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10月23日予定の広島県クマ生息地ツアーの下見

10月22日(土)日本熊森協会は広島市でくまもりカフェを予定しています。

翌日23日(日)は、広島県のクマ生息地ツアーです。

長年広島の奧山を見て来られた広島在住の広島フィールドミュージアム金井塚務先生の解説付きです。

レンタカーに同乗される方は、広島駅前ホテルグランピア午前8時集合。費用おひとり2000円。

自車参加の方は、中国自動車道吉和インター道の駅9:40集合です。

悪路に付き、自車参加の場合はそれ用の車でご参加ください。普通の乗用車では無理です。

お申し込みは

TEL:0798-22-4190

メール:contact@kumamori.org

 

9月25日、当日案内してくださると金井塚先生と熊森本部職員2名で下見に行ってきました。

最初、細見谷を予定していたのですが、道があちこちで崩れておりとても車では入れないことがわかりました。

予定を変更して、臥竜山(芸北町)方面に向かいました。

西中国山地の冷温帯林は、林床には背丈の高いササ、順に低木、中高木、高木、林冠と、森の階層構造がしっかり見ることができます。林冠層はブナやトチの巨木が優占し、それらには洞ができています。

同じブナ帯であっても、東中国山地の冷温帯林では、もはや林床のササや低木層はなく、高木層しかありません。

東西300㎞にわたる、中国山地。同じ気候帯で、新第三期の造山運動で形成された同じ山地であるのに、植生環境は今や西と東で大きく異なってしまっています。

西中国山地の冷温帯林(ブナ帯 標高約1140m 2022.9.25撮影)

まるで25年前の東中国山地の森です。

 

今の東中国山地の冷温帯林(ブナ帯、標高約1100m 2021.8.19撮影)

 

この日、広島の奥山では、クマの真新しい生息痕跡がいくつも見られました。

さっきまでクマがここにいたのかなと思わる場所もありました。

この地域は、豊かな森が残っているだけではなく、湿地や渓谷など多様な地形環境があり、さまざまな野生動物たちの生息が可能です。

 

 

西中国山地がうらやましくなりましたが、金井塚先生に言わせると、西中国山地の森も劣化の一途をたどっているということです。

原因の一つは、再生可能エネルギーによる森林破壊です。

広島県の奧山で、以前、風力発電事業計画が持ち上がりましたが、広島県民の反対の声が強くて、業者は設置場所を島根県太田市に変更しました。島根県側では風車建設工事が始まっており、最奥地のクマ生息地がすでにズタズタに伐り開かれていました。再生可能エネルギーによる森林破壊は、住民や首長が反対の強い声を上げないと業者の計画を止められません。一刻も早い国の法規制を望みます。

 

ズタズタにされてしまった島根県最奥地のクマ生息地(太田市)

手前道路は、風車運搬用道路で、ただいま工事中

 

 

広島県の住民は、新たな風発事業者がやってこないように、今も当時の風発反対看板を立てたままにしています。

広島芸北町の風発反対看板 住民全員が山での風発に反対した

 

当日は、学びの多いツアーとなるはずです。

野生動物たちとの共存の第一歩は、まず生息地を見ることから。

みなさん10月23日、広島クマ生息地ツアーに奮ってご参加ください。(完)

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