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クマたちが殺処分された理由のほとんどは、「集落の柿の実を食べに来たから」 ああ

今年、兵庫県の山の実りは良くありませんが、2004年2006年2010年のように、ゼロではありません。

しかし、熊森本部がある兵庫県で、29頭ものクマが殺処分されていました。

10月時点で、もうあまりクマの目撃がないと聞いて安心してしまっていたのが、本部としては失敗でした。

何と11月に、12頭も殺処分されていたのです。知らなかった。こんなことになっているという情報があれば、柿の実を取って山に持って行くなど、殺処分されるクマを減らせる活動ができたのに、残念です。

もっともっと多くの集落とつながっていかねばならないと思いました。

 

以前は、クマが捕殺される度に、大きな新聞記事になっていました。私たちはそのたびに気づいて胸を傷め、ついに熊森協会を立ち上げるまでになっていったのです。しかし、最近は、1年中、全くクマの捕殺記事が載らなくなりました。

 

環境省が進めている、「みんなでシカ肉を食べよう」とか、「ハンターになろう」という記事は、参加者12人という小さなイベントでも、何度も何度も写真入りの大きな新聞記事になります。その一方、クマたちがこんなに殺されているのに、全く新聞に載らなくなったのはなぜでしょうか。どこかに載せるなと止められているのでしょうか。

新聞社の責任者に、電話できいてみました。

 

新聞社責任者の答え:記事にするかしないかは、その内容が県民に役立つかどうかで決めます。クマが殺されたことを報道しても、県民に役立たないと考えるので、報道しないことにしています。

 

熊森の感想:なぜ、クマが集落のカキを食べに出て来るようになったのか、本来のクマの生息地だった山はどうなっているのか、地元の人達も含めて考えねばならない重大な問題なのに、この責任者の方は全然わかっておられないと思いました。しかも、強圧的で、熊森の話を聞く耳も全く持ち合せておられなかったので、残念ながら電話を切りました。

 

大量に殺されているクマ、シカ、サル、イノシシ・・・死刑判決の罪状は、みんな、かれらが何かを食べたことです。

殺処分されたクマはやせていなかったということですが、やせていなくても、動物ですから、おなかがすいたら何かを食べなければ生きていけません。もし自分が動物だったら、何かを食べたからという理由で撃ち殺されるのは、本当に悲しいです。

しかも、動物たちの生息地だった森を壊し、今もなお壊し続けているのは、わたしたち人間なのです。

 

もう一度昔のように人と動物の棲み分けを復活させるには、人間が壊した森を人間が責任を持って元に戻してやるべきです。ここをやらずに、動物たちを殺すだけは、まちがっています。兵庫県で、夜こっそり集落の柿の実をクマが食べに来るところはたくさんあります。もちろん殺せという声の大きい人もいますが、クマとは共存できるから殺さなくても良いという人が圧倒的多数だと思います。

 

今後どうやってこの国を、大型野生動物と共存する国に戻していくか、まだまだ熊森がやらねばならないことが山積みです。

 

 動物が棲める広葉樹の森=豊かな水源の森=大雨でも崩れにくい森

 

<会員のみなさんへ>

この1年、日本の森と動物を守るための尊いボランティア活動や熱いご支援、本当にありがとうございました。

来年も、がんばりましょう。どうぞよいお年を!

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