くまもりNews
10/19 中山間地に住む支部長から・・・熊森高知が出しているメルマガです
日本熊森協会 高知県支部メールマガジン
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2012年10月19日(金)発行
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こんにちは。熊森高知です。
日本熊森協会 http://kumamori.org/ の高知県支部です。
高知県支部の所在地、すなわち支部長をやっている私が住んでいるのは、
長岡郡本山町といいまして、いわゆる中山間地域というやつです。
棚田が連なる、まぁ大多数の人が思い浮かべるような、
典型的な山の農村という感じのところです。
で、そんな農村にはこの季節になると、イノシシがよく出てきます。
収穫期を迎えた米を食べにやってくるんですね。
我ら農民側も、手をこまねいているだけではなく、
罠をかけたり、電気柵を張ったりと、いろいろやるんですが、
あまり被害は防げないというのが実情です。
さて、では昔(数十年前)からこんなにイノシシの被害が
すごかったのかというと、どうもそうでもないんですね。
イノシシやらサルやらシカが畑を荒らすというのは、
あるにはあったけれども、今ほどじゃなかった、
と、このへんの爺様たちは申しております。
じゃあ、なんで最近(といっても数十年単位の最近)になって
動物の被害が出てくるようになったかというと、
毎度のことながら、植林が原因だと思います。
イノシシやサルやシカやクマ(このへんにはいないけど)は、
何を食べているかというと、木の実や昆虫や、ミミズやカエル、
ひとくくりにして言えば「森の恵み」ってやつです。
ほったらかしにした、人間の手が入らない森というのは、
こういう食材にあふれています。
ですから、そういう森に住む動物っていうのは、
わざわざ人間のテリトリー(農村など)には出てこない。
よく「畑の作物の味を覚えたから荒らすようになった」という
説明もなされますが、それだったら昔から動物が
里に出て来なくては辻褄が合いません。
植林されたスギやヒノキの林、それも手入れのされていない、
放置された人工林の中を歩いてみると、
地面まで光が届かず、下草も生えていません。
中には、雨で土が流れてしまって、岩がちに
なってしまっているところもあります。
そういうところでは、動物の食糧となるようなものもなく、
飢えたイノシシとかシカなどの動物は、
危険をおかして人里に出てくるわけです。
「動物が可哀想」という理由でも、「田畑を守りたい」と
いう理由でも、どちらでも結論は、植林を減らして、
動物のテリトリーを増やしてやるべきだと思います。
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【活動内容】
山の散策・薪づくり体験・田んぼレンタルなど、
山里でできる活動を行っています。
やってみたい方は、このメルマガに返信してください。
場所は高知道大豊ICから30分ほどのところです。
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発行者:日本熊森協会高知県支部
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