移送後のクマさんが心配で、これまでこのクマをお世話をしてきた
熊森のお世話隊のメンバーたちでお寺まで行ってきました。ちょう
ど、副住職さんがおられて、とても協力的で親切にして下さいまし
た。
獣舎内は、何もかもが散乱していて、容器はひっくり返され、水入
れは泥まみれです。クマがこの2日間、どんなに獣舎内を走り回った
かが目に見えるようでした。
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散乱状況
この日は、友だち連れの若者、カメラを持った男性など、マスコ
ミ報道でクマのことを知ったのか、20~30人ばかりが獣舎を訪れ
られたようです。
そのなかで、ひとり、とても熱心にこのクマを見ておられた男性
がいらっしゃいました。
お話を伺ってみると、なんと昨年の春、箕面市の山林でどうも、
このクマに遭遇されたようなのです。当時、警察に届けられたの
ですが、箕面市にクマなんているはずがないと、信じてもらえな
かったのだそうです。
山林でクマに出会った時、クマは鼻を上にあげてにおいをかぐよ
うな仕草をしたあと、男性に気づいてびっくりしたように藪の中
に逃げていったとのことでした。イノシシとちがう強い獣臭がし
たそうです。しっぽは見えず、後脚は内股。50kgくらいの大きさ
だったと言われます。
男性はこの1年というもの、熊森のHPを読んだりしながらクマの
安否をずっと気にかけてこられたそうです。
男性は実際にクマに会ったことで「怖いと思っていたクマのイ
メージが変わってしまいました」とおっしゃっていました。
自分に襲いかかってくるかもしれないと思ったクマが、クマの方
から逃げていったからでしょう。
大変興味深いお話でした。この男性は、「くま保護基金」の寄付
のチラシをお持ち帰りくださいました。
また、このクマに会いに来てくださるのではと思いました。
私たちは、いろいろな角度から、クマや獣舎を点検し、ひとまず、
安心。最後は、クマの好物である、ブドウ、タケノコ、ヌカなど
をあげて帰りました。
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