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国民は、リニア中央新幹線と南アルプスの森と動植物の生存、どっちを取るのか 第15回口頭弁論

熊森は、毎回上京して、ストップ・リニア訴訟の口頭弁論を傍聴し続けています。

 

<7月19日第15回口頭弁論>

 

(1)原告適格についての陳述(関島弁護士)

ストップ・リニア訴訟では、800名ほどが原告として登録しているが、行政訴訟で、原告として認められるためには、リニア建設によって直接的な不利益を被ること示す必要がある。

 

しかし、被告である国交省とと参考人であるJR東海は、詳細の工事計画(ルートや建造物、残土置き場の地図)を提出しないため、いまだ原告適格を定めることができない。リニアがどこを走るのか、2500分の1の縮尺の地図を次回、提出するよう求める。

 

(2)環境影響評価アセスメントについての陳述(横山弁護士)

いまだにJR東海が、どこにどのような建造物を造るのか、残土はどこにどう置くのか、確定できていないものが多々ある。国は一体JR東海が行ったリニア環境アセスのどこを見て妥当と認可したのか。

 

東京地裁前第15回集会

 

(3)口頭弁論後、衆議院第2議員会館でシンポジウム

 

県民の水源である南アルプスを守るため、JR東海との議論を重ねている静岡県から

リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク共同代表の林克氏

南アルプスとリニアを考える市民ネットワーク共同代表の松谷清氏が報告

 

静岡県は、JR東海の無謀で不誠実な計画に対抗し、2014年より中央新幹線環境保全連絡会議を設置。

難波静岡県副知事が国土交通省出身ということもあり、JR東海が行っている環境影響評価の問題点を指摘し、徹底した評価と対策を求めている。

大井川の流量減少問題で、静岡県と流域の8市2町11の利水団体が2018年に「大井川利水関係協議会」を発足させ、川勝平太静岡県知事に大井川の流量確保と水質保全対策の徹底をJR東海に働きかけるよう要望書を提出。

これが、静岡県がリニア問題に力を入れるきっかけになった。

 

ストップ・リニア訴訟の橋本事務局長のことば

リニア工事により各地で水枯れが起きている。JR東海は、南アルプスに生息する希少生物は“移植する”から大丈夫といっている。

リニア問題は、南アルプスを守ることを目的として活動を進めていくことが重要である。

 

シンポジウム会場

 

熊森から

 

南アルプスは、太平洋側で唯一まとまって残された最後の原生林であるため、クマをはじめ多種多様な生物たちが生息しており、わたしたち人類の生存と全産業を支える水源の森です。

 

リニア大深度トンネル工事による谷川の水涸れ状況の報告を聞いて、私たちは子供たちに南アルプスとリニアのどちらを残すのか、もう決断しなければならない時だと思いました。

 

日本熊森協会としては、南アルプスの貴重な野生動物であるクマが、森の乾燥化によって南アルプスで生きられなくなった場合、JR東海はどこに移住させてくれるのか、公開質問状を出して、言質をしっかりととっておきたいと思います。

日本に、野生動植物を移住させられる生物空白地帯など、どこにもないのは明らかですが。

 

今回のシンポジウムに韓国からの留学生が出席。リニア問題のドキュメンタリーを制作するとのこと。「私は日本の自然が大好きです。それがリニアによって失われるのがとても悲しい。」と言っていました。

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