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絵に描いた餅のまま終わらせてはならない 「鳥獣被害防止特措法18条」生息地整備

鳥獣被害防止特措法

(生息環境の整備及び保全)

第十八条  国及び地方公共団体は、人と鳥獣の共存に配慮し、鳥獣の良好な生息環境の整備及び保全に資するため、地域の特性に応じ、間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置を講ずるものとする。

 

鳥獣被害防止特措法は、2007年に成立しました。熊森はこの年、何度も国会に通って国会議員の皆さんに訴え続け、この法律の制定にあたって2つの主張を入れてもらいました。

 

①最初の案では、この法律の名前は、「有害鳥獣特措法」でした。熊森は、有害鳥獣などこの国にいない。どの鳥獣も豊かな自然を作ってくれる大切な鳥獣ばかりである。鳥獣を有害にしたのは人間である。有害鳥獣などという言葉が独り歩きする国にしないために、法律名を「鳥獣被害防止特措法」としてほしい。

 

②戦後人間が野生鳥獣のあまりにも広大な奥山生息地を破壊したため、野生鳥獣が生きていけなくなっている。多額の予算が法律に付くのであれば鳥獣の良好な生息環境の整備及び保全のため、地域の特性に応じ、間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置にも、予算を使ってほしい。

 

 

間伐の推進、広葉樹林の育成その他の必要な措置がどのようになされているのか各省庁に尋ねてみました。

 

●農水省・・・地元からの第18条関連の予算請求がないため、予算をつけたことはありません。

 

●環境省・・間伐の推進、広葉樹林の育成は、環境省の仕事ではありません。林野庁がやってくれていると思います。

 

●林野庁・・・林野庁ではそのような事業を行ったことはありません。


<熊森から>

まさに、熊森は当時、全組織を上げて精根尽き果てるほどの激しいロビー活動を続け、やっと獲得した2点です。

あれから6年、鳥獣被害防止特措法には年間約95億円の予算がついていますが、第18条関連の予算は毎年ゼロです。これでは、何のための18条かわかりません。

自然保護団体が本当に苦労して法文に入れてもらった大切な1行です。このまま絵に描いた餅に終わらせてはならない。都道府県や市町村行政、そして地元に、予算請求していただくよう、運動していかなければならないと思いました。

 

 

 

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