くまもりNews
イエローストーンで環境教育に携わっている専門家が、熊森本部を来訪
昨年、NHKのEテレで放映された、熊森群馬県支部が登場する番組を見られた、イエローストン在住アメリカ人研究者が、4月18日、熊森本部を訪ねて来られ、大変有意義な意見交換の場が持てました。
母子グマの写真撮影など、アメリカでのクマの生息推定数の出し方が、とても興味深かったです。アメリカでは、クマに負担を与える調査法は良くないとして、クマに触れない方法で、クマの糞などからDNAを大々的に割り出して生息推定数を出したりしているということでした。(糞の中には、腸の細胞がたくさん含まれている)。発信器を付けるのも、クマに負担を与えるので、できるだけしないということでした。
もしそうなら、日本人の研究者たちが、クマを捕獲し、クマに時には死ぬような耐えがたい負担を与えて、生息推定数を出したり研究したりしている現状は、国際的にも、研究者の倫理観を喪失したもので、もっと強く批判されねばならないだろうと感じました。
四国の半分の面積のイエローストーン国立公園ですが、一時は8000万頭のバイソンを25頭にまで殺し尽くした間違った歴史を持っているそうです。大反省の上に立って、国を挙げて、自然保護策に転換した結果、今ほど動物たちが増えてよみがえった時代はないということで、ヒグマに関しては、600頭ぐらいいると思うと、喜ばれていました。(150年前に戻せた)。ツキノワグマ(アメリカクロクマ)は、あまりに多いので、何頭いるのか数えてみようと思う人はいない。
クマの平均寿命は、イエローストンでは、6か月だそうです。クマが繁殖力の弱い生き物であると言われる所以がわかります。
以前、アメリカでは、クマなど野生動物は殺す対象だったそうですが、今はすっかり国民の価値観が変わって、共存する対象になっているということです。ヒグマもツキノワグマ(アメリカクロクマ)も、民家のすぐ近くまできても許されるようになり、今ではともに暮らしているそうです。
今後ともいろいろと情報交換していきたいと思いました。
最後に、「アメリカのニューヨークタイムズやワシントンポストなどのマスコミから得られる情報を見ている限りでは、日本人は、福島原発大事故から何も学ばなかったことがわかる。世の中が変わるチャンスだったのにと、アメリカ人としてはがっかりだ。放射能汚染水は今も毎日出っ放しで、一体どうなっているのか。民主主義国家なのだから、国民が責任だ」と、はっきり言って帰られました。