くまもりNews
三重県支部 池ノ谷トラスト地調査第2弾 山の昆虫が激減という異常 池は満水
- 2013-06-22 (土)
- _現地訪問・調査 | くまもりNEWS | 三重県 | 公益財団法人奥山保全トラスト
6月7日、研究者と共に、池ノ谷の崩落現場を再度調査に行きました。参
加者7名。
1か月前とは打って変わって、池は水をたっぷりとたたえていました。
1昨年の大雨で上流から崩れた土砂が流れてきて、池にせりだして
いました。ちょうど、ウツギの白い花が満開で芳香を放っていましたが、
ハチが2匹いただけです。この少なさは異常です。
多くの生物種が消え、生命の息吹が感じられない山は、不気味でさ
えありました。
動物種の8割を占めるといわれる昆虫がいなくなると、生態系は支え
られません。そうなる日々が近づいているそうです。
池にせり出した木々の枝には、モリアオガエルの泡のボールが、80
個ぐらい付いていました。
これだけでも、かなりのオタマジャクシが誕生することでしょう。
オタマジャクシなどを食べに来たのでしょう。たくさんのイモリが山から出
てきて、池の中を、所狭しと泳いでいました。
研究者の先生によると、崩れてきた礫(れき)の河原は、中部地方では
よくみられる光景なのだそうです。そしてそこには、そういう場所に適した
植物が生えるようになるそうです。しかし、紀伊半島では、これまで自然
の森に守られて、このような崩れが起きなかったためか、礫(れき)の河
原に生える植物が見当たらないということでした。
山の上の方に登っていくと、礫が動いていない所も多くありました。
とにかく雨の多い地域なので、自然の森が再生されて安定状態になる
まで、100年ほどかけて見守るしかないということになりました。
調査に参加してくださったおひとりが、熊森に入会したいと言ってくださ
いました。仲間が増えていくのはうれしいものですね。(三重県支部発)