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なぜ里山放置説ばかりなのか 奥山のナラ枯れ実態を見よ

わが国では、クマが里に出てくると、いつもきまって、里山が放置されているからクマが(調子に乗って)出てきたというコメントがつけられて、報道される。

どうしてこうなるのか。ほんとうにおかしい。

悪いのは、クマと、里山を放置している地元の人たちという説明だが、本当だろうか。

しかし、里山が放置されたのは1960年代のエネルギー革命からだ。

クマたち奥山の生き物たちが山から出てきだしたのは、1990年代、平成になってからだ。

 

現在、クマたちが棲んでいた奥山がどうなっているか、国民のみなさんはご存じだろうか。

わたしたち熊森は、これまで、人が入れないような奥深い山に入って行って調査をし続けてきた。

しかし、今年、そんなことをしなくても、部屋にいながら全国各地の奥山荒廃状況を観察できることに気づいた。

GoogleEarthだ。

 

次の写真は、富山県の奥山の原生的な森で、最近までクマの宝庫だったところだ。

中新川郡

今年の春に行ってみると、クマの生息痕跡は完全に消えてしまっていた。

もはや、ここには1頭もいないと感じた。

冬籠り前のクマたちの食い込み食料となるミズナラが、全部枯れていたのだ。

秋のクマが頼りにして来たのは、たまにしか豊作にならないブナの実ではなく、豊凶の少ないミズナラのドングリだったのだ。

600haの山の中を1日歩いても、生きているミズナラの木が1本も見つからなかった。

帰ってきてから、GoogleEarthで訪れた山を拡大してみると、ミズナラの白骨死体が巨木の原生林の木々の間から、いっぱい浮かび上がってくる。

2007年に、山が真っ赤になっていたから、そのころ枯れたものだろう。

ちなみにそのあたりの山々を調べてみると、どこもかしこもミズナラの白骨死体だらけだ。

わざわざ現地までしんどい思いをして行かなくてもわかるではないか。

みなさん、GoogleEarthで、日本の奥山原生林をチェックしてみてください。

クマたちが、なぜ奥山から出てくるのか、はっきりわかりますよ。

 

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