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国民が黙っているのは、実態を何も知らず、知ろうともしないから リニア中央新幹線第1回関西勉強会

 

8月8日(金)兵庫県芦屋市民会館で、西日本初の「リニア中央新幹線第1回関西勉強会」が、もたれました。

リニアHP

活発な質疑応答・意見交換

近づく台風の雨の中、岡山県や、愛知県からも参加者がありました。

講師は、全国自然保護連合会長の川村晃生先生です。

<いいところはただ一つ>

川村先生は、「リニア新幹線は一つもいいところはない。ただ一つあるとすれば、それは、(地下深くをジェット機にも近い時速500キロという速さで走る)速さです。しかし、わたしはすでに、速いということは悪いことだと考えております。なぜこのようなスピードが悪いのかという問題を考えない限り、リニアの問題は解決しないと思っています」と述べられ、その理由は、『危ないリニア新幹線』 リニア・市民ネット編著(緑風出版)を読んでいただければわかりますとご著書を紹介されました。(この本は、各方面の専門家たちが、それぞれの専門分野からリニアの危うさをしっかりとまとめており、熊森からもおすすめ本です)

危ないリニア新幹線

<問題点はいっぱい>

①リニアの乗客として東海道新幹線からの乗り換え客を想定しており、JR東海としては巨額の工事費がペイできないこと

②大量の使用電力をまかなうためには、原発の利用が前提となること

③糸魚川静岡構造線と中央構造線に挟まれた非常に地盤の悪い場所に長いトンネルを計画しており、危険なこと

④各地で水脈が分断され、別の所から水が噴き出して3面張リの水路で流されるため、野生動物たちが水を利用できなくなること

⑤環境アセスメントがあまりにも短期間でなされ、現地調査をしていないこと

⑥乗客や路線周辺の住民が強力な電磁波にさらされること

などなど。

アンケートによると、参加者のほとんどが、リニアに、こんなにも大変な問題が多く含まれていたとは知らなかったということです。(国策なのに、メディアが報じないため、西日本の国民は、知らぬが仏にされている)

最後に、くまもりの森山会長が、リニアは、祖先からもらった自然豊かな国土という体のわき腹に、深くて長い穴をあける国土弱体化工事。あちこちで血管が寸断されて血が噴き出すと、その度に、人工血管を作って、排出する。自分の体を自分がぐちゃぐちゃにしていくもの。国家破滅への道。公共事業としていったん工事が始まれば、もう誰も止められない。今、声を上げておかないと、他生物や子孫に、謝っても謝りきれないと、感想を述べました。

長野県大鹿村の友人を訪ねたことがあるというある参加者から「、現地は過疎化高齢化が進んでおり、反対の声を上げても、JR東海、メディア、国にはとても届かない。大都市でリニアの問題点に気づいた人たちが見直しの大声を上げるしかない。各地の都市で、このような勉強会を持っていくべきだ」という発言がありました。その通りであり、くまもりも、カギを握っているのは都市市民だと思います。今やリニアは国策ですから、全国民が声を上げる権利があります。

今秋から工事の着工が予定されているため、川村先生は、もうこうなったら政治家に動いてもらうしかないと言われていました。国会議員に片っ端からあたっていくしかないと思います。人間がこんな無茶苦茶な工事を強行したら、神様が怒りだして、富士山が爆発したりしだすのではないかと心配する人もいました。

くまもりは、自然保護団体として、また、この国の国土を心から愛する者として、世界遺産登録をめざしている自然豊かな南アルプス(赤石山脈)に、リニアのトンネルを貫通させることだけは避けるべきであると思います。目先の経済よりも、命を支えてくれる自然を残しましょう。

西日本で、リニア問題の勉強会をセットしていただける団体や個人があれば、ぜひ、ご連絡ください。

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