くまもりNews
かわいそうと思う心をとりもどそう 島牧村 罠の中でおとなしくしているヒグマを山に運び射殺
9月になって北海道島牧村に連日出没していたヒグマが箱罠にかかり、9月30日、罠ごとトレーラーで山に運ばれて射殺されました。
せっかく山まで運んだのなら、射殺ではなく放獣してやれなかったのでしょうか。
体長約170センチ、体重100キロの4歳から5歳くらいの雄グマだったそうです。
写真は、北海道新聞デジタル版より
熊森から
私は、このヒグマの目と顔が、脳裏に焼き付いて離れません。
人間を疑うことを知らない、すごく性格の良いクマだったように思います。
港に出て来て船の中の魚を食べたり、夜中に集落をはいかいしたりしたのは確かにいけなかったと思います。
ヒグマがうろつくことによって、人身事故が起きるのではないかと心配された方も多いと思います。
しかし、殺してしまう前に、人間の所に出てきてはいけないと、このヒグマに教育することはできなかったのでしょうか。
以前、地元のガイドが、ヒグマは人間より大きいので、人間を見るとかわいいと思って寄ってくる傾向があるので困りますと言われていました。
このヒグマも、人間という動物に、良い感情を持っていたのだと思います。
殺すなんてかわいそうという人はいなかったのでしょうか。
日本社会は、かわいそうという感情を、もう一度取り戻さなければならないと思います。
それは他生物の為でもありますが、とりもなおさずわれら人間の為でもあるのです。
船の魚を食べられるなどして、漁民のみなさんは腹が立ったと思います。
しかし、海に魚が豊かに存在するのは、奥に豊かな森があるからです。
その豊かな森を造っている生き物の一つが、ヒグマです。
人とヒグマは、持ちつ持たれつなのです。
まして、ヒグマは先住民です。
殺さない共存方法を探ってこそはじめて、人間は生態系の頂点に立つ資格があります。