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クマの食料供給調査2:夏の間にカキをほとんど食べてしまっていた (於:兵庫県豊岡市)

10月6日、熊森が13年前に植樹した「動物の棲める森復元植樹地」を訪れました。

去年、シバグリの枝がボキボキに折られて、クマがここのクリを大量に食べたことが確認できた場所です。

s-DSC05275東床尾

去年はあんなに実っていたドングリもクリも、今年は実りが少しです。

一部狂い咲きしたクリの花に大きなアリが来ていました。ここに植えたクリは、近年はやりのクリタマバチにやられない種の苗木なので、どれもクリタマバチにやられておらず、青々として元気でした。

何故か、今年はクマが来た形跡が全くありませんでした。

去年来ていたクマが有害駆除されてしまったのだろうかと心配になりました。

絶滅危惧種なのに、去年(2014年)、兵庫県では30頭ものクマが有害捕殺されています。

シカの糞はありましたが、ほんの少しだけでした。

 

次に、丹波グリが植えられたまま長年放置されている所にいきました。

s-DSC05296

シバグリと比べると丹波グリは本当に大きくて、数倍の大きさがあると感じました。これまで、シバグリを植樹してきましたが、これからは、丹波グリを植樹したほうが、動物の食料供給に良いのではないかと思いました。

 

少しだけですが、ここには熊棚が出来ていました。

s-IMGP1694正法寺

 

下には、クマが食べたクリの殻が少し落ちていました。

s-DSC05292

同行してくださった研究者が、このように殻が大きいまま実がなくなっているのがクマで、殻が小さくちぎれているのはシカで、イノシシは殻ごと食べてしまうので殻が残らないと教えてくださいました。みなさんの地方のクマ・シカ・イノシシも、、クリの実の食べ方が違いますか。

 

最後に山裾の柿の木を見に行きました。

もう実が少ししか残っていませんでした。地元の人達に聞くと、夏の間にクマが来て食べてしまったということでした。以前は実るまで来なかったのにと言われていました。

s-カキ園

10月初めなのに、もう、実が少ししか残っていない山すその柿

クマが青い柿をかじって地面に捨てた所がありました。

s-スズメバチ

柿の実にススメバチがたかっていました。

s-あり

大きなアリもいました。

生態系としてみんなつながっているのだと、改めて思いました。

 

民家の前に、まだ柿の実が残っているところがありました。

IMGP1882

住民の方に声をかけて話をしているうちに、クマが来ないように全部もいでおいた方がいいということになりました。みんなでもいで、山の中に運んでおきました。

s-IMGP1889

 

この地域は標高が低いからか、ブナやミズナラの木はありません。潜在植生はアベマキのようですが、今年は全くなっていません。クマたちは、これから冬籠りに向けて食い込みがますます必要です。一体何を食べて脂肪をつけるのでしょうか。わからないことでいっぱいです。

 

 

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