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鬼怒川越水は人災で、太陽光発電業者の土手付近の掘削工事が原因と住民が指摘

欲に狂わない徳ある国民に 
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 (熊森から)今回の大雨で被災されたみなさんに、心からお見舞い申し上げます。熊森本部では、電話で会員の安否確認を行いましたが、茨城県常総市会員とはいまだに連絡が取れません。(9月13日現在)
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今回の大変な災害に対し、自然保護団体として私たち熊森は、日本列島は災害列島であることを再確認しました。しかし、その後、常総市住民たちから、太陽光発電業者による土手付近掘削工事が原因であるという指摘が出たことを知って、改めて越水個所を見てみると、まさしく太陽パネルの設置場所から越水しています。
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私たち自然保護団体がいくらがんばっても日本の自然が守れないのも同じ構図です。お金儲けを第一とする一部の人達が欲に狂い、行政と裏でつながって、責任ある大人の国民の常識では出来ないような無茶な事業を行うのです。まさに、もうかれらは狂っているので、周りが意見などしても聞く耳を持ちません。
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次に、今回の太陽光発電業者による土手付近掘削工事を危惧して以前から声を上げていた住民の方の証言をネットニュースで読みました。
行政担当者の住民の声を徹底的に無視した態度に、怒り心頭に達しました。
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私たちも熊森活動で、このような行政担当者に何度も出会ったことがあります。公務員は公僕であるということを教えられていない公務員がいるのではないかと疑ってしまいます。今回のような公務員には、きっちりと責任を取ってもらって、国民が公務員を育てていかなければならないと思いました。この様な人災がもう起きないように。
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もちろん、人間性を失っていないすばらしい公務員も、少しはおられます。このような方に出会った時は本当にうれしくなります。
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資料①朝日新聞

 北関東や東北を中心に降った記録的な豪雨により浸水被害を受けた茨城県常総市若宮戸地区で、民間の太陽光発電事業者が鬼怒川の土手付近の掘削工事をしたことが、水害の要因になったのではないかと住民らが指摘している。川があふれた現場は工事場所周辺とみられ、地元住民は昨年から、危険性を訴えていた。

この地区は、鬼怒川が決壊した三坂町地区の上流約5キロにあり、10日は決壊より前に越水被害を受けた。

常総市議会の昨年5月定例会の会議録によると、若宮戸地区の鬼怒川沿いには堤防のない区間が約1キロあり、自然の土手が堤防の役割を担ってきた。昨年3月、住民からの通報で、そのうち約150メートルにわたって高さが約2メートル削られていたことがわかった。この区間は民有地で、民間の太陽光発電事業者がソーラーパネルを設置するために掘削したという。

この地区で農業を営む小林康裕さん(66)は昨春、関東地方整備局の担当者に「何とかしないと危険だ」と電話で訴えた。地区の自治会や市議にも危険性を訴え、議会で取り上げられたという。小林さんは「不安が的中した。誰がどういう理由で、土手の掘削を認めたのか、明確にしてほしい」と憤る。

市側の指摘を受け、鬼怒川を管理する国土交通省下館河川事務所は、削られた部分に土囊(どのう)を積み上げた。その後、堤防を早急に設置するため、測量や設計を実施するなど、対策を本格化させたところだった。(千葉卓朗、牛尾梓)

資料②日刊スポーツ9月12日

越水「人災だ」住民反対押し切りソーラーパネル設置

鬼怒川から大規模な水害が発生した茨城県常総市で11日、住民の逆井(さかさい)正夫さん(67)が「これは人災だ」と訴えた。同市若宮戸地区では、昨年3月ごろから大規模太陽光発電所(メガソーラー)が建設されたことがきっかけで自然堤防が削り取られた。豪雨による濁流はその場所から越水し、住宅地をのみ込んだとみられる。

近隣住民で最後までメガソーラーの建設に反対していたのは逆井さんだった。昨年3月ごろから常総市、国土交通省の担当者らに鬼怒川氾濫の恐れを訴えた。今回の水害では同市三坂地区の堤防が決壊し、若宮戸地区で越水が発生した。

建設場所は私有地だったが、「生命や財産を失う不安があった。それらを守る権利が国民にはある」と声を上げ続けた。しかし、同年5月には、同市石下庁舎の職員に「何かあれば自己責任で逃げてください」と切り捨てられた。「鼻つまみ者にされたんだ」。役所に味方にされず、逆井さんは地域で孤立していった。

高さ2~3メートルの自然堤防が約150メートルにわたって切り崩された。メガソーラー建設地に自宅が面している遠藤玲子さん(59)は「自然堤防と生い茂った木々のおかげで、2階からでも昔は鬼怒川は見えなかった」という。

逆井さんは「本当に悔しいよ」と憤る。13年11月に病気で亡くした妻幸子さん(享年60)の遺骨は今も自宅にあった。がれきにまみれた幸子さんの車いすを手に「女房を守るためにも堤防を削るなとずっと戦ってきたんだ」と涙が噴き出た。自宅には濁流が流れ込み、妻が大好きだったバラや家庭菜園も全て流された。

近隣住民の50代女性は建設業者に脅されたという。「危ないから山を崩さないでと言ったら『あんまり騒ぐと、ここに住めなくなるよ。いいんですか』とすごまれた」と振り返る。自宅が壊滅的被害を受けた20代女性は「住民一体となって市なり、国なり訴えたい」と怒りをあらわにした。

削られた自然堤防の代わりには土のうが積み上げられただけだった。逆井さんは「危惧していたことが実際に起こった。こうなってからじゃないと、みんな分からねえんだ」と悔やんでも悔やみきれなかった。【三須一紀】

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