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新潟県クマ目撃地点痕跡調査

クマの痕跡を追う

3月19日、新潟県村上市内のクマ目撃地点でクマの痕跡調査を行いました。場所は高速道路の法面と河川敷の2か所です。

どのような場所でクマが目撃されたのかを調べることによって、移動経路や行動範囲を予測し、被害対策で役立てることができます。

 

高速道路法面が夜間の移動経路になっている?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高速道路の法面

 

昨年、この高速道路付近で実際にクマが目撃されました。3月の時点では植物が枯れているので見通しが効きますが、暖かくなって葉が生い茂ってくると動物が隠れやすくなると考えられます。藪のように植物が繁茂している箇所もあったので、動物が隠れて移動するにはもってこいです。

街灯は車線の脇にしかないので、夜になると法面側は非常に暗くなります。夜間に法面を動物が移動していてもほとんど気づかないでしょう。

対策としては、草刈りを入念に行うことが挙げられます。また、野生動物が法面を伝って市街地へ入ってくる可能性があるので、生ゴミなど誘引に繋がるものを放置しないなどの人間側の対策を強化する必要があります。

 

河川敷には大雨による増水の痕が

昨年クマの目撃があった河川敷も調査しました。村上市では昨年水害があり、浸水の深さは最大で成人男性の背丈に迫るほどだったそうです。川岸には流されてきたであろう枯れ枝が大量に残されていました。

川から離れた場所に水溜まりが数か所できていて、小さな魚が取り残されていました。今でも短期間のうちに水かさが増減しているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川岸に残された大量の枯れ枝

 

驚いたことにオニグルミの実が無数に落ちていて、そのほぼ全てがネズミに食べられたあとでした。実の両脇に穴を開けて中身を食べるのはネズミの特徴です。ネズミを含めたげっ歯類は頑丈な歯を持っているので、硬いクルミをかじって器用に中身を食べます。

これほど大量のクルミが落ちているのは初めて見ました。川が増水した後で一斉に実が落下したのでしょうか。村上市の水害は昨年8月、オニグルミの実が熟すのは10月頃なので、だいぶ時間が経っており確かなことはわかりませんが、これをクマが知ったなら、クルミを食べに来ていてもおかしくはないほどでした(今回クマが食べた痕は見つかりませんでした)。

 

 

 

 

ネズミに食べられた大量のクルミ

 

 

 

 

 

 

クマの足跡は見つかりませんでしたが、中型哺乳類やサギなどの鳥類のものと思われる足跡が散見されました。様々な生物がいるということは食料の生産性があるのだと考えられます。

 

迫る春の足音

枯れ枝ばかりの川岸ですが、その片隅でフキノトウを見つけました。春がやってきたのを感じて嬉しくなりました。これからクマを含め様々な生き物たちが活発に動き出すでしょう。

 

 

 

 

 

フキノトウ

 

 

 

 

 

熊森協会は今年も被害対策をどんどん実践して、より良い成果を上げられるように、ボランティアの方々や地元の方々と共に頑張っていきます!

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