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11月7日 豊能町誤捕獲グマ保護飼育用民間獣舎の設計

獣舎建設のためにまず必要なのは、設計図です。11月4日、さっそく、設計士さんに、お手本にしていただきたい和歌山県の太郎と花子の獣舎を見て頂きました。この獣舎は、わたしたちが師と仰ぐ故東山省三先生が、ここで生涯暮らすことになるクマたちの立場に立って、まごころから設計されたクマ福祉型獣舎です。

基本的には、同じようなものを造りたいと考えています。内側鉄格子の間隔は12センチです。1.5m離れたところに外檻があり、二重檻になっています。人は内側鉄格子にふれることはできません。

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 広々として開放感のある太郎と花子の二重檻獣舎

 

11月7日、大阪府庁動物愛護畜産課の担当者たちと第1回の設計図すり合わせ会が行われました。

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 設計図すり合わせ会 於:大阪府咲洲庁舎21階

 

大阪府のクマ飼育用獣舎の規定は厳しくて、鉄格子の直径は2センチ、内側鉄格子の間隔は5センチなのだそうです。

注1、この規定は頭で考えられたものであり、実際には大阪府にこのような規定で建てられたクマ獣舎は、まだない。

注2、クマ飼育用獣舎の規定は、都道府県が独自に決めることになっている。

 

内側鉄格子の間隔が5センチだと、中に入るクマから見ると檻の圧迫感が強いため、せめてクマが接することのない天井だけでも、和歌山並みに12センチ間隔にしていただきたいと、前回、大阪府側にお願いしておきました。熊森としては、内側鉄格子は12センチ間隔にしていただきたく、むしろ外側鉄格子の間隔の方は5センチでもいいと思います。検討してみますということだったので期待して行ったのですが、この日、檻の高さが4メートル以下の場合は、鉄格子の間隔は天井でも5センチを越えてはいけないと申し渡されてしまいました。

 

熊森側としては、なぜ内側鉄格子間隔が5センチなのかと食い下がったのですが、5センチ間隔でもクマは見えると担当者に言われました。獣舎設計をするとき、人間側からだけみるのではなく、動物側からもみてやるべきと主張しましたが、受け入れられませんでした。

 

他にも規定がいろいろと言い渡されました。この獣舎に入れられるクマから見ると、ストレスが高まるものばかりです。せっかく、少しでもクマのストレスを軽減できるように、和歌山並み獣舎にしてやろうと思ったのに・・・ため息が出そうになりました。和歌山で25年間、12センチ間隔でクマを飼育してきて、何も問題は起きていないのに、なぜ大阪府では5センチ間隔にしなければならないのか、納得がいきません。12センチ間隔で大丈夫というのは、長年の飼育実績から実証されたデータです。

 

この日、ずっと話し合いを続けましたが、どうしてここまで行政のみなさんとわたしたちは話が合わないのだろうかと悩みました。結局、わたしたちは、生涯閉じ込められることになる哀れな動物側への配慮を第一に獣舎設計はなされねばならないと考えており、行政側は、人間側から設計すればいいと考えています。立ち位置が違うため、いくら話し合っても合わないことがわかりました。わたしたちは、たまに訪れる人間側からみるのではなく、生涯閉じ込められることになる弱者である動物側からこそみて、獣舎は設計されねばならないと、今も思っています。

 

この日、大阪府は獣舎設計に対して、熊森側の希望をひとつも受け入れようとしませんでした。従わなければ、大阪府からの飼育許可はおりません。何から何まで、一方的にお上に従わせようとしているのがよくわかりました。

 

今後も、第2回第3回と、設計図すり合わせ会が持たれる予定です。行政側がわたしたちの設計要望を一切認めないというのは、誤捕獲グマを、わたしたち民間が殺処分を避け、大変な思いをして保護飼育しようとしていることに対して、何の感謝もないからかなと思いました。

 

 

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