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青梅猟友会会員による親子グマ駆除問題  熊森が刑事告発受理の申し入れを取り下げて終わる

熊森本部は、東京都青梅猟友会に所属する会員が、2016年11月に親子グマ3頭を駆除したにもかかわらず、駆除数を1頭分しか青梅市に届け出ていないことを、同猟友会の内部告発により知りました。

熊森本部はさっそく証拠物件を確認し、「鳥獣保護管理法」等違反でこの猟友会員を刑事告発する準備を進めました。(2018年2月会報くまもり通信94号参照)

 

しかし、青梅市は熊森の動きを察知したのか、熊森が予定していた刑事告発記者会見直前に、当該猟友会員に再度聞き取ったところ、捕殺グマは実は3頭だったことを明らかにしたと、熊森の先を越して全マスコミに文書で通達してしまいました。青梅市が、この猟友会員を擁護しようとしたのだと思われます。

 

熊森の刑事告発の申し入れを受け、青梅警察署は捜査を開始してくださいました。そして、3月14日、熊森本部と熊森東京都支部は、現場の山中で、青梅警察署担当職員から捜査結果の説明を受けました。

青梅警察署員の説明後、再度現場検証する熊森本部と熊森東京都支部員ら(2018年3月14日)

 

事件があった場所は集落から400メートルも離れており、クマが居ても何の問題もない場所です。前述の猟友会員が、猟犬やハンターに追われてこんな山の中まで逃げ込んでいた親子グマを撃ち殺したことに、まず、私たちは深い憤りを感じました。

また、山中に逃げ込んでいる親子グマの母グマを捕殺することを認めた当時の青梅市にも問題があります。残された子グマは母グマなしには生き残れないことぐらい、誰でもわかることです。

 

この猟友会員は、「現場は当時、サワフタギ等の藪に覆われており、木から降りて藪に隠れた母グマが向かってきた。我身を守るため散弾銃を撃ったら、子グマ2頭にも当たってしまった」と警察に供述したそうです。

 

その後、熊森が、情報公開制度を使って青梅市の森林整備記録を取り寄せたところ、事件現場は当時、下草や低木が刈られた後で、その後は現在に至るまで、森林整備は行われていないことがわかりました。

 

ならば、当時、藪に覆われて母グマや子グマが見えなかったという供述は、客観的事実と矛盾します。当該猟友会員が警察に供述した内容に、真実でない部分があったことを熊森は確認しました。

 

しかし、撃つ必要のない親子グマを撃ったのではないかという疑問は残るものの、目撃者がいません。撃たれたクマは1頭ではなく3頭だったという以上の真相究明は難しいと結論し、熊森は2018年8月 16日、青梅警察署に刑事告発受理の申し入れの取り下げを通知して、この件に終止符を打ちました。

 

このような結果に終わりましたが、今回の刑事告発の申し入れは、猟友会や野生動物捕獲業者による違法行為を抑止することにつながると思われ、それなりの意味はあったと熊森は考えています。

 

弁護士の先生方をはじめ、いろいろな方にお世話になりました。みなさん、ありがとうございました。

 

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