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クマの捕殺緩和ありきは問題 「岐阜県ツキノワグマ保護管理計画第2期案」パブリックコメント募集中③

<山にクマが何頭いたっていいではないか 熊森の提言>

2月8日、岐阜県支部の定例会で、長年岐阜県で哺乳動物を調査してこられた講師を招き、岐阜県のクマについての勉強会が持たれました。

その席上、講師の先生が、岐阜でもクマを初め多くの動物たちが、里の食べ物の味をしめたのか、奥山を捨てて里に下りてきていると問題提示されました。

 

だからといって、里に出てきた野生動物を殺すことばかり考えるのではなく、もう一度野生動物たちが奥山に帰れるように、人間が奥山から撤退し、野生動物たちが奥山で餌を取れるような自然林を復元・再生し、大型野生動物と●人との棲み分けを復活させる方向へ持って行くべきだと熊森は提言します。

 

その結果、奥山に、クマが何頭いたっていいではありませんか。増えたり減ったりするでしょうが、それが自然です。各生物間のバランスを自然界の力によって取りもどせるようにもどしていけば、人間は労力もお金も節約できます。

 

ちなみに、講師の先生に、最近岐阜県のクマが増えていると思われるかお尋ねしたところ、「増えも減りもしていないように思う。それより、20年前には岐阜県のどこにでもいたウサギやイタチなどの小動物がさっぱり見かけられなくなってしまったのはどういうことか」と、心配されていました。

 

(その他、岐阜県ツキノワグマ保護管理計画第2期案から)

●人身被害・・・平成19年度以降はほとんどない。

ただし、放獣作業中の作業員の事故が3件発生したため、今後は放獣を十分な安全確保がない限り推奨しない。

 

→ <熊森から>奥山放獣は、今後も必要。事故が起きないように、作業に従事する職員の研修を深めてもらい、今後も積極的に実行していただきたい。

 

今後、イノシシやシカの罠狩猟者が増えて、ツキノワグマの錯誤捕獲が増加する可能性あり。

 

→ <熊森から>箱罠は、上部を開けてクマスルー檻に改良することを義務付ける。くくり罠に誤捕獲された動物は放すことが難しいので、くくり罠は今後、使用禁止にすること。

 

 

●有害捕獲・・・市町村の判断で実施。

 

→ <熊森から>市町村に任せると、結果的に猟友会に任せたことになることが多いので、県の判断とすること。

 

●有害捕獲されたクマの年齢構成は0~19歳と幅広く、個体群維持について、緊急の危険性は認められない。

 

→ <熊森から> 各1頭という少ない例では、とてもこのような判断は出せない。

 

(全体的な結論として)

 捕殺上限の撤廃など、全体として狩猟・有害駆除の捕殺緩和案になっているが、岐阜では人身事故、農林業被害とも、平成19年以降、大きな問題は起きていないのであるから、捕殺緩和を行うべきではない。

私たちの税金は、動物補殺ではなく、生息地の復元・再生と被害防除に使ってもらい、どの動物の命も大切にしていただきたい。

この大地は人間だけのものではなく、全生物のものである。彼らには、人間に影響されずに生きる権利がある。

 

自然界のことはお互い人間にはわからないことだらけなので、今後も偏りなく、いろいろな団体や個人と情報交換する場を持っていただきたい。

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