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なんと兵庫県姫路市にクマ、くまもり本部が急行

4月から5月にかけて姫路市北西部を中心にクマの目撃が相次いでいましたが、5月3日朝の神戸新聞デジタルによると、ついに捕獲罠がかけられたということです。

どういう状況なのだろう。熊森本部は、急遽、姫路市の現場まで駆けつけました。

地元の方たちに、どこにクマが出たのかきくと、みなさん丁寧に教えてくださいました。

写真1:4月28日~5月1日にクマの目撃があった現場(赤枠内)

写真2:クマの目撃があった場所は、姫路市により立ち入り禁止となっていた

 

現場は、竹林や2,3mの常緑樹が生い茂る山のすそ野で、スーパーや宅地が隣接していました。近くには絶えず車が流れる国道もあります。

くまもりとしては、一番に避けたいのが人身事故であり、立ち入り禁止措置がとられていることにとりあえず、ほっとしました。

 

 

○地元の人達に聞き取りをしてみました。

・ここ3日間ぐらい、夜10時30分~11時くらいになったら、1mぐらいのクマらしきものが現れる。

・クマらしきものが現れるとき、竹林の中で竹を踏んで割れる音が聞こえる。

・この辺は子供もたくさんいるので、不安。

・現場には、大きなべたっとした糞が落ちている。

・このあたりの山では、シカはよく見かける。サルも時折出てくる。クマが出てくることは滅多にない。でも昨年秋から何度かこの近くでもクマの目撃があって、今はこの山にもクマが住んでいるのだろうと思っている。

・住宅地やスーパーなど、人間の生活域が近い。クマが今後も出没するのは危険だと判断し、クマの捕獲罠設置を行政に申請した。

・現場に落ちていた大きな糞は、兵庫県森林動物研究センターが持って行って調べた。その結果クマの糞だったそうだ。

 

 

付近にクマの痕跡がないか見てみると、クマの糞らしきものが落ちていました。中には昆虫の残骸らしきものが入っていました。

クマの糞らしきもの。乾燥しているが、発見当初はもっと大きかったようである。

 

以下は、ここに設置されたクマ捕獲罠の写真で、クマ誘引物は米糠とのことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(この写真は、神戸新聞デジタルより)

 

この後、ひとりでウオーキングしている方に、「クマが出ているので、鈴など音の出るものを携帯してください」と伝えたり、外に生ごみを置いておられる方に、「生ごみはクマを引き寄せます。生ごみは屋内で管理してください」など、伝えて歩き回りました。みなさんに、「教えてくれてありがとう」と、喜んでもらえました。

 

(熊森から)

捕獲されたクマはどうなるのでしょうか。奥山に放獣すべきと熊森は思います。連休が明けたら県に電話してみます。

 

それにしても、「県内に生息するツキノワグマは、絶滅の恐れから長く保護されてきたが、個体数の増加を受け、県は昨年11月、20年ぶりに狩猟を解禁した。兵庫県森林動物研究センター職員は、(クマは)食べ物に困っているとは考えにくく、頭数の増加で出没範囲が広がったのだろう。」といっていると、県側のコメントを一方的に掲載している神戸新聞の報道姿勢には、苦笑してしまいます。

 

確かに、兵庫県はクマ捕殺を控えてきましたが、戦後人間が破壊した広大な生息地は一切復元してやっていません。保護の片手落ちです。狩猟を解禁したことを評価したり、頭数増加などと数からしかクマという生き物を見なかったり、食べ物に困っていないと一方的に決めつけたりする県の主張を、何の疑問も持たず県民に垂れ流す報道姿勢を、とても恐ろしく感じました。県の職員よりもずっと長い年月、兵庫県のクマを調べてきた熊森協会に、どうしてコメントを求めて来ないのか、私たちにはその報道姿勢が理解できません。

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