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クマ生息地では、早朝、夕方以降、死角となる曲がり角で音を出そう

残念ながら兵庫県で5年ぶりに、クマによる人身事故が2件発生してしまいました。

 

本部は現場に急行して、ご家族や近隣の方にお話をお伺いしたり、原因を探ったりしました。

どちらもご本人はケガをされて入院しておられ、お会いできませんでした。

心よりお見舞い申し上げます。

 

①10月17日午前6時ごろ(宍粟市)

 

事件は山裾の集落で起きました。

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事件があった集落の裏山

 

 

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事件があった死角となる四つ角

 

全く見通せない90度の曲がり角(写真左端)で、上の方からは新聞を取りに降りて来られた男性が、下の方からは、集落周辺の柿を食べて山へ帰ろうとと朝帰りを急いでいたクマが、ばったりと鉢合わせしました。

どちらも、心臓が飛び出すほどびっくりしたのだろうと予測されます。

 

男性は、静かに後ずさりされましたから、クマ対応としては正しかったと思います。しかし、悪いことに、後方の溝にはまってこけてしまいました。

新聞では、クマは男性の頭をかじって山へ飛んで逃げたということでしたが、近隣のみなさんの話では、クマは頭を齧ったのではなく、頭を前足ではたいて山へ逃げ帰ったのだそうです。人間から逃げたい一心でやったのでしょう。

 

事故現場から山までの間に、点々とクマの糞が落ちていました。

近所の方が、「クマさんの方も、人間に出会ってしまって、恐怖のあまり、便をちびりながら山に逃げ帰ったんでしょうね」と語られていました。

全く、双方に、不運な事故だったと思います。

 

この後、周辺に設置された捕獲罠に、2週間後にクマがかかり、殺処分されました。このクマだったかどうかはわかりません。

 

②11月7日早朝(養父市)

 

スキー場近くの山深い集落に住む男性が、スキー場の仕事場へ出勤するため、みんなが通らない近道となる裏道を早朝、歩いておられました。

またしても双方にとって全くの死角となる、四つ角です。

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事件があった死角となる四つ角

 

この四つ角で、奥から歩いてきたクマと、手前から奥に行こうとしていた男性が、ばったり鉢合わせしてしまいました。クマが男性に襲いかかってきたので、男性は持っていた工具でクマを殴り抵抗したところ、クマは山に逃げたそうです。現地では、直ちに、クマ捕獲罠が設置されました。もし、かかれば、殺処分です。

 

(熊森から)

人間と臆病者のクマが、こんな近くで共に暮らしている状況にまず問題があります。

昔、山にえさがあったころ、クマは山から出て来なかったと、地元のお年寄りはみなさん証言されています。本当は、動物も平地が暮らしやすいのです。せっかく山にとどまっていてくれたのに、その山の餌場とねぐらを壊したのは人間です。私たち県民の力で、もう一度、動物の棲める森を復元しませんか。いつまでたっても国はやってくれないし、できないようです。

 

森が復元するまでの間、山の実り凶作年の秋ですから、早朝、夕方以降は、どうか地元のみなさんは、クマに近づきすぎないように気を付けてください。見通しの悪い四つ角などでは、鈴など音のするものを持って、クマに人間が近づいていることを知らせてやってください。クマは基本的には大変な臆病者です。クマが人を早めに察知できたら、クマの方から離れます。

熊森は地元のみなさんに、このことを精一杯お伝えしたいです。

 

 

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