阪間が67分で行けるようになったら、飛行機利用者がいなくなってしまうという身勝手な前提のもとに作られた予測のようですが、そうなることはありえないと思われます。

 

 くまもりから

JR東海の国民をだますような説明は許せないと思いました。一度なくした信用は、元に戻らないことを知るべきです。

 

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