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9月7日 本部森林生態学講座 「温暖化による昆虫の消滅が、クマを絶滅させる」(1日目座学) 

平日ではありましたが、兵庫県西宮市で「森林生態学講座」をもちました。

講師は、昆虫の研究者です。

参加者は、大学生からリタイア組まで計18名。

熊本県の法人会員さん3名も参加されました。みんな熱心にメモを取っておられました。

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2002年に、日本の森で、大異変が起きました。

2002年の冬の気温は、例年と比べてかなり高めで、京都市での月平均気温は1月5.7℃、2月6.1℃、3月10.3℃でした。

ちなみに前年度は、1月3.9℃、2月5.3℃、3月8.6℃でした。

2002年は雪も少なくて、2月の芦生原生林の積雪は10センチしかありませんでした。

 

この年、葉を食べる多くの昆虫が、森から消えました。絶滅したのです。原因は、植物の春の芽吹き時期と昆虫の産卵との時期のずれが起きたことです。

ふつう、卵からかえったいわゆる毛虫は、柔らかい葉しか食べられません。柔らかい葉にありつけなかった毛虫は生き残れません。

毛虫(=蝶や蛾の幼虫)がいなくなると、これらを餌としている、アシナガバチやスズメバチ、小鳥たちのヒナも生きられなくなりました。

沈黙の春です。

 

クマの春から夏にかけての食料は昆虫です。ツキノワグマの舌が異様に長いのは、蟻やハチを食べるためです。

以前はこの時期に拾ったクマの糞の中には、昆虫がいっぱい入っていましたが、最近はもうそのような糞を見かけなくなりました。

いかに山から昆虫が消えたかです。

最近、クマは、6月ごろから、もう食料を求めて、里に出てきます。

その背景にはこの時期の餌だった昆虫の大量絶滅があります。

 

1997年に、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3、京都会議 )で、地球温暖化を早く止めないと、2050年までに地球上の30%の昆虫が絶滅するという警告が発せられました。

 

人類が、急激な温暖化を何とかして食い止めねばならないということが、この日の結論でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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